DX(デジタルトランスフォーメーション)

倉庫での業務をするなら導入するべし!無人搬送車「AGV」とは

AGVのイメージ

物流倉庫内の業務で、ぜひ導入しておきたい設備の一つがAGVですよね。

現在、デジタル技術の発展と普及によってさまざまな仕事でコンピュータによる自動化が進んでいます。もし「コンピュータで自動化している仕事といえば」と聞かれたら「工場の生産ライン」と答える方が多いでしょう。

そしてコンピュータ制御による作業の自動化は物流分野でも進んでいます。年々、利用者が増え続けているインターネット通販。インターネット通販は大変便利で注文したその日のうちに受け取りができ、配達の日時やコンビニ指定できるサービスがあります。

これらはユーザーにとってとても便利ですが、その裏では正確で迅速な配送を実現するため物流の自動化が進められています。

それは伝票の読み取り・荷物の仕分けなど多岐にわたって自動化されており、そして倉庫内では荷物などの搬送の自動化に導入されているのがAGVです。

そこで今回は物流倉庫内の業務で必需になっているAGVについてお伝えしましょう。

AGVとは

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AGVとは「Automatic Guided Vehicle」の略で無人運搬車のことを指します。

現在、工場や倉庫でも珍しくなくなっていますが、使用されはじめたのは1990年代ごろから。AGVは物流倉庫や工場内で商品や製品などの荷物を載せて、所定の場所に搬送する役割を担っています。

AGVといってもその型は様々ですが、主に次の3タイプ。

積載タイプ

商品や製品・パレット・コンテナを載せて搬送します。

フォ-クリフトタイプ

人によるフォークリフトの操縦と同じような作業を自動で行い、パレットなどの搬送に使用されます。

けん引タイプ

商品や製品などの荷物を積む台車やトレーラーを電車のように連ねて搬送します。

物流業界において、AGVが活躍する理由

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年々、AGVは工場や倉庫などの業務で普及が進んでおり、特に物流業界でとても重要な存在になっています。

そうなってきた主な要因の一つは「人手不足」。

少子高齢化が進み、現在さまざまな仕事で人手不足が深刻な問題になっており、物流業界も例外ではありません。

そして、もう一つはEC市場(インターネット通販)の拡大です。

経済産業省の調査結果を見ると年々EC市場は拡大を続けており、それを受けて物流業界では宅配便の取扱件数が増えています。

そのうえ日時や場所指定された配送もあるので、物流手配も迅速性・正確性を実現するため、これまで以上の作業の効率化が求められるようになりました。

そこで人手不足問題と効率の良い物流を実現するためにコンピュータ制御による自動化が進められ、その一環として多くの物流現場でAGVの導入が進められています。

AGVを導⼊するメリット

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先ほど紹介した物流業界の人手不足解消と作業の効率化は、ともにAGVを導入するメリットでもあります。そしてこのほかにAGVの導入で次のようなメリットが得られます。

従業員の作業負担削減

物流倉庫内で荷物の搬送を従業員が行うと倉庫内を歩いて移動するので当然のことですが、人間なので動けば作業量とその範囲に比例して疲労も大きくなりますよね。

そこで荷物の搬送をAGVで行えば、従業員の搬送作業を省くことができ作業負担が軽減できます。

コスト削減

AGVの導入はこれまで必要だった人員の代替になるので、その分の人件費やその他のコスト削減にもつながります。
その例として有名なのが世界規模でインターネット通販を中心に事業展開しているアマゾン。アマゾンではAGVを導入して一つの倉庫で年間24億円のコスト削減を実現しました。

この話からもAGVが企業にもたらすメリットは間違いないといえます。

代表的なAGV

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現在、様々なAGVが開発され実際に物流倉庫で活躍しています。初めの頃のAGVは磁気テープが引かれた上を走行する仕組みでしたが、現在は次のように種類が増えているのです。

ここでは代表的なAGVの方式を紹介しましょう。

磁気誘導

国内では最も普及しており、採用例が多い磁気を帯びた磁気テープなどの上をセンサーで読み取って移動します。

電磁誘導

ワイヤー・レール・磁力線などをルート上の床に設置して、その上を移動します。

レーザー誘導

走行するポイントに反射板を取り付けて、それに向けたレーザーの反射で位置を検出して移動します。

光学誘導式

床に設置した誘導テープをAGVに取り付けたカメラで捉えて移動します。

自律誘導式

ソフトウェアによる制御で自律移動します。
近年はAI(人工知能)技術が格段に進歩し、AI(人工知能)搭載したAGVも登場しています。

AGVを導⼊した事例

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ではここで実際にAGVを導入した企業の成功事例を紹介しましょう。

HIKVISION(ハイクビジョン)

HIKVISIONは中国の杭州市に拠点を置き、防犯カメラやセキュリティーシステムの開発を手掛けている企業。

HIKVISIONでは自社工場に800台以上のAGVを導入し、倉庫管理の無人化を実現しています。そして、もともと人によって行われていた時よりも58%も人件費をカットでき、作業効率は84%も向上しました。

ヤマト運輸株式会社

クロネコのマークでおなじみのヤマト運輸株式会社は宅配便を中心に物流事業を展開している企業です。近年、ヤマト運輸でも人手不足が問題になっており物流倉庫内での省人・省力化が課題でした。

そこで解決策としてAGVが導入。導入後は人手よりも搬送作業を効率化でき、搬送ルートが明確になったので作業環境がより安全に改善されています。

SBS東芝ロジスティクス株式会社

SBS東芝ロジスティクス株式会社は各種物流サービスを手掛けている企業。SBS東芝ロジスティクス株式会社でも人手不足が問題になっており、人材確保のためスポット作業員で補っていました。

しかし過酷な作業もあるので作業員の入れ替わりが多く、効率も向上しないのでAGVの導入で省人・省力化を図ります。その結果、これまでの作業が効率化され半年間で約3,100時間の省力化を実現し、離職率の改善にもつなげたのです。

AGVの導⼊までのステップ

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実際にAGVを導入する場合、考えなければいけない項目があります。

それは導入の目的と使用環境です。

ここまで紹介したようにAGVには主に3つのタイプと複数の誘導方式があります。

基本的にAGVは商品や梱包物などの荷物を搬送する目的で導入されますが、選択するAGVは積載荷重や走行する通路の広さによって大きさも変わってきます。
AGVの導入にはこれらを考慮する必要がありますが、メーカーに相談すれば色々とアドバイスや提案をしてくれるので、メーカーとの綿密な打ち合わせの上で導入を進めてください。

AGVを導⼊するに当たっての注意点

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AGVを導入すれば紹介したようなメリットが得られますが、実際に運用を開始したら注意しなければならないこともあるのです。

それは従業員との事故。
AGVを導入すると倉庫内で、従業員による作業とAGVによる搬送作業が混在することになります。そして当然ながら、AGVと従業員との間で接触事故などが起きる可能性は十分に考えられます。
そこで従業員とAGVの導線をできるだけ分離させ、どうしても交差する場合は有料駐車場に設けられているカーゲートを設置するなどの対策が必要です。
また定期的なメンテナンスを欠かさず行い、AGVに安全装置も取り付けて万全の対策を施し運用しましょう。

まとめのイメージ

物流倉庫などで導入されているAGVは、商品や製品などの荷物を載せて所定の場所に運ぶ無人搬送車です。

AGVには主に「積載タイプ」「フォ-クリフトタイプ」「けん引タイプ」の3タイプがあり、次のような誘導方式で動いています。

  • 磁気誘導
  • 電磁誘導
  • レーザー誘導
  • 光学誘導式
  • 自律誘導式

現在、物流業界ではEC市場の拡大に伴って、より迅速かつ正確な物流手配と人手不足の解消のため、多くの企業でAGVの導入が進められています。また、物流倉庫にAGVを導入すれば作業の効率化や人手不足解消だけでなく、従業員の作業負担軽減とコスト削減にもつながります。

そして実際にAGVを導入するなら、目的と使用環境に則したAGVを選択することが大切です。

導入後は従業員との接触事故などが発生しないように安全対策を施しましょう。AGVは物流倉庫や工場だけでなく、医療現場での導入事例もあります。このまま普及が進んでいけば、ひょっとしたら近い将来に一般家庭でもAGVが使用される時代になるかもしれませんよね。

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