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人工知能学会で講演されたおさえておきたい未来のテーマを3つご紹介

人工知能学会で講演されたおさえておきたい未来のテーマを3つご紹介

人工知能学会」とは、人工知能(AI)の研究・普及を目的とした活動をしている一般社団法人で、学会誌を作っていたり、セミナーをしたり、人工知能(AI)について研究会を開いたりしています。

人工知能についてGoogle検索すると「人工知能学会」はよく上位に表示されるので、見たことがあるという方もいるかもしれません。常に人工知能(AI)の最先端を追いかけている学会なので、人工知能(AI)について学ぶ上で人工知能学会からの情報収集は効率的ですよね。

そこで今回は、人工知能学会の全国大会で行われた講演の中でも特におさえておきたい「人工知能は未来をどう変えるか」がわかるポイントを3つお伝えします。ますます進化していく人工知能(AI)が描く未来は、私たちの生活に驚くべき変化をもたらします。

かなり人間に近づいている人工知能(AI)

人間に近いイメージ

人工知能は人間を超えるのか?という議論がありますが、現状を見れば自然とその答えが出てくるかもしれませんよね。さっそく人工知能学会の講演から具体例を見てみましょう。

AIの働き
この画像を見た人工知能(AI)は、ディープラーニングの技術を使って「A group of people shopping at an outdoor market. (青空市で買物をしている人々のグループ)」や「There are many vegetables at the fruit stand.(果物台にはたくさんの野菜が並んでいます)」というようなテキストを作成できます。

ディープラーニングとは、簡単に言うと「大量のデータから共通の特徴を自分で選び出して学習する」ことです。

このように画像認識の分野では、人工知能(AI)が画像を見てその内容をテキストで表現する技術がすでに誕生しています。この技術は、画像処理をCNN(Convolution Neural Network)が行い、言語処理をRNN(Recurrent Neural Network)が行うことによって実現されています。

この例からは、人工知能(AI)が人間のように「目と口を持った」とも言えますよね。今までテキストに対してテキストで返す人工知能(AI)は存在していましたが、ついには見たものに対してまで、テキストを作成できるようになりました。

次に、より人間に近づけるための「強化学習」について見てみましょう。

この動画は、ロボットアームが失敗を繰り返して、物をつかめるようになるまで自ら学ばせるという、Googleによる実験です。まるで子供が逆上がりの練習をしてできるようになっていく過程のようで、おもわず「がんばれ」と声をかけたくなってきますよね。

人間のように目と口を持ち、失敗という自分の経験からできることが増えていく…そんな人工知能(AI)が「かなり人間に近づいた未来」がこの人工知能学会の講演から見えてきました。

人工知能(AI)の弱点

弱点イメージ

人工知能(AI)は、ディープラーニングの強化学習によって失敗を繰り返しながら学ぶことができます。しかしうまくいった場合でも「なぜうまくいったのか」がわかりません。つまり成功体験に対する再現性がないので、「こうすればうまくいく」という理論を持つことがありません。これがディープラーニングの現在の弱点です。

この「こうすればうまくいく」とわかるのは人間の「意識」の働きです。私たちは、行動した後に振り返り、次の行動を修正しながら、自分なりの「こうすればうまくいく」という理論を確立していきますよね。これは今のディープラーニングにはできないことです。

人工知能学会の講演によると、人工知能(AI)が意識を持つためには、ディープラーニング以上の技術革命が必要とのことなので、実現はもう少し先の話になりそうです。

ますます広がる格差社会

格差のイメージ

最後は、私たちがもっとも気になる「人工知能(AI)が変える未来の経済」についての話です。人工知能(AI)が人間の仕事を奪うということはよく言われていますが、それがいつ頃の話かを知ってる方はあまり多くないかもしれませんよね。これは汎用型人工知能が誕生する予定の2030年頃のこととされています。

しかしこれまであった人間の仕事が新しい技術に奪われるということは、歴史の中で幾度となく起きています。例えば蒸気機関車が発明されたことによって、馬車を走らせていた人が失業したというようなことです。

人工知能学会の講演によると、人工知能(AI)によって一番奪われやすいのは書類作成などを行う中間所得の「事務労働」であり、ここで失業した人間の多くがより低所得の「肉体労働」に流れるということでした。

そしてごく一部のエリートだけが高所得の「頭脳労働」に流れ、社会の格差はますます大きくなるという予想が成り立ちます。

まとめイメージ

さて今回は、人工知能学会の講演の中でも特におさえておきたい、「人工知能は未来をどう変えるか」がわかるポイントを3つお伝えしました。

  • ディープラーニングによって、人工知能(AI)はかなり人間に近づいてきている
  • 人間に近いものの「意識を持てない」という弱点がある
  • 人工知能(AI)に仕事を奪われやすいのは「事務労働」である

将来、事務労働を目指して勉強している方は多いと思いますが、その仕事は2030年頃には消滅しているかもしれません。そして2045年頃には、人間の代わりに人工知能(AI)搭載のロボットが働くのが日常的光景になっているという予想も!

仕事がなくなっていくことは恐い気がしますが、技術の進歩により仕事がなくなるのは、発展を遂げる社会においては自然なことなのです。今私たちに必要なことは、仕事がなくなる心配よりも奪われやすい職業を予想して、働き方を変えていくということではないでしょうか。

そして働くのはロボットに任せて生活できるようになる社会が訪れた時、私たち人間は次に何をして生きていきましょうか。自分だけにできることは何かを真剣に考えて、まずは自分探しをするのもいいかもしれません。

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