数学の研究者が、研究とは別に一兆円の資産を築いたという話があれば、興味がそそられますよね。その研究者はなんとAI運用のヘッジファンドを活用し、それだけの財産を築きました。
一見すると、私たちが学生時代に馴染みのある数学の世界とAIとは関係が無いように思えるでしょう。けれどもAIは、人間の様々な知能をコンピュータ上で再現するものであり、その手法に数々の数学の高等な理論が用いられています。
すると数学の研究者がAIに精通していることも納得できます。それでは次に、その研究者がどんな生い立ちで、何をきっかけにAI(人工知能)に注目したのかが気になるでしょう。
そこで本日は、AI運用のヘッジファンドで大富豪になった数学者ジェームズ・シモンさんのお話しをいたします。
数学者ジェームズ・シモンさんの生い立ち
AI運用のヘッジファンドで大富豪になったジェームズさんは子供の頃からお金に興味があったわけではありません。ましてやAIを運用してヘッジファンドで大儲けするなど思いもよらなかったでしょう。ジェームズ少年にとって気になることは数字のことばかりでした。
あるエピソードをお話ししましょう。ジェームズさんが四歳の時、お父さんと車に乗っていたら、ガソリンがもうすぐ無くなることが話題になったそうです。
そこでジェームズさんは考えました、
私たちの常識からすれば、少しおかしな発想ですよね。私たちは経験からガソリンが減れば、やがては尽きることは知っています。けれどもジェームズさんは数学上の理屈を立てて、なくならないと考えました。
実はこれ、ゼノンのパラドックスという古典的な数学上の問題なのです。ジェームズさんは誰から教えられるともなく、幼少の頃からこうした数学的な問題意識を持っていました。こうした子供は当然のように数学者への道を歩むのです。
数学からAI(人工知能)へ
数学研究の道へ進んだジェームズさんは早くからその頭角を現します。
また
ジェームズさんはこの後、
というのも
つまりジェームズさんは偶然にも、コンピュータとアルゴリズムという、AI運用のヘッジファンドを担っていく上で必要な素養を得ることになったのです。
AI運用のヘッジファンド
そして
そしてジェームズさんはAIを運用し、ヘッジファンドのためにその時その時の変動に対応する予測モデルを作成するよう努めました。その際にこれまでの数学者としてのキャリアに加え、暗号解読で学んだコンピュータの技術やアルゴリズムの知識が役に立ったのです。
ジェームズさんは数学者ですから、私たちには単なる折れ線の連続に見える図式から、数学の方程式を導くことができます。そしてそれをコンピュータに学習させるためにアレゴリズムを開発し、容易に大量のデータを扱うことが可能となりました。
そしてジェームズさんは優れた予測モデルの開発に成功し、AI運用のヘッジファンドを利用して巨万の富を得ることになります。
本日は、AI運用のヘッジファンドで大富豪になったジェームズさんのお話しをしました。ジェームズさんは何も幼少の頃から大金持ちになることを夢見ていたわけではなく、典型的な数学の天才児でした。
そして数学者として身を立て、時に暗号解読の業務に携わることで偶然にも、AI運用のヘッジファンドを経営していく上で必要な、コンピュータやアレゴリズムの知識を身につけていくようになったのです。
こうしたジェームズさんのお話しは、何か大富豪になるための教訓を得るためには少し物足りないでしょう。けれども、このお話しはAIとは何かという本質を見事についています。
数学、コンピュータ、アレゴリズム。これらはAIを使いこなす上で欠かせない要素です。ジェームズさんは偶然にもこれらの知識があったので、AI運用のヘッジファンドで成功したのでしょう。
昨今はAIの話題が流行りで、その利便性や将来性ばかりが強調されています。そんな時、一人の生涯でもってAIとは本質的に何かを教えてくれるジェームズさんのお話しは、AIをより私たちに身近なものにしてくれるでしょう。
参照元
AIを使ったヘッジファンドで巨万の富を得た数学者ジェームズ・シモンズがこれまでの半生を語る | GIGAZINE