生き物みたいになめらかに動くロボットがいたら、驚いてしまいますよね。しかしいまや、生き物の動きを分析して、それを真似するというバイオミメティクス(生物模倣)のロボットが誕生しつつあるのです。
といっても、あまりピンとこない方も多いでしょう。実は今や撮影などあらゆるところで活躍している「ドローン」もミツバチが飛んでいる姿をを真似て誕生したバイオミメティクスロボットなのです。私もとある企業の秋祭りに行ったときに、まつりの様子をドローンで撮影しているところに出くわしたことがあるのですが、確かにドローンの飛んでいるときの「ブーーーーーン」という音がミツバチの羽音に似ているような気がしました。このように、バイオミメティクスのロボットは少しづつ身近な存在になりつつあるのです。
また、バイオミメティクスのロボットはまだまだ日本で開発中ですが、実は海外では様々な研究が進んでいるのです。これからご紹介するバイオミメティクスロボットは、もし日本でも実用化されたら、ドローン並に大活躍すること間違いありません。
ということで、今回は「まるで本物の生き物みたいなバイオミメティクス(生物模倣)ロボット」をまえだまえだの一言コメント付きでご紹介いたします。
探索に役立つ!ミミズのバイオミメティクスロボット
ミミズってうねうねしたイメージがあり、気持ち悪い・・・と敬遠する人もいますよね。私も実物を見たらびっくりしています。でもそのうねうねした動きをバイオミメティクスとして利用したロボットが開発されているのです。
中央大学精密機械工学科の中村太郎准教授が率いるバイオメカトロニクス研究室では、なんとミミズの動きをもしたロボットを開発しています。これはミミズの身体には約150もの関節があり、その伸縮運動を利用して地上・地中・狭い隙間を移動する動きである「蠕動(ぜんどう)」をロボットで活用しています。最大の利点としては、狭い穴に入って中を進むことができる点なのです。
これが実用化されると、様々なところで活躍することが期待されるでしょう。例えば医療の分野では今まで潜り込むことが難しかったS状結腸の大腸がん検査ができるようになるので、がんの早期発見ができるようになるかもしれません。また、細い水道管に活用されるようになれば、内部にカメラを入れたり、水道管の詰まりを除去するなど管理に役立てることもできるようになるかもしれません。
あの一見してなんだか気持ち悪い・・・と感じる動きでも、バイオミメティクスのロボットに使えば私達の生活に役立つ時が来るでしょう。


今後私達の日常で使われるようになることを考えると、例えば検査でロボット使います、って言ったらびっくりしそうだけど、今まで見つからなかった病気やら見つかるならいいかも・・・!ってなるかもしれないですよね。
コウモリのような小型飛行ロボット
コウモリって鳥よりも軽快に飛びますよね。この動きをバイオミメティクスで模倣するの難しそう・・・って感じるのですが、なんと今の技術だとそんなロボットも登場しているのです!
アメリカ・カリフォルニア工科大学のチョン・スンジョ教授のチームでは「BatBot」という飛行ロボットを開発しました。これは1秒間に4~6mを飛びつつ、空中での急な方向転換、高度の調節するといったコウモリの飛行能力を模倣したロボットです。実に飛んでいる姿がかっこいいのです。私もこんなふうに空飛んでみたい・・・。
ちなみに、その飛んでいるときの動画がこちらです。
確かに羽の動きといい、本当に動物みたいですよね。
Badbotの利点は、万が一衝突しても安全な点です。ドローンの場合は大きなプロペラがあるため、衝突したときの巻き込み事故が多いのですがBatbotは軽くてプロペラもないので、衝突しても人を傷つける心配がありません。そのため、コウモリ型のドローンを開発し、工事現場や災害の時の監視などでの活躍が期待されています。


軽やかに飛んでいる姿がすごい。今は結構ドローン飛行禁止の場所(大阪市の全部の公園とか)は多いけれども、これなら羽音とかきにせず撮影とかできそう。
犬とロバを組み合わせ?「MiRO」
「AIBO」のように、家でペットを飼うことができないからロボットで・・・という方はいますよね。でも、「AIBO」もかくかくした動きでなんだか生き物らしくない・・・って感じている方もいるでしょう。そんな中、イギリスの企業Consequential Roboticsが開発した「MiRO」もバイオミメティクスのロボットで、なんと本物の生き物のように自分で考えて動くのです。
また、目、鼻、耳、頭など身体中にセンサーが組み込まれているので、触るたびに喜んだり、よしよししたら反応が返ってくるとうれしくなるでしょう。しっぽ、まぶたなどのパーツはよりなめらかな動きができるように設計されているので、システムだけでなく動きも本物の動物のようなら、高齢者や病気の方、子供たちにも楽しんでもらえますよね。


ペットとしても使えそうですよね。どうでもいいけど、「ペット禁止」って書かれているマンションでもロボットをペットとするのはできるのかな〜。
水族館や寿司屋で泳いでいるかも・・・?「MIRO」
よくお寿司屋さんで魚がスイスイ泳いでいる姿を見ますよね。でも、近い将来この魚がバイオミメティクスロボットになっていた!ということがあるかもしれません。ロボットが泳いでいる!って想像するだけでも驚くことでしょう。韓国の企業AIROはAI(人工知能)が組み込まれたロボットフィッシュ「MIRO」が開発されました。
「MIRO」はスマホで操縦することが可能で、ロボットにスキンをかぶせることでコイ・アロワナ・サメなどの姿に変えることもできます。カメラを口のところにつけて撮影したり、LEDを光らせることもできるので、泳いでいる姿を眺めるだけでも楽しいでしょう。
実際に日本のホテルや寿司屋にも販売が始まっており、兵庫県神戸市の須磨海浜水族園では「MIRO」が本物の魚と一緒に泳いでいます。今後は水槽の中のMIROが水族館の魚と一緒に泳ぎ、口の中のカメラで撮影した画像をVRを使って体験することができるようになるので、そうするとまるで本当に魚と一緒に泳いでいる感覚になれますよね。


なるほど、ただ泳いでいる姿を見るだけじゃなくてバイオミメティクスロボットの動きを活用して海の中を撮影してVRに活用する・・・という事例もあるのか〜すごい。
以上、「本物の動物みたいなバイオミメティクス(生物模倣)ロボット」をご紹介いたしました。
- 捜し物に役立つミミズみたいなロボット
- ドローンよりも軽快に飛ぶコウモリみたいな飛行ロボット
- ペットになるかもしれない犬×ロバのロボット
- 水族館でも活躍している魚みたいなロボット
など、あらゆる場面で活躍していることがわかりましたよね。今後もこのようなロボットぐっと種類が増えたり、私達の身近な場面で見かけることもあるでしょう。もし見かけることがあったら「このくねくねした動き、なんだか本物みたい!」って感心してしまうかもしれません。
バイオミメティクスの技術自体はトンボの目の仕組みした利用したレンズや猫のひげの感度を利用したセンサーを搭載したロボットなど、現在も開発が続いています。これからも動物や昆虫の動きから学びつつ、これらの技術を使って様々な場面に活用されていくでしょう。さらに、動きだけでなく本物の動物のように考えて動き回るロボットが誕生していったら面白いですよね!
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まるで本物の魚「ロボットフィッシュ」がすごい!
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