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物流やECサイトの注文で活躍する!OMS(受発注管理システム)とは

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あなたが商品を売る場合、「どこから」「いくつ」の発注をもらったかはとても重要な情報ですよね。この情報はどんなお客様から、どれくらいの数、どの頻度で発注をもらったかなど、今後の販売促進を決める指標になります。

また、同時に「この商品は発送した」「この商品は入荷を待ってから発送する」なども管理する必要があります。しかし、このような受注・発注の件数が多いと混乱してしまうこともあるかもしれません。特に最近では、ECサイトによって消費者である私たちが気軽に注文できるようになりました。そうなると、受注と発注の件数がどんどん増えている傾向になるでしょう。

そんな時に役立つのが、OMS(受発注管理システム)です。OMSがあれば、このような管理を簡単に行えます。また、忘れがちなお客様へのメールを作る機能もあるので、お客様へのフォローにもなるでしょう。

とはいえ、OMSを実際に導入するなら知っておくべき点はたくさんあります。ぜひ、この記事で基本的な内容をしっかり学びましょう。

ということで今回は、OMS(受発注管理システム)とはどんなシステムなのかについて解説します。

OMSとは

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まずはOMSとは何ぞや、についてお伝えします。OMS(受発注管理システム)とは、その名前の通り商品の受注や発注を管理するシステムのこと。

例えばあなたがコンビニ、靴や洋服屋さんでレジを打つ人であるとしましょう。今まで物を販売するとなると、バーコードで情報を読み取ったり、POSシステム(売上実績を商品の単品ごとに管理システム)に入力する必要がありますよね。それによって、以下のような情報が管理されています。

  • 商品
  • 購入した人の年齢層・性別
  • 当日の天気のデータ

しかし、現在ではECサイトでの購入が増えています。そうなると商品の売り上げデータや在庫管理を含めて管理ができるシステムが必要になりますよね。また、販売する個数が増えると管理も手間がかかります。今まではExcelで入力していた管理も、件数が膨大になるとなかなか入力が面倒になったり、管理に手間がかかるようになりました。

そうして開発されたのが、OMSです。OMSの機能は、主に以下のようなものがあります。

  • 商品の在庫管理
  • 受発注管理
  • 見積もり書の管理
  • 顧客管理
  • 売上の統計表示

これによってECサイトも含めた受発注の管理ができるだけでなく、実際の売り上げや顧客、在庫などの変移も見ることができます。そのため、今後の販売の方法を考えるのにも役立つに違いありません。

OMSが具体的にどんな場面で役に立つのか

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では、OMSが役に立つ場面についてお伝えします。

受発注をもっと楽に管理したい時

今まで、受注や発注を行う際は紙で印刷したり、データを入力したり事務作業が発生しやすい状況でした。これだと、入力とその後のデータの管理に時間がかかってしまいますよね。また、入力にミスが発生しやすいことも、課題の一つです。

OMSを使えば、受注や発注をシステム上に行うので、データと実数に差があっても気が付きやすくなります。また、今まで発注の書類を用意していたのも不要に。受注から発注までデジタルでできるようになると、作業量がぐっと減るのは間違いありません。

受注〜発送までの時間を短縮したい時

今までの受注管理システムでは、受注や発注の際に配送の業者を指定できないことも課題でした。これは「在庫がなくなりそうなので、なるべく早く届けてほしい」という場合でも対応はできず、その分売り上げのロスが生じる可能性もあります。

OMSでは、種類によってはどの業者を使えば最短で届けられるかの情報を提供します。もちろん、受注から発送までの手続きも自動で行えます。それによって、受注や発注店舗や倉庫における在庫切れを防げるようになるでしょう。

最近では、OMS+WMS一体システムが登場

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最近では、OMS単体で販売するケースは少なくなりました。なぜなら、OMSが管理できるのは「注文(受注)」から在庫管理だからです。通常の倉庫の場合だと、倉庫で荷物がいつ出荷したのか、いくつ注文先から納品したかなども合わせて管理する必要があります。しかし、この部分はOMSでは管理しきれません。

そこで、OMSはWMS(倉庫管理システム)と一緒に使われるようになりました。WMSとは、倉庫の出荷・入荷の記録を管理するシステムです。これによって「注文」「在庫」「出荷」「納品」全て管理ができるようになりました。

※WMSについては以下の記事をご覧ください

WMS (Warehouse Management System)って何?導入に伴うメリットやデメリットを簡単解説 | お多福ラボ
物流業界に従事している方はWMS (Warehouse Management System)という言葉を聞いた事があるかもしれません。WMSは倉庫管理システムと訳されるのですが、物流業界では既にあらゆる企業で導入されています。そこで今回はWMSとは何か?そして導入に伴うメリットやデメリットなどについてお伝えします。

また、もともとOMSとWMSは別々で管理していました。そうなると、システムの管理費が二重にかかってしまいますよね。そこで最近では、OMS+WMSが一体になったシステムが登場しました。これよって、倉庫と受注の管理をより効率化できるようになっています。

OMSを導入するメリット・デメリット

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では、OMSを導入することのメリット・デメリットについてそれぞれ解説しましょう。

メリット1:受発注に関わるコストを削減できる

従来の受発注管理システムでは、FAXで発注することもありました。これでは、紙や印刷代など、様々なコストがかかりますよね。

その点、OMSでは受発注は全てデジタルで管理し、データも自動で残ります。これなら、入力にかかる時間を減らし、その分の人件費も削減できるでしょう。また、OMSの種類によってはどの業者が一番安いなどの情報を提供します。これによって、配送にかかる費用も合わせて削減できます。

メリット2:管理システムをまとめられる

今までの販売管理システムだと、店舗ごとに管理という形をとっていました。そうなると、同じグループの店舗や倉庫に在庫の有無を確認する際には電話やメールなどで連絡をとっていましたよね。忙しい時は電話をかける時間も無駄ですし、メールで何日も返信が返ってこないとなると、業務が滞ってしまいます。

これに対して、OMSなら店舗や倉庫における注文の数をまとめて管理できます。在庫の数も合わせて把握できるので、今どこの店舗・倉庫なら在庫があり、どこから届けるのが適切なのかの判断もできるようになるでしょう。

メリット3:オンラインでの管理なので、基幹システムの影響を受けにくい

多くの企業では、顧客情報や会社の経営情報を管理している基幹システムを導入していますよね。しかし、基幹システムに注文管理システムを組み込む場合は動きが遅い、操作がわかりにくいなどの問題が発生しがちです。

OMSは基幹システムとは別にシステムを導入する形になります。データは基幹システムと連携できるので、この基幹システムが古くても動きの影響を受けません。特に物流の現場だと、このシステムが古いことも多いのでOMSを導入しても大丈夫でしょう。

デメリット1:導入時に、社内の業務フローの改善が必要

新しいシステムを導入するとなると、まず社内の業務フローを見直して「この作業にシステムを入れる」と決める必要があります。となると、業務フローを洗い出す、タスクにかかっている時間を算出するなどの作業が発生します。

もちろん、このフローの洗い出しはコンサルが行う場合もあるかもしれません。とはいえ、システムを導入する上ではこのような別の業務が発生することを頭に入れておきましょう。

デメリット2:多大な費用がかかる

新しいシステムを導入するとなると、当然のごとく費用がかかります。この費用とは初期費用や月額費用のことですが、OMSの場合だとあらゆる機能が搭載されているものだと初期費用だけで100万円を超えることも。

このため、システムを導入する際は費用対効果をしっかり見極めるようにしましょう。もちろんシステムによっては初期費用が無料のこともあるので、企業でシステム導入にかけられる費用を決めて、そこからOMSを探すのも一つの手です。

OMSを選ぶ時のポイント

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では、OMSを選ぶときに何を基準にすれば良いのかをお伝えしましょう。

自社でECサイトを持っている場合、連携できるシステムを選ぶ

最近では、ECサイトで販売する企業も増えていますよね。特にアパレルや食品を販売している場合、注文から発送まで流れをスピーディーに行う必要があります。となると、ECサイトとOMSがしっかり連携がとれる必要があります。

そのため、自社でECサイトを持っている場合、または楽天やAmazonなどのモール型ECサイトを利用している場合はOMSと連携してどのようなことができるのか、APIの利用ができるのかなどをチェックしましょう。

従業員のITのレベルに合わせて選ぶ

どんなシステムでも、実際に使うのは従業員の方です。でも、どんなに経営陣が「このシステムは他のシステムとの相性が良い」「このシステムは使いやすい」と判断しても、従業員の方が使いこなせないと効果を発揮できません。特にOMSは費用がかかるので、これではせっかく導入しても損になってしまいますよね。

このため、従業員の方がどれくらい現状でシステムを使えているのかを経営陣が把握することも大切です。また、ときにはシステムを導入した後でも現場の意見を吸い上げながら、使いやすいようにルールを作る体制も必要でしょう。

まとめ

さて、今回はOMS(受発注管理システム)とはどんなシステムなのかについて解説しました。それでは、今回の内容をざっくりおさらいしましょう。

  • OMSとは、受注発注を管理するシステムのこと
  • OMSは「受発注をもっと楽に管理したい時」「受注〜発送までの時間を短縮したい時」に効果を発揮する
  • OMSは単体だけでなく、OMS+WMS一体システムで使われる時もある
  • OMSを導入するメリットは「受発注に関わるコストを削減できる」「管理システムをまとめられる」「オンラインでの管理なので、基幹システムの影響を受けにくい」があり、デメリットは「導入時に、社内の業務フローの改善が必要」「多大な費用がかかる」がある
  • OMSを選ぶポイントとして、「自社でECサイトを持っている場合、連携できるシステムを選ぶ」「従業員のITのレベルに合わせて選ぶ」がある

ECサイトが一般的に使われている今、OMSは必須と言えるかもしれません。物流の効率化を目指すなら、受注・発注に関する管理もスムーズに行う必要がありますよね。これからの時代の物流に対応できるようにするためにも、ぜひOMSの導入を検討しましょう。

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参考URL
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