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孫の様に可愛い!しゃべるぬいぐるみが介護施設で人気な理由

孫の様に可愛い!しゃべるぬいぐるみが介護施設で人気な理由

しゃべるぬいぐるみが介護施設で人気!と聞くと、なんだか意外な印象を持つ方もいますよね。

近年、介護に関する話題として、食生活の改善や医療技術の進歩がもたらす死亡率低下により、我が国の高齢化が進んでいます。高齢化によるお金や介護の問題も懸念されており、介護を要する高齢者の存在は、その家族の生活に大きな影響をもたらします。もちろん家族が介護施設にいる・・・という方もいるでしょう。しかし、しゃべるぬいぐるみを抱いて会話することが、介護施設における治療法として活用されています。

えっ、そうなの?と疑問に思われるかもしれませんが、しゃべるぬいぐるみを活用した介護は、認知症予防や症状の進行を遅らせることを目的に活用されている心理療法です。

ということで、今回はしゃべるぬいぐるみが介護施設で人気になっている理由について紹介します。また、現在の日本において介護の課題としてどういった点があるのか、についても一緒に考えてみましょう。

介護士が足りない

介護のイメージ
高齢化が急速に進む中で、はたして介護施設はこれらの多くの業務にキチンと対応してゆけるのか気になりますよね。ということでまず、現在の日本において介護の課題としてどういった点があるのか、一緒に考えてみましょう。

今後、介護を必要とする高齢者は爆発的に増えていくことがわかっています。65歳以上の高齢者人口は2025年に3,657万人(全人口の約30%)、2042年に3,787万人(全人口の約36%)でピークを迎えます。その後、高齢者人口は減少に転じますが、65歳到達者数が出生数を上回ることから高齢化率はその後も上昇を続け、2060年には約40%に到達すると見込まれています。10人のうち実に4人が65歳以上の高齢者である社会です。

現時点でも介護士不足は深刻な問題です。2000年の介護保険制度開始から現在(2018年4月)までに、介護士は約4倍(約200万人)に増えていますが、それでもまったく足りていません。(全国の有効求人倍率:1.22倍、東京都は5.40倍、愛知県は5.30倍など)

介護保険制度
国民全員で保険料を負担して介護が必要な方に給付する仕組みです。40歳になると介護保険への加入が義務付けられており、保険料を支払うことになります。

介護施設に求められる業務としては食事補助/着替補助/入浴補助/ベッドからの立ち上がり補助/リハビリ支援/排泄支援などの高齢者を直接支援する作業、また、調理/食事の準備/部屋掃除/身の回り整理整頓/洗濯/買い物など、非常に多くの業務を対応する必要があります。実に多くの仕事がありますよね。

それにもかかわらず、介護士不足の背景は介護職の待遇の悪さにあります。この背景には、介護士が働く介護施設の収入源が介護保険に依存している点にあります。しかしながら、今後爆発的に増大する高齢者に対し、介護保険を支払ってくれる働き手世代が減少してゆくことを考えると、待遇の改善は極めて困難であることが分かります。

介護施設に求められているのは介護保険に依存しない、あらたな収入源の確保ですが、介護業界に投資する企業/投資家/起業家は非常に少ないんです。背景には介護の難しさが指摘されています。それでは次に、介護の難しさについて一緒に考えてみましょう。

介護の難しさについて

介護の難しさのイメージ

一見、子育てと介護は似ている部分もありますが、実際にはまったく異なります。私たちは子供として育てられた経験ありますので、その知識と経験を子育てに応用することができますが、介護された経験は全くないため自分の知識と経験を活かすことができません。例えば、私たちが気づかない高齢者の特性を2点ご紹介します。

ゆっくりしゃべらないと聞き取れない

年齢とともに、音の感知機能が低下するため(内耳にあって音を感知する役割を持つ「有毛細胞」が減少)、言葉の内容を理解するのに時間がかかるようになります。このため、高齢者は早口の話についていけなくなってしまいます。実は高齢者は小さい音は聞こえづらくても、大きい音はより大きく聞こえてしまうので注意が必要です。高齢者に対しては、普通よりやや大きいくらいの声で、ゆっくりはっきりと話しかけることが大切です。

他人を認知しづらい

介護士に対し介護拒否を示す高齢者もいます。例えば、介護士が「着替えましょうね」と声をかけ視線も高齢者に向けたとしても、高齢者は介護士を認知できていない場合があります。高齢者側としては、突然服を脱がされたと思い込み防衛反応を示してしまいます。熟練した介護士は高齢者の顔に20センチ以内近づき、正面からアイコンタクトをとり認知してもらうようにします。

今後の高齢者の増加に伴い、今まで以上に介護士の必要性が高まります。熟練介護士のノウハウを伝える方法としては、熟練介護士の人数は限られていることから対面による直接指導は困難なため、AI(人工知能)を活用した指導への取り組みが行われています。

これは、介護初心者がケアしている動画をAI(人工知能)が解析し、熟練介護士のノウハウを蓄積した教師データに基づき評価を行うというもので、熟練介護士がいなくてもAI(人工知能)により的確な指導を受けることができると期待されています。

介護へのAI(人工知能)の活用について

介護のAIのイメージ

以上、現在の介護における課題として、介護士の少なさと介護の難しさについて確認しました。今後、高齢化が進むにつれて、介護士の数の増加は期待できないこと、更に介護施設の収入源として介護保険に依存せざるを得ない状況から、AI(人工知能)やロボット技術により一人の介護士の生産性を大きく向上させる必要があります。

このような取り組みで開発されたAI(人工知能)やロボット技術は介護施設だけでなく、一般家庭における介護にも適用することにより介護離職といった問題を解決することも可能になると期待されています。このような動きの中で、しゃべるぬいぐるみが活用されつつあります。ではしゃべるぬいぐるみには介護においてどんな効果があるのか、詳しく見てみましょう。

ドールセラピーについて

ドールセラピーのイメージ

しゃべるぬいぐるみが介護に効果あると期待されている背景には「ドールセラピー」「おしゃべり回想法」という2つの心理療法の存在があります。

ドールセラピーは2000年に芹澤隆子氏(日本ダイバージョナルセラピー協会理事長)が導入した、認知症の症状を和らげるために、赤ちゃんの人形を抱かせることで人の感情にアプローチする心理療法です。

ドールセラピーでは、重さ/感触/表情などが本物に近い赤ちゃん人形を使用します。例えばお子さんやお孫さんがいる方にとっては、赤ちゃん人形を抱くことで、昔の子育てをしていた頃の感情がよみがえりますよね。赤ちゃんの感触を思い出し、赤ちゃんの世話をしなくてはいけないという感情が引き起こされ「誰かのために役に立つ」ことができる喜びを感じることができるでしょう。「赤ちゃんを世話する」という役割を得て、あやす/話しかけるといった感情表出を自由にできるようになり、精神的な安定につながります。

次に「おしゃべり回想法」について確認しましょう。

おしゃべり回想法について

おしゃべりのイメージ

おしゃべり回想法とは、親しい友人や兄弟間で、昔の懐かしい出来事を思い出しながら会話することにより、認知症を予防しようとする心理療法です。実際の介護の現場においても、おしゃべり回想法が採用されていましたが、最近は高齢者に比べて施設スタッフの人数が少く、一人ひとりの会話ケアを行うことが困難なことから、しゃべるぬいぐるみが活用され始めました。

しゃべるぬいぐるみは懐かしい昔話の会話はできませんが、愛らしい顔とかわいい声で会話すると(実際の幼児の声を使用)、まるでお孫さんと会話している感覚が味わえたリ、昔懐かしい童謡を歌ってくれることなどが、1日中会話する機会もなく過ごすことの多い高齢者にとって人気が高い理由です。

しゃべるぬいぐるみは介護の観点から、ドールセラピーとおしゃべり回想法という2つの心理療法の効果があると期待されており、しかも高齢者からも非常に高い人気を得ています。

しゃべるぬいぐるみについて

ぬいぐるみのイメージ

しゃべるぬいぐるみの外見は赤ちゃん、2~5歳の男の子/女の子、子犬などがあります。価格はもともと子供用おもちゃとして商品化されたこともあり8,000~20,000円程度です。機能的には手を握ったり、頭をなでてあげるとセンサーで反応して会話することが可能で、何もしなくても自分から話しかけてきたり、独り言をしゃべる場合もあります。会話のパターンは製品により異なりますが約700~3,000件で、音声認識機能により簡単な会話も可能です。また、約50曲の童謡を歌う機能も持ってます。

以上、しゃべるぬいぐるみが介護施設で人気な理由について紹介しました。しゃべるぬいぐるみが介護施設で認知症予防や症状の進行を遅らせることを目的に活用されていることが分かりましたよね。しゃべるぬいぐるみが介護施設における、介護士の負担削減にも大きく貢献できているのではないでしょうか。

 

さて今回はしゃべるぬいぐるみが介護施設で人気になっている理由について紹介しました。

まず最初に、現在の日本において介護の課題としてどういった点があるのか、一緒に考えてみました。

  • 介護士が足りない

介護士不足の背景は介護職の待遇の悪さにあり、背景には収入源が介護保険に依存している点であり待遇改善は極めて困難。今後は多数の企業参入が必要だが、介護の難しさのため非常に少ない。今後の介護士不足に向けてAI(人工知能)を活用したコーチングへの取り組みも行われている。

  • 介護の難しさについて

子育てと介護は似ているようにも思えるが実際にはまったく異なる。介護された経験が全くないため自分の知識と経験を活かすことができない。

  • 介護へのAI(人工知能)の活用について

今後は、AI(人工知能)やロボット技術により介護士の生産性を大きく向上させる必要があり、一般家庭における介護離職といった問題の解決も可能。

また、しゃべるぬいぐるみには介護においてどんな効果があるのか、また、しゃべるぬいぐるみが介護施設で人気な理由について見てみました。

  • ドールセラピーについて

しゃべるぬいぐるみが介護に効果あると期待されている背景には「ドールセラピー」「おしゃべり回想法」という2つの心理療法の存在がある。ドールセラピーでは赤ちゃん人形を抱くことで、・昔の子育てをしていた頃の感情がよみがえり、赤ちゃんを世話する役割を得て精神的な安定につながる。

  • おしゃべり回想法について

親しい友人や兄弟間で昔の懐かしい出来事の会話により認知症を予防する心理療法。介護施設ではスタッフ人数が少く対応困難なことから、しゃべるぬいぐるみが介護に活用され始めた。お孫さんと会話している感覚が味わえることなどが高齢者にとって人気が高い理由。

  • しゃべるぬいぐるみについて

しゃべるぬいぐるみの外見は赤ちゃん、2~5歳の男の子/女の子、子犬などがある。価格は8,000~20,000円程度。会話のパターンは約700~3,000件、音声認識機能により簡単な会話が可能。約50曲の童謡を歌う機能も持つ。

世界に先駆けて高齢者社会に進んでゆく日本ですが、日本と例えば西欧社会とでは介護についての考え方に大きな違いがあります。日本では認知症がかなり進行した状態でも自宅で家族や介護スタッフにより介護するケースが多いですが、西欧人(北欧の福祉関係者)の疑問は「なぜ、この状態の高齢者を自宅に帰すのか」であり、家族はできるだけ自宅でケアしてあげたい、という日本人の家族に対する考え方が西欧人と異なることを示しているかもしれません。

このような考え方を持つ日本人にとって、もはや止めることのできない高齢化は、逆に日本にとってのチャンスであり/日本の希望は介護業界にしかない、との指摘もあります。AI(人工知能)やロボット技術を介護現場や一般家庭へ導入し介護負担の大幅削減を実現することにより、介護大国として世界を牽引できる日本となる必要があります。日本の技術力であれば充分可能ですよね。

 

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