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AI(人工知能)×VRで変わる社会、驚きの最新の取組み事例

VRのイメージ

2016年、「VR元年」と呼ばれたこの年から「VR(仮想現実)」は急激に市場を拡大し、今やAI(人工知能)とともに注目すべきテクノロジーのひとつとなっていますよね。頭部にゴーグルのような「ヘッドマウントディスプレイ」を装着して、仮想空間を体験できるあれです。

今ではスマホや、「Play Station VR」など家庭用ゲーム機でも「VR」を楽しむことができますので、一度は試してみたという方も多いのではないでしょうか。

しかし今、このVRの技術にAI(人工知能)を掛け合わせることによって、これまでにない活用法を生み出しているというのです。AI(人工知能)とVRの融合は私たちの想像を凌駕する大きな可能性を秘めているのでしょう。

そこで今回はエンタテイメント性の高いものから、実用的なものまでAI(人工知能)とVRのコラボレーションが生み出す驚きの取り組み事例をお伝えします。

SF的世界観がついに現実に 仮想世界に飛び込もう 驚きのAI(人工知能)×VR技術

AIセバスちゃんのツイッターのんイメージ

バーチャルリアリティの空間に広がる架空の世界を主人公が冒険する。映画やコミックなどのSF作品ではよくある光景です。

1999年から2006年まで「ビッグコミックスピリッツ」で連載された漫画「20世紀少年」では、作品内に登場するアトラクションで、登場人物がゴーグルのような装置を頭に取り付け、仮想空間上に作られた少年時代の世界に入り込み謎を解き明かそうとするというシーンがありました。

このようにかつてSF作品で描かれていたようなテクノロジーが今まさに現実のものになろうとしているのです。

まずは、このようにユーザがVR技術を使って仮想世界に没入し、AI(人工知能)の技術によってその中の登場人物とバーチャルにコミュニケーションとることに成功した例をひとつご紹介しましょう。

2019年4月に幕張メッセで開催されたイベント「ニコニコ超会議2019」にて、だるま合同会社と株式会社NTTドコモが共同で出展した「【超ふれあいVR】セバスちゃん握手会で萌えろ!」です。

何とも衝撃的なタイトルのコンテンツですよね。「ドコモAIエージェントAPI」の非公式バーチャルキャラクター「AIセバスちゃん」と、仮想空間上で握手会を体験できるというこの企画。

ちなみにこのセバスちゃん、音声認識、自然言語処理、音声合成を活用した「ツンデレ音声合成デモ」によるツンデレバーチャルキャラクターで「しょうがないから手握ってあげる 」「名前呼ばれたくらいで調子に乗らないでよ」など強気の発言を繰り返しながらも恥じらいの表情を見せる究極のツンデレぶりでイベントでも人気を博しました。

AIセバスちゃん@ツンデレ音声合成VTuber

熟練の技術を仮想体験 AIが効果測定と課題発見 最新のバーチャル研修とは

講師のイメージ

冒頭でもご紹介したとおり、AI(人工知能)×VRの活用はエンタテイメントだけではありません。今後、ビジネスの現場において活用が見込まれるものの一つが、「VR研修」です。

OJT(オンジョブトレーニング)というと、実地で先輩社員と一緒に業務に携わりながら、技術やスキルの習得を目指す従来からの研修方法ですが、

この「VR研修」では、例えば会議室にいながらにして仮想空間上に構築した製造現場などで作業をを体験したり、実際の現場の状況を見聞きすることで研修を行うというもの。仮想空間であるがゆえ、場所を選ばず実施できるうえ、一度に大人数が受講できるという点が特長です。

これだけでも十分に革新的でしょう。でも、この「VR研修」がスゴイのはここから。

何と、AIが仮想空間での受講者の動作パターンを検出、分析することによって各個人の研修成果を評価したり、業務を行ううえでの課題や盲点を「見える化」したりすることで教育に役立てようというのです。

確かにこれなら効率的に成果を上げられる研修が実施できそうですよね。

3Dデータを活用 建築デザインもバーチャルに

建築イメージのイメージ

続いては、建築業界でAI(人工知能)×VR技術の融合を取り入れた事例です。

VRスタートアップ企業であるDVERSE(ディヴァース)では、建築デザインに関わる業務やコンクリートのひび割れなどインフラ点検の効率化を図るソリューションの実証実験を行っています。

同社が開発している3Dデータをもとに仮想空間が構築できる無料ツール「SYMMETRY alpha(シンメトリーアルファ)」を使用。このツール、PC上に保存した3Dモデルのファイルを読み込むだけで簡単にVRができてしまうという優れものです。

この「SYMMETRY alpha」とAI(人工知能)を用いて実現しようとしているのが、建築デザイン業務の支援で、仮想空間上に構築した建築物のデザインを確認しながら「天井を〇センチ高く」「玄関のライトを明るく」といったように音声で指示することによりデザインの修正や仕上がりの確認ができてしまいます。
ここでは3Dの空間認識に対してAI(人工知能)のディープラーニング(深層学習)を用いることで、VR内の物体を操作することを可能。また、音声での指示を可能にしているのも、AI(人工知能)による自然言語処理です。

まさにVRとAI(人工知能)の技術を結集させてできたソリューションといえるのではないでしょうか。

不動産業界にもAI(人工知能)×VRの波が!? 驚きの「VR内見」

部屋のイメージ

最後にご紹介するのは、私たちの暮らしにより密接したものといえるでしょう。それは、不動産物件の内見にAI(人工知能)とVRの技術を活用しようという事例です。

ナーブ株式会社が不動産業界向けに開発した「VR内見」はVRの技術により、オンラインで自宅に居ながらにして物件の内見ができてしまうという驚きのサービス。

部屋探しを一度でも経験したことのある方であれば、たくさんの物件を1件1件訪ねて回って確認するのは面倒だということがよくおわかりではないでしょうか。実際に部屋を見られないという不安はあるものの、これなら短い時間でより多くの物件を見ることができるので、社会人など忙しい人にとっては打ってつけのサービスでしょう。

しかも、顧客がVR内見をしているところを業者も管理画面から確認することができるため、VR上での接客も可能。ただ単純にオンライン上で物件が見られるだけではないというのがこの「VR内見」のスゴイところでもありますよね。

さらに

AI(人工知能)を活用することで、自然言語処理により顧客の「もっと広い部屋がいい」「日当たりが心配」などといったあいまいな表現の意見をもとにより最適な物件を導き出すことも可能になり、物件探しが大幅に効率化されます。

これは私たちユーザーにとっても、不動産業者にとってもうれしいでしょう。「不動産の内見は自宅で」が当たり前の時代がすぐそこまで来ているのかもしれません。

 

VRのイメージ

以上、AIとVRによる事例をお話ししましたが、AI(人工知能)にVRの技術を掛け合わせることで、私たちの仕事や暮らしが劇的に変わりそうな予感がしてきましたよね。

今回ご紹介したような実用性の高い用途がたくさん増えるにつれて、人々の暮らしが便利になっていく。それは、今後AI(人工知能)やVRが幅広く普及していくうえでも非常に価値のあることであるのは間違いありません。

それでも、AI(人工知能)に興味のあるみなさんであれば、AI(人工知能)には夢のある未来も追い求めたいものでしょう。

子供のころに憧れた「ゲームやマンガの世界の中に飛び込んで、大好きキャラクターと会話をする。」そんな夢のように思われていたことも、もはや実現は目前と言えるのかもしれません。

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