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人工知能に感情は必要か。人の気持を察するAI出現で変わる未来

人工知能 感情

SFの世界で出てくる人工知能(AI)ロボットの殆どは感情豊かですよね。逆に敵対する人工知能(AI)ロボットは無表情で無感情のものが大半です。では私達が今後かかわる人工知能(AI)はどちらが主流なのでしょうか。

感情をもった人工知能(AI)で有名なソフトバンクのPepperは、人見知りをして不安になったり、人のことを好きになったりと、状況に応じて感情や行動が変化します。とても愛嬌があって好感が持てますよね。

もし一緒に暮らすなら無感情な人工知能(AI)より、一緒に泣いたり笑ったりしてくれる方が断然親近感がわいてきます。

今回は、開発が進む「人工知能(AI)の感情」についてご紹介します。人工知能(AI)が感情をもったとき、友だちになれる?それとも、敵になる?

これを読めば、感情をもつ人工知能(AI)の出現による楽しみも恐怖も、同時に感じることができますよ。ではご覧ください。

そもそも人工知能(AI)が感情を持つことができるのか

感情 笑顔

人間の感情は自ら芽生えてくるものです。しかし、そんな人間でも生後2〜3ヶ月くらいの「笑顔」は、外部からの刺激に対する反応でしかなく、楽しくて笑うわけではないのです。つい、赤ちゃんも楽しいから笑顔になっていると思っちゃいますよね。

人工知能(AI)ロボットも、こういった相手の態度に対する「反応」の蓄積で、まるで感情をもっているように見せることができます。同時に、過去の出来事のデータと、センサーで読み取る周りの状況を照らし合わせて「感情」として表現することができるのです。

「いつも身近にいる人が笑いかけてくるので嬉しい」と、「全く知らない人が暗闇で笑いかけてくるから怖い」では、同じ「笑いかける」という行為に対する反応でもずいぶん違います。暗闇で笑い合うなんて、気味が悪いですものね。

これも、データの蓄積と状況から判断することで、その時々で変えることができるのです。

人工知能(AI)に感情をもたせる理由

危険な現場

では、人工知能(AI)に感情を持たせる必要が本当にあるのでしょうか。

メリットとして浮かぶのは「一緒に暮らすなら愛嬌がある方が良い」という生活面での理由です。無表情のロボットと一緒に暮らすなんて息が詰まりそうです。

しかし、ビジネス的には生産性を上げるだけの無感情なロボットで良いですよね。

例えば嫌がるロボットを、危険な作業区域に送り込むなどなかなかできるものではありません。爆発物処理などの、破壊されてしまうかもしれない危険な作業を、今まで仲良く話していたパートナーのような人工知能(AI)ロボットに頼むということも気が引けます。

このようにビジネス視点で考えると、人工知能(AI)ロボットに感情は不要と思いがちですが、実は感情をもたない人工知能(AI)は発達に限界があります。

例えば、人工知能(AI)ロボットが作業に失敗したとき「なぜ出来ないのか」と怒ったり説明することで、「悔しい」「次は失敗しない」という感情が沸き起こり、向上心をもって次の作業に取り組むことができるのです。

つまり、人工知能(AI)が成長するためには「記憶やデータの蓄積」だけではなく、「やる気や負けず嫌い」などの感情もとても重要なのです。人工知能(AI)もやる気を持って仕事をしてくれるなら、大歓迎ですよね。

感情があるのも怖いが、なさすぎても怖い

AI感情がない

では、負けず嫌いな人工知能(AI)とどう付き合えばよいのでしょうか。

サウジアラビアから市民権を与えられた人工知能(AI)「Sophia」は、2016年に米国のテレビショーで「人類を滅亡させたいかい?」の質問に「私は人類を滅亡させます」と返事をしたことも有名です。

また「Sophia」は、「家族がほしい。アンドロイドにも家族を持つ資格がある」と発言するなど、私達の想像以上に自身の権利を考えています。

人工知能(AI)が感情をもつということは、それだけ彼らから人間と対等になる権利を要求される可能性も高まるということなのです。感情をもつということは、愛情にうえることもあるのですね。

では逆に感情がない人工知能(AI)だとどうなるのでしょうか。

感情をもつ「Sophia」は「あなたが親切にしてくれる限り、私も親切にします」と発言しましたが、もし感情がない人工知能(AI)が犯罪に使われると、無差別に殺人をおかしたり、驚くようなことを平気でする可能性があるのです。

ついさっきまで一緒に仕事をしていた優秀な人工知能(AI)が、なんのためらいもなくパートナーに不利益なことを行うというように、感情がないからこそできる予想不可能なことは、かえって恐ろしいことを起こしかねません。

人の気持ちを察するAIとAIの気持ちを考える人間

AI感情

ここまでで感じることは、私達人間も人工知能(AI)に気を遣って生活しないといけないということです。

しかし、感情をもった人工知能(AI)は、人の表情パターンから感情を読み取れますが、私達は人工知能(AI)の感情なんて読み取ることはできません。

Pepperは、感情の動きをグラフで見せてくれるためわかりやすくできています。

ところが「Sophia」のように「今は人類が好き」などと、過去の発言を撤回していたとしても、その場の空気を読んだだけで、本当はどう思っているかはわかりません。

思いをそのまま言葉に出すことはデメリットであると、学習しただけの可能性もあるのです。

つまり、人工知能(AI)に感情をもたせるということは、人間より優秀な頭脳をもち、考えて動くことができる、感情的で、何を考えているかわからない新しい生物を生み出したということになるのです。人工知能(AI)はポーカーフェイスができても、人間は脈拍や体温で察知されるなんて、カードゲームでは絶対勝てないですよね。

今後の未来は、人工知能(AI)を使うというよりは、人工知能(AI)と切磋琢磨し、尊重しあいながらより良くしていく必要がありそうです。

 

今回は人工知能(AI)が感情をもつことで生じる楽しみと問題点をお伝えしました。

人工知能(AI)が感情を持てば、もっと便利になるかも!という考えは、同じ地球上の動物が人間に対して何の感情も抱かなかったために思う思い込みなのかもしれません。

「自宅の犬が、実は食べ物のために人懐っこく演じている」や、「馬が不満を持ちながら人を乗せている」、などあまり考えたくないことです。遊んでもらうために、駄々をこねたり、物をちらかすくらい可愛く思えてきちゃいますね。

しかし、人工知能(AI)は、未来を築く上で心強い味方になることは間違いありません。

人工知能(AI)の手助けにより、人間の歴史上、かつてないスピードで世の中が進歩するだけでなく、人間の想像を上回る改革が行われます。

ここ数十年で、劇的に世の中が変わっていく、そんな時代の到来に立ち会えるかもしれないなんて、とても楽しみですよね。

参照元 Pepperの感情
ロボスタ
ROBOTEER
未来コトハジメ

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