最近の一般向けの株式投資ではロボアドバイザーといってAI(人工知能)に投資先の選択を任せるツールが出てきました。その他にも富裕層向けのファンドでもAI(人工知能)を扱うところが増えてきましたよね。そしてそれらの会社のホームページでは投資家はただお金を出すだけであとはロボットが適切な運用を行ってくれますと宣伝しています。
ただ、株や債券に投資する以上、ある程度まとまった金額を支出することになり、そのためなるべくなら適切な投資先を選択して損失を少なくし、利益を出したいでしょう。
その際に重要なのが事前の情報収集。
そこで今回は、AI(人工知能)活用型ファンド(以下「AIファンド」と呼称する)がいったいなんなのか、そしてAIファンドを利用するメリットとデメリットをお話します。
AIファンドとは
まずは、AIファンドについてお話しましょう。
要するに、無数にある世界の株式の銘柄の中から、AI(人工知能)のモデルを用いて魅力的な銘柄を検出し、その結果を基に人手でキュレーションを行って顧客のポートフォリオを作成しているということです。
AIファンドが出現する前のファンドのファンドマネジャーは、人間の経験と勘に頼って資産運用をしていました。
クオンツファンドの先駆的かつ代表的なファンドであるルネッサンス・テクノロジーズは天才的な数学者にしてパターン認識と暗号解読者の専門家であるジェームズ・シモンズ氏が創業したファンドで、このファンドのパフォーマンスとして、過去20年間の年率換算の平均リターンは35%超え。
この数字がどれだけすごいかは有名な投資家であるウォーレンパフェットの平均リターンが約22%だということからも分かりますよね。
自分で銘柄の選定を行いたいと思う人には、ロボアドバイザーがその名の通り投資のアドバイスだけしてくれるファンドもあるのでそちらを選びましょう。
AIファンドのメリット
それではAIファンドのメリットをお伝えしましょう。
まず、AI(人工知能)に限らず自動取引が可能だと超高速取引を行うことができます。
また、AIファンドを利用するその他のメリットとして、人間のファンドマネージャーよりも好成績を残せるプログラムが増えてきていることが挙げられます。
ここ数年でAI(人工知能)はどんどん優秀になっており、その余波は金融業界にも及んでいますよね。
ですから、前述のロボアドバイザーは以前は手数料の安さから庶民の利用者が大半でしたが、最近では以前は人間のファンドマネージャーがいるファンドを利用していた富裕層も利用するようになってきました。これはロボアドバイザーの成績が良くなっていることが理由と言われています。
AIファンドのデメリット
しかし、もちろんデメリットもあります。
特に最近流行りの機械学習に含まれるディープラーニングを使っているファンドでは、AI(人工知能)が適切な投資先を選定してくれるわけですが、その結果が出された理由を人間は知ることができません。
また、AIファンドに限らず株式投資には様々なリスクがあり、それは例えば、株価変動リスク、海外株なら為替変動リスク、流動性リスクなど。それらを解消するためには事前にそのファンドが投資している株式がどういうものなのか自分の目でよく確かめることが重要です。
そして、株式市場全体のリスクとして、超高速取引をするAI(人工知能)が株価の暴落を引き起こす可能性があります。
なぜフラッシュ・クラッシュが起きたのか詳細な原因は不明ですが、アルゴリズム取引に原因があると言われています。
ここまでAIファンドとは何か、そしてAIファンドのメリット、デメリットを説明してきました。
人の手で投資をする上では、どうしても物理的な制約がかかります。そのコンマ数秒の世界をコンピュータに任せることで一般人向けの短期取引や超高速取引ではこれからますますパフォーマンスが上がっていくでしょう。
ただ、将棋の世界チャンピオンにAI(人工知能)が勝利しても棋士という仕事そのものはなくならないように、投資もコンピュータを活用しながらもジョージソロスのような一部のカリスマ投資家はこれからも残ります。
今AI(人工知能)に職業が奪われるとよく言われていますが、そうではなくAI(人工知能)をどう活用するかを考える方が重要で、あらゆる仕事にAI(人工知能)やロボット化が進んでくる中、私たちはAI(人工知能)やロボットについて勉強していくことは必要になるでしょう。
その知識はAIファンドでも活かして、最適な投資ができると良いですよね。
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