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今から始めよう!業務効率があがる業務管理の方法&ツールまとめ

多くの人は毎日、業務がたくさんありますよね。今日はこれはやらなきゃ、今週末にはこんな書類を提出して・・・など、思い当たるものはあるかもしれません。

まえだまえだ

私ももちろん、毎日仕事に追われてドタバタしています。

一般的には、忙しいことは良いことと捉える傾向が強いです。しかし、それは企業全体としてみると良いこととは言えない可能性があります。例えば、あなたに業務が集中してずっと残業している、メインの業務が進まない、などの状況は解決する必要があるでしょう。

そんなときに役立つのが、業務管理。個人単位だけでなく企業全体で業務がどれくらいの量なのか、売り上げの目標にはどれくらい必要なのか、などを見ることができます。企業で業務効率化を進めるなら、導入は必須に違いありません。

この記事では、個人単位でできる業務管理の方法やツールについてもお伝えします。システムを導入するまで待てない!という方は、まず身近なところから業務管理を始めましょう。

ということで今回は、業務管理とはどんなことを指すのか、その方法とツールなども含めて解説します。

業務管理とは?なぜ業務管理が今重要なのか

まずは「業務管理って具体的に何をするのか」について、お伝えしましょう。

業務管理とは、その名前の通り業務において人・物・費用が適正かどうかをチェックすること。Aさんが毎日残業して業務しているのにもかかわらず、Bさんは業務がなくて毎日暇そうにしている・・・などの光景、見たことありますよね。業務管理をすれば、このような人による差をなくしたり、そもそも残業を減らせます。そうなると、企業でかかる人件費も抑えられるでしょう。

特に今、業務管理が進んでいないのがオフィスで働く私たちの部門です。なぜかというと、与えられる業務の種類が多いから。製造業では生産技術、現場のオペレーターなどそれぞれの人に割り当てられる仕事は絞られていることが多いです。

これに対して、オフィスで仕事をする人は、営業、事務など種類が多岐になります。特に中小企業だとさらに人が少なくなるので、営業しながらマーケティング・広報、事務の仕事まで行うことも。

まえだまえだ

確かに、私もWebマーケティング・ライター・ディレクションなど多岐に渡っているな・・・。

そうすると「業務ごとにどのツールを使えばわからない」「そもそもツールを使う暇がない」などの課題が出てきますよね。また、一人の人に業務が集中していても外からわかりづらいので長時間残業につながったり、会社の生産性が低い状態になる可能性があります。そしてその状態は、業務を行うに当たって古いシステムが使われていて効率化されない、費用が適切に与えられていない・・・などの原因があるかもしれません。そんな中でさらに、働き方改革の影響で長時間労働を規制する動きが出てきました。これなら、何かしらの対策を取らねばいけないですよね。

という現状から、業務管理を行う必要性がでてきました。つまり、業務管理の目的は企業の生産性向上。一人ひとりの能力にあった業務量と業務内容を割り振れば、私たち一人一人も仕事がやりやすくなり、企業の発展にもつながるでしょう。

最近では業務を管理するツールが登場していて、業務管理がスムーズに行いやすくなりました。そのため、業務管理や業務改善、業務効率化を進める動きがいっそう強くなっています。

業務管理を効率的に行う方法

では、そんな業務管理はどのように行えば良いのでしょうか。業務管理を行う方法についてお伝えしましょう。なお、ここでは業務管理を「個々人の業務を棚卸しする」とした場合の方法でお伝えします。

まずはタスクを見える化する

まず最初にやるべきは、「タスクを見える化」することです。今個人でどれくらいタスクを持っているのかを誰でも見えるようにすることで、「この人は今忙しいんだな」「この人はいつまで手がいっぱいだけど、この期間からは手が空いてそうだな」などの判断ができるようになるはず。

業務を見える化する場合、いくつかの方法があります。その一例として、以下のような表を作る方法があります。

  • 業務体系表:その人が抱えている業務・タスクの種類を分類する表
  • 自己業務改善点検表:その人の業務・タスクにどれくらいの時間がかかっているか、依頼されたのは誰か、次は誰に依頼するのか、発生頻度はどれくらいか、などの現状と課題を書きだす表
  • 業務マップ:タスクの所要時間を集計した表

もちろん、3つも表を作るのは大変だと感じるかもしれませんよね。どれも業務が今どれくらいあるのか、どれくらい時間がかかっているのかを明確にする表ですが、少しずつ目的が異なります。そのため、3つとも表を用意しましょう。

なお、業務管理を行うITツールを持っている場合は、そのツールを使ってタスクを出してもOKです。

タスクを分析する

タスクを分解するには、先ほどのタスク表やITツールを使います。ここでは、先ほどの3つの表を作った場合で話を進めましょう。

業務体系表の目的は、まずその人の抱えているタスクを書き出すこと。これによって現状どれくらいのタスクがあるのかを出し、整理できます。また書き出したタスクの量を見て、自分でも「こんなにタスクを抱えていたんだ」「タスク、少なくて意外と手が空いているかも」など把握できるでしょう。

一方、自己業務改善点検表はタスクに対してどれくらいリソースが取られているのか、を見ることが目的です。発生頻度が高い場合、「そもそもそのタスクにはそれほどの発生頻度が必要なのか」などを検討できますよね。また、「誰からの仕事が多すぎる」などの対象をかけば、業務の流れも明確にしやすくなるに違いありません。

そして業務マップでは、タスクにかかっている時間を比較したり、その人の業務の中でどれくらいの比率を占めているのかを把握できます。タスクに時間がかかっている場合は「なぜ時間がかかっているのか」を分析しやすくなり、「時間がかかっていてAさんが空いていたら、そちらに業務をまとめよう」などの方針も見えやすくなるでしょう。

分析したタスクに対して、それぞれ解決策を考える

さて、ここまででタスクを分析したら、改善策を考えましょう。例えば「Aさんにタスクが集中しているから、次にきたタスクはBさんにお願いしよう」「Aさんに集中したタスクは他の人でもできるから、Cさん、Dさんに分けてお願いしよう」などです。

このほかにも、

  • タスクに「重要度」「優先度」をもうける
  • タスクのスケジュールを管理する
  • タスクの進捗・工数を明確にする

などの解決案があります。

また、タスクを行うに対して「タスクを行うのが、そもそもAさんで良いのか?」「このタスクをこなせないのは、何か設備が足りないのか?」など、人の配置や設備なども考える必要があります。営業がメインの仕事なのに事務作業が多く発生している、などであれば事務作業を別の人に回す、あるいは営業アシスタントをつける、またRPAを導入して事務作業の時間を短縮する、などの様々な選択肢があります。そのため、この解決策を考えるには費用面やメリット・デメリットなども含めて検討しましょう。

業務管理(タスク管理)を行うのにおすすめのツール

とはいえ、このような業務管理を手作業でやるととてつもなく時間がかかります。そのため、業務管理はITツールを使うのがおすすめ。そこで、業務管理におすすめのツールについて説明しましょう。

MITERAS 仕事可視化

最近では少なくなりましたが、本来残業であるのに残業と申告していない、また残業代がつかない残業のことを「サービス残業」と言いますよね。このようなことが起きていると、実際に働いている時間と給料が見合わない問題がおきます。

MITERASでは、実際に労働している時間と申告している時間を把握するタイムレポートがあります。勤怠の時間を申告し、PCが実際に動いている時間と照らし合わせる機能があ離、もし違う場合は警告でお知らせします。

さらに、業務管理としてはPCのソフトウェアの利用状況や1分間でのキーボードに打ち込んだ回数なども確認できるのだとか。このため、タイピングが苦手で仕事につまづいているなどが原因でも、改善できるに違いありません。

NEC 働き方見える化サービス Plus

最近では、テレワークができる企業さんも増えましたよね。しかし同時に、勤務時間と実際の労働時間の差異だけではなく差異だけではなく、コミュニケーションが取りづらいなどの課題も見えてきました。そんなコミュニケーションの課題を解決するのが、「NEC 働き方見える化サービス」です。

NEC働き方見える化サービスでは、3種類のプランがあります。通常のPC終了時間や勤務予定等を管理できるのがライトプラン(月額250円)、ライトプランの機能に加えて勤怠システムと連携したり、残業時間のデータを参照し残りどれくらい残業できのかを照会できるスタンダードプラン(月額350円)、使っているアプリケーションを分析したり、今あるタスクや有給などの情報を共有するのがアドバンスプラン(月額500円)があります。

この中で、特にコミュニケーションの改善に役立つのがアドバンスプラン。例えばダッシュボードの機能を使えば、メンバーの状況がわかったり、コメントを投稿したりできます。テレワークでお互いの顔が見えなくても、これなら「あ、今この人は忙しいんだな」「今手が空いてそうだな」などの判断ができますよね。

また、NEC働き方見える化サービスでは、今抱えているタスクや相談したいことを共有できます。一人で進めるよりも、こうして相談しながら進めた方が業務を効率的に進めるに違いありません。

Brabio

仕事は一人で完結するものも、チーム・会社全体で行うものもありますよね。しかし、そうなったときに「今このタスクの進捗はどうなっている?」「どこで止まっているの?」など見えないと不安になるはず。「Brabio」では、進捗・スケジュールを表すガントチャートを簡単に作れます。

Bradioではプロジェクト管理として、「タスク」だけでなく「Todo」「マイルストーン(途中経過)」の3つで管理します。また、スケジュールや個々のタスクなどを色や図を使って表示します。特にスケジュールについては異なるプロジェクトを含めて一画面で表示できるので、今の優先順位を判断できるようになるでしょう。

さらに、このような業務管理ツールは社内だけしか利用できないとなりがちです。Bradioでは「パートナー、ゲスト」という機能を使えば、社外のメンバーでもプロジェクトに追加できます。もちろん、ゲストメンバーはタスクのみが見えるようになってるため、情報漏洩の心配もありません。そのため、外部と一緒に進めているプロジェクトがあれば、タスクも共有できて便利ですよね。

業務効率化を行う上で知っておきたい、業務管理システムの種類


ツールを導入するだけでは物足りない、もっと大きく業務管理を行いたい、という企業さんもありますよね。そうなると、業務を管理するシステムを開発・導入する必要があります。このようなシステムを作る場合、業務管理システムにはどんな種類があるかは最低限知っておきましょう。

業務管理システムは、以下のような種類があります。もちろん、これらは主な種類でありここに取り上げていない種類のシステムもあります。

  • 営業管理システム
  • 販売管理システム
  • 人事(勤怠)管理システム
  • 会計システム
  • 在庫管理システム
  • 生産管理システム

営業管理システムでは、営業のアポイントの予定、顧客の情報などを一括で管理しつつ、見積書や請求書の作成も簡単に行えます。営業さんが多い企業では、必須のシステムに違いありません。

販売管理システムは、商品の入荷情報や発注履歴、請求などの管理から経営目標まであとどれくらい売れば良いのかなどを表示します。代表的なのは、レジにも導入されている「POS」。レジでバーコードを読み取れば在庫の数が表示される、などの仕組みは、まさにPOSレジのことです。

人事(勤怠)管理システムとは、勤怠の状況や給与計算、人事評価、人事の配置、研修の進捗、入社・退社の手続きなどを管理します。人が多い企業だけでなく、福利厚生や多くの部署を抱えている企業さんにも役立つでしょう。会計システムでは、帳簿への記入や債務の返済など、企業内のお金の動きを記録します。このため、経理の作業が効率化できるに違いありません。

また、在庫管理システムはピッキングやいつ倉庫に入れたのか、発注したのかをしっかり把握します。生産管理システムでは、工程の進捗はどうなっているのかを表示し、商品を作るのに原価はどれくらいで、利益はどれくらいなのかなどを計算します。どちらも、主に工場や倉庫などの現場で役立つに違いありません。

ちなみに、これらのシステムをまとめたものが「ERP」です。そのため、業務管理のためにシステムを全く導入していない!という場合はERPを導入するのも一つの手かもしれません。この辺りは、企業さんが抱えている課題によって決めましょう。

実際に業務管理ができるようになった事例

ここまで様々な業務管理の方法をお伝えしましたが、「本当に効果あるの?」と気になる方もいますよね。業務管理はしっかり行えば、効果がてきめん。そんな業務管理を行って、経営も改善させた事例について解説します。なお、今回の場合は「システムを導入した場合」「ツールを導入した場合」の2つの面で見ていきましょう。

システムによって、業務効率化に成功

北海道にある株式会社宇治園では、緑茶や海苔を製造し販売しています。お茶は飲んでいる側からするとそんなに違いがないように感じますよね。実は、お茶の好みは関東や関西だけでなく、地域によって少しずつ異なっています。宇治園では、静岡と鹿児島からそれぞれお茶を採取し、その地域ごとの好みにブレンドしているのだとか。

このお茶を仕入れるときに、通常では「斡旋屋」という業者が入ることが一般的でした。そうすると取引は口頭で、経費も特別なルールにそって決められるので、手書きの帳簿を作成してAccessを使ったシステムで管理する必要がありました。しかし、担当者が退職してしまい、このシステムでの管理が難しくなったとのこと。

そこで宇治園では、2012年に大塚商会が開発したツール「CAB」基幹業務システム「SMILE BS」を導入しました。SMILE BSではもともと販売管理、会計、人事給与が管理できます。そこに、CABを使ってお茶の世界独自の取引のシステムを管理できるようにしました。

これにより、Accessを使わず管理でき、タブレットからも入力ができるようになったため、手書きの帳簿を作る手間が省けるようになりました。

まえだまえだ

難しいシステムを使おうとすると大変なので、これはありがたいですよね。

さらに宇治園では、2017年に「SKYSEA Client View」を導入しました。これはクライアントへの通信を決まった時間になったら遮断するシステム。今回の宇治園では、19:30になったらネットワークを切れるよう設定しました。これなら、クライアントにメールを送ることができなくなるので、仕事ができなくなりますよね。それを利用して、業務を管理しつつ効率化を目指しています。

メールでのコミュニケーションを削減し、時間短縮!

最近ではチャットツールでのやりとりが増えましたが、クライアントとのやりとりをメールで行う企業さんもまだまだいますよね。そうなると、メールに書かれているタスクを見落としてしまったり、今この人がどれくらいの作業を持っているのかがわかりにくいです。

 

まえだまえだ

こういうとき、メールに書かれたタスクをそのまま書き起こしてくれたら良いのに・・・となりそう。

コニカミノルタジャパン株式会社では、メールでタスク管理をしていました。そうすると、上記の問題だけでなくプロジェクトのメンバーが休暇でいなかったり、退職や異動でいなくなったりするとプロジェクトの進捗や作業量などが把握しにくい課題がありました。

そこで導入したのが、タスク管理ツール「Backlog」。メールでのやりとりで曖昧になっていた担当者や締め切りを可視化しました。また、タスクを親タスク、子タスクと分けることで、どこのタスクで問題が起きているのかを明確にできるようになりました。

これによって、メールの量が半分近く減りました。また、これによってプロジェクトの報告書の作成を1時間に短縮できたとのこと。

業務管理において、タスクの進捗を把握するのは基本です。そのためにツールを導入すれば、かなり手軽に管理できるようになるに違いありません。

業務管理を行うときに気を付けるべき点

さて、ここまで業務管理の効果を解説しました。しかし業務管理を行うならいくつか注意するべき点があります。

システム・ツールを導入する場合は、「どのシステムが必要なのか?」を検討すること

業務管理をするなら、ツールやシステムは今や必須とも言えるでしょう。しかし、大切なのはシステム・ツールを導入する際は「どのシステム・ツールが必要なのか」をしっかり検討する必要があります。

また、システムやツールを使うのは現場の人たちですよね。経営者がいきなり「このツールを使うぞ!」と言っても、使いづらさがあったり実際に必要ないものだったら使われなくなってしまいます。そのため、現場の人の意見をしっかり聞きつつ、現場の人にテストで使ってから判断してもらう、などの現場ベースで考えましょう。

それでも明確にできない場合は、専門家に相談する

とはいえ、業務管理システムやツールでどれが必要なのかわからない、システムやツールを導入しても今一つ効果が出ないこともありますよね。そんな時は、業務コンサルタントやITコンサルタントに相談しましょう。

コンサルタントに相談すれば、専門家の目線からどの点が課題で、どのツールやシステムを導入すれば良いのかアドバイスしてくれます。また、今まで気がつかなかった課題に気がつくこともあるかもしれませんん。

当メディア(AIZINE)の運営会社である株式会社お多福labでも、AI(人工知能)を使った業務効率化の支援を始めました。業務管理がうまくいかない、どんなツールが良いのだろうか?とお悩みの方は、こちらからご相談ください。

さて、今回は「業務管理の方法とツール」について解説しました。それでは、今回の内容について振り返りましょう。

  • 業務管理とは、業務においてかけられている人・物・費用が適正かどうかをチェックすること
  • 最近では、働き方改革によって業務効率化や業務管理の必要性が高まっている
  • 業務管理を行うには、「タスクを洗い出す」「タスクを分析する」「分析したタスクに対して、それぞれ解決策を考える」の3つのステップがある
  • 業務管理のツールには、「MITERAS 仕事可視化」「NEC働き方見える化サービス Plus」「Brabio」がある
  • 業務管理システムの種類として、営業管理システム、販売管理システム、人事(勤怠)管理システム、会計システム、在庫管理システム、生産管理システムなどがある
  • 業務管理を行うことで、業務効率化に成功した例もある
  • 業務管理を行う時には、必ず現場を中心に考えることと

業務管理をすることは、企業における「無駄」の削減につながります。そうすると、企業にかかる費用が少なくなり、余った費用を設備の投資や福利厚生などに回せるかもしれません。そして私たちにとっても、業務がスムーズにこなせて早く帰れることは嬉しいですよね。

まだシステムやツールを導入していない企業さんは、ぜひ導入を提案しましょう。