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業界激震!AI(人工知能)開発がもたらす半導体の進化とは

半導体のイメージ

昨今、AI(人工知能)技術の飛躍的に発展し、日に日に人間の知能に近づきつつあるAI(人工知能)の進化を実感しているという方もいますよね。

ところで、AI(人工知能)が人間の知能に近づくためになくてはならないものがあるのはご存知でしょうか。それは、半導体の進化。

AI(人工知能)は、人間の脳を構成する神経細胞(ニューロン)を電子回路で模して、そして半導体の小型化、高集積化が進むことでより人間の脳に近いAI(人工知能)を構築できるというわけです。

このように、AI(人工知能)技術の発展の陰で、実は半導体の技術も劇的な進化を遂げているということは、意外に知られていない事実かもしれません。

ということで今回は、AI(人工知能)開発がもたらす半導体技術の驚くべき進化の実態についてお伝えしましょう。

実はこんなにもスゴかった!劇的進化を遂げた半導体の「半世紀」

Intelのイメージ

半導体技術についてお話しする前に、みなさんは「ムーアの法則」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。これは小学校の理科の授業でも習ってませんよね。

ですが、今回のテーマである半導体の進化を議論するうえで重要なキーワードのひとつです。

アメリカの大手半導体メーカーである「Intel(インテル)」の創業者の一人であるゴードン・ムーア氏が、1965年に示した見解に基づくのがこの「ムーアの法則」で、ひとつのICチップ(集積回路)に実装される素子の数は18か月ごとに倍増するというものです。

ですから半導体の性能が指数関数的に向上するというのがこの「ムーアの法則」の主張ということ。

ちなみにこの計算どおりになるとすると、10年経つと素子の数はおよそ100倍になります。実際のところは、1971年に「Intel」が発表した世界初の4ビットプロセッサ「4004」と比べると、2018年に発表された「Intel Core i7 8086K」の処理能力は実に46,300倍。何やら数字が大きすぎてピンと来ませんが、単純計算では13時間かかっていた処理が1秒でできるようになったということです。

一方で、半導体の高集積化には物理的な限界が近づいているという見解もあります。またプロセッサの処理速度の向上にともなって消費電力の増大や、発熱などの問題も無視できなくなってくるので、今後もこの「ムーアの法則」に従って、半導体が進化を続けていくかどうかは不透明でしょう。

それでも、ここまで半世紀の進化には目を見張るものがありますよね。

進化を続ける半導体がディープラーニングの立役者に!?

半導体のイメージ

このように、物理的には進化の限界を迎えつつある半導体。ここから一体どうやって進化していくのでしょうか。そのカギを握っているのが、現在ではパソコンのCPUでも使われるようになったマルチコア、クァッドコアなどの「並列計算」を行うプロセッサです。

これまでは、処理速度を早くすることで性能を上げてきたプロセッサですが、複数の処理を同時並行で行うことにより、性能を上げようとするのが近年のメインストリームとなっています。ちなみに前述の「Intel Core i7 8086K」はコア数が6、スレッド数が12。この場合、12の作業が並行して処理されることに。

そんな「並列計算」ですが、この技術が生み出したともいえる”あるモノ”が実は、AI(人工知能)におけるディープラーニングの発展の偉大な立役者となっているのです。

それが、GPU(Graphics Processing Unit)とよばれる、主に画像の描画、画面表示などに威力を発揮する半導体チップの一種。特に、3次元グラフィックスの描画や動画の圧縮・展開など高速な演算が必要とされる場面で利用されます。

ハードウェアに詳しい人、VRゲームやe-sportsの好きな人なら一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。通常クライアントPCに搭載されるCPUのコア数は2~6コア、サーバ搭載のものでも20~30コア程度であるのに対して、GPUのコア数はなんと数千コアにもおよぶのです。

このGPUの類まれなる高速演算処理が、いつの間にかAI(人工知能)の機械学習、なかでも人間の脳を模した多層のニューラルネットワークであるディープニューラルネットワークの深層学習に利用されるようになりました。まさに渡りに船、地獄に仏とはこのことですよね。

ちなみに、GPUのほうが圧倒的に優れているかというと、そういうわけではありません。画像の描画や、ディープラーニングのように同じ作業を大量にこなす必要がある場合にはGPUが適しているのですが、通常のパソコンのように、プログラムを読み込みながら命令を実行し、メモリやディスク、各種入出力装置を制御していく場合は、多種多様な命令を順番にひとつずつ処理していく必要があるので、並列処理のメリットが享受できないのです。

ですから、パソコンやサーバの処理については今後もCPUが担っていくことには変わりはありません。

GPUの雄 NVIDIA社と老舗メーカーとの全面対決勃発!?

NVIDIAとIntelのイメージ

ここまで、進化した半導体GPUについてお話ししました。今度はそのGPU業界について見ていきましょう。

アメリカ・カリフォルニア州にある「NVIDIA(エヌビディア)社」は、GPUを主力製品として開発・販売する半導体メーカーです。スーパーコンピューター向けの演算プロセッサ「Tesla(テスラ)」なども手掛けているまさに時代の先端をゆくトップランナーと言っても過言ではないでしょう。

実際にこれまで、AI(人工知能)におけるディープラーニングの分野を陰で支えてきたのは紛れもなく「NVIDIA社」であったといえるでしょう。そんな「NVIDIA社」に、ここへきて強力なライバルが次々と立ちはだかろうとしているのです。

あの半導体メーカーきっての巨大企業「Intel」も、2020年にディープラーニングでの利用を視野に入れた単体型GPUを出荷する予定。同社が単体GPUを出荷するのはおよそ20年ぶりということで、「Intel」の本気度がうかがえる動きと言えるでしょう。これもやはり「NVIDIA社」の牙城を崩しにかかろうということでしょうか。

また、IT界の巨人「GAFA」の一角であるあの「Google」も、AI(人工知能)のディープラーニングに半導体の側面から開拓しようとしているのです。

この「Google」では6年前から同社の提供するさまざまなサービスでディープラーニングの採用を始めました。そのために必要な技術として、独自のプロセッサ「TPU(Tensor Processing Unit)」を開発。この「TPU」は、ディープラーニング後の推論フェーズで使われているということですが、処理能力はCPUやGPUよりはるかに高いとされています。

これは、おなじみのGoogle画像検索、Googleフォト、Google翻訳などのサービスで使われているほか、あの人間のチャンピオンに勝利した囲碁AI「AlphaGo」にも使われています。しかしこの「TPU」はいまのところ商用化の予定はありません。しかし。巨人「Google」の見せる本気は、「NVIDIA社」にとっても脅威となるのではないでしょうか。

このように、半導体の業界の動きが半導体を進化させています。これは今後も目が離せませんよね。

 

半導体のイメージ

今回は、昨今のAI(人工知能)ブームの裏で、飛躍的に成長を遂げる半導体の技術についてお伝えしてきました。AI(人工知能)と半導体が、互いに切っても切れない密接な関係にあることが、お分かりいただけたことでしょう。

将来、AI(人工知能)が人間の知能により近づいていくためには、半導体の処理能力向上は不可欠なものです。そして、今回ご紹介した「NVIDIA社」「Intel」「Google」の3社をはじめ多くの企業が、いま、AI(人工知能)のディープラーニングを目的とした、半導体プロセッサの処理能力向上にしのぎを削っています。

この熾烈な競争が、より高い性能の半導体プロセッサを生み出し、AI(人工知能)がより高度な学習を行う。その相乗効果の先に、”AI(人工知能)が人間に追いつく日”が待っているのかもしれません。

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