AI(人工知能)といえば、労働力不足を補ったり仕事の効率アップに貢献したり、主にビジネスシーンで使われるイメージがありますよね。それに「AI(人工知能)は専門的な知識がないと使いこなせない!使い方も難しい!」と思っている人も多いはずです。
ところが、身近にAI(人工知能)はかなり浸透していて、「えっ!こんなこともできるの!」というサービスが結構あるんです。私たちの一番身近にある『スマホ』の音声アシストにもAI(人工知能)は使われているので、「AI(人工知能)が身近なことくらい知ってるよ!」という人もいるでしょう。
でも、実はAI(人工知能)の進化はそんなものではないんです。今まで自分で考えたり、人にサポートをお願いするのが当たり前だと思っていた…服のコーディネートやダイエットのコーチなんかも、AI(人工知能)がサポートしてくれるようにもなったのです!
そこで今回は、そんな身近でおもしろいAI(人工知能)の活用事例を6つご紹介していきます。AI(人工知能)の楽しい使い方を知ることで、生活の幅も大きく広がるといいですよね。
1.AI(人工知能)が判定 「メガネの似合い度」
皆さんは、買い物をする時に「あー、どっちがいいかなー」と迷うことはありませんか。そんな時に、AI(人工知能)がメガネや洋服のコーディネートをアドバイスしてくれるサービスがあるんです。
メガネ専門店「JINSエキュート上野店」では、AI(人工知能)による似合い度判定サービス「ジンズ・ブレイン」を始めました。お客さんがメガネをかけて鏡の前に立つと、AI(人工知能)が「似合い度」をすぐに判定してくれます。
結果は(100点満点中)「75」などと数値で表示されます。数字は顔の左右に表示され、左が男性目線、右が女性目線で診断してくれるんです。なので、女性に好意を持ってもらいたいなら、女性目線の数字がより高いものを選ぶと良いのでわかりやすいですよね。
気になる判定方法ですが、運営会社「ジンズ」の社員男女3000人がメガネをかけた画像30万枚を「とても似合う」「似合う」など4段階で評価。そして、結果をAI(人工知能)が分析して、それをもとにお客さんがどのくらい似合うかを診断しているんです。
ただ、もどかしいのはAI(人工知能)の判定理由が分からないこと。判定理由がわからないので「自分に合っているメガネ」を選ぶポイントもわからないままなんですね。
それでも似合い度判定サービス「ジンズ・ブレイン」利用者が、商品を購入する割合は利用しない場合の1.5倍になります。誰しもAI(人工知能)から高評価をもらえると、「似合ってるような気がして」自信が出てくるでしょう。こんなAI(人工知能)の使い方もちょっとおもしろいですよね。
2.AI(人工知能)による「おすすめコーデ」
次は、スマホのアプリ上で「チャットボット」(AI(人工知能)の自動対話)を使ったコーディネート提案サービスです。
カジュアル衣料大手「ストライプインターナショナル(岡山)」の定額衣料レンタルサービス「メチャカリ」では、アプリをダウンロードしたユーザーに対して「パーソナライズスタイリングAI(人工知能)チャットボット」というサービスを始めました。このサービスでは、1万種類以上のアイテムの中から購入履歴や閲覧履歴をもとに、好みの服やコーディネートを提案してくれます。
たとえば、アプリから「よく見ているカテゴリーからおすすめ」のコーナーを見ると、「パンツをよく見ている○○さんに似合いそうなアイテムを探してみたよ」と、オススメ商品を紹介してくれるんです。ただ、利用者の98%が女性なので、男性に対して女性ものが提案されたり、情報がかたよってしまうこともあるようですが、…それも何だかほほえましいですね。
このように、メガネや洋服のコーデをAI(人工知能)にお任せしてみるという使い方も、新たな自分の発見になるでしょう。ファッションには正解というものがないので、意外性のあるアイテムでもAI(人工知能)がオススメしてくれるなら「ちょっと取り入れてみようかな」と前向きになりますよね。
ただ、AI(人工知能)には、今日は目立ちたくない雰囲気…とか、空気を読むことができないので、最終判断は自分で行うのがベストでしょう。
3.専属AI(人工知能)トレーナーとダイエット!
「ダイエット」のためのトレーニングは、自己流でやるとなかなか結果も出ず、続かない人も多いですよね。そんな人のために、あなただけの専属トレーナーが付いてくれるAI(人工知能)「FiNC(フィンク)」ちゃんの使い方をご紹介しましょう。
まず「FiNC(フィンク)」ちゃんのアプリをダウンロードして、性別・年齢・職業・理想の体重、そして興味あるダイエットの6つを選択します。たとえばくびれ、美脚、ヒップアップ…トレーナーさんの前だとちょっと恥ずかしいなあ~と思ってもアプリならサクサク入れられますよね。
また、体重や睡眠時間、食事を記録していくと今の「健康状態」を教えてくれます。もちろん、歩いた歩数はスマホ内の「歩数センサー」を使って自動で記録してくれるので、めんどくさがりの人でも大丈夫!
それにチャット機能もあり、食べた食品を書き込むとすぐにカロリーを教えてくれて「食べ過ぎた!」と自覚できます。もちろん、睡眠不足や栄養不足、運動不足もちゃんとスマホに通知がくるので怠けてられません。まさに、自分だけの専属AI(人工知能)トレーナー。孤独を感じることなく、無理なくダイエットできそうでよね。
4.個別指導ならまかせて!たよりになるAI(人工知能)先生
塾といえば、みんなが黒板を見ながらの一斉授業を思い浮かべますが、AI(人工知能)先生はそんな授業の進め方を大きく変えています。
生徒には1人に1台「AI(人工知能)先生」が組み込まれたタブレットが配られて、このタブレットを使って個々に授業を受けます。これまでの授業と違い、まるで自習をしているように静かに授業が進んで行くのです。
このAI(人工知能)タブレット教材は、教育ベンチャー「アタマ プラス」によって開発され、受講生が問題を解いていくなかで、どの単元を理解していないのかを分析して突き止め、それを克服するのに必要な学習を提示してくれます。
たとえば、数学Ⅰのある単元をマスターするには、前段階の数学Aのこの単元の理解が必要です。さらに、それを理解するには『中学のこの単元の復習が必要…』といった感じに、理解するまでのルートを示してくれます。なので、生徒が「どうして解けないんだろう」と一人で悩むことが少なくなり、最短の時間で理解できるようになるんです。
今までプロの先生でも、「何がわからないからわからないのか」を見つけ出すのは困難でしたが、「AI(人工知能)先生」のサポートで、生徒達もつまずきを自分で解決でき、自信にもつながっていくでしょう。
このような、タブレット教材「AI(人工知能)先生」の使い方を知っていると、塾のない過疎地の学生でも、高度な勉強ができるようになりますよね。
続いても同じ教育関連ですが、ちょっと新しいAI(人工知能)の使い方をご紹介します。
5.悩ましいクラス分けに、助っ人AI(人工知能)登場!
先生にとってクラス分けは、頭が痛い大変な仕事です。たとえば「あの子とこの子は性格が合わないから同じクラスはNG」だけど「クラスどうしの成績も合わせないといけないし」と、考え始めると終わりがみえないこともあります。
こんな時、助けてくれるのが、AI(人工知能)を使ってクラス分けを提案する「Ai GROW」なんです。教育関連スタートアップ企業の「IGS」によって開発された適性検査システムです。
まず、生徒はスマホで適性検査を受けます。適性検査なんて、いくらでも自分の性格をいつわることができそうな気がしますが、「Ai GROW」は生徒がスマホを操作する指の動きから、迷いやためらいなどを検知していきます。なんと1千分の1秒レベルで検知できるとのことで、これではだませませんよね。
そして、潜在的な性格や表現力など25種類の行動特性をAI(人工知能)が診断していきます。この結果をもとにグループ分けするのですが、ここで先生の出番です。クラスの目指す目標、つまり「リーダーシップを伸ばせるクラスにしたい」「協調性のあるクラスにしたい」など条件を設定しておけば、それに合わせたグループをAI(人工知能)が作ってくれます。
実際に、私立聖学院高校の生徒約70人が適性検査を受けて、クラス分けを実施しました(2018年)。結果は「バッチリ!」で、これから私立の中高一貫校、大学にも導入が進む予定です。こんなAI(人工知能)の使い方は倫理的にどうかと問題視されることもありますが、先生の仕事が軽減することで、進路相談など生徒との会話が増えていくと考えられています。
次はガラッと変わって「味覚」、すなわち「おいしさ」のわかるAI(人工知能)の紹介です。
6.「好みのおいしさ」AI(人工知能)が分析
人の味覚なんて、AI(人工知能)にわかるはずがないと思っている方も多いはず。われるかもしれませんが、実は「おいしさ」をはかるAI(人工知能)があるんです。
たとえば「渋めの赤ワインが好きだけど、自分好みの銘柄がわからない」という時がありますよね。でも、全てのワインを試飲するわけにもいかないですし…。そんな方のために「ライフエクストラ東五反田店」(東京都品川区)のワイン売り場にあるタブレット端末では「自分好みのワイン」を教えてくれます。
ここで使われているのはAI(人工知能)開発「SENSY」が三菱食品と開発した「SENSYソムリエ」です。利用者はタブレット端末を操作して、食材や味に関するアンケートに答えるだけで、オススメのワインが提示されます。つまり、人の味覚についての大量のデータとアンケートの内容をAI(人工知能)が分析して、「これがあなたに合いますよ」とマッチング商品を教えてくれるわけです。
このような個人の好みをデータ化することで、たとえ体調などが変化して味覚が変わっても、利用者に適した商品を提案できるようになりました。たまに「今日は、この味がおいしく感じられない」ということもありますよね。こんな時も精度の高いAI(人工知能)なら対応してくれて、「じゃあ、これはどう?」といつもとは違う商品をオススメしてくれるんです。
このサービスはワインだけでなく、クラフトビールや日本酒にも使われ、イトーヨーカ堂やヤオコーの店舗でも導入され始めました。このように、「自分の好みのお酒を見つけてもらう」というAI(人工知能)の使い方も効率がよくて、今注目されています。どこかの店舗で見つけたら、試してみたいですよね。
今回は、身近でおもしろいAI(人工知能)の活用事例を6つご紹介しました。AI(人工知能)がファッションアドバイスをしてくれたり、ダイエットのトレーナー、塾や学校の先生、お酒のアドバイザーまで、どれもちょっと悩んだ時にあるとうれしいサービスですよね。
皆さんの中には、こんなAI(人工知能)の使い方もあるのかと驚かれた方もいらっるでしょう。でもまだまだ、おもしろくて役に立つAI(人工知能)の開発は続いています。
たとえば、2020年の東京オリンピックでは、真夏の炎天下、気温や雷雨などの天候が心配されますが、個人向けの気象サービスが登場しようとしています。利用者がいるピンポイントの場所の天気が予想され、スマートフォンにメッセージが届くというものです。「あなたのいる場所は30分後に31度まで気温があがりますよ」と気温まで忠告されます。このサービスは、民間気象会社「ウェザーニューズ」と筑波大学のチームが、東京五輪・パラリンピックの実用化を目指して現在奮闘中です。
これからは、どんな分野でもAI(人工知能)を使うとあっという間に悩みも解決!という時代になるかもしれません。そして、気づかないうちに、AI(人工知能)と共に快適な生活していた!なんてこともあるでしょう。そんな未来もまた楽しみですよね。
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