DX(デジタルトランスフォーメーション)

これで業務を効率化できる!Slack botの種類・使い方・作り方大全

これで業務を効率化できる!Slack botの種類・使い方・作り方大全

Slackの利便性をさらに高めてくれる、Slack botについて詳しく知りたいですよね。現在、世界中でビジネスに使用されているSNSのSlack。

他にもさまざまなビジネス用SNSが存在していますが、その中でもSlackは非常に人気があります。

では、その人気の秘密は何でしょうか。

その大きな理由の一つが業務の効率化を図れることです。

現在、日本の企業などではDX(デジタル・トランスフォーメーション)が進められています。DXとは業務のデジタル化やデジタルツールを導入し、業務の効率化や事業の成長戦略に活かすこと。

そしてSlackはその中で一翼を担うツールになります。そのためにSlackにはさまざまな機能が備わっており、それらの利便性を高める存在がSlack botです。

今回はそのSlack botを覚えていただくために、種類・使い⽅・作り⽅などをお伝えします。

Slackとは

Slackのイメージ

Slackについて分かりやすく説明するなら、ビジネス用のチャットツール。Slackを運営しているのは、アメリカのSlack Technology社です。

2019年2月の情報では、Slackの有料プランを利用している企業の数は全世界で85,000社を超えており、そして日本でも数多くの企業がSlackを導入しており、下記の有名な企業も利用しています。

  • サイバーエージェント
  • パナソニック
  • メルカリ
  • ディー・エヌ・エー
  • ヤフージャパン
  • セブン銀行

など

このように、誰もが知っている有名企業も、Slackを利用しています。そしてこれだけの企業に利用されているのは、Slackにメリットがあるからです。

Slackのメリット

SlackはWindowsやMacOS・Linux・iOS・Androidで、OS環境が異なっても利用することが可能。

これもSlackを利用するメリットですよね。そして、この他にも下記のメリットがSlackにはあります。

「チャンネル」機能で情報共有

「チャンネル」と呼ばれているグループチャット機能がSlackにはあります。

個人間でチャットすることも可能ですが、Slackでは複数人でのグループチャットが基本です。そしてチャンネルのメリットは参加者全員に情報発信ができ、誰と誰がどのようなやり取りをしたのかが分かります。

また後からチャンネルに参加した人も過去ログを閲覧でき、それまでの経緯を知ることができるので、情報共有がしやすくなっています。

通知のカスタマイズ

Slackでは参加しているチャンネルごとに通知の設定がカスタマイズできます。
  • すべての通知が入らないようにできる
  • 自分あてのメッセージだけを通知することができる

上記のことをチャンネルごとに設定できます。

フィルター機能を持つメーラーなどもありますが、Slackほど柔軟な機能を備えているわけではありません。

仕事量が増えていくと参加するチャンネルも増え、それに伴って通知も増加していきます。それに対して柔軟な通知が設定できるSlackの利便性は、他のツールよりも高いといえるでしょう。

すぐれた検索機能

過去のメッセージを探しだす場合、メーラーだと過去のメールからひたすら検索しなければなりません。そのため、目的のメッセージを見つけだすにも時間がかかります。

Slackに搭載されている検索機能では、「チャンネル」「発言者」「期間」ごとに絞って検索可能です。

外部のWebサービスと連携できる

Slackは外部のWebサービスと連携することができます。

その連携できる主なWebサービスは以下の通り。

  • Googleドライブ
  • zoom
  • Skype
  • Dropbox
  • Outlook
  • Twitter

など

この他にも多数のWebサービスとの連携が可能です。そのため、Slackと連携させていれば、Slackに通知を集約できるので管理しやすくなります。

ここではSlackが持つ主なメリットを紹介しました。そしてご覧のように「Slackのメリット」は、すなわち「Slackに備わっている機能」なのです。

これらの機能はSlackの利便性を高めており、その中にこれらから紹介していくSlack botも含まれます。

Slack botの種類

Slack botの種類

Slack botの「bot」は、もとはRobot(ロボット)から生まれた言葉で、botは人間の代わりに単純な作業などを自動的に行ってくれる、対話型プログラムのことを指しています。

そしてSlack botとはSlackアプリのBot User(ボットユーザー)のことです。Slack botは人間と同様にBot Userとして、名前・プロフィール・写真を記載でき、特定のチャンネル内で設定に沿って動作。

Bot UserはSlackの標準機能を使用して作成することができ、主に3種類あります。

RTM APIを利用したSlack bot

このSlack botはRTM (Real Time Messaging) APIを利用しており、Slackからのメッセージを送受信して自動処理してくれます。

6つの機能を設定して作成するSlack bot

このSlack botは、標準機能の「着信Webhook」「インタラクティブコーポネント」「スラッシュコマンド」「イベントサブスクリプション」「ボット」「権限」から必要な機能を設定してSlack botを作ります。

上記のようにSlack botの種類には「RTM APIを利用したSlack bot」と「6つの機能を設定して作成するSlack bot」があります。

そして3つ目はプログラミングによるSlack botの作成ですが、さまざまな方法があり紹介が難しいので、ここでは省かせていただきます。

Slack botのおすすめの使い⽅

Slack botのおすすめの使い⽅

ところでビジネスで重宝されているSlackの大きな利点といえば、業務の効率化ですよね。

そこで業務の効率化のためにおすすめしたい、Slack botの使い方を紹介します。

  • ミーティングへの出欠や開催日についてbotで意見を聞く設定。
  • 簡単な質問に対して答えてくれ、解決につながる情報を得られる設定。
  • 特定のフレーズやキーワードを設定しておくと、メンバーが使用したらbotが応答してくれる設定。
  • リマインダーを設定しておくと、botが知らせてくれるようにしておく。

上記がSlack botの主なおすすめの使い方になります。この他にも、さまざまな使い方があり、仕事のコミュニケーションや連携に役立てられます。

Slack botの活⽤事例

Slack botの活⽤事例

そして「Slackとは」のところでお伝えしたように、Slackは多くの企業で利用され、それぞれの企業では独自にSlack botを作成し、業務の効率化を図っているのです。

それではここでは、Slack botの活⽤事例を4つ紹介します。

株式会社サイバーエージェントの「sharel」

「sharel」はSlack上でTwitterのような働きをするSlack botです。

株式会社サイバーエージェントが運営している「アメーバピグ」部門では、1時間おきに活動報告を促す「ziho-bot」が作られ使用されていました。

以前はいろいろな人の時報を見るために、それぞれチャンネルを追加する必要がありましたが、ziho-bot
の登場で1か所に転送して見れるようになり、その日の時報をまとめた日報を自動投稿できる機能も付いて、時報に関する業務が効率化されたのです。そしてziho-botを「アメーバピグ」部門全体でもっと気軽に情報共有できるように、使いやすくシンプルにして作られたのが「sharel」。

sharelではsharelとユーザーだけのチャンネルを作り、そのチャンネルがフィード兼操作画面になります。

その機能はSharelへの参加、退会、メッセージの投稿、メッセージへの返信や、他人からのメッセージに対して「イイね」を送ることも可能。

株式会社ビズリーチの「AIIQA(アイカ)」

最近CMでも「ビズリーチ」というフレーズでおなじみになってきた株式会社ビズリーチ。

その株式会社ビズリーチでは、Slack botの「AIIQA(アイカ)」が作られています。

CMをよく見かけるようになったことからも分かるように、ここ近年でビズリーチは急成長を遂げています。

そのため、コーポレート部門での社内問い合わせ対応に大きな負担がかかるようになり、業務の生産性向上のため「AIIQA」が作られました。

AIIQAの機能は以下の通り。

  • 社内問い合わせに即時レスポンスで対応する
  • 各種申請の手順や、社員の座席の場所などを問うと、知らせてくれる

ピクシブ株式会社のエラー通知botと定期作業管理bot

イラストコミュニケーションサービス「pixiv」を運営しているピクシブ株式会社からは、2つのSlack botを紹介します。

エラー通知bot

ピクシブ株式会社では、サービスで発生したエラーをまとめて管理画面で確認できるようになっているのですが、以前はそのエラーを定期的に確認していました。しかし緊急性の高いエラーについて即時対応ができるようにエラー通知botが作られたのです。

定期作業管理bot

毎月、確認作業が必要な業務が発生し、それは自動化が難しいので以前は作業担当者が作業の完了を管理していました。そこで作業者の変更・増員にも対応し、一元管理できるように定期作業管理botが作られたのです。

定期作業管理bot では、毎月の作業が完了していないとSlackに通知されます。

そのため、各個人がそれぞれで管理する必要がなくなりました。

iyashi(株式会社カヤック)

ここまで3つのSlack botの活用事例は、どれも業務の効率化に関することです。そして、ここでは株式会社カヤックが作った他とは違うSlack bot「iyashi」を紹介します。

iyashiはその名からも推測できるように、癒やしを提供してくれるbot。

そもそもiyashiは他のbotから、癒やし画像を提供してくれる機能だけを取り出して作られました。内容を見ると、なくてもいいように思いますが、Slack botの新たな可能性も感じさせてくれます。

この4事例はほんの一部ですが、この他も各社で独自のSlack botを作成し利用しています。

Slack botの作り⽅

Slack botの作り⽅

活用事例で紹介したSlack botは、プログラミングで作成されたものばかりです。

同じようなSlack botを作成するなら、プログラミングの知識が必要になるので作成の難易度が上がります。

そこで今回は「Slack botの種類」で紹介した「RTM APIを利用したSlack bot」「Slackアプリで作成するSlack bot」の作り方を紹介しましょう。

RTM APIを利用したSlack bot

  1. Slackのアカウントを作成し、下記のサイトを開きます。
    Slack Bot
  2. botをSlackに追加し、ユーザー名を設定します。
  3. 「APIトークン(*APIを利用するときに必要な認証情報)」「名前のカスタマイズ」「アイコンをカスタマイズ」「プレビューメッセージ」など9つの設定を行い保存します。

これだけの設定でRTM APIを利用したSlack botが簡単に作成できますが、その分、機能が限られています。

6つの機能を設定して作成するSlack bot

  1. Slackのアカウントを作成します。

    下記のページを開き、アプリ名とインストールするワークスペースを設定します。
    Slack – Your Apps
  2. 次のページにはSlack botに搭載できる機能、「着信Webhook」「インタラクティブコーポネント」「スラッシュコマンド」「イベントサブスクリプション」「ボット」「権限」が表示されており、必要なものを設定していきます。
  3. 設定が終われば、ワークスペースにインストールします。

紹介した2つのSlack botは標準機能を利用するので、簡単に作成でき直ぐに利用可能です。Slack botが初めての方は2つのどちらかを作成して、使い心地を確かめてみてください。

Slack botを使う・作る時の注意点

Slack botを使う・作る時の注意点

先ほど紹介した活用事例では、どの企業も明確な目的の元にSlack botが作られています。そしてSlack botを作るためには目的を明確にし、運用までの計画が重要になります。

そのため、主に次のことについて入念な計画が必要です。

  • どのような機能を搭載するか
  • どのような方法で作るか
  • 運用するためのルール作り

この3つの中で一番難しくなる可能性があるのは「どのような方法で作るか」。

先ほど紹介した「RTM APIを利用したSlack bot」「6つの機能を設定して作成するSlack bot」の機能で間に合うなら、さほど難しくはありません。しかし独自の機能を搭載するならば、プログラムを作成するようになるのでプログラミングの知識がなければハードルの高い開発になります。

そのため、「どのような機能を搭載するか」によって「どのような方法で作るか」の難易度が変わるので注意しましょう。

 

チャットのイメージ

Slackは世界中で多くの企業に使用されているビジネス用SNSです。

さまざまなビジネス用SNSの中で、外部ツールとの連携や機能面で優っているのがSlack。

そのSlack内でさらに利便性を高めてくれる機能がSlack botです。

Slack botは人間と同様に、Bot User(ボットユーザー)として設定されたプログラムに沿って動作します。

そのSlack botには次の3種類があります。

  1. RTM APIを利用したSlack bot
  2. 6つの機能を設定して作成するSlack bot
  3. プログラミングで作成するSlack bot

①と②はSlackの標準機能を使用して作成でき、③はプログラムを組むことで独自のSlack botが作れます。

紹介したように多くの企業では、オリジナルのSlack botを作成して業務に役立てています。

Slack botを作成するには、明確な目的から次の3つのことを踏まえて入念な計画を立てて作りましょう。

  • どのような機能を搭載するか
  • どのような方法で作るか
  • 運用するためのルール作り

Slack botは大変便利な働きをしてくれます。

今回お伝えした内容はSlack botを知り、作成するための基本です。

初めての方はこの記事を参考にし、1度試しに簡単なものを作りSlack botを体験してみましょう。

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