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AI(人工知能)による姿勢測定が面白い!3分でわかる代表事例5つ

姿勢のイメージ

姿勢測定にAI(人工知能)が活用できたら・・・すごく詳しく分析してくれて、絶対便利そうですよね。実はもう既に、さまざまな分野でAI(人工知能)を使った姿勢測定システムが活躍しているのです。

しかし「姿勢」と一言でいってもいろいろあります。立った時の姿勢や座った時の姿勢はもちろん、歩行姿勢や作業姿勢だって「姿勢」のうち。これらの姿勢は、改善しようと思ってもなかなか難しいもの。

自分の姿勢に自信がある方はめったにいないですよね。だって、自分で自分の姿勢、常に確認するなんて不可能ですから。鏡を見ている時は大丈夫でも、「歩き姿」は? 仕事をしている時の「作業姿勢」は? スポーツしている時の「姿勢」はどうでしょう? 格好悪かったらどうしよう、と不安になるものです。

ですが、AI(人工知能)を使った姿勢測定ならこんな不安を目に見える形で解決してくれます。さて、それはいったいどんな分野でどんなふうに測定してくれるのでしょうか。そして、どんなアドバイスをしてくれるのでしょうか。

それではそのAI(人工知能)による姿勢測定について具体的に事例をあげてお伝えしましょう。

姿勢測定とは

姿勢のイメージ

昔は「姿勢測定」というと、整体師などに施術をしながら診てもらうか、写真で確認するしかありませんでした。

しかし、今の姿勢測定はAI(人工知能)が大活躍。例えばモーションキャプチャシステムと組み合わせることで3次元の動きを取り込み、デジタル化して測定・分析します。

そのモーションキャプチャシステムを「姿勢測定」に利用する場合、現在、主に使われているのは次の2つ。

光学式

身体の各部に反射マーカーを付けて赤外線カメラ複数台で撮影・測定します。

他の方式に比べて最も高精度なのが特徴です。デメリットとしては、高価(約1000万円!)、太陽光下では反射光が強すぎて使いにくい、マーカー装着の手間など。

Kinect(キネクト)

もともとはゲームXboxの周辺機として発売。1万円台と安価であるのと、マーカレス(マーカーが不要)なので使いやすく、幅広い分野で活用されています。

位置や動き、顔、声を認識することが可能で、RGB-Dカメラ(Red・Green・Blue・Depth[深度]の頭文字)と呼ばれることも。

「通常のカメラ撮影」と「赤外線を利用した距離(奥行)測定」による計測で、精度は光学式システムと比較すると劣りますが、実用レベルの性能はあるので個人の利用の他、研究分野など広く活用されています。

※この他にモーションキャプチャシステムには「慣性センサ式」 「磁気式」 「機械式」「ビデオ式」などがあります。

〇〇式、なんていうと何やら難しく感じますが、使われている分野は姿勢測定以外でも幅広くて、ひとつひとつがとても興味深く面白いです。

それでは次はAI(人工知能)による姿勢測定が、どんな場面で実際に活躍しているのかを見てみましょう。

AI(人工知能)を用いた姿勢測定が活躍する分野

AIと姿勢のイメージ

厳密に「姿勢」にこだわると、医療分野で健康目的の利用、「立位・座位での身体の傾きの測定」となりますので、ここでは解釈を広げて、さまざまな「作業姿勢」の測定が活躍する分野をご紹介します。

健康維持・リハビリテーション

まず一つ目の分野は健康維持やリハビリテーションといった主に医療分野。ここでは姿勢や身体の動きを測定して評価をフィードバックします。施設に出向かなくても、自宅でリハビリをしながら専門家のアドバイスが受けられるので便利ですよね。

スポーツ・ダンス

そして次はスポーツ・ダンス分野です。こちらは投手の投球フォームやダンスなどを比較検証することで、より高いレベルに引き上げるための手段として活用されています。

この分野は体育の授業など、教育現場でも応用できそうですよね。

作業姿勢

そして、仕事現場などでは作業姿勢・動作を分析して安全効率化をはかっています。重い荷物を持ち上げる時、負担のかかる姿勢をしていないか、単純作業で無駄な動きがないか、などを見ることで作業効率や作業員の健康維持に貢献。

自動車開発などの産業分野

産業分野では車・自転車・バイクなどの運転姿勢を分析し、より安全・快適な製品開発に生かしています。

映画・ゲームなどのコンピュータアニメーション

映画やゲームなどクリエイティブな分野では、リアルな動き(表情まで再現)のCGキャラクター作成や、Vtuber(バーチャルユーチューバー)の制作に役立てています。

伝統芸能や民俗芸能の継承

そして伝統・民俗芸能といった古くからある分野では、姿勢・動きなどのデータを蓄積し、3DCGやアニメーションなどでより時代にマッチした魅力的な映像で再現する、といったことも。これによって次世代への文化継承・発展に役立てています。

その他にもAI(人工知能)による姿勢測定は、あらゆる場面での利用に向け研究・開発されていて、未来を想像すると夢が広がりますよね。「子どもや老人の見守りシステム」なんていうのも、あると便利でしょう。

映像や音声、位置情報などの簡単なものは既にありますが、危険な行動を通報してくれるようになったらすごく助かります。活発な子どもさんや、認知症の老人のお世話をされている方の気苦労は大変なものですし、実現を待ち望んでいる方はきっと多いでしょう。

それでは今度は、AI(人工知能)による姿勢測定の具体的なシステム事例を5つご紹介します。

姿勢測定システム事例1「ケアピッと」

姿勢のイメージ

最初は、AI(人工知能)による姿勢測定で、身体のゆがみや重心がわかるシステム、「ケアピッと」です。アルカディア・システムズ株式会社の製品。特別な器具を身体に装着したり、専用のマットを準備したりする必要がなく、センサの前に立つだけで気軽に測定できます。

これは上記で出てきたマーカレスの「Kinect」を使用しており、測定時間はたったの3秒!そのわずかな時間で、

  • 肩の高さ
  • 骨盤の高さ
  • 猫背・返り腰
  • O脚などのチェック
  • 身体のゆがみ

と、こんなにいろいろわかるのです。

何の準備もいらず、気軽に試せるので、たくさんの人が集まる場所にあると便利そうですよね。ですから整骨院やスポーツジム、健康診断、リハビリ施設、スポーツ選手のトレーニングなどで利用されています。

測定結果は画面で確認できるので視覚的にわかりやすく、総合評価が点数で出るので、誰かと一緒に測定すると面白いかもしれません。

また、同社の「TANO」と併用すると、測定結果に応じたおススメの運動をその場ですぐ始めることができます。

この運動がゲーム感覚でとっても楽しそうで、測定で使用したKinectをそのまま利用して、自分の動きをモニターで確認しながら臨場感あふれる各種のゲームを楽しめます。そう、運動というよりゲーム感覚。

コンテンツはなんと80種類以上あり、脳トレから発声までそろっているので、頭や喉まで鍛えることができます。子どもからお年寄りまで楽しめる簡単なメニューなので、家族でやっても楽しめるでしょう。

ケアピッと

姿勢測定システム事例2「NEC歩行姿勢測定システム」

歩行のイメージ

次はNECの「歩行姿勢測定システム」です。AI(人工知能)による姿勢測定で「歩行姿勢」を分析するシステムで、3Dセンサに向かって歩くだけでいい、という簡単さが特徴。

こちらもKinect使用なのでマーカー装着の手間もなく気軽に測定できます。利用シーンとしては、整体・介護施設・スポーツジムなど。もちろん個人で自由にセルフチェックも可能です。測定結果から、何歳に相当するのかもわかるので結果に一喜一憂してしまいそうですよね。

この歩行姿勢測定システムは

  • 歩幅(左右)
  • 歩行速度
  • 足の上がり角度(左右)
  • 胸腰部の上下動

などが数値で確認できるので、トレーニングの効果が一目でわかります。過去の数字と比較して効果が実感できるとやる気につながるし、トレーニング計画も立てやすくなる、という良いことずくめ。

整体師など専門家の口コミは

  • 高齢者は口で説明してもなかなかピンとこない様子。結果がビジュアル化すると理解してもらいやすい。
  • 高齢者はセンサの装着を嫌がるので助かる。
  • 細かく数値化されているので、その人に合ったアドバイスがしやすい。
  • コミュニケーションがとりやすく、リピーターにつながる。
  • 海外製のシステムは高価だからこれは利用しやすい。

など、評判上々です。

オプション機能で、運動プログラムを画面に表示することもできます。専門家がいなくてもトレーニング方法がわかるので、これも便利そうですよね。

NEC 歩行姿勢測定システム

姿勢測定システム事例3「三菱電機 骨紋」

製造現場のイメージ

今度は工場など製造現場で使われる姿勢測定システムです。

AI(人工知能)で姿勢測定ができる、「三菱電機 骨紋」は工場などの現場で大活躍しています。使い方は現場のヒトの動きをカメラで撮影するだけでミスや無駄な工程を自動で検出。

分析にかかる時間が従来に比べて10分の1ですむというから驚きですよね。

こちらのメリットは、

  • センサを付ける必要がないので作業に影響が出ない。
  • 課題が「見える化」するので、監督者が変わっても指導改善がしやすい

目視だけでは見逃しがちな無理・無駄な体の動きがわかるので、「疲労を最小に」「仕事量を最大に」効率的な作業が実現します。

骨紋

姿勢測定システム事例4「ミズノ F.O.R.M」

ランニングをする人のイメージ

次はランナーにとって、一度は試してみたいシステム、ミズノの「F.O.R.M」です。美しいランニングフォームはランナーにとって憧れですよね。このシステムはケガの予防やタイムアップも期待できます。

診断の流れは

  1. 簡単なヒアリング
  2. マーカーを6カ所装着
  3. ルームランナーで約10分試走、計測
  4. 診断

2台のカメラで撮影し、AI(人工知能)でランニング時の姿勢測定をします。マーカーを使用するので、より精度の高い分析が可能です。このシステムは前半に出てきた「光学式」にあたります。

画像入りでわかりやすく解説した診断シートをもとに、ランニングフォームのアドバイスだけでなく、シューズやおススメのアイテムまで教えてもらえます。さすが、ミズノさんです!

ランニングフォームはランナーにとって最重要課題。レベルアップのために定期的に利用するリピーターも多いとか。最近はマラソンブームですから、需要も多いことでしょう。

ミズノ F.O.R.M

姿勢測定システム事例5「APECS: AI Posture Evaluation and Correction System」

アプリを試してみる人のイメージ

最後はAndroid用アプリ「APECS: AI Posture Evaluation and Correction System」です。AI(人工知能)の姿勢測定が、個人で気軽に試せるようになりました。

こちらは日本語対応していないのが残念なところですが、英語翻訳アプリを駆使して試してみてもいいでしょう。満足度評価も星4つついているので、なかなかの高評価。無料なのが何より嬉しいですよね。

この姿勢測定アプリは「全体像」と「横向き」、2枚の画像を使って診断します。画像をアップロードしたら、各画像の身体のポイントとなる部分(腰・耳・肩・首・膝・足首など)をタップして位置をマークしていきましょう。

少し手間に感じるかもしれませんが、このマークした位置からAI(人工知能)が姿勢測定してさまざまな情報をレポートしてくれます。

測定結果からは、頭・肩・腰など各部分の傾きや、まっすぐ立つことができているかなどがわかり、有料版ならもっと詳しいレポートの他、前屈した時の背中の丸みも測定しますので、側弯症など診断の手助けにもなります。

APECS: AI Posture Evaluation and Correction System

 

姿勢のイメージ

今回はAI(人工知能)による姿勢測定の事例をお伝えしました。AI(人工知能)による姿勢測定の事例、「こんなにいろいろあるんだ。」とちょっと驚きでしたよね。

実は、モーションキャプチャシステム自体は、かなり以前からありました。ですがAI(人工知能)と合わさることで新しいシステムが生まれるのはなんとも面白いですよね。

こういう未来志向の新しい事例は、知れば知るほどワクワクしてきます。話のネタにも面白くて良いでしょう。

皆でAI(人工知能)による進化した未来を語り合えば、愉快なアイデアが次々と出てくるかもしれません。まずは気軽にできるアプリから試されてみてはいかがでしょうか。そうすれば盛り上がること間違いなしです。

今回はいろんな場面に使われる姿勢測定の事例をお伝えしましたが、AIZINE(当サイト)を運営している大阪のAI(人工知能)開発会社「お多福ラボ」もAI(人工知能)で姿勢を測定し姿勢をスコア化するソフトを提供しています。タブレットから1分で姿勢診断ができるので、気になった方は、ぜひこちらのサイトをご覧ください。

AI骨格分析システムPosen

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