最近は、AI(人工知能)が活躍する場面が急速に広がってきており、皆さんの生活にも直接関わるようになってきました。AI(人工知能)を搭載した冷蔵庫や洗濯機などは、さらに便利に生活をサポートしてくれますよね。
特にGoogleやAmazonから発売されているAIスピーカーは、皆さんが想像する未来感とマッチするような商品で、とてもワクワクしてしまいます。この記事を読んでいる皆さんの中でも、AIスピーカーを早速手に入れ、普通に使っている人がいるのではないでしょうか。
そんなAI(人工知能)が1台いるだけで凄いパフォーマンスを出してくれるのですから、それを2台3台、いやもっと多くのAI(人工知能)連携させたら…?という疑問を持つのは私だけでしょうか?そこで、AI(人工知能)だけで組織を作ったらどんなことになるのか、そんなワクワクする未来についてお話します。
これまでのAI(人工知能)の進化を見てみる
まずはAI(人工知能)の歴史を簡単におさらいしてみましょう。
AI(人工知能)の研究はなんと1950年代から開始されています。この時はコンピューターによる「推論」や「探索」が可能となり、特定の問題に対して解を提示できるようになり、迷路を解くことができるようになりました。その後この研究は1960年代まで続き「第一次人工知能ブーム」と言われました。
「第二次人工知能ブーム」は1980年代~1990年代です。コンピューター技術の進歩により、これまででは実現できなかった複数の要因が絡み合った問題を解けるようになりました。この時代になるとAI(人工知能)が身近な存在になり始めて、AI将棋というファミコンソフトがあったのを記憶している人もいるでしょう。
そして2000年代から現在まで続いているのが「第三次人工知能ブーム」です。この時代のキーワードは「ビッグデータ」と「ディープラーニング」と言われていますが、AI(人工知能)がみずからデータを集め自ら学習することができるようになりました。
これまでの進化を見ると、AI(人工知能)はまだ単独で動いており、組織を組んではいません。まずは自分の能力を伸ばすことで精一杯というイメージです。
AI(人工知能)にも得意分野と苦手分野がある
このようにコンピューターの進歩によって、AI(人工知能)は時代とともに格段と進歩してきましたが、AI(人工知能)には得意な分野とそうでない分野があります。例えば、冷蔵庫に搭載されたAI(人工知能)は、食品の鮮度をしっかりと保つことを得意とし、洗濯機に搭載されたAI(人工知能)はもちろん衣服をよりキレイにすることを得意としています。
いくら複数のAI(人工知能)家電があったとしても、それぞれが「バラバラ」な状態になっており、なんだかもったいない気がします。
でもちょっと待ってください。「バラバラ」とは、言い方を変えると「分業」です。すなわち、「組織」があるからこそ「分業」という言葉が成り立つのです。だとすれば、AI(人工知能)どうしで組織を組めるのではないのでしょうか。
AI(人工知能)同士がタッグを組んだら
一般的に人間は、組織を組むことによってより力を発揮することが期待されます。ただし、感情的な部分左右されることがしばしばあるので、その期待を十分に発揮するとは言い切れません。逆に、感情を持たないはずのAI(人工知能)が組織を組んだら、まさに理想的な効果が期待できるのではないでしょうか。
つい先日ですが、AI(人工知能)どうしが組織を組んで問題を解決する実験が行われていますので、その様子をご紹介します。
互いに補い合うことで、素晴らしいAI(人工知能)の組織ができあがる
それでは、2台のAIスピーカーがが連携する様子をご覧ください。登場するのは、マイクロソフトのAIアシスタント「Cortana」(以下 コルタナ)と、AmazonのAIアシスタント「Alexa」(以下 アレクサ)です。
この実験は、自宅のキッチンにコルタナとアレクサ、2台のAI(人工知能)スピーカーがいるという設定です。
主人:「私の1日の始まりはミルク入りのコーヒーはとても大切。だからミルクをいつも切らしてしまいがち。アレクサ、ミルクをショッピングリストに加えて。」 アレクサ:「ミルクを追加しました」
ここまでは普通のAIスピーカーの会話です。
主人:「さて今日の予定は…、アレクサ、コルタナを呼んで」 コルタナ:「はい、コルタナです。」
と返事をするのです。アレクサがコルタナを呼びました。まさにAI(人工知能)が組織を組んでいると言えるでしょう。
主人:「コルタナ、今日の予定はどうなってるの?」 コルタナ:「今日は2件の予定があります。午後5時30分からは打ち合わせ、午後8時からはご主人のお迎えです。」
オフィスコンテンツの取り扱いが得意なコルタナには、簡単な質問です。さらに…、
主人:「午後5時30分の打ち合わせ場所までの距離は?」 コルタナ:「約3キロの距離にあります。」 主人:「コルタナ、アレクサを呼んで」 アレクサ:「はい、アレクサです。ご用は?」
今度はコルタナがアレクサを呼びました。AI(人工知能)の組織を実感できます。
主人:「打ち合わせの場所までタクシーを手配して。」 アレクサ:「ここから2分の距離にUberが走っています。呼びますか?」 主人:「ああ、お願い」 アレクサ:「手配しました。Uberドライバーは2分で到着します。」
このように、コルタナは打ち合わせや夫のお迎えのスケジュールを教えてくれ、アレクサは、ミルクを注文し、タクシーを呼んでくれました。この実験ではたった2台のAI(人工知能)組織でしたが、かなりな範囲をカバーしてくれています。
AI(人工知能)の組織が何でもこなしてくれる時代に
先ほどは、2台のAI(人工知能)の組織でしたが、これがもっと増えるとどうなるでしょう。例えば、アレクサとコルタナの他に、AI冷蔵庫とAI調理器が組織に加わったとしましょう。
主人が「明日の朝ごはんはパンケーキが食べたい」と言うと、AI(人工知能)組織が動き出します。
AI冷蔵庫:卵とミルクが不足していることに気づく。 アレクサ:これらを明日の朝に到着するように注文。 コルタナ:明日の朝に主人を起こすためにアラームを7時にセット。
そして翌朝になってもAI(人工知能)組織は動き続けます。
コルタナ:7時に主人を起こす。 AI調理器:材料を混ぜて容器を調理器にセットするよう主人に伝える。 AI調理器:完璧な温度調整で焼き具合を判断してパンケーキを美味しく作る。
これまでご覧いただいた様に、AI(人工知能)が組織を作ると、今日の予定を教えてくれたり、冷蔵庫の中の足りない食材を追加して料理を作ってくれたり、さらには話し相手になってくれたりと、大活躍をしてくれます。まさに家族の一員として十分にあなたの生活のサポートをしてくれるのです。
今後さらにAI(人工知能)の技術が発展すると、人間の組織とAI(人工知能)組織がひとつの組織を組むことができる日も近づいて来ています。そうなると、もうワンランクアップした夢の様な素晴らしい生活を営むことができることでしょう。
AI(人工知能)の組織があなたをフルサポートする未来、少しでも早くこんな時代が来て欲しいですよね。