AI(人工知能)とファイナンス

人工知能で株価を予想する時代。個人投資家が取るべき行動とは

人工知能で株価を予想する時代。個人投資家が取るべき行動とは

昔の株式の売買といえば、電話で注文を行うなどアナログでしたが、最近ではスマホからすばやく注文が行えて本当に便利ですよね。しかも今では人工知能(AI)で株価を予測できるような時代になりつつあるんです。

実際にみずほフィナンシャルグループでは、2017年に株価の予想に人工知能(AI)を導入を決定して、現在運用をしています。具体的にどのようなことをしているのかというと、資産運用会社や銀行などの機関投資家に対して、株価が30分後、1時間後にどうなるのかを予測する機能を持った取引システムを提供しています。

このシステムはディープラーニングを利用して、さまざまな情報を解析し、その中から規則性などをみつけて将来の株価を予測。人工知能(AI)は人間よりも処理能力が優れているので、人間が気づかないところにも気づけるので有利に投資を進めることができます。

この例は法人向けの話ですが、いずれ人工知能(AI)で株価を予測することが個人の投資家にも当たり前になるでしょう。では、そのとき私達はどうすればよいのかを今回はお伝えしていきます。まずは、個人ではなくファンドなどの法人でどのようなことになっているのかを解説しましょう。

法人では人工知能(AI)を利用した株価予想がすでに行われている

大企業のビルイメージ

みずほフィナンシャルグループの例もそうですが、ファンドでもすでに行われているんです。もともと人工知能(AI)を利用する前にもクオンツ取引を利用したクオンツファンドがありました。

クオンツ取引は

定量分析というデータ解析を基本とした高度なアルゴリズムで超高速自動取引を行うものです。このとき売買はミリ秒など、非常に短い時間に取引を繰り返します。
この取引方法が法人では主流となっていて、昔のようなファンドマネージャーが辣腕を振るうようなスタイルは1割ほどのようです。

なぜ、ここまでクオンツ取引が広まったのかというと、以下のような理由があります。

  1. スクリーニングが容易
  2. データ分析から必勝のモデルを設定可能
  3. アルゴリズムが高度化している
1については、これまでファンドマネージャーには情報をスクリーニングして判断していくことが求められていました。特に優秀なファンドマネージャーになると直感レベルでスクリーニングを行って運用をしています。

しかし、クオンツ取引ではこれらのスクリーニングをコンピューターで簡単に行って、プログラムに組み込んで自動的に売買することが可能です。ここには優秀なファンドマネージャーが居なくてもできるでしょう。

2のデータ分析では、過去の市場のあるときにどのような株が上昇などしていたのかを分析して、同じような相場の状況のときに利益をあげられるような必勝のモデルを設定することができます。これによって利益をよりあげられるのです。
3のアルゴリズムに関しては、クオンツファンドでは数学博士の人たちがアルゴリズムを作っており、近年非常に高度化しています。例えばチャットで特定の株式のワードが多く書き込まれるなどしたときに、株を買うようにプログラミングすることもできるようです。

このような3つの理由からクオンツファンドは大勢を締めるようになりました。これを踏まえて人工知能(AI)を用いて株式を運用していくAIファンドでは、さらに一歩進んだトレードが可能になっています。

具体的には、

人工知能(AI)の情報処理能力を使ってさまざまな市場のデータや株式の情報を分析させることで、自動に情報を更新しながら、人工知能(AI)に判断させながら高速で株式の売買を行うことができます。
つまり、クオンツファンドよりも臨機応変に素早く対応することができるということですよね。

このAIファンドは2018年の2月に米大手ヘッジファンドであるツーシグマが来日したばかりですが、それまでの成績はかなり良いようで日本でもかなりの成績を出すことが期待されています。実際に人工知能(AI)を用いて株式を運用していくAIファンドが結果を出していることもあり、間違いなく増えていくのではないでしょうか。

では、このような法人の現在の状況を踏まえて、個人投資家がどうしていけばいいのかを次で解説していきます。

人工知能(AI)で株価を予想する時代に私たち個人投資家はどうすべきなのか

株価を見るイメージ

個人投資家がとるべき行動としては大きく3つあります。

  1. 人工知能(AI)を用いて株を運用している投資信託を購入する
  2. 人工知能(AI)で予測しているツールなどを利用する
  3. とにかく人工知能(AI)を株の運用に取り入れる
1については、人工知能(AI)で株価を予測している投資信託を証券会社から購入することを指します。上で話した通り法人であるファンドなどでは、人工知能(AI)を用いて株式を運用していくAIファンドがすでにあります。

こちらを利用することで投資信託のメリットや人工知能(AI)を使っていることで得られるコストの安さによって、より効率的な運用が可能でしょう。投資の知識が少ない初心者におすすめです。

次に2は、人工知能(AI)を使って株価の動向を予測できるツールなどを利用して、その予測から株式を購入していくことです。実際にこのようなツールやサービスは有料ですが存在しているので、利用してみてはどうでしょうか。
この方法は投資に慣れた人におすすめです。

3については、とにかく現在存在しているような人工知能(AI)を使って株価を予測しているものについてよく知り、これから登場するもので優れたものがあれば取り入れることです。事実として人工知能(AI)の発達は今間違いなく加速しています。

今後より進化した人工知能(AI)によって高度な株式の予想が行われることは間違いありません。ですから、しっかりとアンテナを張って、人工知能(AI)を活用して株価を予測しているファンドやサービスなどがあったら利用しましょう。

そうすれば資金を増やせるチャンスは増え、より効率的な運用が可能になります。このような3つを個人投資家はとるべきでしょう。

 

人工知能(AI)が予測した株価を見るイメージ

最後に、人工知能(AI)で株価を予測する時代でも変わらないであろうことについてお話しします。現在、人工知能(AI)を使って株価を完全に予測することはできません。そして、未来に例えシステムとして完成してもやはりできないのではないでしょうか。

実際に2018年の今年はさまざまな出来事があり、クオンツファンドの運用成績は低迷しているそうです。なぜこうなったかというと経済は政治とも結び付いているから。アメリカのトランプ政権による中国との貿易摩擦などによって影響を受け、解説したような必勝のモデルに当てはまらなかったからでしょう。

このことを考えていくと、未来であっても人が世界を動かしていく限り不確定性を持ち続けていくので、完成したシステムでもリスクはあります。つまり、どんな便利で優秀な人工知能(AI)が誕生して株価を予想しても、上手く行かないことはあるということです。

ですから、私達はしっかりとした知識を持ち、そのようなリスクがあることを理解しながら人工知能(AI)と付き合っていくことが大切ですよね。

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