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AIが翻訳した英語は本当に使える?精度や課題は?疑問を一挙に解決!

英語翻訳のイメージ

近年急速な進化を見せているAI(人工知能)による翻訳。英語をはじめ、非常に多くの言語に対応しており便利ですよね。特にAI(人工知能)による英語への翻訳と英語からの翻訳はほとんどの人が使ったことがあるのではないでしょうか。

以前は面白い誤訳がTwitterなどで共有されていましたが、最近では見かけることが少なくなりましたし、文章の複雑さにもよりますが、かなり正しい文章に翻訳されるようになってきています。

そのため、海外の友人とのフランクな会話からビジネスでのフォーマルな内容において英語を使う必要があるとき、AI(人工知能)翻訳を使う人もいることでしょう。

しかし、ちょっと待ってください。AI(人工知能)が翻訳した英語は本当に使えるのでしょうか。

それでは、その精度や課題、これからの英語学習の必要性について詳しく見ていきましょう。

AI(人工知能)翻訳の背景は

キーボードのイメージ

AI(人工知能)による翻訳は通称「機械翻訳」と呼ばれるもので、AI(人工知能)を利用してある言語を別の言語に自動的に変換することを指します。

この機械翻訳には主に「ルール型翻訳」、「統計型翻訳」、「ニューラルネットワーク型翻訳」が存在。しかしここ数十年で主流となるシステムは変遷してきています。

そして、近年の飛躍的な進歩の背景にはグーグル翻訳に代表される「ニューラルネット型翻訳」が存在しているからでしょう

それでは、それぞれのシステム間の違いを見てみましょう。

ルール型翻訳

単語やフレーズ、文法などをどのように訳出するのかというルールをコンピュータに覚え込ませることによって翻訳を行う仕組みで、具体的には辞書や文法書を見ながら翻訳を行っているとイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。

ルールに従って翻訳を行うので、そこに当てはまらなければ正確な訳出を行うことができないのです。

したがって、日本語のように同じ綴りで全く違う意味を表す言葉が多く存在する言語には適していません。
例えば、「草木がおいしげる」を「Vegetables, hey Shigeru(草木が、よぉシゲル!)」のように訳してしまうこと

統計型翻訳

大量の対訳文章(コーパス)を統計的に学習し、その結果として最も適したパターンを割り当てて翻訳していく仕組みで、人間に置き換えると留学などで大量の外国語に触れるなかでそのパターンを学習し言語処理していくようなものです。

しかし、この統計型翻訳もデータにない翻訳はできないため、正確な対訳文章のデータが必要になり、また解析の限界があり複雑な文章になると正確な訳出ができないという難点があります

ニューラルネットワーク型翻訳

AI(人工知能)の急速な発展をもたらした「ディープラーニング」という仕組みを用いた翻訳手法。
このディープラーニングには、ニューラルネットワークと呼ばれる人間の脳の仕組みを模したアルゴリズムが用いられており、文全体を俯瞰したうえで訳出していくためより高い精度での翻訳が可能になりました

人間がそれまでの学習経験と文脈や全体の構成を考えたうえで訳出していくようなもので、統計型と同じく大量のコーパス(対訳文章)が必要となります。また特質すべき点として、学習を行わせる、すなわち多く利用すればするほど精度が高くなっていくという利点があるため、これが現在の主流システムとなっている理由といっても過言ではありません。

このように数十年にわたって翻訳システムは変遷しており、それに伴い精度はどんどん向上しています

英語翻訳の精度はどれくらいなのか

精度のイメージ

それでは次に、AI(人工知能)による英語翻訳の精度を見ていきましょう。

例えば、

  1. 「会議に関する資料を早急に送ってください」
    ”Please send us the materials regarding the meeting as soon as possible.”
  2. 「先日購入したパソコンに不具合があるのですが、対応可能でしょうか」
    ”There is a problem with the computer purchased the other day, but it is possible?”

上記の翻訳はグーグル翻訳を用いて翻訳をしたもの。

(1)の文に関しては、誰に送るかが省略されているため、AI(人工知能)による英語への翻訳では「私たちに(us)」と勝手に出力されています。しかし、単純な文章であるため、この文章を受け取った相手は難なく理解することができるように翻訳されていますよね

(2)の文に関しては、接続詞でつながれた少々複雑な文章で通じない訳出になってしまいました。日本語でよく用いられる躊躇を表す「が」は逆説の「が」と訳されており、後半の主語に関しても間違いが見受けられます。

日本語は構造が複雑なため、このように日本語で文章を作成してからAI(人工知能)で英語に翻訳するのは避けたほうが良いかもしれません。特にビジネスの現場では。

英語翻訳の課題

翻訳のイメージ

それでは、AI(人工知能)による英語翻訳の課題について詳しく見ていきましょう。

先ほどの翻訳でもわかるように、AI(人工知能)による英語への翻訳が難しい理由として日本語の複雑さが大きな割合を占めています。

日本語は主語や目的語を省略することが多く、また比喩的な表現が非常に多いユニークな言語です。

その結果不自然な訳出となってしまうことが多く、また、日本語話者が少ないため学修データ型の言語ほど多く取れないという点も挙げられます。

その一方で英語から日本語の翻訳に関しては精度が高いといわれています。

英語はストレートな表現が多く、またロジカルに話が展開していくため、日本語から英語よりも英語から日本語の方が精度は高くなるのでしょう

将来英語を学ぶ必要は無くなる

英語のイメージ

このようにまだまだ完璧ではない英語翻訳ですが、今現在もAI(人工知能)を用いた英語翻訳サービスは多くあります。また、今後もその精度は向上していくことを考えると、英語の学習は必要ないと考える人もいるでしょう。

しかしこれからは英語の重要性は増してきます。言い換えると、中途半端なレベルではなく高いレベルでの英語が必要になってくるのです。

簡単な文章であればAI(人工知能)による英語翻訳の精度は非常に高く、また複雑な文章であっても少々修正を加えれば十分なレベルの翻訳が行われるため、人手で翻訳することに比べると非常に効率的でAI(人工知能)による英語翻訳を用いるのが一般的になるでしょう。

そうなると、重要なのはAI(人工知能)による英語の間違えを訂正できるような英語力になりますよね

では、会話においてはどうでしょうか。

会話においてはAI(人工知能)による英語翻訳はそれほど役に立たないといってもよいでしょう。というのも、AI(人工知能)による英語翻訳のプロセスは「音声認識」⇒「音声データをAI(人工知能)によって文章へ変換」⇒「文章をAI(人工知能)によって英語文章に翻訳」⇒「文章を音声データに変換」⇒「出力」であり、このプロセスに数秒要するからです。

この数秒が円滑なコミュニケーションにとって弊害。もちろん観光などで使う分には全く問題がありません。しかし、友人との会話やビジネスシーンでの会話にAI(人工知能)による英語翻訳を用いることは効果的ではありません。

したがって、AI(人工知能)による英語翻訳に頼って英語を学習しないというわけにはいかないでしょう。これまで以上に英語学習の重要性は増してくるのです。

 

英語のイメージ

今回はAI(人工知能)による英語翻訳の現状と課題、AI(人工知能)時代における英語学習の必要性についてお話ししました。

このように、英語は本来コミュニケーションをとるためのツールでしかなく、そのツールであるはずの英語を使う目的で、AI(人工知能)翻訳を使い本来の目的がおろそかになっては本末転倒ですよね

しかし現在、英語学習サービスは多岐にわたり、英語学習環境は非常に整っています。

ですから、AI(人工知能)が進化しているからという理由で英語学習をおろそかにするのではなく、AI(人工知能)が進化しているからこそ英語を学んでいきましょう。

英語での円滑なコミュニケーションは、海外の人々との交流や新たなビジネスチャンスにつながり、新しい世界の扉を開けてくれるはずですから

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