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私たちの介護の形が変わるかも、「スマート介護」についてまとめ

私たちの介護の形が変わるかも、「スマート介護」についてまとめ

2025年には、人口の3割が65歳以上の高齢者になるとも言われる日本ですが、介護・福祉施設もどんどん増えていますよね。しかしそれに伴い、介護業界は人手不足や多忙という多くの課題を抱えるようになりました。

そんな中、介護、福祉施設の職員達を助けるために「スマート介護」というサービスが登場しました。これは、介護、福祉施設で使う日用品や衛生用品、事務用品、レクリエーション用品などをデリバリーしてくれるというサービスです。

介護業界の職員達は24時間365日、休みなく入所者の介助をしなくてはなりません。その上、日用品を買いそろえたりイベントを企画したり…やるべき仕事が満載。そんな時「スマート介護」のサービスを利用すれば、時間的余裕ができ仕事の効率アップにもつながるでしょう。

そこで今回は、この「スマート介護」とはどのようなサービスなのか、それと同時に、これからの高齢者介護で欠かすことのできない「スマート介護士」という資格についてもご紹介しましょう。

介護に対して必要なものが買える「スマート介護」とは

カタログのイメージ

では、「スマート介護」について、もう少し詳しく説明しましょう。

「スマート介護」は2014年5月にスタートしたサービスですが、オフィス家具や文具用品を取り扱うプラス株式会社(東京都港区)の社内カンパニー「ジョインテックス」が展開しています。この「ジョインテックス」は、オフィス向けデリバリーで培ったノウハウや実績を生かして、介護業界にも参入しました。

そんな「スマート介護」は、「笑顔で介護のお手伝い!」を目指しているカタログショッピングですが、1冊のカタログに介護施設で必要なものすべてが盛り込まれています。なので、欲しいモノがすぐに見つかり、すぐに購入できるというサービスです。

現在「スマート介護 vol.6カタログ」が発刊中ですが(2019.5.11~2020.5.10)、カタログ掲載は約21,000アイテム、WEBでは約1,000万以上のアイテムを取り扱っています。しかも、商品は24時間いつでもFAXやインターネットで注文でき、翌日配送してくれます。なので、忙しい介護職員たちが買い出しに走る必要がなく、本来の業務に集中できますよね。

では実際、「スマート介護」ではどのような商品が買えるのか、次にご紹介していきます。

「スマート介護」で買えるものとは

介護のイメージ

まず取り扱い商品を見ていきましょう。

レクリエーション・リハビリ・食事口腔ケア・排せつ・入浴・衛生・理美容・就寝用品 ・歩行移動用品・衣類・生活用品・文具事務用品・防災用品・家具・介護ロボット

などのカテゴリーに分けることができます。

たとえばレクリエーション用品では、手先のリハビリのため「ひよこ豆とうぐいす豆をお箸でつかむ」対戦型ゲーム、昔懐かしのけん玉や紙風船などもあります。また高齢者が使いやすい、耐久性のあるプラスチック製トランプや、大きなサイズのジャイアントトランプなども注文できます。市販ではなかなか売られていないので、便利ですよね。

ちなみにレクリエーションの人気商品は、亀田総合病院の医師監修「もしバナゲーム」です。これは自分や大切な人が「もしものための話し合い」のきっかけを作るゲームで、自分自身のあり方や価値観に気づくことができます。何となく避けてきた話題ですが、カードゲームを通して考えることができますよね。

また、食事面では「吉野家のやさしいごはん」が人気です。牛丼チェーン店で人気の吉野家がもうお肉をあきらめていた高齢者でも食べられるように、舌でつぶせるくらい柔らかく調理されたご飯を提供します。食べていくうちに吉野家の味を思い出すことができるでしょう。

もちろん、かさばる紙おむつやトイレットペーパー、使い切りマスクや手袋なども豊富で、「あっ!なくなった」と焦ってホームセンターに走らなくても済むのはありがたいに違いありません。

この他、「スマート介護」ならではの特色、「お悩み解決!」というサービスもあります。

たとえば、離れて暮らす家族と音声メッセージで連絡がとれる、コミュニケーションロボット「ここくま」や、介護保険を申請するためのオンラインツール「ほのぼのmini」などのサービスも紹介してくれます。まさに、困っているときに、手を差し伸べてくれるサポート体制ですよね。

また「まるサポ」といって、経営サポートメニューもあります。これは、購買内容を診断してコスト削減の提案、福祉車両のリース割引、スタッフの福利厚生サービスなど…介護業界のバックヤード的なお手伝いです。これで経営が安定すると、職員達もやる気にもつながるでしょう。

それに「スマート介護」の営業担当者は、「福祉用具専門相談員」や「レクリエーション介護士」の資格を取得しているので、福祉用具の選び方や介護レクリエーション企画の相談にも乗ってくれます。専門的な立場からアドバイスをもらえると、職員達の時間や労力の軽減にもつながりますよね。

「福祉用具専門相談員」とは:介護保険制度の中で定められた福祉用具のスペシャリストで、利用者の状況に応じて福祉用具を選定する資格
「レクリエーション介護士」とは:介護の知識や、自分の趣味・特技を生かして高齢者に喜んでもらえる介護レクリエーションを企画・提案・実施する資格

このように「スマート介護」を利用すれば、買い出し不要、翌日には何でもそろい、しかも介護施設ならではの悩みまで解消してくれます。まさに、楽ちんでスマートな介護サービスですよね。

次にご紹介するのは「スマート介護士」です。今後の介護分野で期待されていますが、どのような資格なのか詳しく説明しましょう。

新しい介護の形、「スマート介護士」試験が始まる

資格のイメージ

「スマート介護士」という言葉を初めて耳にする方も多いですよね。実は2019年3月に創設された新しい資格で、社会福祉法人善光会サンタフェ総合研究所が主催する民間資格です。

今、介護の現場では人手不足が課題になっていますが、業務の負担を軽くするために介護ロボットや介護センサーなどが続々導入されています。でも実際の施設では、介護ロボットの使い方がよくわからない、複雑でめんどくさいなど十分に活用されていない場合も多いでしょう。

その原因としては、介護ロボットそのものの操作だけでなく、効果的なオペレーションシステムを構築したり、利用者の指導を行う人材が少ないからです。

そこで、介護ロボットの導入の仕方、活用方法などをアドバイスしながら、業務の効率化を図る「スマート介護士」という資格が作られました。

まず「スマート介護士」の資格には、

  • スマート介護士Basic(初級):受講料6,600円 (介護や介護ロボットに興味があり知識を持ちたい方)
  • スマート介護士Expert(中級):受講料8,800円 (施設管理者や介護ロボットの運用を目指している方)

の2種類があります。

スマート介護士Basic(初級)試験は、「公式テキストFor Basic & Expert」および運営会社の提供するスマート介護士オンライン講座から出題されます。合格ラインは正答率約70%以上です。勉強していくことで、介護ロボットや介護に関する基礎知識が学べます。

スマート介護士Expert(中級)試験も、「公式テキストFor Basic & Expert」および運営会社の提供するスマート介護士オンライン講座から出題されますが、Basicよりも深い内容の理解が必要です。

なので、介護現場を管理するリーダーや主任など役職のある方が受講されるケースが多く、介護ロボットなど実際に現場で運用する知識が身に付きます。合格ラインは正答率約70%以上です。

受験会場は札幌、東京、名古屋、大阪、福岡に限定されていますが、企業や学校、サークルなど5人以上で申し込めば、グルーブ割引があります。また、社内研修の一環としても活用できます。皆で受験すれば刺激を受け合い、楽しみながら勉強できるでしょう。

ちなみに、スマート介護士資格「公式テキストFor Basic & Expert」の学習内容は

  • 介護ロボット概論
  • 介護基礎論
  • 介護オペレーション基礎論
  • 介護ロボットの評価論
  • 介護ロボの導入と運用の実践
  • 介護業務支援システムの導入

です。「資格までは取れないけど、興味がある!」という方は読んでみるのもよいでしょう。

では、スマート介護士の資格は、今後どのようなことに役立つのか見ていきましょう。

スマート介護士の資格を取るメリット

介護の現状のイメージ

現在の介護現場は、慢性的に人手不足で課題が満載です。なので、多くの介護施設では介護ロボット導入など、効率化に向けて業務の見直しを図っています。そんな時、「スマート介護士」の資格は大きなアピールポイントとなるのです。

主なメリットとしては…

  • 介護の現状や課題を知ることができる
  • 新しい資格なので他の介護職員との差別化を図れる
  • 介護施設など受け入れ先が豊富である
  • 介護ロボットの正しい使い方を指導でき事故を防ぐことができる
  • 時代に合った介護方法を学び指導することができる
  • 介護リーダーや経営者などは、より質の高いケアを目指すことができる

等があります。

また「スマート介護士」の資格は、勤務経験などは問われません。ですから、経験が浅い若い人達も、今の時代に合った新しい価値観で、介護の仕方を提案することもできますよね。

まとめ
さて、今回は「スマート介護」サービスと、「スマート介護士」という資格についてお伝えしました。

いつも忙しく走り回っている介護現場では、「スマート介護」のデリバリーサービスはありがたいですよね。介護に必要なものすべてが注文の翌日に届き、経営サポートまで受けることができ、介護業務の効率アップにつながるでしょう。

そして、介護職員達に時間的余裕ができると、高齢者とのコミュニケーションや入浴、排せつの介助など本来の業務に集中でき、専門性の高いケアができるに違いありません。

また、業務を見直すために介護ロボットを導入しても、苦手意識からうまく使えずに無駄になることも多いです。でもそんな時「スマート介護士」がいれば安心です。

この施設は体力のない女性が多いから「入浴支援ロボットを入れよう」とか、人手が少ない現場だと「見守りセンサー」を使おう、など「スマート介護士」から適切なアドバイスを受けられます。ですから「スマート介護士」のニーズは、これからも増えていくでしょう。

一番大切なことは、少子高齢化が進む日本で、いかに高齢者が質の高いケアを受けられるかということです。これからは「スマート介護」や「スマート介護士」など、積極的に新しい介護サービスを利用すれば、介護職員の負担も減り「介護はやりがいのある楽しい仕事」と感じてもらえるでしょう。

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