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AIイベント第1回AI/SUMに安倍首相が登場!日本のAI事情を知る

日本のイメージ

近年、AI(人工知能)という言葉を、ほとんど毎日のようにネットニュースの見出しで目にするようになり、頻繁にAI(人工知能)のイベントも開催されています。そして、そのAI(人工知能)は将棋や囲碁のプロと対戦して勝った、車や電車の自動運転を可能にした、人と会話ができるようになった、と様々な分野で活用され、また、GoogleやIBMといったIT企業がし烈なAI(人工知能)人材を確保するために競争を繰り広げています。それほど将来的にAI(人工知能)が価値あるものになるということでしょう。

ですが、皆さんの中には、実際にAI(人工知能)が私たちの生活にどのような影響を与えているのか、これからどのような分野に活用されるのか、あまり知らないという方も多いですよね。

そこで今回は、日本経済新聞社が主催するAI(人工知能)イベント「AI/SUM(アイサム)」を題材として日本のAI(人工知能)技術は世界と比べてどうなのか、最先端のAI(人工知能)とはどのようなものなのかをお伝えします。

第1回「AI/SUM(以下、アイサム)」とは

AI/SUMのイメージ

「AI/SUM」は日本経済新聞社が主催するグローバルイベントで、第1回が2019年4月22日に3日間に及び東京で開催されました。

このアイサムは人とAI(人工知能)が互いに理解し進化する「共進化」をキーワードに、産業への活用や地域格差の拡大といった課題解決にAI(人工知能)が利用できるかテーマとされています。

このイベントの登壇者はAI(人工知能)やロボティクス界で名をはせる面々であり、様々なセッションやコンテストが行われました。それについても後ほどいくつか紹介しましょう。

まずは、イベント初日のことをお話します。

AI/SUM

安倍首相がビデオメッセージを送った。世耕弘成経済産業大臣も登壇!

国会のイメージ

イベント初日には、安倍晋三首相からのビデオメッセージが公開されました。

これでは安倍首相は「AIこそが次の時代を切り開く大きな鍵だ。官民で総力をあげ、世界の第4次産業革命を日本がリードしていきたい」と訴えたのです。そして、世耕経済産業大臣の基調講演へと続きました。

このことからも、日本政府としても今後のAI(人工知能)の進化や影響力に着目しているということがわかりますよね。

現に、日本は世界で繰り広げられている人工知能開発競争に乗り遅れており、これを打開するためにも政府が力を入れていると捉えることができます。

では、実際にイベントで展示されていたAI(人工知能)やロボットについて見ていきましょう。

医師をサポートするAI(人工知能)

株式会社エムネスのイメージ

広島市に本社を置く株式会社エムネスは医師の、MRI等の画像診断をサポートするAI(人工知能)を紹介していました。

約10年前まではMRIやCTの一度の撮影枚数は16枚が主流でしたが、現在の高性能機では一度に320枚も撮影することが可能で、これによって読影する医師の負担がとても増えていました。

そこで、その医師の負担を減らすため、エムサスのAI(人工知能)が画像の特徴を分析。さらにこのシステムはクラウドとつながっているため、医師が遠隔で画像診断を行うことができるのです。

これによって医師の読影する時間を短縮することができますし、医師が不足する地方や発展途上国で遠く離れた医師が画像診断をするといった活用が広がり、医師格差の是正に貢献できるでしょう。

株式会社エムネス

産業用ロボットの知能化を実現するAI(人工知能)

株式会社MUJINのイメージ

次にご紹介するのは、産業用ロボットのAI(人工知能)です。

株式会社MUJINは産業ロボットを賢くするシステムを開発しており、ロボットにムジンの制御システムやカメラを搭載すると、ロボットに動作を教える必要がなくなります。

現在の物流業界では、日用品や家電製品などたくさんの種類の製品を扱っており、もちろん扱い方や大きさが違いますよね。

そんな臨機応変な対応が必要な状況では、ロボット個々に動きを学習させるのは時間がかかりますが、その学習する必要がなくなるのは大きなメリットです。
そして、圧倒的な人手不足に陥っている物流業界に大きな影響を与え得るかもしれません。ロボットが困難だった作業を人が行なっていましたが、その必要がなくなることで他の作業や、人手の足りない分野に労働力を回せるのはとても効率的。

この株式会社MUJINは、今回のイベントで最優秀賞にあたる「日経賞」を受賞しています。イベントに参加した30社の中から選ばれ、審査委員の一人は「世界的に社会にインパクトを及ぼす可能性がある」と評価されています。

株式会社MUJIN

医薬品の開発を効率化するAI(人工知能)システム

ソシウム株式会社のイメージ

ソシウム株式会社は産業技術総合研究所の研究成果をもとに2017年に設立されました。

医薬品の開発には、特定の病気に有効性のある物質「リード化合物」を見つけ最適化、生物学的検査といった長い時間と段階を踏む必要があります。こういった流れの中で、ソシウム株式会社は製薬会社は、開発を断念した新薬候補物質を活用し、新たなシミュレーションで探すことができます。

このようなシステムが活躍することで今は治すことのできない難病への新薬が開発されるかもしれません。これこそ、AI(人工知能)が人類にもたらす大きな価値だと考えることができますよね。

このソシウム株式会社も先出の「日経賞」を受賞されています。確かに、新薬の開発や過去の実験の分析を行うことで新しい発見が生まれる可能性は非常に高いでしょう。

ソシウム株式会社

日本のAI(人工知能)事情について

日本のイメージ

では、先出の日本のAI(人工知能)技術は世界的に見てどうなのでしょうか。実際、世界と比べると日本はAI(人工知能)開発において存在感を示せていません。いくつかの原因を見ていきましょう。

技術の取り入れ方が遅い

日本では従来のやり方を重視する傾向が大きく、機械化やAI(人工知能)に仕事をさせること、ましてやその技術の中心であるディープラーニングに対しても拒否感が多いのが現状です。

会社にAI(人工知能)を導入するといっても、どの作業に導入するのか、そのための学習データの確保の仕方、など様々な問題があります。

MM総研の調査結果によると日本企業でAI(人工知能)を「導入済み」の企業は1.8%、「導入検討中」は17.9%でした。それに比べ米国では「導入済み」が13.3%、「導入検討中」が32.9%でした。

この結果からも、日本がまだまだAI(人工知能)技術において遅れていることがわかりますよね。

若い技術者が力を持っていない

現在の日本の大企業などでは、若手に自分の裁量で働ける環境ではありません。上層部や人工知能をよく理解していない管理職が多いことがその障壁になっているのが要因の一つ。

国家レベルでAI(人工知能)の研究やサポートは行なっていますが、限界が感じられます。

若い人がしっかりとした教育を受けられる環境を整え、みんなが率先して協力していければ、日本にとってもいい流れになることは間違いありませんよね。

その一環として今回のアイサムのようなイベントに研修として参加するといった取り組みも有効でしょう。

 

日本のイメージ

今回は、第1回AI_SUMから日本のAI(人工知能)事情をみていきました。これらをまとめてみると以下の通りです。

  • 日本におけるAI(人工知能)イベントは活発に行われている
  • 米国など世界に比べAI(人工知能)技術や導入率は低い
  • その中でも、ベンチャー企業が着実に結果を出している

世界と比較すれば圧倒的に遅れている日本ですが、先出の株式会社MUJINやソシウム株式会社のように優れたAI(人工知能)の開発を進めているのも事実で、このようなベンチャー企業だけではなく大企業も開発や導入を進められるようになれば、遅れを少しでも取り戻せるかもしれません。

今回紹介したアイサムのようなAI(人工知能)イベントは世界でも活発に行われており、日本でもたくさん開催されています。少しでも興味を持った方は是非足を運んでみましょう。

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