AI(人工知能)ニュース

ブロックチェーン×AIで実現されるサービス事例3選

ブロックチェーンを知るイメージ

この頃、仮想通貨などで一躍有名になったブロックチェーンですが、それがAI(人工知能)と組み合わされて更に進歩していると聞けば、皆さんその組み合わせがどういうことか知りたくなりますよね。

AI(人工知能)とはArtificial Intelligenceの略で、明確な定義はありませんが、人間の知性を人工的に再現する技術の総称や研究分野のことを指します。そのAI(人工知能)の特徴の一つに、人間が処理しきれない程の大量の情報量を扱えるという点が挙げられるでしょう。

しかし、もしAI(人工知能)が学習する大量の情報が改ざんされたり、偽造されたりすれば、実用的なAI(人工知能)は決してつくれません。これはAI(人工知能)を活用していく社会にとって、大きなリスクと言えるでしょう。AI(人工知能)は、受け取った大量のデータから、そのデータに潜むパターンや規則性を掴んでいき、その学習した内容を元にして、予測や分類などを行うからです。

そこでこうした危険を避けるためにブロックチェーンの利用が注目されています。ブロックチェーンを利用する理由は二つ、第三者の介在なく信頼できる取引が可能になる点と、改ざんが極めて難しい点にあります。

今日はそうしたブロックチェーンとAI(人工知能)を組み合わせたサービスを三つ、ご紹介しましょう。

DateCoinは信頼の高いマッチングサービスを提供

出会いのイメージ

DateCoinはブロックチェーンとAI(人工知能)を組み合わせて、より信頼の高いマッチングサービスを提供するサービスです。それも男女が出会うケースでの信頼性の向上を目指しています。

これまでも男女のマッチングサービスでAI(人工知能)が活用されてきました。もちろんインターネットを介することで、現実に出会う以上の異性と知り合う可能性が生まれています。更にそこにAI(人工知能)を組み合わせてみると、自分の好みや条件を入力することで、類似した前提条件の事例を分析し、簡単に自分好みの異性に出会える可能性が増えました。

しかし、こうしたAI(人工知能)を活用するだけでは問題点が残ります。それはユーザーの身元が不明確であるということでした。そうすると出会った相手が実は実体が無かったり、また他の営利が目的でウソの情報を入力したユーザーが紛れ込んでしまったりする危険な可能性があります。

そこでDateCoinはこうした問題をブロックチェーンで解決しました。どういうことかというと、

ユーザーの身元を特定するために、別のサービスで使用しているアカウントなどと組み合わせる認証が必要となったのです。
こうすると実体の無いユーザーを登録することが難しくなりますよね。

DateCoin

DeepMindと英国民保健サービスの連携

医療のイメージ

医療分野でAI(人工知能)を活用する例として、大量の症状の画像を分析し、病気をより正確に、より短時間で発見する技術が挙げられます。そこで英国民保健サービスもその例にもれず、所持している大量の情報を分析のために提供しました。

しかし、こうした動きに対して思わぬ批判が生じるのです。どういうことかと言いますと、

病気の症状など極めて扱いに慎重を要する個人情報を、たとえ医療の進歩のためとはいえ、何の対策も無く提供したことに批判が集まりました。

そこでこの問題の解決に寄与したのがGoogle傘下のDeepMind社です。そしてDeepMindはブロックチェーンを用いて改善策を提示しました。

DeepMindはブロックチェーンを活用して、暗号化した患者の個人情報をリアルタイムで追跡できるVerifiable Data Auditを開発しました。
そのお蔭で、必要な個人情報以外を特定されることなく真実の情報を扱えるようになったのです。

DeepMind

発展途上国の中でも、先進国と同じ水準の医療を提供するDoc.ai

医療のイメージ

同じ医療分野でブロックチェーンとAI(人工知能)を組み合わせた優れた事例は他にもあります。それは2017年8月24日にローンチしたDoc.aiのことです。

Doc.aiは、

ブロックチェーンとAI(人工知能)を共に用いることで、世界中から収集した大量の医療データに照らし合わせ、早くて正確な診断を可能にする会話型プラットフォームを提供しました。

前にお話ししましたように医療データは慎重な取り扱いが必要なものであったので、ブロックチェーンを使用することによって、匿名でありながら真実な情報として扱うことが出来ました。

そこでDoc.aiはブロックチェーンで個人情報保護の対策を取りつつ、全世界から医療データを集め、AI(人工知能)を使用して解析できるようにしました。そしてこのDoc.aiは会話型になっており、専門知識を持つ医者だけではなく、普通の個人ユーザーでも活用できるものでした。

こうしたDoc.aiの開発は医療の更なる進展に寄与するだけではなく、発展途上国が抱える医療問題をも解決します。発展途上国は、インフラや人材が不足しており、医師不足という深刻な問題を抱えているのが常です。

でもこのDoc.aiを利用することによって、発展途上国の中でも先進国の情報を安全に利用することが出来て、同じ水準の医療を効率よく提供することが可能になりました。

doc.ai

 

ブロックチェーンで芽生える未来のイメージ

これまでブロックチェーンとAI(人工知能)を組み合わせたサービスを三つ、お話ししてきました。AI(人工知能)は人間が常に扱える以上の大量の情報を正確に処理することで新たな可能性を生みだし、わたしたちの生活を便利なものに変えてくれました。

そうした技術の発展の一方で、人の監視が行き届かないゆえに、例えばインターネット上の男女のマッチングサービスでは、偽りのユーザーが検索結果に現れることもありました。そうした問題点をブロックチェーンによって解決したのがDateCoinです。

また個人情報の中でも病気などの記録は、あまり人に知られたくありませんよね。そこでブロックチェーンを用いて個人情報を保護しつつ、AI(人工知能)を活用できるサービスの事例として、DeepMindと英国民保健サービスの連携や、Doc.aiを紹介しました。

こうした事例からも分かりますように、ブロックチェーンは公平さと中立性をもたらしてくれます。そしてAI(人工知能)の弱点をカバーし、見事な連携を見せました。私たちも、こうした利点や弱点を理解した上で新しい技術を信頼し、これまでより充実した毎日をすごしていきましょう。

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