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マイクロチップを身体に埋めることでのメリットデメリットを集めてみた

マイクロチップを身体に埋めることでのメリットデメリットを集めてみた

マイクロチップと聞くと、犬や猫などのペットに埋め込んで迷子や災害、事故のときに住所や名前の確認に使われるもの、というイメージがありますよね。環境省によれば、ペット用のマイクロチップは直径2mm、長さ8~12mmの円筒形であり、それぞれのチップにはそのマイクロチップ固有の識別番号が振られ、それによりペットを識別する、というものです。

そんなマイクロチップですが、実は人間の身体に埋め込んで使われるというケースもあります。人間用のマイクロチップと聞いてそんなものがあるのかと驚いたり、害はないのか不安になるかもしれません。人用のマイクロチップにはもちろんデメリットもありますが、一方でさまざまなメリットも存在します。

そこで今回は、人用のマイクロチップを取り巻く状況やメリットデメリットについて解説します。最初にそもそも人間用のマイクロチップとはどんなものか解説しましょう。

人用のマイクロチップとは

マイクロチップのイメージ人用のマイクロチップ以前に、そもそもマイクロチップとはどんなものなのか知りたいところですよね。そこでまずはマイクロチップとはどんなものであるのかから解説します。

マイクロチップとは極小の電子機器で、ペット用だと直径2mm長さ8~12mmの円筒形で、人用だと米粒以下のサイズであることが多いです。内部にはICチップ、コンデンサー、電極コイルが含まれており、外側はガラスや樹脂でおおわれていることが大部分になります。それぞれの部品の解説は以下の通りです。

  • ICチップ:半導体に集積回路(さまざまな電子部品を詰め込んだもの)を乗せた部品
  • コンデンサー:電気を溜めたり放出したりする電子部品
  • 電極コイル:電気と磁気を互いに作用させ、ノイズを吸収することで電極を安定させる部品

マイクロチップは太めの注射器のような器具で入れ、痛みはチクっと一瞬で済むとのこと。マイクロチップは一度埋め込むと取れてしまったり、なくなってしまったりすることはほとんどありません。また電池が不要で半永久的に使うことができ、データの上書きも困難で、乗っ取られる心配も少ないです。

※詳しくはこちらでマイクロチップを埋め込んだ人にインタビューしています

人用のマイクロチップでは電話番号や住所、氏名といったペット用のマイクロチップのような個人情報に加え、電子決済やセキュリティのかかったドアの開け閉め、パソコンのログインなどが可能となります。これはRFIDというICチップに記憶してある情報を無線通信にてアクセスする仕組みによって実現します。

人用のマイクロチップの概要について説明しましたが、実際にどのように普及しているのか気になるところ。続いてマイクロチップの海外の状況、日本の状況について解説します。

マイクロチップの海外と日本の状況

買い物のイメージ世界の国々の中でもマイクロチップ先進国である国はスウェーデンで、2015年から流行り始めてこれまで3000人以上がマイクロチップを埋め込んでいるというのですから驚きですよね。身体の改造を行う運動や思想のトランスヒューマニズムの流れで、先駆者がマイクロチップを埋め込んでいました。その影響もありスウェーデンでマイクロチップは一般に広く知れ渡ることになり、鍵や決済、電車のチケットとして使われています。

米国でもマイクロチップを導入しようという動きがあり、ウィスコンシン州のIT企業Three Square Marketでは2017年、同意を前提のもとに従業員へのマイクロチップ挿入をおこないました。80人以上いる従業員のうち50人が賛同し、その結果ハンズフリーで可能となったのがドアの開閉や、パソコンのログイン、社員食堂での支払いなどです。

ドイツでもスウェーデンと同様に鍵や会員カード、セキュリティカードなどとしてマイクロチップが使われています。ドイツで普及させているのはスタートアップ企業I am Robotで、創業者のスベン・ベイカー氏によれば、ドイツでは2000~3000人もの人がマイクロチップを埋め込んでいるとか。

※もっと知りたい方はこちらへ

一方、日本ではそれほどマイクロチップが普及しているとはいえず、マイクロチップを埋め込みたいのであれば個人輸入したり、トランスヒューマニズムを推進する団体である日本トランスヒューマニストに入会したりする必要があるでしょう。実際にマイクロチップを埋め込んだ人はドアの鍵の開け閉めに使ったりしているとのこと。

※こちらに記事に方法が載っています

このように海外ではマイクロチップが広まっている国もありますが、日本ではあまり知られていないのが現状ですが、いつ流行りだすかはわかりませんよね。そんな時代に備えて、マイクロチップを埋め込むメリットを解説します。

マイクロチップを埋めた場合のメリットとは

身軽なイメージマイクロチップを埋め込むことで受けられるメリットは主に次の3つです。

持ち物が減る

現在すでにスマホのアプリやクレジットカードなどを使ったキャッシュレス決済が日本全体の流れとなっており、お札や小銭はもちろんのこと財布すらいらない場面が増えてきました。マイクロチップを埋め込めば、財布だけでなくなんと鍵や電車のチケットを持ち歩く必要もなくなる可能性があります。

持ち物が少なくて済むと身が軽くなり出かけやすくなりますし、バッグも小さくて周りにぶつかったりせず身動きがとりやすくなりますよね。

セキュリティとして安全になる

持ち物が減ると、必然的にものを落としたり失くしたりすることも少なくなり、誰かに拾われて無断で使われたり、盗まれて悪用されたりする可能性も減ります。また、マイクロチップは身体に埋め込んでしまうので、落とすこともなくすこともありません。

そのため、例えば家やオフィスの鍵としてマイクロチップを使うことは、紛失や盗難のリスクがなくなるに等しく、安全性が高まるでしょう。

手間が省ける

買い物をするときに財布を出すためにバッグをガサゴソガサゴソ、いつの間にか行列ができて焦る、なんてことを経験したことのある人も少なくないですよね。もし、手にマイクロチップを埋め込んでいればそんな面倒ごとはいらず、手をパッとかざすだけで支払いや鍵の開錠、ドアの開閉などが可能となります。

また、手をかざすだけでいいので、例えば大荷物を持っているときにわざわざ一度おろす必要なく、片手でポンとドアを開けることもできるでしょう。

※こちらの記事にもメリットが書かれています

次に、マイクロチップを埋め込むことそのデメリットについて解説します。

マイクロチップを埋めた場合のデメリットとは

監視のイメージ
マイクロチップを埋め込むことで受けられるデメリットは主に次の3つです。

データを抜き取られた時のリスクがある

マイクロチップからは氏名、性別、住所、クレジットカードの番号などの個人情報を読み取ることができるため、何らかの手段でマイクロチップを読み取ることができれば、その人の個人情報は簡単にすっぱ抜けてしまいます。個人情報を盗られてしまうと何か気持ち悪いですし、なにより悪用されてしまうと大変なことになってしまいますよね。

このためマイクロチップを埋め込む際にはそのマイクロチップが信頼できるものなのか、埋め込んだ後どのように管理すればいいのか押さえておきましょう。

身体に異物をいれる・・・という抵抗がある

マイクロチップは身体に埋め込むものなので、マイクロチップを使うためには注射の痛みや術後の腫れなど身体に何らかの侵襲性のある手段を必要とします。そしてなにより異物を身体に埋め込んでおくことは多少なり身体的な負担を伴いますし、今のところ健康上安全とされているそうですが今後悪影響の報告があってもおかしくありません。

監視社会に使われる可能性がある

マイクロチップにはさまざまな個人情報が紐づけられており、これを利用して今後企業や政府が人々を監視することが可能です。そうなると私たちの情報は筒抜けで、悪用はされないでしょうが私たちの情報は何に使われるかわかりませんし、不安がありますよね。あくまで可能性の話ではあり、そんな社会がやってこないことを祈っていますが・・・。

いくつかデメリットはありますが、何事もデメリットや不安なことはあります。デメリットを受けとめたうえで、新しい技術を受け入れることも必要でしょうか。

※他にも気をつける点はこちらに書いています

最後に、現在そこまで広まっていないマイクロチップがいつ頃浸透するのか考えましょう。

マイクロチップが浸透するのはいつ頃か

情報のイメージ個人情報の問題や身体への侵襲性がありみんな警戒するので、マイクロチップが自然と普及するとは考えにくいでしょう。そもそも新しい技術はみんなよくわかりませんし、心理的に抵抗が出るのは当然ですよね。となると、マイクロチップを埋め込む文化が広まるのはどういった場合なのか場合になるのか気になるでしょう。

マイクロチップが浸透するきっかけとなると予想されるものの一つは政府が国民にマイクロチップを埋め込むことを義務化することです。これは、ちょっと前でいうところのマイナンバーのようなもので、これを番号ではなくマイクロチップを人間本人に埋め込み、情報を一元化しようという試みになります。なんとも近未来的で、まさに監理社会といったところですが、マイナンバーのときも散々議論されていたものの自然と受け入れられてきたので、杞憂で済むのかもしれません。

他には、社会的に影響力を持った人がマイクロチップを実際に埋め込み、その便利さや使い勝手の良さ、デメリットの少なさなどを宣伝することです。例えばジャスティン・ビーバーがピコ太郎を宣伝したところ爆発的ブームとなったように、これまでも社会的に影響力のある著名人や文化人、芸能人などがテレビやネットで宣伝することで大きく話題になることは多くみられました。一度大々的に広まると、あとは口コミで広まっていき、マイクロチップを埋める人が増えていくことでしょう。

まとめさて、今回は人用のマイクロチップを取り巻く状況やメリットデメリットについて解説しました。

人用のマイクロチップとは米粒ほどのサイズで、ペット用のように住所や氏名などの情報だけでなく、電子決済や鍵の開閉などが可能となります。マイクロチップ先進国スウェーデンを筆頭に、米国やドイツでもマイクロチップを埋め込む動きは見られますが、日本では今のところメジャーとは言えません。

マイクロチップを埋め込むことのメリットデメリットは次のようでした。

【メリット】

  • 持ち物が減る:埋め込んだチップで電子決済や鍵の開け閉めができるので、手荷物が減る。
  • セキュリティの向上:失くすことがないので安心。
  • 手間が省ける:荷物をたくさん持っていても片手をかざすだけで済む。

【デメリット】

  • セキュリティリスクがある:一元管理しているので読み取られたら一気に情報を持っていかれる。
  • 身体に異物をいれる抵抗:身体に何らかの影響があるかもしれない。
  • 監視社会:政府や企業に個人情報を握られ、監視される・・・かも。

今後マイクロチップが浸透する要因には、政府主導でマイクロチップの埋め込みを推奨あるいは強制することや、社会的影響力のある人が宣伝することにあると考えられます。政府主導での埋め込みは少々抵抗がありますよね。影響力のある人がバンッと広め、その後口コミなどでじわじわと浸透していく方が理想的でしょう。

大きな問題がなかったり、解決できたりすればマイクロチップの埋め込みは徐々に広まっていくかもしれません。その日を迎えるにあたってメリットデメリットを押さえ、心の準備をしましょう。

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