日本における平均寿命が延びている中、出来る限り健康的な体で生活したいですよね。そんなニーズが高まる中で、世界的に注目されているヘルステック企業は私たちが住む日本でも浸透し始めています。
ヘルステックとは、健康に関する技術のこと。企業がヘルステックに関する技術・サービスを開発することで、人々が少しでも長く健康的な暮らしができる社会が浸透することを期待されています。
特に日本では、国民の健康意識が高まっているので、ヘルステックは注目されています。このヘルステックが日本の課題である超高齢化社会を生きる手助けになるのだとか。ぜひ、この記事を読んでヘルステックの企業が取り組んでいることを知っておきましょう。
それでは今回は、ヘルステックとは何なのかと言う基本情報からヘルステック企業の取り組みについて詳しく解説します。
ヘルステックとは
近年、従来のビジネスに技術（テクノロジー）を掛け合わせることで〇〇テックと言うような造語が生み出されています。ヘルステックとはまさに、健康を意味するヘルスとテクノロジーを組み合わせたものです。
ヘルステックには大きく3つに分類できます。それぞれについて解説しましょう。
予防に特化したヘルステック
日本の死因で最も多い生活習慣病に着目し、それらの病気を予防することに特化したヘルステックです。その一例としてスマートウォッチで血圧チェックができ、過去100件までの血圧の履歴を保存できるので、過去のデータと比較するだけでなく、治療に役立てることも可能でしょう。こういった機能が付いて、日々の健康管理に活かせるようになりました。
治療に特化したヘルステック
いくら予防しても病気はかかってしまうことがありますよね。そんな場合にも対応できるように、治療に特化したヘルステックも進化しています。
その一例として、遠隔医療が挙げられます。遠隔医療とはビデオ通話での診察を通して、患者の状態把握、医薬品の選択、そして患者の見守りが可能です。それは技術の進歩でカメラの精度がアップしているため離れた地域の患者でも専門の医師の診断ができます。つまり、離島に住んでいても高レベルな医療を受けられるようになりました。
健康を維持するヘルステック
過去に病気にかかり完治したとしても健康を維持するためには体の情報を常に把握しておかないといけません。そんな患者のための健康を維持するための技術に特化したヘルステックもあります。
また個人の情報をスマホなどで管理、共有できるサービスも生み出されたので、スマホ一つで病院に行ける日も近いかもしれません。
なぜ、今ヘルステックが伸びているのか
ヘルステックの業界が伸びている理由は、日本の課題である超高齢化社会の到来があるからです。
それだけでなく近年、技術の発達によりAI（人工知能）技術、IoT技術など、今までの価値観を一新するような技術が生まれ、さまざまな分野で活かされ始めています。例えば医療の分野においては画像検査とAI（人工知能）技術が結びついて、AI（人工知能）が病気の診断をすると言ったサービスも実現しています。こういった事例を元にさまざまな業界の企業がヘルステックに力を注ぐでしょう。
ヘルステックの市場は2018年には2,000億円越えており、2022年には3,000億円まで拡大することが期待できます。さらに、この問題が要因でヘルステック市場はますます注目されるに違いありません。
ヘルステックで重視する点は人の健康面、主に病気の予防や健康の管理が対象です。その対象に、今ある技術を活かし、企業が新たなサービスを生み出しました。その生み出された一例を次の項にて解説します。
注目するべきヘルステック企業【日本編】
それでは国内でヘルステックに注力する企業について紹介します。
服薬状況の管理ができるサービスを展開するヘルステック企業（大塚製薬）
まずは、日本を代表するヘルステック企業である大塚製薬を解説します。大塚製薬は医薬品、食料品の製造・販売を行う東証一部上場企業です。
そんな大塚製薬がヘルステック分野に力を注ぎ、錠剤に微小センサーを埋め込み、患者の服薬状況を管理するヘルステックサービスを開発しました。これをデジタルメディスンと言います。
年を重ねるか、もしくは病気にかかることで薬の量が増えていきます。そんな際、薬の飲み忘れや過剰摂取などの危険性がありますが、このデジタルメディスンを利用すれば薬の摂取状況を管理できるため、薬の飲み忘れや過剰摂取を抑えることができるでしょう。忘れっぽい方でも安心できますよね。
画像認識技術を駆使して診断の手助けをするヘルステック企業（ドクターネット）
ドクターネットは、IT技術を活用した医療サービスを提供しているヘルステック企業です。このサービスを通して患者の健康や、医療に携わる従業員へ働きやすい環境を提供することを会社の理念として企業活動を展開しています。
例えばMRIやCTで取得した画像データを送付してもらい、そのデータを元に専門医だけでなく画像認識技術などを駆使して診断のお手伝いをするというサービスを展開しています。このサービスにより医師が診断する労力の手間が省ける、つまり生産性がUPするので、これから訪れる高齢化による人手不足の対策にもなるでしょう。
知っておきたい、海外のヘルステックのトレンド
ヘルステックは国内だけでなく、もちろん海外でも注目されている分野です。それでは海外で注目されているヘルステック企業の状況をご紹介します。
中国の医療問題を解決させるヘルステック企業の取り組み（Ping An Good Doctor）
Ping An Good Doctorはビデオチャットなどで医師の遠隔診断を受けることができるヘルステック関連のサービスを展開するヘルステック企業です。
そこで本サービスのビデオチャットなどで医師と患者がつながれば物理的な距離と時間という問題を大きく改善でき、中国の「すべての家族にかかりつけ医を提供するという」目標に大きく近づくに違いありません。
スマートウォッチで健康管理を促すヘルステック企業（Huami）
Huamiはカリフォルニアと北京に本社を置き、健康サポートに役立つスマートウォッチの開発に力をいれているヘルステック企業です。
スマートウォッチを身につけているだけで日々の健康状態から運動の管理まで可能になります。今後さらなる便利機能が開発されるでしょう。
ヘルステック業界の今後
日本におけるヘルステック業界は現在進行形で、成長していく分野です。それゆえに様々な企業が参入し、今後ますます盛り上がっていくでしょう。
日本の平均寿命はどんどん伸び、高齢者の数も増えています。高齢者が多いと医療費がかさむこととなり、国民の税金負担が大きくなることが予想されます。それを避けるためにも、医療費の削減が大切です。
また最近の傾向として、国民の健康に対する意識が変わっています。従来は長寿に注目していましたが、現在は長く健康的に暮らしていくことに注目されています。そうなると健康的な体づくりのニーズが高まり、健康的な体をつくるためのライフスタイルを提案できるヘルステックが注目集まるに違いありません。
世界的な視野で見ても大きな活躍が期待できるヘルステック業界は、医療費削減を図りながら、医療の質を高め、国民に健康的なライフスタイルやサービスを生み出すため、とても非常に大切な分野になるに違いありません。
さて今回はヘルステックとは何なのかと言う基本情報からヘルステック企業の取り組みについて詳しく解説しました。内容を振り返りましょう。
- ヘルステックとは健康と技術を組み合された造語
- ヘルステックは日本の課題である超高齢化社会の到来と高齢になる中で健康的に暮らしたいと言うニーズが高まっているので注目される
- 注目すべき日本のヘルステック企業として、服薬状況の管理ができるサービスを展開する大塚製薬、画像認識技術を駆使して診断の手助けをするドクターネットがある
- 海外のヘルステック企業のトレンドとして、中国の医療問題を解決させるヘルステック企業の取り組み（Ping An Good Doctor）や、スマートウォッチで健康管理を促すヘルステック企業（Huami）がある
- ヘルステック業界は今後、市場拡大し、人々から求められる分野となる
企業間の競争が激化することで新たなサービスや新たな商品が生み出されます。そうなることで開発や販売業務に特化したヘルステック企業がどんどんと参入してくるでしょう。そのサービスを私たちが受けられるようになれば、明るい未来が来る可能性もあるかもしれません。
