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取り組む前に知っておきたい業務改善での成功事例をまとめてみた

取り組む前に知っておきたい業務改善での成功事例をまとめてみた

少子高齢化が進み労働人口の減少が予想される現在、働き方改革の影響もあり利益を追求することが求められますよね。そんな中で、業務改善は必須といっても過言ではない時代になりました。ただでさえ日々の業務には問題や課題が存在しますが、そこに時代の変化による様々な影響が加わるとなると従来のやり方だけではとても対応しきれるものではありません。

しかし、闇雲に業務改善を推し進めてもなかなかうまく行かないでしょう。業務改善を行う際には旧来の在り方にメスを入れる必要があります。もちろん、それには痛みや反発があるため、経営者、従業員の間で要らぬ軋轢が生まれてしまうことも予想されます。

業務改善とは経営者だけではなく日々現場で働く従業員が一丸となってより良い職場環境と更なる発展に向けて行う大きなプロジェクトです。ですので対立を防ぐためには、なぜ業務改善をする必要があるのかという事を働く人間ひとりひとりがしっかりと理解しましょう。業務改善がスムーズに成功すれば経営者と従業員双方にとって大きなメリットがあるに違いありません。

そこで今回は各業界で業務改善によるメリット・デメリット、実施された業務改善成功の事例とそこから見える業務改善を進めるうえで知っておきたい大切なことをお伝えします。

業務改善のメリットデメリット

スケジュールのイメージ

まずは、業務改善のメリット・デメリットについて解説します。

業務改善のメリット

業務改善によるメリットは、無駄を省くことや新たな手法を取り入れることによって業務が効率化される点です。複雑な工程が多いと無駄なやり取りも多くなり、ミスも誘発されやすいですよね。また、スケジューリングがうまくできていないと無駄な待ち時間が多くなることもあります。

これを業務改善によって、日々の業務を整理したり自動化などの効率化を図ることで時間の余裕ができ、企画立案や新規開拓などのより利益追求に直結する業務が行われやすくなるでしょう。

その他のメリットとしては職場環境が良くなり従業員の負担が減る点もあります。効率化が進み業務が円滑に進むようになれば業務に対してのモチベーションが上がる、職場における人間関係の向上にも繋がるかもしれません。この他にも、経費削減による相対的な利益の増大もありえます。というのも、売上が変わらなくても無駄を減らしてコストをカットできれば支出が減り、相対的に利益は上がるためです。

業務改善のデメリット

一方、業務改善を行う上でのデメリットは急な環境の変化によって生じる人間関係の不和や、業務改善をするために時間がとられてしまうという点があります。

業務改善によって効率化を図ろうとすると今まであった業務をなくしたり、人員の配置換えなどが必要になる場合があります。そうすると、その業務に携わってきた人たちの中には今までやってきた自分の仕事を否定されたような気持になり反発してしまう人や、今までとは違う業務内容になることに不安を覚える人も出るでしょう。

こうした反発や不安が軋轢となり、モチベーションの低下を招いたり、人間関係の悪化など逆効果になってしまうこともあります。それを防ぐには働く人全員が業務改善の意義をしっかりと理解し意識をまとめる、各部署への周到な根回しや徹底した周知が必要になります。

また、業務改善をするには今ある仕事の見える化など普段の業務にはない業務改善のための作業が発生します。業務改善を行う際には業務改善だけで良いわけではなく、当然普段行われている通常の業務は存在し、それらをこなさなくてはなりません。このため、業務改善による通常業務への圧迫は業務改善によるデメリットといえます。

では、デメリットを最小にしてメリットを最大に活かすにはどうすれば良いのか。各業界での業務改善の事例を参考に見てみましょう。

業務改善成功事例:製造業

工場のイメージ

株式会社イマオコーポレーションでは、標準機械部品や標準治具等を製造しています。毎日の業務の中では、部材を切ったり削ったりと加工する場面が非常に多く、加工時に出る切り粉というゴミが出ます。この切り粉はエアーによって払われるのですが、切り粉自体は当然床に落ちるので、清掃の必要が出てきますよね。

また切削加工する際に摩擦抑制や冷却のためにつかう切削油も床に落ちてしまい、切り粉に切削油が付着し、床に張り付くことで清掃に手間がかかるという問題を抱えていました。

そこで、同社では飛散防止のために切り粉の行き先にパーテーションを設置しました。また、この清掃問題に対して行われたのが、パーテーションの下にコンテナを置くという業務改善です。

コンテナを置いたことにより、エアーで払われた切り粉がパーテーションを伝いコンテナに入ることで、床への落下と切削油との付着による床への付着を防止し清掃の手間が大幅に減ったとのこと。また、コンテナサイズに余裕を持たせることにより切り粉をある程度ためることができるため、毎日必要だった切り粉の清掃が年に数回で済むようになり作業効率アップに繋がりました。

その他に株式会社イマオコーポレーションで実施されているものとして、機械のエラーによる時間の無駄をなくす改善で行いました。もともと複合旋盤で排出された加工部品はワークキャッチャーというアール形状の場所を通過して通過して排出されるのですが、その際にワークキャッチャーの受け部分が緩やかなアール形状であるために加工部品が引っかかってしまい、きちんと排出されずにエラーとなって自動運転が止まってしまう点が課題でした。

そこで、同社では3Dプリンターでワークキャッチャーのアール部分が勾配になるような新しい部品を作成しました。これにより、加工部品の引っ掛かりを防止し月間で2回ほどあったエラーによる自動運転停止が全くなくなり改善されました。また、自社で作成した部品のためコストも安く、1300円ほどで済んだのだとか。まさに製造業の強みを活かした3Dプリンターでの部品作成による業務改善の事例といえますよね。

業務改善成功事例:物流業

物流のイメージ
次は、物流業で最新のテクノロジーや独自の指標で作業計画と人員計画の効率化を図る業務改善の事例について紹介しましょう。

1人1人の生産性がどうなっているのか、はかなり見えづらいですよね。そこで配送センター代行業務を中心とした株式会社関通では「MH」という1人1時間あたりの生産性を表す指標を作り、そこから導かれるデータを基に業務改善した事例があります。

このシステムでは、例えば1人一時間で100枚のピッキングができるのであればMH100、1人1時間に30個のピッキングと梱包ができるのであればMH30という業務によって単位は異なります。このような考え方を用いて現状をデータとして知り、当日の出荷量をMHと作業する人数、稼働時間で掛けた数字で割るとその日に必要とされる人員が割り出せます。そうすると無駄な人員を減らせるので、コスト削減と作業計画や人員計画の立案の効率化に繋がるでしょう。

また株式会社関通ではAMR(Autonomous Mobile Robot)という自立走行ロボットSirius(シリウス)の現場での稼働を開始しました。

AMRとは磁器テープによる誘導などが不要で自らが撮影した画像をAI(人工知能)で解析し位置データを認識することができる人と協働するロボットであり、ロボット単体で作業するのではなく人間と共に働くというコンセプトです。同社はAMRを導入することで、作業者の負担軽減と生産性の向上を成功させました。

例えばA地点からB地点までの物の移動をAMRに任せることにより、作業者の移動距離がほとんどなくなりました。ちなみに、AMRを導入すれば作業人員を半分に減らしたとしてもおよそ2.5倍の生産性が見込めるのだとか。まさに、最新のテクノロジーや独自の指標で作業計画と人員計画の効率化を図った良い業務改善の事例でしょう。

業務改善成功事例:サービス業

レストランのイメージ

東京の中華料理店、桂花苑では徹底した整理整頓による業務改善の事例があります。

桂花苑では、スタッフの運搬や在庫把握に時間がかかり過ぎていることが課題でした。桂花苑はもともと調理場はメインの厨房と天心を担当する場所、前菜を調理するオープンカウンターと3つのエリアに分かれて、それぞれのエリアにある冷蔵庫の合計は16か所もありました。基本的にはそれぞれのエリアにある冷蔵庫に仕込み済みの食材を保管しますが、入りきらないものがあると他のエリアの冷蔵庫に入れるので、食材の出し入れ運搬に時間が掛かりますよね。

また、冷蔵庫の中や倉庫などの食材保管場所の整理整頓もきちんとされておらず、何がどこにあるのかがわかりづらいため在庫把握に時間が掛かりました。更には通路に設置された備品を保管する棚が通行の妨げになっているので、料理人がスタッフに食材を持ってくるように指示をしても在庫把握と通りづらい通路で時間がかかることも課題として発見されました。

そこで桂花苑では業務改善の専門家を招き、ある調理スタッフの歩行経路についてまず稼働分析を行いました。また、これらの問題を解決するために活躍したのが、整理整頓。冷蔵庫の中のレイアウトを仕込み段階に応じて整理し、作業段階ごとに配置を決めた図を貼ることで進捗状況と食材の配置をわかりやすくして、倉庫にある食材の最大在庫量を明示し適正在庫量に収まるようになり、在庫があふれることはなくなりました。

そして通行の妨げになっていた備品棚はひとつひとつを必要不必要で分けたところ、大半が不必要でした。なので棚自体を撤去することができ、動線の確保もできました。

整理整頓によって様々な改善がなされ、料理人の負担も減りイライラすることもなくなりました。整理整頓の徹底、それだけで在庫管理や作業の効率化や職場環境の向上がみられ、特別な手法や新しい技術を使わなくてもできるなら、今からでもやる価値はあるに違いありません。

業務改善成功事例:販売業

スーパーのイメージ

日用品などを販売するホームセンターや家具、インテリアの専門店を運営する株式会社島忠では時間やコストの無駄を削減により、従業員が販売に集中できる環境を整えることで業務改善を行っています。

島忠が行ったのは、日々のルーティン作業であるPOPの作成にメスを入れることでした。POP作成にはラミネート加工や裁断などの工程がありますが、ラミネート加工をする際には機械が温まるまで待たなくてはいけませんし、忙しい時期などには裁断機に順番待ちの列ができていました。そこでルーティン作業であるPOP作成が接客業を圧迫している状況を改善するために、ラミネート不要の耐水紙を使う試みをはじめました。

またPOPの種類を絞り売り場ごとにサイズの種類を統一し、耐水紙自体にミシン目を入れて裁断機を使わなくて済むようになど徹底的に無駄を省くことで、月によってはPOP作成の時間を70%も削減できたとのこと。そうしたことにより店舗では従業員の負担が減り、さらに副次的な効果として機械の使用頻度が減ったことにより機械の故障頻度も減り、店舗だけでなく本社にとっても修理にかかる手間やコストの削減に繋がりました。

島忠では単に自動化や省人化によって人員のコストを削減するのではなく、業務を効率化することによって生まれた新たなリソースで、サービスの充実や顧客満足度の向上を目的としています。まさに、従業員が販売に集中できる環境づくりに注力している業務改善の事例です。

業務改善を進める上で知っておくべきこと

効率化のイメージ

では、最後に業務改善を進める上でのポイントについて解説しましょう。

業務改善で大事なのは、自分の置かれている環境にあった改善策を出すという事です。今回あげたような業務改善の事例は、各業界の各企業が自社の発展を願い努力した結果です。とはいえ、ただ同じことをしようとしても無理がありますよね。

そのためにはただ単に業務の効率化やコストカットを目指すのではなく、その先できちんと生産性が上がるのかを考えることと現状の正しい把握や顧客や他社との関係性を明確に理解するようにしましょう。職場で働くひとりひとりが当事者となって自分事として取り組むことができれば、思わぬ改善点や新たな手法が見つかったりするかもしれません。

他にもメリット・デメリットでお伝えした通常業務を圧迫する可能性や反発の声については、普段の業務の中で常に改善点を模索したり、職場全体でしっかりとしたコミュニケーションを心がけることでその影響を少なくすることができます。

優れた業務改善による企業の発展は顧客の満足度向上に繋がります。更には業界全体で応用できるものなどであれば他社にも影響を与えるに違いありません。

まとめ

さて、今回は業務改善によるメリット、デメリットと知っておくべきポイント、各業界における業務改善成功事例をお伝えしました。

業務改善には利益アップや職場環境の向上などメリットがあるが、それに伴う根回しや周知などの業務改善自体が抱える業務改善のための作業というデメリットがあります。

業務改善の成功例として、製造業の株式会社イマオコーポレーションの自社の強みを活かした独自の部品作成による無駄な時間のカット、物流業の株式会社関通では最新のテクノロジーと独自指標による生産性の向上、サービス業の桂花苑では徹底した整理整頓による効率的な在庫管理と作業効率のアップ、販売業の株式会社島忠が行った無駄な作業を省くことでより販売に集中できる環境づくりなどがあります。

また、業務改善のメリット・デメリットを踏まえたうえで各業界の業務改善成功事例を参考に、ただ真似するだけではなく自分の環境に合った行動が何よりも大事であり、自分たちの環境が良くなることで顧客や業界全体にまで良い影響をあたえる可能性があります。

少子高齢化や働き方改革、変わってゆく時代や環境の中で常に利益を出していくのはとても大変ですよね。ですが働いている人たちが一丸となり自分たちの環境をより良く発展させていき、その恩恵が自分たちだけではなく顧客や業界全体に広がっていけばきっと素敵な社会になることは間違いありません。

ところで、今回の事例のように業務を少しでも効率化したい、と考えている方は多いですよね。当メディア(AIZINE)を運営している株式会社お多福labでは、現在AI(人工知能)業務改善の支援を行っています。少しでも業務効率化や業務改善を行いたい方はまずこちらのホームページをご覧ください。

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