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実はもうすぐそこにあるかも、IoTの事例あれこれをまとめました

IoTのイメージ

2020年から順次サービス提供を開始された5G回線については、近頃メディアなどでも取り上げられているためご存知の方も多いでしょう。

5G回線は、在主流となっている4G回線の約20倍の通信速度を誇り、同時接続数も10倍、遅延速度は10分の1と、圧倒的に快適な通信環境が得られます。

動画やファイルのダウンロードが速くなるのはもちろんですが、5Gの恩恵はそれだけではありません。ネットワークを介してリアルタイムな操作が可能となることで、自動運転や遠隔治療の普及など期待されている事例はさまざま。

そこで、関連するキーワードが今回のテーマでもある「IoT」なのです。多種多様なデバイスがインターネット上につながることで日常生活に恩恵をもたらしてくれる「IoT」。すでにあらゆる分野において活用事例が存在しています。ですが、実際にはどのような分野で「IoT」は活用されるのでしょうか。

最先端の事例から、すでに生活の一部となっている事例まで、「IoT」の可能性は無限大と言っても過言ではありません。そこで今回は、5Gの普及を控えてすぐそこまで来ている「IoT」の世界、その事例の数々をご紹介します。

IoTの特徴とは、なぜIoTが活用されるようになったのか

IoTのイメージ

あらためてIoTについておさらいをしておきましょう。

IoTとは“Internet of Things=モノのインターネット”のこと。従来のようにPCやスマートフォンだけではなく、家電やウェアラブルデバイス、センサーなどの様々な機器がインターネット上に接続されることで、これまで得ることのできなかった潜在的なデータを取得して分析したり、遠隔から機器を計測・制御したりすることができるのが特徴です。

IoTの活用事例が増えてきた背景はさまざまですが、ひとつは冒頭でもご紹介したように通信速度、通信品質の向上です。

いくらたくさんのデバイスをインターネットに接続しても、速度が出なかったり、遅延が発生したりすると使い物になりませんよね。ですから、3Gから4G、5Gへと通信技術の向上を追い風に、IoTは普及してきたのです。

そしてもう一つの背景が「データの価値向上」。「ビッグデータ」と言われるように、大量のデータを分析してマーケティングや生産性向上に役立てようという動きが加速しています。「データは財産」「データを手にしたものが勝者」と言われるのもうなずける気がしますよね。

いまや製造業には必須?工場でIoTが使われた事例

工場のイメージ

そしてIoTの導入事例が多い分野のひとつが製造業です。

工場の製造ラインにある機械設備やセンサー類などをネットワーク上に接続することで、データを収集・分析したり、遠隔で機器を監視・操作したりすることで、生産性の向上や品質の確保に役立てています。

では、ここから実際の製造業でIoTが活用された事例をご紹介しましょう。

  • 旭鉄工
自動車部品製造の旭鉄工株式会社では、「製造ライン遠隔モニタリングシステム」を独自に開発。光センサーを利用して、機器の稼働状況を収集することに成功しました。それによって、各工程の生産にかかる時間やラインの停止時間をスマートフォンで確認できるようになりました。

製造工程において、生産性向上の妨げになっている要因を見える化することができ、生産性を30%向上できたといいます。

  • 笠原成形所

自動車や医療機器の部品製造を請け負う笠原成形所では、生産管理システムによる製品情報の追跡を実現

以前はすべて紙による情報管理を行っており、大変な手間と労力がかかっていました。

それが一転、システムを導入したことで、稼働状況が一目で確認できるようになり、大幅な手間とコスト削減に成功したのです。さらに、収集したデータに基づき、在庫、受注管理までも可能に。

安全運転が第一、自動車にIoTが使われた事例

自動運転のイメージ

続いては日常にも密接に関係のある自動車でIoTが活用されている事例についてお話しましょう。

自動車にとって最大の課題はなんといっても安全性ではないでしょうか。この安全性をより高めるための技術といえばおなじみの「自動運転システム」です。

実はこの「自動運転システム」にもIoTの技術が活用されています。自動車に搭載したセンサーが集めたデータをクラウド上に収集・分析することにより「走る」「曲がる」「停まる」などの操作をすべて自動で制御することができるのです。現在ではすっかりおなじみとなった自動ブレーキ機能もその一部といえるでしょう。

また、速度やブレーキの頻度など運転者の癖を解析し、運転者へのアドバイスを行ったり、車の運転状況を管理したりといった幅広い側面からもIoT導入事例が見られ、これらは今後もますます浸透していくと予想されています。

IoTを農業で活用するとメリットがいっぱいだった!その事例とは?

農業のイメージ

最後にご紹介したいIoT活用の事例は、農業分野です。農業はこれまで比較的IT化の進んでいない分野であるといわれていました。しかし、ここへきて「アグテック」や「スマート農業」ともいわれるようにIoTなどの技術が活用される事例が増えてきているといいます。

なかでも農業大国であるアメリカでは特に最先端のIoT技術が活用されている事例の宝庫ともいえるほどです。ここではアメリカでの農業におけるIoT活用事例をいくつかご紹介しましょう。

  • ドローンによる農薬散布
農業用ドローンは、農地を監視し、農薬が必要な範囲に適量の農薬を散布することができるだけではなく、上空から、作物の生育状況や土壌の状態などのデータを収集・分析することができます。
  • 生育異常の自動検出
センサーを利用することによって、可視光や近赤外線で反射する光の波長を検知。作物の生育状況や栄養状態から土壌の水分状況などを分析することによって、害虫や病気の検出が可能となっています。

このように、海外ではIoTを農業に活用して、コストダウンや食の安全の向上、農作物の安定供給を実現している事例が多く報告されています。日本の農業でも今後IoTの活用が進み、おいしい野菜が安定して私たちの食卓に供給されることを期待したいですね。

最先端はすごいことになっていた、海外のIoT活用事例とは

IoTのイメージ

ここまでさまざまな事例をお話ししてきましたが、農業の事例でもお話したように海外でもさまざまなIoT事例があります。

  • 工場での電力消費を抑制
ドイツのある工場の事例です。工場での生産をソフトウェアで管理することで、電力消費量を効果的に抑制しました。なんとピーク時の負荷を最大で10%引き下げることに成功。
  • 自社製品の稼働状況を管理
次にご紹介する事例はスイスの企業です。この企業は自社の製品をネットワークに接続することで、自社製品の稼働状況を収集しました。そしてデータの収集だけではなく、遠隔から機器を調整したり、異常時にはアラートを出す事緊急対応ができる状態を実現。これにより、常に理想的な状態で、自社製品を稼動させることができるようになりました。

このように、海外では日本以上にIoTの導入は進められていますし、アメリカでは企業のIoT導入率は40%を超えて普及をしているのです。

またドイツでは「インダストリー4.0戦略」という官民連携プロジェクトが進められており、
製造業のIoT化を通じて、設備や生産プロセス自体をネットワーク化。第 4 次産業革命の社会実装を目指しています。
中国では物聯網(IoTやM2M、ユビキタスネットワークに相当)といい、「先進国がICT化で先行する工業・環境保全・交通・物流・電力・医療・住宅等の分野において、IoTを通じて一気に近代化を進める方針」を掲げています。

このように海外では国を上げて積極的に取り組まれているのが現状です。

今後のIoTの進化はどうなるのか?

IoTの進化のイメージ

それでは、IoTの技術は今後どのように進化していくのでしょうか。

冒頭でご紹介した5G回線そしてその先に控える6Gの普及が大きく関係することになるでしょう。

インターネットの通信速度が安定すると、遠隔での機器の操作や監視もより精度の高いものが実現可能となります。ですから、自動運転や遠隔医療など、安全性が要求される分野でのIoTの活用事例が大きく増えてくると考えられているのです。

5G回線が普及すると、インターネットに接続できるデバイスの数も大きく増えますよね。そうなれば、私たちの生活に密着した家電などでも遠隔操作が当たり前になる世界がやってくることでしょう。

 

未来のイメージ

今回は、普及目まぐるしいIoTの技術について、様々な分野の事例を交えながら詳しくご紹介してきました。日本では2020年から運用が開始される5Gの普及に伴って、こういったIoTの活用事例が急速に増えてくるでしょう。

IoTの活用事例は、現在のところ企業など限定的なものが多くまだ私たちの日々の暮らしの中でその恩恵を感じることは決して多くないかもしれません。しかしながら、これからは日常生活の中にもIoTが浸透する時代が到来することでしょう。

身の回りのあらゆるものがインターネットにつながる世界。あなたのアイデア次第で、もっともっと便利な暮らしが実現できるはずです。そのためにも、IoTについて正しい知識や最新の事例など情報を収集していき、それをどんどん活用することで、より良い暮らしができるようにしていけると良いですよね。

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