最近「生体認証」というワードをよく耳にするという方もいますよね。暗証番号(いわゆるパスワード)による認証に取って代わる認証方法として注目されているのが「生体認証」。
パスワードの漏えいなどの心配がなく、極めて機密性の高い認証方法であるという点が、「生体認証」の最大の特長のひとつでしょう。
2020年の東京オリンピック・パラリンピック、2025年の大阪万博など世界的なイベントを控えている今、セキュリティを厳重にすべきという機運が高まっていることも受け、「生体認証」はその実力を大きく発揮しつつあるのです。
そこで今回は、そんな「生体認証」についてを身近な活用例であるスマホでの生体認証機能でご紹介していきましょう。
まずは生体認証とは何なのかを解説します
まず、生体認証とはいったい何なのかについてから説明します。
生体認証の最大のメリットは、その機密性と可用性の高さにあります。従来のパスワードであれば、忘れてしまうと認証ができずシステムやサービスが利用できないという致命的なデメリットがありました。長くて複雑なパスワードを要求されて設定していたけれど、忘れてしまって困ったという経験をした人もいますよね。
でも、だからと言って簡単で覚えやすいパスワードにするとどうなるでしょうか。悪意を持った人物に簡単に見破られてなりすましなどの被害にあってしまいます。また、いくら複雑なパスワードにしていたからと言って、そのパスワードが他人に漏れてしまったら元も子もありません。
一方で生体認証の場合はどうでしょうか。生体認証は、指紋など人間の身体的または行動的な特徴を鍵として個人を認証する仕組みです。ですから忘れてしまう心配がありませんし、また、体の一部ですから盗まれる心配もありませんよね。
なかでも近年活用が進んでいるのが、「顔認証」です。顔認証は従来の指紋認証とともにスマホのログオン認証、入退室などの用途で広く活用されていますよね。なかでもNECは世界でもトップクラスの顔認証の精度を誇っているなど、日本の技術の新たな主戦場となりつつあるのです。
iPhoneのスマホにある生体認証
それでは、私たちが日ごろよく利用するスマホの端末認証にはどのような生体認証技術が使われているのでしょうか。まずは、AppleのiPhoneシリーズの端末認証事情について見ていくことにしましょう。
これは従来画面下に配置されていた「ホームボタン」が廃止されたためで、指紋センサの役割も担っていたこのボタンデバイスがなくなったことで指紋による端末認証も姿を消してしまったのです。
この「Face ID」の精度は非常に高く、彫りの深さなども判断しているため、写真を見せただけではロックの解除はできません。また、「Face ID」にはAI(人工知能)による機械学習の機能も実装されており、持ち主の外見の変化(ひげが生える、髪の毛が伸びるなど)の変化には対応できるようです。
これなら、過検知や誤検知することもなく、安心かつ便利に使うことができそうですよね。ただ、指紋認証へのニーズも依然強く、Appleでは2020年以降に「Touch ID」を復活させることも示唆しているといいます。
Androidスマホにある生体認証の機能
ただその一方で、iPhoneで標準実装されている顔認証はまだ実装している機種が限定されているようです。
また、Androidを提供するGoogleの主なサービスでは、アカウント認証に指紋認証を利用でき、各サービスが連携していることもあり非常に利便性が高まっています。例えばGoogle Play Storeでアプリなどを購入する際にも指紋認証による本人認証が可能です。
スマホの生体認証を使うときの注意点
このように、スマホの利便性を飛躍的に向上させている生体認証ですが、もちろん便利なことばかりではありません。ここでは、スマホで生体認証を利用する際に注意しておきたいことについてご紹介します。
ですから、生体認証を利用する場合であっても認証用のパスワードは必ず忘れないようにしましょう。
つまり、悪意を持った人物による攻撃が、生体認証をも突破しようとしています。
「生体認証は安全」と過信をせず、なるべく新しい機種を選択することや、生体認証とパスワード認証による2要素認証を採用するなど、自己防衛をすることはとても重要なことではないでしょうか。
今回は、スマホにおける生体認証の機能と、その安全性や注意点についてご紹介しました。
今、私たちの生活の中でスマホの占める役割は爆発的に増加しているといえますよね。それ故に、スマホをもっと便利に使えるようにしたい、というのは至極自然な流れでしょう。
例えば画面を見るだけで端末認証ができれば、お店の支払いでスマホを使うときなどにも便利ですよね。
ですが、スマホに搭載されているセンサー類は処理能力に限界があるということも言われています。ですから、生体認証が必ずしも100%安全ではないということも、頭の片隅に置いておくべきでしょう。あなたのスマホの生体認証も、もしかするともうすぐ攻撃されるかもしれませんから。
生体認証について理解した上で自己防衛は常におこないつつ、便利に使いこなしていきましょう。