DX(デジタルトランスフォーメーション)

面倒なピッキング作業を自動化する!AIを利用した活用事例まとめ

面倒なピッキング作業を自動化する!AIを利用した活用事例まとめ

工場の生産ラインでは、バラ積みされた対象物を一つずつピッキングする場面がよくありますよね。そこで求められるのは、スピードと正確さ、そして複雑化している対象物の把持(はじ)能力です。このすべてを満たす存在として、AI(人工知能)を利用したピッキングが注目されています。

AI(人工知能)ピッキングは、従来のピッキングロボットにAI(人工知能)を搭載し、複数種の対象物がバラ積みされた状態でも、画像認識により種類別に仕分けして、指定された場所に配置・移動させます。AI(人工知能)ピッキングは、従来のようにグリッパを交換しなくてもサイズや形状、重さの違う複数の対象物を同時に見分けて把持できるので、ピッキング精度が飛躍的に高まります。

この記事を読めば、AI(人工知能)を利用したピッキングについて深く理解できるので、より精度の高いピッキング作業によるスマートファクトリー化に役立つに違いありません。

そこで今回は、AI(人工知能)によるピッキング作業のメリットや活用例、また将来の展望についてもお伝えします。

従来のピッキング作業の問題

ピッキングのイメージ
従来のピッキングは人に頼る部分が多く、大勢の作業員が必要で時間がかかるうえ、人によって精度にバラつきがあり完全にミスをなくすことも困難でした。また、人が主体の作業は夜間は無理といった時間帯の制約もあり、生産性の向上を阻んでいました。

ピッキングロボットを導入しても、機械学習のために対象物のサイズ、重さ、全角度からの画像などのデータをすべて事前に登録する作業が必要です。くわえて、ピッキングする対象物によって、ロボットのアームの先端につける人の指のようなグリッパの形状や機能をカスタマイズ・交換する必要もあり、そのコストや作業の手間が課題でした。

ピッキング作業にAI(人工知能)を利用するってどういうこと?

つかむイメージ

AI(人工知能)をピッキング作業に利用すると、ディープラーニング(深層学習)による画像認識で複数種の対象物入りのバラ積みからでも各特徴を的確に捉え、種類ごとに把持、指定場所に仕分けることが可能です。これにより、人がグリッパを交換したり対象物別に作り直す必要がなくなりました。

他の対象物の下敷きになっていても、その一部が見えていればカメラがとらえて判断するうえ、透明でも形状やサイズの違いを高精度で見分けます。よってイレギュラーな状況や対象物の材質によってピッキングできないケースが極めて少なくなりました。さらに、AI(人工知能)は日々のピッキング業務からも学習を重ねていくので、同じ過ちを起こさないだけでなく、その精度は使えば使うほど高まるというメリットがあります。

くわえて2~3指のグリッパが微妙な大きさや形状に合わせて掴み方を調整するうえ、真空吸着カップを装備しているタイプもあり、パウチ製品などを折り曲げずにピッキングすることもできます。つまり、掴む必要のあるものと掴まずにリフトアップしたいものをグリッパを交換せずとも同時に仕分けることが可能。まるで人の目と器用な指先と判断力にたけた有能な脳を持ち合わせているみたいですよね。

ピッキング作業にAI(人工知能)を利用するメリット

工程のイメージ
ピッキング作業にAI(人工知能)を利用するとどの様なメリットがあるのか、について掘り下げましょう。

具体的には、「導入工程が容易」「作業効率の向上」「生産性の向上」「省人化による人件コストの削減」が挙げられます。一つずつ見ていきましょう。

メリットその1「導入工程が容易」

従来、ピッキングロボットを導入する際には、対象物一つ一つについてサイズや形状をすべて現場で機械学習させる必要があり、膨大な手間と時間がかかっていました。ところがピッキング作業にAI(人工知能)を利用する場合、すでに機械学習が済んだ状態でベンダーから納品されるため、作業現場で大量の画像を読み込ませる必要がありません。さらに日々のピッキング業務を繰り返す中で、人が手を出さずとも勝手に画像認識の精度はアップデートされるので、費用対効果が高いです。

メリットその2:「作業効率の向上」

AI(人工知能)を利用すれば、ピックアップして定位置に収めるという工程を同じスピード(例えば5秒と設定する)で延々と続けられます。よって人によってスピードにバラつきが生じたり、疲れてスピードが落ちる、といったことは一切ないため、作業効率が格段にアップするのは間違いありません。

さらに対象物の形状やサイズに合わせてグリッパを交換する必要がなく汎用性が高いので、AI(人工知能)を搭載していないピッキングロボットよりも作業効率が上がります。

メリットその3:「生産性の向上」

人が行うピッキングは、時間がかかるうえミスが起きるリスクがありますよね。しかし、AI(人工知能)をピッキングに利用すると、従来に比べて精度が飛躍的に向上します。それだけでなく、夜間でも作業ができるため、時間単位の生産能力が確実に高まります。よって、大量受注にも対応でき、業績にも好影響が出るでしょう。

メリット4:「省人化による人件コストの削減」

AI(人工知能)をピッキングに利用すると、作業員の数を大幅に減らせます。監視役がいれば、ピッキング作業自体はすべて自動化されるので、夜間でも最小限の人数で対応可能です。よって、省人化が進み、人件費も削減できます。

ピッキング作業×AI(人工知能)の活用事例

自動のイメージ
実際の現場で、AI(人工知能)がどの様なピッキング作業に活用されているのか、見ていきましょう。

物流倉庫の自動化と省人化に成功

日用品・化粧品・一般医薬品などの卸売り大手の株式会社PALTACは、物流センターの自動化と省人化のためにAI(人工知能)ピッキングロボットを導入しました。撮影した画像を独自のアルゴリズムで解析し、従来は難しかった柄が煩雑な箱、凸凹に積まれたダンボール、八角形などの異形状な箱の積まれた棚から目的の荷物をピッキングすることに成功。

これにより人が行っていたベルトコンベヤーへの荷物の搬送作業をすべて自動化することができました。結果として作業効率が2倍に向上、自動化と省人化が同時に実現しました。

正確な箱詰め作業の完全自動化

ユニクロを傘下に持つファーストリテイリングは、世界一のアパレル企業を目指しすDX(デジタルトランスフォーメーション)の一環として、自動倉庫の実現を目指していました。

そこでAI(人工知能)ピッキングロボットを導入。ビニール包装のシャツや箱詰めされた肌着など、大きさも材質もデザインも違う商品を画像認識で見分け、箱によって違う商品と数量を認識のうえ、それぞれに間違いなくピッキングして入れるという流れ作業の完全自動化に成功しました。これにより自動倉庫が実現、大幅な省人化がはかれました。

ピッキング×AI(人工知能)の今後

人とロボットのイメージ
AI(人工知能)によるピッキングは、大きなダンボールから小さなネジに到るまでさまざまな用途に活用されます。今までもピッキングロボットは存在しましたが、物の状態を立体的に捉えるために3D技術が使用されており、非常に高額でした。よって、ピッキング作業が大いに必要な中小・零細企業ではなかなか導入が進まず、作業は人の手に頼らざるを得ませんでした。

しかし、AI(人工知能)を活用したピッキングロボットの中には、2Dで対象物をとらえる技術を持つ安価で秀逸な製品も実装されており、今後は中小・零細企業にも広く普及する可能性が高まってきました。そうなると、工場や倉庫など労働集約型の業界での深刻な人手不足解決にも一役買えるかもしれません。

まとめ

さて今回は、AI(人工知能)によるピッキング作業のメリットや活用例、また将来の展望についてお伝えしました。

AI(人工知能)をピッキング作業に利用すると、ディープラーニング(深層学習)による画像認識で複数種の対象物入りのバラ積みからでも、種類ごとに的確に把持、指定場所に仕分けることが可能です。

従来のピッキングは人に頼る部分が多く、たくさんの人手が必要で時間もかかりました。さらに、人によって精度にバラつきがあり完全にミスをなくすことも困難でした。また、人が主体の作業は夜間は時間帯の制約もあり、生産性の向上を阻む一因でした。しかし、AI(人工知能)のよるピッキングなら、「導入工程が容易」「作業効率の向上」「生産性の向上」「省人化による人件コストの削減」などのメリットがあり、従来の課題解決に大きく役立っています。

AI(人工知能)によるピッキングは、形状や材質の異なる商品を見分けて箱詰めしたり搬送するなどの働きにより、工場のオートメーション化にも貢献しています。今後、安価なAI(人工知能)を利用したピッキングロボットが普及すれば、深刻な人手不足に悩む中小・零細企業に希望の光を照らすきっかけになるかもしれません。その日を心待ちにしながら、今後もAI(人工知能)搭載ロボットの躍進に注視しましょう。

【お知らせ】

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