近年、AI(人工知能)開発の需要の高まりに伴い、AI(人工知能)の精度、能力の向上に活用される機械学習やディープラーニングがますます注目を浴びています。次代を担うAI(人工知能)開発の現場において、これらのノウハウはもはや必須であると言えますよね。
多くの場合、機械学習やディープラーニングでは、学習用の大規模なデータ(ビッグデータ)を元に、AI(人工知能)に様々な知識を学習させます。このデータセットのデータ量、幅などが、AI(人工知能)の最終的な能力を決定づけるのです。Web上には無料で利用可能な様々なデータセットも多数存在しています。
そのデータセットの中でも、主に画像認識の場面で利用される「ImageNet」について今回、詳しく解説していきましょう。ImageNetはどのようなデータセットなのか、メリットや活用方法、利用する際の注意点などについてそれぞれ詳しく見ていきます。
ImageNetとは
ImageNetはスタンフォード大学のフェイフェイ・リ(Fei-Fei Li)氏を中心とした研究グループによって管理されています。そして世界中の研究者や教育・学びといった場面に役立ててもらうため、現在は無償で公開されているのです。
AI(人工知能)開発の歴史においてもImageNetは非常に重要な役割を担っており、2021年に開催されたImageNetの大規模画像認識コンペ「ILSVRC」にて、AlexNetというCNN(畳み込みニューラルネットワーク)モデルが登場したことが、ディープラーニングという概念に注目が集まるきっかけとなりました。
ImageNetを使うことのメリット
また、ImageNetの特徴を語る上で登場するのが「転移学習」というワードです。これは機械学習の学習方法のことを指し、ある分野・領域で学習させたモデルを別の分野・領域に適応させる学習方法のこと。
このため、ImageNetもこの転移学習が持つ恩恵を受けることができます。
大規模なデータでありながら、事前に学習した重みを用いることで、少量の訓練データでも十分な性能を得ることができ、機械学習・ディープラーニングの場面において、より効率的に学習を行えるというメリットがあるでしょう。
ImageNetの活用方法
現在でも機械学習・ディープラーニングにおいて使用されるデータセットは、新たなものが数多く登場しています。それらの性能を試す際、ImageNetが比較対象となるシーンが多いのです。
ImageNetと比べて新たなモデルの手法や精度がどれくらい差分が出るか、という計測の指標としても利用されているということでしょう。
ImageNetで画像をダウンロードする方法
画像はそれぞれ、beach、breadなどのようにラベル分けされており、公式サイトからどんな画像が登録されているかを確認可能。
ImageNetを使うときの注意点
機械学習・ディープラーニングの場面では非常に有用性の高いImageNetですが、使用する上での注意点もあります。
例えば、景色の画像などだとこういったラベルの問題は顕著に出てしまいます。一見すると「港」を撮影した画像でも、細かく見ていくと「船」や「桟橋」、「海」などという様々な要素によって創り上げられています。これもまた、画像というデータならではの問題です。
従来のシステムや機械と異なり、自身で何かを判断し高度な命令を実行できることがAI(人工知能)の特徴です。特に文字や記号と違い、複雑かつオリジナリティの高い「画像」を認識する能力は、AI(人工知能)ならではの能力と言えます。
画像認識に関する学習において、ImageNetは非常に高い効果を発揮してくれます。用意された大規模なデータが学習しやすいような構造をもっており、さらに無償で使用することができるというのも、非常に便利な点です。
なにより、機械学習・ディープラーニングが注目を浴びるきっかけとなった存在ですので、AI(人工知能)開発に携わる方は、その内容に触れることで、より深いAI(人工知能)開発の知識を身に着けることができるでしょう。
【お知らせ】
当メディア(AIZINE)を運営しているAI(人工知能)/DX(デジタルトランスフォーメーション)開発会社お多福ラボでは「福をふりまく」をミッションに、スピード、提案内容、価格、全てにおいて期待を上回り、徹底的な顧客志向で小規模から大規模ソリューションまで幅広く対応しています。
御社の悩みを強みに変える仕組みづくりのお手伝いを致しますので、ぜひご相談ください。