FintechとAI(人工知能)がますます注目される時代になりましたよね。少子高齢化が進み、2055年には日本の人口が1億人を切ると予想されています。自分が老後のときに年金制度がどのようになっているのかわからないと不安な人も多いでしょう。ですので少しでも自分の資産を増やしたいと考えるのは、自然ですよね。とはいえ超低金利時代、資産を増やす方法というのは限られてきます。
株式に投資することによって資産を増やすというのは現実的な方法です。しかし、「どの株式に投資すればいいのかわからない」「経済新聞やニュースを毎日チェックしないといけないんでしょ」と思われるかもしれません。
けれども株予測が確実にできる時代がそこまで来ています!そこで今回は、FintechとAI (人工知能)とが結びつくことで、従来の煩わしい株式投資がどのように変化するのかについて紹介しましょう。株はちょっとというあなたも、きっと株式投資を行なってみたくなるかもしれませんよね。
なぜFintechとAI(人工知能)が株式投資の世界を変えるのか?
Fintechという言葉が日本の経済誌を飾るようになってそれほど年月は経っていません。Finance(金融)とTechnology(技術)の造語です。このFintechとAI(人工知能)とが一体化することで金融の世界が大きく変わります。
この点について説明する前に、ビッグデータという言葉の理解が重要になってきます。ウェブ上での検索を想像してください。Googleからあるキーワードを検索すると、数千万もの検索結果が表示されます。このような人間には処理しきれない大量のデータが、ビッグデータです。
これまで、このビッグデータを有効活用することができませんでした。ハードウェアが未熟だったために、計算するのに年単位でかかってしまっていたからです。これでは、ビッグデータから将来の株価のような何か新しい予測を行なおうとしても役には立ちませんよね。
ところがコンピュータの処理速度が向上したことや、インターネットの普及やセンサー技術の発展、アルゴリズムの進展などが重なって、ビッグデータを扱えるようになりました。
AI(人工知能)技術の発展に焦点を当てるならば、とくにGoogleの開発したディープラーニングが有名ですよね。これは金融の分野でも同じです。FintechとAI(人工知能)はこのビッグデータの解析による素早い予測を可能し、金融の世界を一変させました。これは株予測についても例外ではありません。
FintechとAI(人工知能)が可能にしてくれる株予測の未来
Fintechと人工知能(AI)とが融合し株予測を行なうといっても、どのようなビッグデータを使うのかで方法や精度が変わってきます。比較的少ないビッグデータを使うものから、さまざまな情報を取り込んだビッグデータを使うものまでいろいろあります。
「とにかくシンプルな方法から教えてくれ!」という方のために、一番シンプルな方法をお教えしましょう。この方法は単に株価変動の情報だけを使い、石油の価格や世界情勢など一切考慮しません。
このデータだけを使って将来の株価を予測します。とはいえ株価の動向や変動率などを例えば1分単位で収集するので、人間ではとても扱いきれない量です。このようなビッグデータを、AI(人工知能)は処理が可能になりました。
たとえば、Googleがオープンソースで公開しているTensorFlowというディープラーニングを行えるためのライブラリ群(ツール)が存在します。
これを利用すると、個人でも株式予測ができるプログラムが組めるわけですね。ウェブ上でもTensorFlowを利用して実際に株式予測をするプログラマーが沢山います。もしかすると、株予測を高精度で行えるソフトウェアがオープンソースで公開される日が来るかもしれません。そうなれば経済の動向を日々くまなく探すことなく、誰でも株式投資が行なえるようになるでしょう。
いま紹介した方法は、純粋な株式変動についての情報だけから株予測を行なうものでした。しかしもっと多くのデータを使って、株予測の精度を高められないかと思う方もいるでしょう。実際そのような多くのビッグデータを使って株予測を行なう手法が、現在進行形で研究開発されています。
ではどのようなデータを用いるのか想像してみてください。株式の変動にはさまざまな要因が絡みます。たとえば石油価格の変動であったり、円相場などのさまざまな指標です。また株式の変動とともにニュースやツイッターなどのSNSツールから流れてくる情報も増減します。たとえば株価が暴騰すれば、ツイッターでの言説が多く流れますよね。
このようなさまざまなデータを取り込んで、株式の予測を行ないます。最初に紹介した方法とくらべて、多くのデータが株予測のために使われるのがおわかりでしょうか。ただ反面、扱われるデータの量が膨大すぎるという側面もあります。
なぜこれほどのビッグデータが株予測のために必要なのでしょうか。
ひとつには、さまざまな指標と株式変動との関連を探ることで人間ではわからなかったような法則性を発見できる点です。2016年にディープラーニングを使った囲碁ソフトAlphaGoが、囲碁のトッププロ棋士に勝利しました。AlphaGoはトッププロ棋士が理解できないような数々の一手を打ちましたが、AlphaGoがトップ棋士に勝利しました。
「石油の価格が下がったから株式Aを購入したほうがいいですよ」という予測を示したほうが、顧客としては嬉しいですよね。日本でもみずほフィナンシャルグループや大和証券といった大企業が、人工知能を使って株予測をするモデルを研究開発しています。この研究開発がもっと進めば、誰でも株式投資を行なえる時代が来るわけですね。
このように、FintechとAI(人工知能)とがもたらす「金融革命」ともいうべきイノベーションは、われわれの将来の生活を一変させます。重要なのはビッグデータを素早く扱えるようになったことです。
ディープラーニングのような人工知能(AI)を使った株予測の研究開発は、現在進行形で行われています。日本ではFintechの市場規模が2020年には1兆円程度になると予想されます。アメリカは日本よりずっと先を行って、同じ時期に200~2000兆円規模になるという予測もあるんですよ。
これからもますます発展していく、Fintech とAI(人工知能)に期待していきましょう!