テクノロジー

アトムは作れるの?AI(人工知能)についての疑問をまとめてみた

アトムは作れるの?AI(人工知能)についての疑問をまとめてみた

AI(人工知能)で実現したいことは何ですか?と聞くと、アトムを作ってほしいと思う方も多いのではないでしょうか。特にマンガやアニメ好きなら、アトムはまさに夢の世界の存在で、それがAI(人工知能)の力で、現実世界で実現するとなると、期待で胸が膨らみますよね。

お掃除ロボットのルンバや会話を楽しめるPepperなど、現在AI(人工知能)の力で、さまざまなロボットが誕生しています。この勢いなら、アトムも作ることができそうな気がしますよね。

では、実際にAI(人工知能)の力で、アトムを作ることは可能なのか、そもそも現時点で、AI(人工知能)でどのようなことが可能なのでしょうか。そこで今回は、AI(人工知能)の力で、どのようなロボットが作れるのか、作れそうなのかについてお伝えします。

会話のできるアトムは存在する

ATOMのイメージ
実は会話やちょっとした動きをするアトムなら、すでに作ることに成功しています。講談社、手塚プロダクション、NTTドコモ、富士ソフト、VAIOの5社が「ATOMプロジェクト」として技術を結集させ、コミュニケーションロボット「ATOM」を作成しました。ATOMは日本初の本格的キャラクター・コミュニケーション・ロボットとして紹介されており、初耳の方には驚きですし、ぜひとも体験してみたいですよね。

ATOMは歩行型と着座をしている非歩行型が存在しますが、どちらも会話を楽しむことができるというのがメインの機能で二足歩行できるかどうか以外の性能の差はありません。歩行型は身長約44cmと実際のアトムの約1/3のスケールで、見た目はリアルなアトムさながらです。

家族の年齢や性別に合わせて会話内容が変わり、成人男性には経済やスポーツの話、成人女性は料理のレシピやドラマの情報、高齢者には落語や健康の話、子供にはゲームをしたりクイズを出したりします。どんな年齢、性別でも楽しく会話できるのはとても魅力的ですよね。

さまざまな機能を持つATOMですが、特に次のような機能がポイントです

会話の深化やレベルアップなど、一部の機能はATOMベーシックプラン(クラウド接続サービス)への加入を必要とします
  • 相手によって内容の異なる話をする
  • 天気やニュースを教えてくれる
  • 歌やダンスがとても上手
  • 毎日、注目のトピックを教えてくれる
  • 会話のレベルがアップし、より深い会話ができる
  • 励ましたり、慰めたりしてくれる

マンガやアニメのアトムほど多彩なコミュニケーションを取ることはできませんが、ここまでAI(人工知能)の力でできるなんて驚きですよね。このような一部機能に特化して自律して行動するロボットは、すでにAI(人工知能)の力でさまざまなものが存在しています。

一部機能に特化して行動するAI(人工知能)は存在する

一部機能に特化するAIのイメージ
ATOMのようなAI(人工知能)は、特化型AI(人工知能)とか、弱いAI(人工知能)とかと呼ばれます。ではそれぞれ、どういう意味をあらわしているのでしょうか。

特化型AI(人工知能)は、特定の定まった作業を行なうAI(人工知能)のことで、自動運転機能や画像認識、チェスなど、一つの機能に特化して他の機能を持っていないものです。対人の会話をメインとしたATOMも、この特化型AI(人工知能)に含まれますよね。

弱いAI(人工知能)は、人間のような自我や意識といった高度な機能を備えていないが、人間の知能の一部を代替するようなAI(人工知能)のことを指します。ATOMは自我や意識を持っているとはいえませんが、(限られた範囲で)考えて会話をするという点では、人間の知能の一部を代替しているといえるので弱いAI(人工知能)に当てはまりますよね。

特化型AI(人工知能)と弱いAI(人工知能)は似たような概念で、どちらも機能が一部に特化している、言い換えると制限されているというものです

また、人工知能学会によれば、「人工知能の研究には二つの立場があるからです。一つは、人間の知能そのものをもつ機械を作ろうとする立場、もう一つは、人間が知能を使ってすることを機械にさせようとする立場です。

そして,実際の研究のほとんどは後者の立場にたっています」と特化型AI(人工知能)や弱いAI(人工知能)が、現在のAI(人工知能)の主流であると述べており、まさにATOMはこの代表的な例に当てはまります。しかし、マンガやアニメのアトムは「人間の知能そのものをもつ機械」に近いロボットであって、そちらがどうなのか気になりますよね。

アトムのようなロボットの誕生のポイントはシンギュラリティ

シンギュラリティが起こりアトム誕生のイメージ
特化型AI(人工知能)に対して汎用型AI(人工知能)、弱いAI(人工知能)に対して強いAI(人工知能)が存在します。マンガやアニメのアトムのような、中身が人間のようなロボットについて考えるに当たって、この二つの概念は避けて通れません。

汎用型AI(人工知能)とは、一部の機能に特化しているのではなく、人間のような、あるいは人間を超えて、汎用的な能力を持っているAI(人工知能)を指します。特化型AI(人工知能)に対する類型ではあるものの、質的に異なるものであり、研究や開発の方向性も同じとは言い難いです。

強いAI(人工知能)は、人間のようにものごとを認識し、人間のように働き、まるで人間のような自我や意識を持っているかのようなAI(人工知能)を指します。汎用型AI(人工知能)・特化型AI(人工知能)の類型に比べて、強いAI(人工知能)・弱いAI(人工知能)の類型は、AI(人工知能)がどれだけ人間に近づくかといった区分に近いといえますよね。

汎用型AI(人工知能)や強いAI(人工知能)の研究や開発は、特化型AI(人工知能)や弱いAI(人工知能)に比べて進んでいません。しかし、いつかは人間の知性を超えるようなAI(人工知能)が誕生すると考えられており、その特異点をシンギュラリティと呼んでいます。

シンギュラリティとは日本語で技術的特異点と訳され、未来学者のレイ・カールワイルが提唱した概念です。シンギュラリティは2045年に起こると考えられており、その頃までには、汎用型AI(人工知能)や強いAI(人工知能)が誕生する予定で、もしかしたらアトムが開発されるかもしれないと思うと、ワクワクしますよね。

一方で、シンギュラリティに懸念の声もみられ、人間社会においてさまざまな問題を起こすかもしれないといわれています。例えば、雇用が消失、特に一般事務・配送・清掃・警備・運転・製造業務がAI(人工知能)にとって代わられると考えられています。

アトムは見てみたいけど、自分の生活が様変わりするのは不安・・・という気持ちを持つ方も少なくないですよね。
アトムは作れるのかまとめイメージ
さて、今回はAI(人工知能)の力で、どのようなロボットが作れるのか、作れそうなのかについてお伝えしました。

アトムは実際に会話に特化したロボットとして存在していますが、まだまだマンガやアニメの世界のようにはいかないのが現状でしたよね。とはいえ、今現在、ここまでのコミュニケーションをとることのできるロボットが作れるというのは驚きです。

AI(人工知能)には汎用型AI(人工知能)・特化型AI(人工知能)、強いAI(人工知能)、弱いAI(人工知能)といった類型があり、コミュニケーション・ロボットATOMのような特化型AI(人工知能)や弱いAI(人工知能)と呼ばれるAI(人工知能)は様々なものが誕生しています。

一方でマンガやアニメのアトムのような汎用型AI(人工知能)や強いAI(人工知能)と呼ばれるAI(人工知能)の登場はまだまだですが、2045年に訪れると予測されるシンギュラリティの到来、あるいはそれ以前にこの世に生まれると考えられています。シンギュラリティの到来は楽しみ半分、不安半分ですよね。

もしもアトムが誕生したのなら、夢と希望と感動を私たちに与えてくれます。この世にアトムが生まれるのはまだまだ時間はかかりそうですが、いつかは訪れる未来です。アトムが作れるようになる未来を心待ちにしましょう。

コメントをどうぞ

トップへ戻る
タイトルとURLをコピーしました