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AIが未来を予測したら絶望が見えた!今私たちがやるべき事とは

AIが未来を予測したら絶望が見えた!今私たちがやるべき事

AI(人工知能)が発展してきて、未来予測が可能となった、精度が上がった、という言説がところどころに、ときどき見られます。AI(人工知能)で未来予測ができるなんて、人々がこれまで描いてきた未来予想図が、予想から現実となりつつありますよね。これから待っている未来が、いいものであっても悪いものであっても、AI(人工知能)により、あらゆることを未来予測していく時代へと移行していくことでしょう。

AI(人工知能)の未来予測には様々なものがあり、人々に明るい未来を見せてくれるものもあれば、人々が絶望してしまうようなことまで予測してしまいます。明るい未来に対しては、ワクワクと期待しながら待っていればいいですが、AI(人工知能)が見せる絶望的な未来予測に対しては、事前に対策しておきたいものです。また、備えあれば憂いなしというだけあって、今のうちから準備しておけば、絶望的な未来を回避したりダメージを最小限に抑えたりすることができますよね。

そこで今回は、AI(人工知能)による未来予測したら見えた絶望的な未来に向けて、今私たちができることについて解説していきます。まずは、日本社会の持続可能性を高めることについてです。

私たちにできること①:日本を維持するために、地方に移り住むことができるように準備する

地方に移り住むイメージ

京都大学の広井良典らの研究チームがAI(人工知能)の未来予測を活用して、日本社会の人口や出生率、財政や社会保障、都市や地域、環境や資源などの持続可能性について分析しました。その結果として、日本は2050年の時点で、持続可能性という点においては非常に深刻な状況にあることが分かりました。その持続可能性を保てない原因や象徴的なこととして、財政、人口、コミュニティについての持続可能性が挙げられます。

なぜかというと、世の中ですでに指摘されているように、日本は膨大な借金を将来世代にツケに回していますよね。日本政府では1000兆円の借金をしており、これは国際的に突出していると言われ、日本の持続可能性に大きな影響を与えています。

また、貧困世代の急増により格差が広がり、加えて、子供や若者への支援が国際的にも非常に手薄です。そのため、若い世代の貧困や生活への不安が広がり、結果として出生率の低下や少子化へとつながると考えられます。このように、人口ピラミッドが崩れることにより、日本は将来的に持続できなくなるかもしれません。

さらに、ミシガン大学を中心とした世界価値観調査によると、日本では先進国の中でも「社会的孤立度」(家族などの集団を超えたつながりや交流がどのくらいあるかに関する度合い)がもっとも高くなっているが明らかとなっています。この孤独を表す指数が日本の持続可能性に大きな影響を与えています。
これらを解決するに当たって、未来のシナリオとして、都市集中型シナリオか地方分散型シナリオを取ることが求められています。それぞれどのようなものであるのか、見ていきましょう。

都市集中型シナリオは、人口の都市への一極集中を進行させること日本政府を持ち直させるものです。しかしその一方で、地方の衰退や出生率や健康寿命や幸福度の低下が進行すると考えられます。
対して、地方分散型シナリオは都市集中型シナリオとは逆で、地方へ人口を分散させ、出生率や格差を持ち直し、健康寿命や幸福感の増大するものです。一方で財政や環境問題の悪化の可能性があり、慎重に運用することが求められます。地方分散型シナリオは持続可能性という点で、相対的に優れています。

今後、どちらかのシナリオを選択せざるを得ない時期がきます。地方分散型シナリオを選ぶ場合は地域経済の活性化を促したり、公共交通機関の整備をしたり、文化や倫理の伝承などといった政策を取る必要があります。そして、これらこそが私たちが今やるべきことなのです。

選挙に行くもよし、自ら活動を起こすのもよし。地方分散型シナリオを達成するために、なにかアクションを起こすことこそが、日本社会の未来を変えることへとつながるのです。

続いて、そもそもAI(人工知能)の未来予測は正しい物なのか、ということについてです。

私たちにできること②:AI(人工知能)に未来は完璧に予想できないことを知っておく

未来は完璧に予想できないイメージ

現在、AI(人工知能)による未来予測は大きな可能性のひとつだといわれており、実際、生産設備の故障予知や小売店の来客・売上予測に用いられたりしています。背景として、人間には到底処理しきれない膨大な量のデータを扱えるという特徴があり、そのため期待も膨らんでいますよね。一方でAI(人工知能)の未来予測を万能視する風潮に待ったをかける指摘もあります。

ライス大学のジェネヴェラ・アレンは、アメリカ科学振興協会の席のメディア取材で、既存の機械学習は不正確であり、また、間違った分析結果を出す場合が多いと指摘しています。それは既存のAI(人工知能)には与えられたデータの範囲からパターンを割り出して未来予測をするからです。そのようなAIに依存することは科学全般の再現性を下げ、リソースの無駄づかいにつながる恐れがあると述べています。

結局のところ、AI(人工知能)の未来予測の正しさは要因(=データ)が物をいい、しかし、未来に影響を与える要因はほぼ無限大であり、AI(人工知能)が自律的に選択することは困難としかいえません。AI(人工知能)が未来予測を実現するためには人間側が要因を見抜かなければならないのです。加えて、偶然ではなく再現性のある未来予測でなければ、AI(人工知能)は未来予測をできたとはいえません。

また、AI(人工知能)に与えるデータが間違っていたり、恣意的(しいてき)なもの、すなわち汚染されたデータだったりしても、未来予測を正確にできません。例えば、人種差別的な思想を織り交ぜたでっち上げの犯罪データは汚染されているといえますよね。

汚染されたデータの更なる問題は、不正確な未来予測をするだけでなく、AI(人工知能)の未来予測結果から「汚染された未来」が生まれてしまうということです。例えば、犯罪捜査の現場で、全く罪のない人が監視対象になったり、逮捕されてしまったりするリスクがあります。そして金融ローンや教育、就職など、すでに汚染されたAI(人工知能)の未来予測が私たちの身近なところに関係し始めています。

では、私たちには何ができるのか。それは、AI(人工知能)の未来予測が今は完璧ではないということを認識することから始まります。そもそも、AI(人工知能)が見せてくる未来の世界は、いつでも正しいとは限らず、過度に諦観するのも、また、楽観するのもいいことではないといえるでしょう。

まとめイメージ

さて、今回はAI(人工知能)による未来予測したら見えた絶望的な未来に向けて、今私たちができることについて解説しました。今回問題として取り上げたことと、その対策は次のようになります。

  • 日本社会の持続可能性を高めるために、地方分散型の社会を作る準備をする。
  • そもそもAI(人工知能)の未来予測は不正確な点があるため、よい点も悪い点も信じすぎない。

AI(人工知能)で未来予測を!といわれていますが、まだまだ発展途上であり、オールマイティに活躍するものは存在しません。個々の分野で活躍するAI(人工知能)が登場しているのであり、それぞれの分野の中で未来予測ができるにすぎません。だからこそ、今のうちに準備をしておき、AI(人工知能)が成長して、いざ未来予測の精度が高まったときのために、備えておく必要があるでしょう。

未来予測に限らずAI(人工知能)は、人々によい影響を与えることもあれば、害をもたらすこともあります。テクノロジーをむやみに信じたりせず、また、振り回されることもなく、私たちの頭で考え、社会一般で問うていきながら、AI(人工知能)含めたテクノロジーと向き合っていく必要がありますよね。

参考文献

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