AI(人工知能)とファイナンス

人工知能の株をはじめる時に抑えておきたい3つのポイント

株取引をはじめるイメージ

銀行の金利が低いと、他の方法で資産運用したくなりますが、日本人はどうも投資や投機に消極的です。戦後の経済政策のためでもあるでしょうし、何となく相場は恐ろしい、というイメージもあります。

それでは、近年急速に発達している人工知能(AI)を利用した株式投資を検討してみてはいかがでしょうか。個人投資家が人工知能を利用して株式投資をする方法は、今のところ2つあります。

1つは、人工知能で株価を予測している投資信託を証券会社から購入することです。人工知能を用いて株式を運用していくAIファンドがすでにあるので、それを利用します。投資の知識が少ない初心者におすすめです。

もう1つは人工知能を使って株価の動向を予測できるアプリなどを利用して、その予測を元に株式を運用する方法です。ここでは、主にこちらの方法を説明します。

事前にルールを決めてそれに従う

決めるイメージ

最初に株式とは何かについて簡単に説明しておきます。

株式とは、企業が出資者に対して発行するもので、株式の持ち主(株主)は、会社の利益から、出資額に応じた利益配分(配当)を得ることができます。元々は、配当を目的に持つものだったのですが、今では、株式の売買で利益を上げることが主な目的となっています。

株式投資を始めるときの第一のポイントとして、事前にルールを定めて、そのルールにしたがって売買を行うことを挙げましょう。欲しい株はいくらまで下がったら買うか、持っている株はいくらまで上がったら売るか、予め決めておき、その通りにするのが利益を出すのに良い、ということです。

ところが、人間はいざとなると感情が邪魔をしてその決断ができません。もっと下がる気がする、もっと上がる気がする、とずるずる判断を遅らせて、機を逃してしまうことがしばしばです。しかし、人工知能なら感情に邪魔されることはありません。

自分に合った人工知能アプリを選ぶ

アプリのイメージ

ルールに基づいて的確なタイミングで売買ができるだけではありません。人工知能なら、人間の頭に入り切らないような大量のデータを、人間には遠く及ばない超高速で処理することができます。そこで、さまざまな人工知能による資産運用アプリ(ロボットアドバイザー)が生まれています。その中から2つを御紹介しましょう。いずれも有料サービスです。

株式会社ウェルスナビが運営する「WealthNavi」は、人工知能による資産運用アプリの中で、預り資産額が最も大きく、大変に人気があるアプリです。1990年にノーベル賞を受賞したハリー・マコビッツ氏の「ポートフォリオ理論」などの、資産運用のプロたちが利用してきた金融アルゴリズムが組み込まれています。

リスクとリターンのバランスの取れた銘柄の組合わせをポートフォリオといいますが、このアプリに任せておけば、ポートフォリオを自動で作って運用してくれますし、状況の変化に応じて、適宜より良いポートフォリオに再構成してくれる、自動リバランスの機能もあります。他にも銀行口座から自動で積立・発注してくれるなど、手間のかかることを自動化してくれます。

WealthNavi

株式会社お金のデザインが運営する「THEO」も人気の人工知能投資アプリの1つで、2017年GOOD DESIGN賞を受賞しています。手軽に始められるという点が大きな特徴の1つです。郵送で申込書を送る形式が多い中、TEHOではオンラインで口座開設を行うことができ、3分程度で投資を開始することができます。

預けたお金は、やはり世界中の銘柄から自動でポートフォリオを構成し、人工知能が運用をしてくれます。そして、運用手順は固定的ではなく、金融のプロが日々改善し続けています。

TEHO

WealthNaviは機能の豊富さ、TEHOは始めるときの手軽さが大きな特徴と言えます。このように、投資アプリにもそれぞれ特徴があるので、自分に合った物を選ぶのもポイントの1つです。

人工知能に任せきりにしない

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投資信託や投資アプリを利用すれば必ず儲かるというものではありませんが、大きな損を出すリスクはかなり小さく、ある程度の利益、例えば銀行の利率よりは大きな利益を期待しても良いでしょう。少なくとも宝くじのように運任せではありません。その上、自分は何もしなくても、人工知能が運用してくれるのですから、こんなに楽なことはありません。

でも、思い出して下さい。株式を買うことは企業への出資なのです。買うだけでその企業を応援することになりますし、株主総会などで経営に参加することもできます。つまり、その企業の未来に関ることができるのです。人工知能はそんなことは考えません。ただ、データを処理して変化を予測し、利益を出そうとするだけです。

全てを人工知能任せにせず、応援したい、出資し甲斐のある企業の株を買うことも、たまには考えてみて下さい。

 

株取引のイメージ

先述した通り、人間の大きな弱点の1つが感情による判断の歪みです。人工知能にはそれがありません。人工知能の大量データの超高速処理も人間には真似できません。

それでも、人工知能を使って株価を完全に予測することはできません。例えば、経済に対する政治の影響を、人工知能の投資分析に組み込むのは難しそうです。新商品に対する消費者の反応も予測は無理かも知れません。日本の場合は、自然災害の影響も無視できません。

そういうことは、人間の方が、総合的、あるいは直感的に判断できます。人工知能と人間では得意分野が違うのです。人工知能を株売買に生かそうとする人は、それを良く理解して、お互いに補い合いながら株を売買をしましょう。

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