この頃、仮想通貨などで一躍有名になったブロックチェーンですが、それがAI(人工知能)と組み合わされて更に進歩していると聞けば、皆さんその組み合わせがどういうことか知りたくなりますよね。
AI(人工知能)とはArtificial Intelligenceの略で、明確な定義はありませんが、人間の知性を人工的に再現する技術の総称や研究分野のことを指します。そのAI(人工知能)の特徴の一つに、人間が処理しきれない程の大量の情報量を扱えるという点が挙げられるでしょう。
しかし、もしAI(人工知能)が学習する大量の情報が改ざんされたり、偽造されたりすれば、実用的なAI(人工知能)は決してつくれません。これはAI(人工知能)を活用していく社会にとって、大きなリスクと言えるでしょう。AI(人工知能)は、受け取った大量のデータから、そのデータに潜むパターンや規則性を掴んでいき、その学習した内容を元にして、予測や分類などを行うからです。
そこでこうした危険を避けるためにブロックチェーンの利用が注目されています。ブロックチェーンを利用する理由は二つ、第三者の介在なく信頼できる取引が可能になる点と、改ざんが極めて難しい点にあります。
今日はそうしたブロックチェーンとAI(人工知能)を組み合わせたサービスを三つ、ご紹介しましょう。
DateCoinは信頼の高いマッチングサービスを提供
DateCoinはブロックチェーンとAI(人工知能)を組み合わせて、より信頼の高いマッチングサービスを提供するサービスです。それも男女が出会うケースでの信頼性の向上を目指しています。
しかし、こうしたAI(人工知能)を活用するだけでは問題点が残ります。それはユーザーの身元が不明確であるということでした。そうすると出会った相手が実は実体が無かったり、また他の営利が目的でウソの情報を入力したユーザーが紛れ込んでしまったりする危険な可能性があります。
そこでDateCoinはこうした問題をブロックチェーンで解決しました。どういうことかというと、
DeepMindと英国民保健サービスの連携
医療分野でAI(人工知能)を活用する例として、大量の症状の画像を分析し、病気をより正確に、より短時間で発見する技術が挙げられます。そこで英国民保健サービスもその例にもれず、所持している大量の情報を分析のために提供しました。
しかし、こうした動きに対して思わぬ批判が生じるのです。どういうことかと言いますと、
そこでこの問題の解決に寄与したのがGoogle傘下のDeepMind社です。そしてDeepMindはブロックチェーンを用いて改善策を提示しました。
発展途上国の中でも、先進国と同じ水準の医療を提供するDoc.ai
同じ医療分野でブロックチェーンとAI(人工知能)を組み合わせた優れた事例は他にもあります。それは2017年8月24日にローンチしたDoc.aiのことです。
Doc.aiは、
前にお話ししましたように医療データは慎重な取り扱いが必要なものであったので、ブロックチェーンを使用することによって、匿名でありながら真実な情報として扱うことが出来ました。
こうしたDoc.aiの開発は医療の更なる進展に寄与するだけではなく、発展途上国が抱える医療問題をも解決します。発展途上国は、インフラや人材が不足しており、医師不足という深刻な問題を抱えているのが常です。
でもこのDoc.aiを利用することによって、発展途上国の中でも先進国の情報を安全に利用することが出来て、同じ水準の医療を効率よく提供することが可能になりました。
これまでブロックチェーンとAI(人工知能)を組み合わせたサービスを三つ、お話ししてきました。AI(人工知能)は人間が常に扱える以上の大量の情報を正確に処理することで新たな可能性を生みだし、わたしたちの生活を便利なものに変えてくれました。
そうした技術の発展の一方で、人の監視が行き届かないゆえに、例えばインターネット上の男女のマッチングサービスでは、偽りのユーザーが検索結果に現れることもありました。そうした問題点をブロックチェーンによって解決したのがDateCoinです。
また個人情報の中でも病気などの記録は、あまり人に知られたくありませんよね。そこでブロックチェーンを用いて個人情報を保護しつつ、AI(人工知能)を活用できるサービスの事例として、DeepMindと英国民保健サービスの連携や、Doc.aiを紹介しました。
こうした事例からも分かりますように、ブロックチェーンは公平さと中立性をもたらしてくれます。そしてAI(人工知能)の弱点をカバーし、見事な連携を見せました。私たちも、こうした利点や弱点を理解した上で新しい技術を信頼し、これまでより充実した毎日をすごしていきましょう。