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理学療法士はどうなる?リハビリでAI(人工知能)活用される理由とは

理学療法士はどうなる?リハビリでAI(人工知能)活用される理由とは

近年、AI(人工知能)技術が進歩し、私たちの生活にとって馴染み深いものへと変わりましたよね。その一例として、医療分野ではレントゲンやMRIの画像をAI(人工知能)が解析し、医師の医療支援、治療方針の判断支援のための活用が進んでいます。

そんな医療分野の一部であるリハビリにおいてもAI(人工知能)が活用され始めています。トヨタ自動車が脳卒中などによる下半身麻痺のリハビリ支援を目的としたAI(人工知能)ロボット「ウェルウォーク-2000」を開発。「ウェルウォーク-2000」は患者が継続的なリハビリが受けられるようにプログラムなどを自動で組んでくれることを特徴としています。

AI(人工知能)が搭載されたロボットがリハビリに導入されれば理学療法士にとっては仕事における肉体的な負担、業務に余裕をもてるようになることが期待できるでしょう。しかし、その反面、理学療法士の仕事がAI(人工知能)によって奪われるのではないか?という心配も抱いてしまいますよね。

そんなわけで今回は、リハビリの分野でAI(人工知能)が活用される理由とは何なのか、理学療法士はどうなっていくのかを解説します。

リハビリにAI(人工知能)が使われる、とはどういうことか

リハビリのイメージ

AI(人工知能)の特徴として実績や計算ができる問題に対して、人よりも素早く的確に導き出すことができます。AI(人工知能)をリハビリに活用することは、例えば患者の疾患や姿勢などを映像分析し、リハビリの際に使えていない筋力を特定するのに使われます。また数多くの事例をデータとして保有しているので、それを活用し、リハビリのプログラムを考え出すことが可能となるでしょう。

つまり、リハビリにAI(人工知能)が使われるということは、今まで人にしかできないと言われていた分野にAI(人工知能)が参入したことを意味します。そうなるとAI(人工知能)が人に代わってプログラム作成するということは、リハビリにおいて理学療法士自身が必要なくなる、さらにはリハビリにはAI(人工知能)とロボットが入れば完結してしまうのではないかという考えも出てきます。

しかし、このリハビリの分野はAI(人工知能)が登場しても、その仕事が非常に融通性を求められる、また患者の精神的フォローも求められる仕事のため、理学療法士の存在意義はまだまだ高いに違いありません。

では実際にリハビリにAI(人工知能)が導入されることによって理学療法士の仕事にどのような影響が出るのか、もう少し深く解説します。

リハビリを行う人=理学療法士とは

理学療法士のイメージ

まず、リハビリという言葉を説明しましょう。リハビリとは正式にはリハビリテーションと言い、ラテン語が語源となっており、「再び人間らしい状態にすること」を指しています。それは単に患者が体の機能面で日常生活ができるレベルに戻すだけでなく、一人の人間として自立した生活が送れるようにするという社会復帰を支援することを目標としています。

その中で理学療法士が担当するリハビリは病気やケガが原因で、歩く、立つ、座ると言った普段の動作ができなくなる、また身体に痛みを感じる人の治療をし、基本的な運動機能を回復する支援を行います。具体的にマッサージや電気刺激、温熱と言った物理的な治療を行いながら歩行訓練や車いすの訓練など、リハビリが必要な患者はお年寄りだけでなく、脳卒中など後遺症がある人からスポーツでケガを負ったアスリートなども幅広く含まれるでしょう。

理学療法士は高齢化が進む社会で需要がますます高まることが予想される注目の分野と言えます。

理学療法士は「なくならない仕事」とされていた

仕事のイメージ
理学療法士は、AI(人工知能)が簡単には参入できない仕事だと言われてきました。その理由としては理学療法士の役目として、患者の状態を見ながら適切なプログラムへ都度変えていく融通性、そして患者の精神的なサポートも行うことが求められるからです。

リハビリは単に患者が体の機能面で日常生活ができるレベルに戻すだけでなく、一人の人間として自立した生活が送れるようにするという社会復帰を支援することを重視しています。リハビリは患者にとって、肉体的にも精神的にも非常に辛いものですよね。感情のないロボットのように淡々とリハビリを受けられるのならば問題ありませんが、対人となると簡単には行きません。

リハビリは精神的な支えが必要、つまり患者とのコミュニケーションが非常に大切な仕事でしょう。そのような理由もあって、AI(人工知能)が対応できる範囲として、人とのコミュニケーション、心の触れ合いという分野がまだまだ発展途上の範囲と言え、理学療法士の仕事を奪うことはないだろうとされています。

ではなぜ、理学療法士の業務にAI(人工知能)が進出できるようになったのでしょうか。その理由について次で詳しく見ていきましょう。

それでもリハビリにAI(人工知能)が使われるようになった理由とは

病院のイメージ
少子高齢化や人材不足、仕事の効率化という観点よりAI(人工知能)が様々な業界へ算出していますが、リハビリの業界も例外ではありません。

AI(人工知能)が得意な分野であるデータ解析から最適な答えを導き出すという点をリハビリのプログラム作成という仕事に活かし始めました。つまり、理学療法士が全て考えていた患者のリハビリプログラムをAI(人工知能)に考えてもらうことで大きく時間が削減することが目的です。

実際、NECと北原病院グループがリハビリにAI(人工知能)を導入したらどのような影響がでるのかに関する試験を実施された結果、AI(人工知能)技術の導入前と比較し業務時間を約60%も短縮できたとのこと。

業務時間を大きく短縮することができるということは患者一人一人への対応のクオリティUP、また理学療法士自身のスキルアップの時間に充てるなど、業界全体の改善へとつなげられますよね

今後のリハビリの未来はどう変わるのか

コミュニケーションのイメージ
リハビリの仕事は、今のAI(人工知能)の技術では全てを任せることはできないでしょう。しかし、AI(人工知能)が強みとしているデータ解析、プログラムの立案をうまく活用し、患者への心のフォロー、またプログラムに対して軌道修正を検討するなどの融通性は理学療法士がすることで、従来よりも良い環境になることは間違いありません。

また、理学療法士としての仕事が減ることは変わりないので、新たなスキルが求められていくことが予想されます。それはAI(人工知能)がリハビリのプログラム立案をしてくれるので、そのプログラムに問題がないか患者の肉体的、精神的に配慮した上、判断する力。もちろん患者に対しての心のフォローも今まで以上に求められるでしょう。

リハビリと言う分野ではAI(人工知能)と人が協働でやることで、より良い関係性が築け、仕事のクオリティも上がる、AI(人工知能)導入による前向きな環境改善ができる非常に良いモデルケースです。

まとめ
さて今回、リハビリの分野でAI(人工知能)が活用される理由とは何なのか、理学療法士はどうなっていくのかを解説しました。

内容を振り返りましょう。

  • AI(人工知能)の技術向上によりリハビリのプログラム作成などでリハビリの分野へ参入し活躍していく可能性が高まる。
  • 理学療法士とは患者を再び自立した生活が送れるようにフォローすること、つまりリハビリをすることが仕事。
  • 理学療法士は患者へのリハビリプログラムを健康状態や精神状態で融通をきかせないといけなかたり、患者の心のケアをしないといけない為、AI(人工知能)に仕事が奪われないという位置づけであった。
  • 少子高齢化や人材不足、仕事の効率化を目指す社会の為、リハビリの分野にAI(人工知能)がリハビリのプログラムを組み立てるという役目で活躍させる方針となった。
  • AI(人工知能)と理学療法士が協働することで、より良いリハビリが実現する

以上より、今までAI(人工知能)の参入が無理だといわれてきたリハビリの分野でもAI(人工知能)が活躍できることが期待できそうです。さらには理学療法士の仕事を奪うわけではなくデータ解析、プログラムの立案というAI(人工知能)が得意分野での活躍、そして理学療法士は患者の精神的な面でのサポートをすることで、今後リハビリの分野はより高いクオリティのサービスを提供できるに違いありません。

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