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今後のビジネスには必須!グロースハックで成功した企業の事例まとめ

今後のビジネスには必須!グロースハックで成功した企業の事例まとめ

企業が生き残るためには、様々な工夫が必要ですよね。例えば今ある事業を継続できるようには、売り上げをあげる必要があります。そのために広告や宣伝を行ったり、製品・サービスの単価を上げたりするようにします。そしてその中の一つに、「新しい事業を始める」こともあるかもしれません。

この新しい事業をはじめて、成長させることを最近では「グロースハック」と呼びます。最近では数え切れないほどの製品・サービスが登場しています。そんな中で、グロースハックは製品・サービスをヒットさせるには不可欠となりつつあります。実際に、今使われているSNSやアプリを世に広めるためにグロースハックが使われた例もあるのだとか。

この記事では、そんなグロースハックに成功した企業について解説します。自社の製品やサービスを世に広めたい!と考えている方には、きっと役立つに違いありません。

ということで今回は、今注目の「グロースハック」によって成長した企業について解説しましょう。

グロースハックとは

グロースハックのイメージ

グロースハックとは、事業を成長させること。今まで事業を成長させるなら何十年もかかっていたのですが、グロースハックではこの成長を圧倒的な効果を、数年の期間で遂げることがポイントです。

現代では、商品やサービスの知名度をあげるマーケティングの手法や商品・サービス・システムの数が多くなりました。また、商品やサービスそのものもどんどん誕生し、時代の流れに乗るためにはスピードをもって売り出す必要が出てきています。

しかしその一方で、企業が広告やマーケティングにかけられる予算はそんなに大きくないことが多いですよね。そうなると、費用対効果が高い方法で事業を広げる必要があります。そこで、効率よく商品・サービスを売り出して事業を成長させる方法がグロースハックです。

グロースハックを行うには、以下の方法が必要です。

  • 社内でグロースハックを行うためのチームを作る
  • 商品を売り出すための戦略を練る
  • 高速で実験を繰り返す
  • 課題を出して、改善する(あるいは好調なら、収益化の仕組みを作る)

まず、グロースハックではプロジェクトのリーダーをはじめとして、データ分析の専門のアナリストや、開発の流れや要件を定義するプロダクトマネージャー、テストを行うエンジニア、マーケターなどが必要となります。もちろん、チームのメンバーの構成は企業や商品によって大きく異なりますが、部門を超えたチームを作ることが大切。

また、戦略を練る際によく使われているのは、「AARRR(アー)」と呼ばれる分析方法です。AARRRでは、ユーザーを行動や状況に合わせて以下の段階に分けています。

  • Acquisition:顧客の獲得、ユーザーに情報が届いているか
  • Activation:活性化、サービスが狙い通り使われているか
  • Rentention:継続利用、サービスが繰り返し使われているか
  • Referral:紹介、サービスが紹介されているか
  • Revenue:収益化 サービスが購入・収益につながっているか

これによって、どこの層に課題があるのかが明確になり、それに対する施策が打てるようになります。例えば顧客の獲得が少ない場合は広告やSEOなどのマーケティングを強化する、サービスが狙い通りに使われているか、繰りかえし使われているかなどは商品開発で改善する、などがあります。そうして課題を一つ一つ潰すことで、商品・サービスが広まり収益につながります。

ただしグロースハックを行う場合は、AARRRの順番通りに行う必要はありません。なぜなら、サービスの品質が未熟なままだと、せっかくサービスや商品を購入したユーザーがリピート・紹介につなげることが難しくなってしまうからです。そのため初めてグロースハックを行う方は、まずこの方法にそって分析するだけでなく「Activation」を強化しましょう。

このような戦略を素早く実践して、課題を見つけ、その課題を解決しながら試行錯誤を繰り返すことが、やがてグロースハックにつながります。

今、グロースハックが必要な理由

成功のイメージ

そんなグロースハックは、今様々な業界から注目を浴びています。その理由について、詳しく見ていきましょう。

事業の収益化までのスピードが上がるから

今、様々な製品・サービスが登場し、様々な企業があります。そしてビジネスモデルはどんどん変化し、新しい技術が登場したらそれにすぐに適用させる必要もありますよね。この変化のスピードに乗って成功させるには、企業自身のスピードがある対応が不可欠です。

特に日本の企業は縦割り社会の傾向があり、大きな企業の場合は新事業を始めるとなると検討に検討を重ねて結局数年後にリリース・・・というケースもあるとのこと。そうなると、周りのビジネスモデルが変わっていてその商品が必要とされていない、時代遅れだとなってしまう可能性もあるかもしれません。

グロースハックを使えば、製品開発〜リリースまでの流れがスムーズになります。また、問題点が出ても修正が素早く行えるので、よりユーザーの支持もえやすくなります。さらに今現在商品自体が必要とされていない、または使いづらい場合でも、次の開発にすぐ生かせるでしょう。

そうすると顧客の獲得や収益になるまでの時間が今までより短縮されるので、最終的に企業にプラスになりやすくなります。

コストを抑えられるから

製品やサービスを宣伝するには、広告を出す企業さんが多いですよね。広告と言ってもテレビや電車で見かける広告から、最近では動画やSNS、検索などWebでの広告に移っています。しかし、Webでの広告もユーザーからの反応がいまいちだと、ただの無駄な費用となってしまいます。また、ユーザーもWebの広告をうっとうしいと感じる傾向があるので、あまり広告を打ち続けるのは得策とは言えません。

そんな中、グロースハックでは費用対効果をしっかり見極めるため、コストにかける効果が見えやすいメリットがあります。また、グロースハックで生まれた商品・サービスが評価されるとユーザーが口コミによって広げてくれるため、いずれは広告そのものが不要になるかもしれません。

実際に効果が出る可能性が高いから

広告や宣伝は、莫大な費用をかけても効果が出るかどうかは不確実でしたよね。しかしグロースハックでは、効果や効率を何よりも重視するので費用対効果が高くなります。

また、グロースハックによって一気に有名になったサービスやアプリもあります。例えばInstagramは今や若い人たちにとっては必須ツールとなっていますよね。このInstagramも試行錯誤を繰り返しながら、グロースハックを行ってアプリの知名度を上げました。

このような点から、グロースハックは今や必要とされています。

グロースハックに成功した企業の事例

企業のイメージ

グロースハック は正しく行うとサービスが広まるだけでなく、世の中を変える可能性があります。次からは、実際にグロースハックが成功した事例について解説しましょう。

地道な顧客分析が成功したTwitter

140文字以内のコメントを発信する「Twitter」は、多くの人が見たことや使ったことがありますよね。そんなTwitterのサービスが広まった秘訣は、グロースハックでした。

Twitterが始まった当初は、登録してもすぐ退会するユーザーが多かった点が課題でした。そこでTwitterのチームでは、「コホート分析」と言うユーザーの特徴に着目してグループ分けをする方法を取りました。

その結果、見えてきた傾向が「1ヶ月目に7回以上訪問したユーザーは、継続が90%以上になる」と言う点でした。つまりユーザーはTwitterを使い始めて、1ヶ月で使うか使わないかを判断しています。そして、ユーザーを「月7回以上訪問するユーザー」「頻度の低いユーザー」「登録したきり放置しているユーザー」の3種類にわけ、月7回以上の訪問するユーザーが20%程度であることもわかりました。

また、この「月7回以上訪問するユーザー」をさらに調べたところ、多くのユーザーが30人前後のフォローをしていました。そこでTwitterではユーザーに電話調査を行い、フォローをしたらフォローをする「フォロー返し」を行っている割合が3分の1程度だと、Twitterで情報を追えられるようになり、Twitterの価値を発揮できることがわかりました。

まえだまえだ
まえだまえだ

自分もTwitterやっていますが、確かにあまりフォロー数が多いと情報が多すぎて追えないし、リアルでの知り合いをフォロー返しして友人の近況を知るのがメインの目的になっている気がします。

そこで、Twitterはこのフォロー数とフォロワー数の数に注目しつつ、なるべく早くフォロー数を30人以上になるように施策を立てました。例えば、Twitterで「おすすめのユーザー」で関心のありそうな有名人のアカウントが出てくることはありますよね。実はそれも、その施策のうちの一つです。

また同時に、Twitterでは「登録したきり放置しているユーザー」からまた使い始めたユーザーに対して「登録した理由」「気に入らなかった点」「もう一度使おうと思った理由」「今気に入った理由」を聞くようになりました。これにより、Twitterの改善点をさらに浮き彫りにさせるようになりました。

このように、Twitterのサービスはユーザーの動きを分析することでユーザーを増やすことに成功しました。

グロースハックの改善で、クラウド会計ソフトでNo.1のシェアを獲得したfreee

フリーランスの人だと、確定申告を行ったり、経理を行う場合は帳簿をつける必要があります。でも、自分で一から帳簿をつけるのは面倒な上にとても時間がかかりますよね。そんな時に便利なのが、クラウドの会計ソフトです。その代表的なソフトの「freee」は、グロースハックによって売り上げを増やしました。

freeeのグロースハックのチームは「グロースチーム」と呼ばれ、エンジニア2名、デザイナー1名、マーケター1名、データサイエンティスト1名の5名で構成されています。この5人が中心となり、月に施策を30~40本ほど回しているのだとか。

これはなぜかと言うと、同じ期間に施策をたくさん行うことで次の施策の打率をあげるためです。1つの施策から、3~4つの次の施策が生まれることもあるので、それを実践することでどうすればプラスにつながるのかを早く発見できます。

その施策の代表例として、法人向けソフトにおける税理士サポートサービスの周知があります。法人の会計のソフトを使う場合、ほとんどでは税理士さんをつける必要があります。しかしfreeeのソフトを使っているユーザーは、そのことを知らない人が多かったデータがありました。

そこで、税理士さんと契約を結んでいないユーザーの管理画面に「税理士未設定」と言う文言を入れたところ、なんとその後の税理士さんとの契約率が80%になりました。

他にもレシートを撮影するだけで会計に登録するファイルボックスの機能の改善や、ヘルプにおけるチャットの認知をあげることにも成功しています。このようなユーザーのニーズに応える施策を行った結果、freeeはクラウド型会計ソフトでなんと40万の事業者が使うような大きなサービスに成長しました。

まえだまえだ
まえだまえだ

私も少し使ったことがあるのですが、freeeは初心者でも使いやすい印象があります。この使いやすさには、このようなテストの積み重ねがあったのですね・・・!

無名のサービスから一気に知名度をあげたIQON

全くの新商品だと、最初はアプリを使ってもらう段階から苦労しますよね。ファッションアプリ「IQON」も、登場したときにはまだそんな状態でした。IQONとは、ECサイトにあるファッションアイテムを自由にコーディネートし、投稿したり、コーディネートに使われているアイテムを購入して遊ぶアプリです(現在は配信終了)。

そこで、IQONではまず必要最低限のアプリを作ってリリースし、試行錯誤を重ねました。例えば広告のABテスト、ボタンの押しやすさとして色・大きさの改善や小さい改善を重ねることで、より使いやすさを追求します。

そしてターゲットである東京都内のITを使いこなす若い女性が使うことを想定し、スマホのアプリの提供を開始しました。すると、これまで1日の投稿数が50程度だったのが、なんと1000までに増えました。

さらに、IQONは4年連続でGoogle Playから賞を受賞しました。この賞はGoogle Playでその年に話題になったゲーム・アプリを選ばれました。つまり、IQONはリリースしてから多く使われるようになったことが証明されました。

このように、ターゲットに合わせたテストを積み重ねると、ターゲットに対する使いやすさを研究できるでしょう。

まえだまえだ
まえだまえだ

ただ試行錯誤するだけでなく、ターゲットに沿ったテストが大切です。

グロースハックの成功事例から見える共通点

アプリのイメージ

では、グロースハックの成功事例から見える共通点について解説しましょう。これからお伝えするポイントにのっとれば、あなたの企業でもグロースハックがうまくいく可能性が高まります。

グロースハックを「組織全体」で行う

製品を開発するときに、エンジニア、デザイナー、営業と分担することはよくありますよね。しかし、その場合だとエンジニア側の思いやデザイナー側の意図、営業側の目的など全てに食い違いが発生する場合があります。そうなると、流れが足止めになってしまって成長スピードが一気に止まる可能性があります。

先ほどの事例で取り上げたTwitterでは。部門を独立させた「グロースチーム」を作っています。この部門では常設の部署となっていますが、ここで分析から改善まで一通り行っていました。それによって、分析・施策策定・改善の実行までの流れがスムーズになります。

そのため、グロースハックを行う場合は組織を横断したチームを作りましょう。

定量のデータを使って、ユーザーのニーズをしっかり抑える

例えば営業の肌感覚で「これが求められている」と感じることはありますよね。しかし、それはその人の「感覚」なので、再現性がない可能性があります。成功している企業が大切にしているのは、客観的な「データ」です。

Twitterが成功したのは、顧客に関するデータでした。「継続しているリピーター」のアクセス回数、フォロー数、フォロワー数、フォロー返しをしている割合など様々な角度から分析することで、改善点を次々につぶしていきました。

また、データはただ集めるだけでなくデータを「共有」することも大切。マーケティング、エンジニア、デザイナー、経営企画それぞれの目線でデータを分析することで、今まで見えてこない点が見えてくるかもしれません。

そして分析する際も、一つの指標を見て判断するのではなくいくつものデータを見てユーザーがどんな行動をとっているのかを考察しましょう。するとユーザーの動きをスムーズに購入につなげるための課題や、本当に欲しいものは何かが見えてきます。その改善点を洗い出していくことで、グロースハックを進められます。

アイディアはすぐ検証、PDCAを早く回す

市場から一つのアイディアがひらめいた時に、すぐに検証しないと時代の波に乗れない可能性があります。そのため、アイディアがひらめいたらすぐに検証しPDCAを回しながら修正しましょう。

実際に成功事例で取り上げたfreeeでも、施策のポイントで「とにかく企画に時間をかけない」点がありました。これはなぜかと言うと、アイディアはすぐ実践し、使用しているデータやユーザーからのフィードバックから課題を見つけて改善を積み重ねる方が、スピード感をもって成長できるためです。

また、アイディアを分解する時は「リバース・エンジニアリング」という考えを利用することも一つの手。「リバース・エンジニアリング」とは、ソフトウェアやハードウェアを分解・分析をして、仕組みや仕様、構築した目的、構成している要素を明らかにすることです。

グロースハックでは「なぜこれが成功したか?」「なぜこれが失敗したか?」を明らかにして、それを改善することが重要です。そのため、徹底的に分析して次へつなげるというPDCAを回すことが、グロースハックを成功させる秘訣に違いありません。

まとめ
さて今回は、「グロースハック」によって成長した企業について解説しました。それでは、今回の内容についてざっくり振り返りましょう。

  • グロースハックとは、事業を圧倒的なスピードで成長させる取り組みのこと
  • グロースハックが必要とされる理由は、「事業の収益化までのスピードが上がるから」「コストを抑えられるから」「実際に効果が出る可能性が高いから」がある
  • グロースハックに成功した企業の事例として、「Twitter」「freee」「iQON」などがある
  • グロースハックに成功する事例に共通する点として、「グロースハックを「組織全体」で行う」「定量のデータを使って、ユーザーのニーズをしっかり抑える」「アイディアはすぐ検証、PDCAを早く回す」がある

グロースハックはスピード感が必要になります。また、地道なテストやテストからの分析力、改善策を考えるなど、様々な角度で考えられる力も必要になります。そして何より大切なのが、あくまで「ユーザー目線」で使いやすさを追求できるか、という点です。一見すると、かなり大変なように感じられるかもしれません。

しかしこれが成功すれば、商品・サービスの知名度を上げたり買われるようになったりする可能性が高くなります。もし、あなたの商品やサービスをヒットさせたいなら、ぜひグロースハックの方法を取り入れましょう。

当メディア(AIZINE)の運営会社お多福ラボでも、企業のグロースハックの支援を行っています。商品・サービスを世に広めたい!とお考えの方は、まずご相談ください。

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