AI(人工知能)にできることと聞いたら、人によって車の自動運転だったり、機械翻訳だったりしますよね。もし今、病気予測を連想した人がいたとしたら、かなりAI(人工知能)事情に通じた人でしょう。医療の世界では、AI(人工知能)を使った精度の高い病気予測が、実用化の段階に入りつつあるからです。
覚えていますか。2016年に女性患者の特殊な白血病をわずか10分で見抜き、話題をさらった東大医科学研究所のAI(人工知能)を。あのAI(人工知能)、なんと2000万件もの医学論文を学習していたそうです。人間には絶対に読みきれない数の論文ですよね。「うわ~、人間負けた~」と、私たちはAI(人工知能)に白旗をあげるべきなのでしょうか。
でも考えてみると、2000万件もの医学論文を執筆したのは、AI(人工知能)ではなく人間なんですよね。膨大な情報をすいすい学習できるAI(人工知能)の登場で、歴史上初めて、蓄積された「人間の」知識が100%フル活用される時が来たとも考えられます。AI(人工知能)を使った病気予測の登場です。
人類史上初。まさに医療の革命とでも呼ぶべき出来事でしょう。AI(人工知能)によってようやく、精度の高い病気予測ができる時代が訪れました。私たちがこれを活用しない手はありませんよね。
そこでこの記事では、病気予測が行えるサービスにはどのようなものがあるかをまとめてみました。
がんの発病を予測「セルビーチェックアップ」
毎年、健康診断の結果にビクビクしている人、いませんか。γGTPに尿酸値、コレステロールに血糖値…。生活習慣病に関係する項目ならばとくに、数値の変化に一喜一憂している人も多いはず。
ただ、健康診断では下されるのはせいぜいA~Eの判定結果だけ。医師から「糖尿病の気があるから注意するように」くらいは言われても、「3年以内に55%の可能性で発症するから気をつけて!」などと予告されることはありません。それでつい、メタボな体型は気にしながら、今夜も晩酌をやめられないわけです。
韓国のセルバスAIが開発したサービス「セルビーチェックアップ」にかかれば、そんな悠長なことはもはや通りません。「セルビーチェックアップ」は、AI(人工知能)を使った病気予測サービスです。主に健康診断のデータからAI(人工知能)が病気予測を行い、3年以内に肺がんや肝臓がんなどのがんになる確率や、糖尿病、脳・心血管疾患などの生活習慣病にかかる確率を予測します。
病気予測を可能にしたのは、医療ビックデータを駆使したAI(人工知能)のディープラーニングです。セルバスAIによれば、生活習慣病のリスク管理や、ひいては健康増進にも役立てたいとのこと。すでに保険会社などへのサービス提供が始まっています。
MRI画像から認知症を予測「株式会社ERISA」
01 Siemens MAGNETOM Trio / Image Editor
島根大学が株式会社ERISAと提携し、AI(人工知能)を使った画像診断法の開発に取り組んでいます。目的はなんと、認知症の予測。正確には、認知症の前段階にあたる「軽度認知障害」の早期発見を通じて、進行すると治療が難しい認知症の発症を食い止めるというものです。
人間ドックでよくあるMRI検査。脳が委縮しはじめると、脳内の血流が変化しMRI画像にそれが映し出されます。そこで、AI(人工知能)にMRI画像のサンプルをたくさん学習させ、変化の兆候があればすぐ見つけられるようにするわけです。
MRI画像は、言ってみればレントゲン写真のようなもの。「ここに小さな影が見えるでしょう」なんて医者から指摘されても、素人目には「そう言われれば、見えるかな」くらいにしか判別できない、かなりわかりにくい画像ですよね。
血流の変化のような、ごく小さな変化をも見逃さないAI(人工知能)の「目」。その「目」が膨大なMRI画像の山を、認知症の予防につながる宝の山に変えてくれそうです。
AI(人工知能)で心臓発作を予測「機械学習アルゴリズム」
突然死を招くことも多い心臓病は日本人の3大死因のひとつ。塩分の摂りすぎなど生活習慣の影響が大きく、精度の高い病気予測ができれば対策がしやすい病気でもありますよね。
イギリスのノッティンガム大学は、ニューラルネットワークで動く機械学習アルゴリズムを開発しました。ニューラルネットワークとは、脳の機能をコンピューターで再現するために作られた数学モデルのこと。このAI(人工知能)による心臓発作の予測精度は75%前後で、アメリカ心臓病学会などのガイドラインが示す人間の能力の平均を上回っていると言います。
高齢化が進み国の医療費が高騰する中、病気になる前の「予防医療」がますます重視されています。AI(人工知能)を使った心臓病などの病気予測サービスは、これからの予防医療の要となることでしょう。
スマホで病気予測ができる「Dr.Ubie」
ここまでお読みになって、「どれも凄そうなんだが、なんかこう、AI(人工知能)を使った病気予測サービスってやつを手軽に体験できないかなあ」と、そんなふうに思われる人もいるでしょう。
そんな人におすすめなのが、無料アプリの「Dr.Ubie」(Ubie株式会社)。アンドロイドのスマホをお持ちなら、グーグルプレイから今すぐダウンロードできます。
年齢、性別のデータを入力し終わると、すぐに症状検索画面へ。「今一番お困りの症状を入力してください」とAI(人工知能)による問診がスタートします。文字で入力するもよし、体の部位から選ぶもよし。症状の特徴や期間、頻度などから、予測される病気を絞り込んでいきます。「病院に行くかどうかの判断というところで使っていただけたら」とは開発者の言葉。候補となる病気の種類は450個にのぼります。
さて、このようにAI(人工知能)を使った病気予測のサービスが、医療のさまざまな分野、患者から見れば多様な疾患に対応する形で動き始めていることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
インターネットの時代だから、医療ビックデータを集めることが可能になりました。また、コンピューターの演算処理能力が飛躍的に向上したから、AI(人工知能)の機械学習やその一部をなすディープラーニングがにわかに実用性を持ちはじめたのです。
こうした背景があって、AI(人工知能)による病気予測が現実のものとなり、サービス実用化への準備が世界中で進められています。
「そのうち、いつ死ぬかまで予測されるんじゃないの(笑)」。いや、笑い話ではありません。末期患者の余命を予測するAI(人工知能)は、すでにスタンフォード大学が開発に成功しています。遺伝子分析にAI(人工知能)を活用すれば、生まれてすぐの赤ん坊の「余命」を予測できるサービスだってありえるでしょう。
最後に、この記事で紹介してきた病気予測サービスは、どれも私たちの健康増進に役立つものであることを忘れないでください。眠らず、食事もとらず、しかも無給で働きつづけるAI(人工知能)に、私たちはそろそろ、感謝の気持ちを持つべきなのかもしれませんよね。
AI(人工知能)が病を未然に防いでくれ、だれもが健康に長生きできる夢のような未来は、もうすぐそこまで来ているのですから。
そして、当サイト(AIZINE)を運営している「お多福ラボ(人工知能の開発会社)」では、様々なAIの開発に携わらせて頂いていますので、もし「こんなAI(人工知能)作れます?」といったお話しがあれば是非ご相談ください。
お多福ラボはこんな会社です。
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参照元
診断や治療法選定にとどまらない「AI予測医療」の登場
AIがお医者さんに医療診断をアドバイス、これからの医療はAIでどう変わる?
健康診断結果から3年以内のがん発病確率、AIで予測
医療分野で進むAI導入、認知症や心臓発作の予測も
認知症をAIで早期発見
ニューラルネットワークとは?人工知能の基本を初心者向けに解説!
医師とエンジニアで起業。AIによる医療サービス「Dr.Ubie」「AI問診Ubie」
末期患者の「余命」を予測する人工知能、スタンフォード大学が開発