「スマートホーム」が話題になり始めて早数年になります。「スマートホーム?」とその言葉にピンとこない方も、「OKグーグル、電気つけて」「アレクサ、テレビのニュースをつけて」といったセリフなら聞いたことありますよね。そしてこれらの命令に答えてくれるのがスマートホーム。
スマートホームは「新しい物好き」の間では話題になり、すぐに取り入れた方もいらっしゃいましたが、「ウチはまだいいかな」と様子見している方が大半のようです。
日本では伸び悩んでいるものの、海外でのスマートホーム市場は着実に伸びています。「必需品」ではないけれど「実現すれば便利」なスマートホーム、何かきっかけがあれば日本でも一気に広まりそうです。
でも「スマートホームって何がどう便利なの?」「そもそもIoT家電とかAIスピーカーって何?」と思っている方も多いはず。
今回は、実はよく知らない「スマートホーム」について、「AIスピーカー」や「IoT家電」といったワードもひっくるめて、基本的なところから解説していきましょう。
スマートホームってどんな家?
イメージしやすいように具体例をあげると、スマートホームなら次のような「安心」が手に入ります。
- 家でお留守番している子供の様子をスマホで確認。
- 要介護のおばあちゃんをセンサーで確認。一定時間、動きがなければスマホのアラームが鳴る。
- 勤務先からスマホの画像でペットの様子を確認して、室温が高いようならエアコンを起動。
これらは必要とされている方、きっと多いはずです。そして、スマートホームは次のような、「安全」面もしっかりしています。
- 家を離れてから、鍵がかかっているか、窓が閉まっているかなどの確認。
- 外出中に、自宅のドアや窓が開いたらスマホのアラームがなる。
家を出る時って無意識で鍵をかけるから、後から不安になるんですよね。
また、スマートホームなら自宅が次のような「快適」空間に。
- 帰宅途中、家に近づいたらエアコンが自動で運転開始。
- ドアに近づくと鍵が自動で開く。
- ドアを開ければ自動で電気がついて、お気に入りのBGMが流れる。
- 「おやすみ」と声をかけるとリビングの照明やテレビ、エアコンがOFFに、寝室の加湿器がONに。
なんとも至れり尽くせり、ぜいたく感満載です。こうして見てみると、まるでひと昔前に映画やアニメに出てきた「未来の世界」そのものでしょう。
さて、このようなことが実際に可能なのか気になる方も多いはず。そこで可能かどうかご説明します。
スマートホームって現実に可能?
ただしスマートホームを実現させるために必要なものは主に次のとおり。
- インターネットのWi-Fi環境
- AIスピーカー、スマートリモコンなど。
- 家電製品(対応できない家電もあり)
これらがあれば、あなたの家もスマートホームになり得るのです。
「ウチの家もう古いんだけど・・・」とご心配の方。大丈夫、家の古さは関係ありません。なんとなく「近未来的」な家を想像してしまいますが、スマートホームは新築でなくても後から導入することもできるのです。
では次に、「AIスピーカー」について解説しましょう。
AIスピーカーで家中を操作できる
スマートホームは「インターネット」によって、「命令を出す器具」と「命令を受けて動く家電」が必要になるとご説明しました。
例えば「アレクサ、寝る準備」という指示を出した場合、AIスピーカーのアレクサは「寝る準備」の指示で登録された家中の各家電に命令をとばすのです。エアコンとリビングの照明、テレビを一斉にOFFにして、枕元のライトと加湿器をONにする、など。
「命令を出す器具」、AIスピーカーで代表的なのは次の2つです。
- Amazon echo(アマゾンエコー):呼びかけ例「アレクサ」
- Google Home(グーグルホーム):呼びかけ例「OKグーグル」「ねぇグーグル」
日本ではこの2つが有名でしょう。これらAIスピーカーのできることは、音楽再生だったり、スケジュール管理だったり。スマートホームにとっては「複数の家電の操作」が、AIスピーカーの重要な役割になります。
このようにAIスピーカーは「音声」で、家中の家電の操作をすることができます。実はスマートホームは「音声」以外でも実現することができます。例をあげると以下のとおり。
- タッチパネルなど、画面で操作するタイプ
- 温度センサーや人感センサーなど、センサーで感知して動作するタイプ
- スマホからの指示で家電を操作できるタイプ
いろいろ組み合わせれば、最強のスマートホームが実現できそうですよね。
では次に、「命令を受けて動く家電」について解説しましょう。
スマートホームは専用のIoT家電が必要なのか
次はAIスピーカーなどから、「命令を受けて動く家電」についてご説明します。まずは「IoT家電」のご説明から。
「IoT家電」とは
「IoT」は「Internet of Things」の頭文字をとったもので、読み方は「アイオーティー」。直訳すると「モノのインターネット」ですが、要するに「モノ同士でお互いに情報交換するインターネット環境」という意味です。
「IoT」は意味を考えるとよけいにわからなくなってきますよね。「IoT家電」は、ここでは「AIスピーカーで直接指示を出せる家電」と考えることにしましょう。ですから、スマートホームでの「IoT家電」は、AIスピーカーから「インターネット通信」で命令を受けて動作します。
では、AIスピーカーは専用の「IoT家電」しか操作できないのでしょうか。それでは今ある家電のほとんどを買いなおさなければ、スマートホームは実現しませんよね。
実はIoT家電でなくても、今ある家電をスマートホーム仕様に使う方法があるのです。次にインターネットとつながっていない家電を、AIスピーカーでどのように操作するのかを解説しましょう。
IoTでない家電をAIスピーカーで操作する方法
「IoT家電なんて持ってないからスマートホームは無理」そんなふうに考えがちですが、実は普通の家電でもAIスピーカーで操作可能な物もあるのです。その方法をここでは2通りご紹介しましょう。
- スマートリモコンを使う方法
- スマートプラグを使う方法
スマートリモコン
今、家の中でリモコンがついている家電、たくさんありますよね。例をあげると、テレビ、エアコン、照明など。これら部屋中のリモコンを1つにまとめてしまえるのがスマートリモコンです。
スマートリモコンにはいろいろな種類があるのですが、主な機能をあげてみました。
- AIスピーカーに対応
- 部屋の家電をまとめてON/OFFできる
- 外出先からでもスマホアプリで操作可能
- タイマー機能がついている
これらの機能はどのスマートリモコンにもついているわけではないので、購入する場合はよくチェックしましょう。
そして、AIスピーカーにスマートリモコンを登録すると、「ねぇグーグル、全部ONにして」などの指示で、今家にあるテレビ、エアコン、照明を一気につけることもできてしまうのです。スマートリモコンとAIスピーカーがあれば、一気に憧れのスマートホームが現実味を帯びてきますよね。
スマートプラグ
スマートプラグの見た目は、壁のコンセントに直接挿して使う電源タップの少し大きい形。このスマートプラグにデスクライトや電気ヒーターのコンセントプラグを挿しておくと、AIスピーカーから遠隔操作が可能になります。
このようにもしあなたの自宅に現在、IoT家電が一つもなかったとしても、スマートホームは実現できてしまうのです。
では、スマートホームは今後どのような未来が待っているのか考えてみましょう。
スマートホームの今後とは
スマートホームの「今後」を考えるにあたって、まず現状を見てみましょう。
また、現在AIスピーカーを持っている人の使いみちは「音楽を聴く」「タイマー機能を使う」などが大半で、「家電操作」に使っている人はたったの15%でした。
理由はわかっていないそうですが、おそらく「値段が高そう」「設置するのが面倒」「なくても困らない」このあたりが原因でしょう。
でも実際、スマートホーム化に取り組んだ方の感想を調べてみたら
- わずか2万円でスマートホームが実現した。
- 想像以上の快適さ。これは感動もの。
- もう元の生活には戻れない。
このように、「やって良かった」という意見が多数。使ってみたら思った以上に便利なようです。ただ、以下のような意見もありました。
- 家族がいるのに、電気やテレビが勝手に切れて大ひんしゅく。
- 設定が大変だった
確かに想定外の家電の動作、ありそうです。設定もここ数年でどんどん簡単になってきているのですが、もともと苦手意識のある方は、ハードルが高いのかもしれません。
またこの他に「Switch Bot」という面白い商品があって、4㎝角くらいのちいさな「指ロボット」なのですが、指示が来たら物理的にちいさな指?が飛び出してスイッチを押してくれる、という代物。
現段階では「スイッチを押す力加減」などの調整が難しそうですが、斬新なアイデアですよね。使っている方は「設置は面倒だけど、いったん取り付けてしまったらめちゃくちゃ便利」だそうです。
「今後」の話というよりは「現状」に終始してしまいましたが、実際スマートホームを実現している方の「便利さに感動」している声はとても印象的。日本でも何かきっかけがあれば一気に広まりそうな気がします。そのきっかけが、魅力的な新商品開発からなのか、高齢化社会のためやむを得ず、なのか想像はつきませんが。
今回は、スマートホームがどんな家なのか、AIスピーカーとIoT家電について、詳しくお話しました。スマートホームの具体例は、とても夢のある生活でしたよね。でも、全てもう現実にあるのです。
AIスピーカーは音楽やニュースを聞くだけでなく、家中の家電をまとめて操作する機能もあることがわかりました。既にAIスピーカーを持っている方から「音楽聞くぐらいしか使い途ないんだよね」という声をよく聞くのですが「スマートホーム化しないともったいないのでは?」とも思うぐらいです。
あと、IoT家電がなくてもスマートスイッチがあればスマートホームを実現することができる、というのも嬉しい情報でした。
何より一番心に響いたのは、「たったの2万円でスマートホームを実現」することができるという事実。確かにAIスピーカーやスマートスイッチの値段は、最近手の届くところに落ち着いてきています。
「今のままでも困ってないし」と現状に妥協せず、よりよい暮らしを夢見て我が家をスマートホーム化したら、想像以上に豊かな生活が待っているでしょう。