AIとは何か

実は簡単に理解できる!深層学習(ディープラーニング)の概念とは

実は簡単に理解できる!深層学習(ディープラーニング)の概念とは

AI(人工知能)について調べていたり、勉強していたりすると、深層学習(ディープラーニング)という言葉がよく出てきますよね。深層学習(ディープラーニング)というと、言葉からだけではイメージしづらくAI(人工知能)をこれから学ぼうとしている人のやる気を奪う原因ともいえます。誰でも自分のイメージしづらい難しい言葉をみると二の足をふんでしまうものです。

そんな深層学習(ディープラーニング)の概念ですが、学ぶ順番さえ気をつければそんなに難しくないんです。

シリル
シリル

言葉のイメージだけで難しいと思い込んでしまうのは本当にもったいない!

例えば数学だって始めは簡単な足し算の理解から始まるように、難しいイメージを持たれることの多い深層学習(ディープラーニング)も焦らず一つずつ理解していけばキッチリ理解できてしまいます。

ということで、まずは深層学習(ディープラーニング)をしっかり理解してAI(人工知能)の学習をどんどん深めることにつなげましょう。では今回は、深層学習(ディープラーニング)の概念について、順を追って解説します。

深層学習(ディープラーニング)は機械学習の一つ

機械学習の一つのイメージ
深層学習(ディープラーニング)についての解説に入る前に、機械学習について解説していきます。というのも、深層学習(ディープラーニング)は機械学習の一つであるため、機械学習について知っておいた方が深層学習(ディープラーニング)について理解しやすいからです。

機械学習について一言で説明すると、特定の分野について、たくさんのデータを分析し、規則性や関係性などの法則を見つけだすという、AI(人工知能)の学習手法の一つになります。そして、従来の機械学習では、分析する特徴を人間が定義しなければなりませんでした。

例えば、「赤いリンゴ」「青いリンゴ」といった情報付けをした、大量のリンゴの画像をAI(人工知能)に読み込ませます。このとき、色という特徴に着目するようにAI(人工知能)に定義することで、色によってリンゴを識別、学習し、結果として初めて見るリンゴの画像でも色によって識別することができるようになります。

従来の機械学習でもデータの識別はできますが、深層学習(ディープラーニング)へと発展すると、より高度な学習ができます。驚くべきことに、深層学習(ディープラーニング)では、AI(人工知能)自身が学習するデータから特徴を抜き出すため、人間が分析する特徴を定義する必要がありません。

人間の与える単純な定義で学習するわけではなく、何を識別すればいいのか自動で学習するため、複雑な特徴を抽出することが可能となるため、より精密なデータ解析が可能となります。

次に、多くの深層学習(ディープラーニング)を可能にしているモデル、ニューラルネットワークについて解説します。

深層学習(ディープラーニング)を実現するニューラルネットワーク

神経細胞のイメージ
AI(人工知能)のニューラルネットワークとは、人間の脳の神経細胞のネットワークを数理的にモデルにしたものです。このモデルが誕生し、応用できたからこそ、深層学習(ディープラーニング)が実現したといっても過言でもありません。ニューラルネットワークについて説明する前に、まずは神経細胞の働きについて解説します。

神経細胞は、樹状突起と呼ばれる部位から刺激が入力され、軸索と呼ばれる部位から出力を行なう機能を持っています。刺激の入力は複数の細胞から行なわれることもありますし、内部で情報に修飾が加えられることもあります。

情報の修飾は、例えば縦長の丸を「0」(ゼロ)という数字として認識することを可能とし、このやり取りが人間の脳全体で行なわれることで、知能というものを可能にしていると言えるでしょう。

ニューラルネットワークではパーセプトロンというモデルが神経細胞と同等の役割を持ち、複数のパーセプトロンから入力を受け、内部で変化を加えて情報を修飾し、特徴を付けます。このような機能を持つパーセプトロンが複数接続したのがニューラルネットワークであり、深層学習(ディープラーニング)を実現するために重要なモデルなのです。

ニューラルネットワークからディープニューラルネットワークへ

高階層のイメージ
さて、ニューラルネットワークでは外部から入力を受けるパーセプトロン(入力層)、外部へと出力をするパーセプトロン(出力層)、そして入力層と出力層の間にある、情報の修飾を行なうパーセプトロン(隠れ層)、と三つの階層に分類できます。コンピュータの性能の低かった従来は単純な構造しか実現できず、複雑な特徴を学習させることができませんでした。

しかし、近年コンピュータの性能が向上し、隠れ層がより高階層のニューラルネットワークが可能となったことで、深層学習(ディープラーニング)が実現なされました。この高階層のニューラルネットワークをディープニューラルネットワークと呼びます。

隠れ層が高階層であればあるほど、情報に修飾を加えることのできる機会や分岐が複雑になります。この情報処理の複雑さによって、より人間の脳に近い高度な処理を実現し、高精度で複雑な特徴の学習が可能となったのです。

最後に、深層学習(ディープラーニング)の事例として、アルファ碁について紹介します。

深層学習(ディープラーニング)の事例:囲碁AI(人工知能)のアルファ碁

囲碁のイメージ
アルファ碁は深層学習(ディープラーニング)を用いてイギリスのAI(人工知能)の企業DeepMind社によって開発された囲碁用のソフトウェアです。アルファ碁は2017年5月27日に、当時人類最強ともいわれていた棋士柯潔(カ・ケツ)に勝利しました。そのため、深層学習(ディープラーニング)によってAI(人工知能)が人間を超えることが可能であるというすさまじさを知らしめたソフトウェアといえるでしょう。

囲碁は元々、AI(人工知能)にとって最も難しいボードゲームの一つとされており、人間を超えるのは難しいといわれていました。というのも、他のボードゲームに比べて探索範囲が膨大であり、盤面の位置取りと動きの評価が難しいとされてきたからです。盤面の評価についてはvalue networks、動きの選択についてはpolicy networksの二つのプログラムがアルファ碁には使われており、当時としては新しいアプローチを取っていました。

現在ではアルファ碁を上回るソフトウェア、アルファ碁ゼロが開発されており、2017年10月、アルファ碁に対してアルファ碁ゼロは100戦100勝しました。しかも、なんとたった3日間の学習だけでアルファ碁ゼロはアルファ碁に100勝してしまったのですから驚きですよね。

アルファ碁とアルファ碁ゼロでは囲碁を学んでいく方法に違いがあり、アルファ碁では人間がこれまで打ってきた棋譜を学習し、その後AI(人工知能)同士で対戦を繰り返していくことで強くなるというものでした。一方で、アルファ碁ゼロは棋譜を利用せずに囲碁のルールだけを学び、AI(人工知能)同士で対戦させることで、棋譜に残った人間の無駄な手を頭に入れることなく、早く強くなることが可能となったのです。
シリル
シリル

深層学習(ディープラーニング)の技術の躍進には脱帽させられますよね

深層学習まとめのイメージ
さて、今回は深層学習(ディープラーニング)の概念について、順を追って解説しました。解説した内容は以下の順の通りです。

  • 機械学習:深層学習(ディープラーニング)は、データから規則性や関係性を見出す、機械学習の一種である。
  • ニューラルネットワーク:深層学習(ディープラーニング)は人間の脳の神経細胞のつながりをモデルにしたニューラルネットワークで実現している。
  • ディープニューラルネットワーク:ニューラルネットワークの中でも、情報の修飾の層が厚いディープニューラルネットワークが深層学習(ディープラーニング)においては重要である。
  • 深層学習(ディープラーニング)の事例として、囲碁AI(人工知能)のアルファ碁があげられる。

このように、順を追っていくと、深層学習(ディープラーニング)についてこまかく解説できることがわかりましたよね。一見難しそうなことでも要点が存在し、要点をおさえることで理解が進みやすくなるものです。

シリル
シリル

今回の記事を通して、深層学習(ディープラーニング)やAI(人工知能)についての理解を深めましょう。

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