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教師の変わりはできるのか?AIによる教育事業の裏側【2025年予想】

学校のイメージ

教育用ソフトにAI(人工知能)が利用され始めています。子供の学習効率を上げるためにAI(人工知能)が活用されるのは素晴らしいことですよね。AI(人工知能)を使った学習ソフトの多くはいわば子供たちの家庭教師。近い将来、こういったAI(人工知能)は学校教育の現場にも導入されることになるでしょう。

アメリカの調査会社のレポートによると、AI(人工知能)をはじめとするテクノロジーの発達により、2030年までに現在存在する業務の50%近くが自動化されるといわれています。AI(人工知能)が家庭教師の役割を果たすことで学校はそのあり方が変わり、ひいては教師が教える必要はなくなってしまうのでしょうか。

現在、世界的に教育は大きな社会的課題です。先進国では労働者の提供できる技能と企業が求める能力のミスマッチが生む雇用ギャップは重要な社会問題。発展途上の国々では、社会の成長に伴う教育の高度化と産業に流入する人口の増加のために多くの教師が必要となると考えられています。

このような状況を背景として、近い将来の教育の姿を考えた場合、AI(人工知能)が果たす役割は大。家庭教師としてのチュータリング機能だけではなく、学校教育そのものを変えて行くのです。そして、効率的で高度化した教育の現場としての学校には、AI(人工知能)をいわば家庭教師として使うことで、子供たちの学習を高めていく教師が必要となります。

今回は、教育におけるAI(人工知能)の役割と近い将来の学校の姿を、家庭教師AI(人工知能)と教師の姿を通して見てみましょう。

家庭教師としてのAI(人工知能)とは

学校でAIを利用するイメージ

個人学習用のAI(人工知能)として注目されている、アダプティブ・ラーニング。AI(人工知能)の中心技術である機械学習を利用して、生徒一人ひとりの学習能力、進捗に合わせて用意されるプログラムに沿って、学習が進められます。

分からなくなっているところを一人ひとり集中して丁寧に指導し、問題の難易度を生徒ごとに設定して出題。膨大な問題集のデータをリソースとして、それぞれの生徒にとって最も適当なカリキュラムを策定、実行するのです。

このようなシステムが学校教育に導入されれば、AI(人工知能)が個別指導を進めることで、学習効率は向上し、生徒の能力や個性に合った内容の勉強を進めることができるでしょう。既にアメリカでは学区内の学校ごとにカリキュラムの構成を調整するAI(人工知能)や、非常に多くの生徒に対して同時に授業を提供するシステムが開発されています。将来、学校の教壇にはAI(人工知能)家庭教師が立つことになるのでしょうか。

アメリカ政府の支援を受けて個別の教育プログラムを提供するチャータースクール。この半公立の独立系学校で最近注目されているのがオンライン学習です。いくつかのチャータースクールでは全ての授業をオンラインで行うサイバースクールプログラムが実施されています。このサイバーチャータースクールで授業を受けている生徒20万人の学習成果に対して、ある研究結果が発表されました。

オンライン授業を受けて学習過程を終えた生徒の学習成果は、実際に学校の教室で授業を受けた生徒に比べて大きく劣っていたのです。最大の問題は、オンライン授業では授業の内容に集中することが難しいこと。サイバースクールの生徒のうち、教室で授業を受けた生徒よりもよい成績を取れた生徒はわずか2%。特に数学では88%のオンライン生徒が「著しく劣る」という評価に。

この結果を受けて、オンラインで授業を受けることのリスクが認識され、学習方法の改良が進められるるとともに、教室の授業での教師の役割が大きく注目されています。生徒が学習する意欲を持つためには、生徒にとってのロールモデルとなる人間が必要なのです。自分ができないことをやって見せてくれる存在、自分が困っていることを一緒になってやってくれる存在、それが生徒の学習能力を向上させ、成長の意欲を生み出す。

人は機械に触発されません。自分がモデルとするべき存在が人間ではないという状態では、生徒の学習能力が大きく制約されます。生徒の意欲を醸成するのは、生徒と同じ気持ちを共有し、共感する能力。この共感能力は生徒と共に教室で過ごし、生徒の話を聞き、言葉を使わないやりとりを通して教室という一つの世界を作っていくことで作り上げられるもの。教師は人間でなければならないのです。

教師とAI(人工知能)家庭教師が作る、将来の学校の姿

教室のイメージ

2025年ごろの学校の教室を描いてみましょう。

そこではAI(人工知能)が言わばアシスタントとして

授業の教材を配布し、宿題を集めて採点。分からなくなっている生徒には個別のプリントを渡します。PTAなどの配布物や学校のイベントの連絡もアシスタントにやってもらいましょう。

一人ひとりの生徒の成長を見て話しかけ、教室を人の集まる場所として作り上げるのは教師の役割です。

生徒の意欲を高め、もっとやりたいという気持ちを育てます。学力以外の理由で学習意欲がそがれている生徒のケアや、新しい教え方を考えたりしなければならないかも知れません。生徒が今後何を学び、どんな分野の力をつけて生きたいのか、生徒の成長について両親と話をするのも重要です。

AI(人工知能)は家庭教師としてルーチン化できる教室の業務を個別に進めます。教師は学習できる環境として、生徒にとっての教室―学校を作り上げていく。一人の人間としての生徒と向き合うことに時間を割き、勉強以外の成長、社会的な能力についても並行して育て地かなければなりません。

 

学習のイメージ

ユネスコによると、2030年までに世界で小学校教師が2200万人、高等教育の教師が4400万人不足すると予測されています。AI(人工知能)が果たす家庭教師としての役割は、この足りない教師の数を埋めるのに役立ってくれるでしょう。また、産業の変化が早くなる時代を迎えて、キャリアプランのために生涯教育をどのように進めていくかは個人にとっても重要なテーマ。一人ひとりの一生に及ぶ学習カリキュラムを立てることにも、AI(人工知能)の学習機能は役に立つでしょう。

一方、生徒の全人格的な統合された成長のためには、生徒に世界を複合的に理解させてあげることが求められます。教科学習という機能を学校教育の役割の一つとして提供しながら、同時に社会的、人間的成長を促す。家庭教師にはできないこの存在が、生徒の学習能力を高めるためにも必須なのです。

どんな人にも、自分が子供のころ高い意欲を持ってなにかを成し遂げた経験があるでしょう。そして、そこには自分の気持ちを高めてくれた先生がいたはず。今後、学校教育が姿を変え、学習内容は一層高度で効率化されたものになります。それを提供する教室には、生徒の成長を見守り、促す教師がいます。その教師の横には、家庭教師役のAI(人工知能)がいるはずです。未来の教育現場は、教師とAI(人工知能)が学校教育の姿を変えてくれるといいですよね。

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