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社会が変わるかも!顔認識について私たちが知っておくべきことまとめ

社会が変わるかも!顔認識について私たちが知っておくべきことまとめ

例えば写真をFacebookにアップロードすると、自分や自分の友達の自動でタグ付けされたり、撮影するときに笑顔になった瞬間にシャッターを切って撮影してくれたり・・・という場面がありますよね。実はそんな場面に使われている技術が、「顔認識」です。

「顔認識」とは、その名の通りコンピュータがあなたの顔を認識することを指します。とはいえ、そもそも「顔認識」って何なんだ?ということだったり、「最近よく聞く【顔認証】とはどう違うんだろう?」ということや、今後どんな形で使われていくんだろう?プライバシーとかも心配だし・・・など感じることがあるでしょう。

まえだまえだ
まえだまえだ

ニュースで実際に街中でも監視カメラに顔認証技術を導入しているというのを聞きました。悪いことはしていないけれども、「知らないうちに監視されていたりしないだろうか?」とちょっと不安にはなりましたよね・・・。

この記事ではそんな不安や疑問について答えつつ、今後顔認識の技術がどんな場面で活躍していくかを予想していきます。となると、この記事に出ていることを知っておけば、「これが顔認識に使われているんだ!」と新しい発見ができるかもしれません。

そんなわけで今回は、今知っておくべき「顔認識」のあれこれについてお伝えしていきます。

まずは「顔認識」とはどんなものなのか、を解説!

画像のイメージ
顔認識とは、撮影された画像・動画から人の顔を探し出す技術のことです。そして最近ではディープラーニングをはじめとした画像認識技術の進歩により、検出した顔の画像から「性別」「年齢」「気分」などを検出することもできるようになりました。(冒頭の笑顔になったときにカメラで撮影する機能は、これを応用しています)

顔認識のメリットとしては、以下のような点があります。

  • 心理的抵抗が少ない
  • 距離が離れていても認識してくれる
  • 顔そのもの認識だけでなく、視線の先に何があるかなども認識できる

これらがどういうことなのか、ざっと説明しましょう。

まず「心理的抵抗が少ない」とは、は、わざわざ特別な機械にかざすことをしなくても顔認識ができる、ということです。

例えば「静脈認証」をする場合だと、機械に指をかざす必要がありますよね。例えば銀行でお金をおろす場合で、暗証番号入力だけでなく、指を機械にかざして認証することがあります。このとき、「登録した指ってどれだっけ?」とか「指にケガしちゃったんだけど大丈夫かな」とかあれこれ考える人もいるかもしれません。

まえだまえだ
まえだまえだ

たまに機械がうまく認識してくれないとなんだかもどかしい気持ちにもなるし、機械にかざしてもうまく反応しなくてむきー!ってなっちゃう・・・。

そしてこんな私と同じような経験をしたことがある人、もしかしたらいるかもしれません。

それに対して、顔認識を行なうときは特に特別な機械にかざす必要はありません。先ほどのFacebookのように、写真を上げるツールや監視カメラに顔認識のシステムが内蔵されていることが多いので、普段過ごしている表情でいれば勝手に顔認識してくれます。

たまに写真をとるときに「どんな表情をすればいいのかな・・・緊張しちゃう!」という場合もあるかもしれませんが、顔認識は構えた表情をしていようがしていまいがあんまり変わらないので安心しましょう。

また、静脈認証などは機械の範囲内でしか認識はできませんが、顔認識の場合だと対象が離れていても認識することができます。さらに顔がいくつあるかの認識だけではなく、「視線の先に何があるか(瞳に映っている画像から)」なども判別できるでしょう。今どきの顔認識ってすごいですよね!

ちなみに、一般に出回っている顔認識の主なソフトウェアとしては、Microsoft社が開発した「Face API」があります。もし「ちょっと興味があって実際に作ってみたい・・・」という方がいましたら、ぜひこのようなソフトに触ってみましょう。

とはいえ、最近ニュースでちらほらと「顔認証」についてのニュースを聞く人もいるかもしれません。あれって「顔認識」とはどう違うの?と気になるそこのあなた、次では「顔認識」と「顔認証」の違いについてお伝えしましょう!

「顔認識」と「顔認証」は似ているようで違う!

顔認証のイメージ
「顔認証」とは、生体認証の中の一つです。生体認証とは、それぞれ個人が持っている「指紋」「静脈」「目(虹彩)」「耳」「声」など私たちの身体がもっている特徴によって、本人と照合することです。顔認証でも、その人の「目」「鼻」「口」「眉」「顔の輪郭」をもとにした「特徴点」を見つけて、登録されている画像の「特徴点」と比較して照合しています。

※生体認証についてもっと知りたい方はこちらをご覧ください

※顔認証の仕組みについてさらに知りたい方はこちら

この顔認証の技術を支えているのが、「顔認識」です。その違いをざっくりまとめると以下のようになります。

顔認識=画像から自動的に顔を「識別する」:レベル1
顔認証=レベル1の画像から、登録してあるデータベースと比較して、顔があっているかどうかを検証する:レベル2

つまり、顔認証を行なう場合は基本的に「これが画像である」もともとデータを登録する必要があり、その登録したデータと顔の画像と照合することで確認するのが「顔認証」です。

とはいうものの、パッと想像しにくい方もいるかもしれません。そこで皆さんがFacebookに写真を上げた場合で話をおきかえてみましょう。今までの写真のタグ付けから判断して、すでにデータベースに私(まえだまえだ)の顔を登録してある、という前提で写真をアップロードすると

Facebookで写真をアップロードして、「人の顔」と認識する:レベル1(顔認識)
その探した人の顔が【まえだまえだ】であるかどうかを検証する:レベル2(顔認証)

という2種類のことがおきますよね。つまり、写真から「これが顔である」と認識するのが「顔認識」、「この顔は【まえだまえだ】である」と認識するのが「顔認証」と言えるでしょう。

ちなみに顔認識の技術を発展させた形は「顔認証」だけでなく、【まえだまえだ】の顔を写真から探し出す「顔検索」や、写真の中に人数が何人いるかを数える「顔検出」などもあります。

そんな顔認証は、今ではすっかり身近なところに広まってきました。例えば人気歌手の宇多田ヒカルさんのライブでは、ライブのチケットが当選した際にメールが届きそのURLから顔写真を登録する必要がありました。そして当日ではスタッフにスマートフォンに届いているデジタルチケットを提示し、顔認証AI「NeoFace」が読み込んで確認するという流れとなっていました。

目的はチケットの転売防止で、今まではライブのチケットがいわゆる「転売屋」という定額に+αの金額で転売するのが問題になっていましたが、先ほどのように「チケットの持ち主が誰か」を顔認証すれば、他の人に売ることができなくなりますよね。ちなみにこの効果は転売だけでなく、顔写真付きの身分証明書を当日スタッフが確認するよりも入場にかかる時間が最大50%も短縮されたのだとか。

まえだまえだ
まえだまえだ

特にホールライブだとセキュリティは一番気にしなきゃいけないから、チェックもその分しっかりしなければいけませんよね。それなのにホールライブは人数が多い分入場に時間がかかることも事実です。それが少なくなるのは、観客としてもうれしいポイントですよね!

このほかにも、ジュンク堂書店が万引き防止のために、防犯カメラに顔認証システムを導入しました。これは来店したすべてのお客さんの顔を防犯カメラで撮影し、登録している万引き常習犯の顔のデータと照合して、その疑いのある人がいる場合は店内で巡回している保安員に顔写真のデータが送られたり、入店するときにアラームが鳴る仕組みになっています。

※顔認証は他にもこういうところにも使われています

さて、最近ではスマホにもこの顔認証が導入されつつあるのだとか。次に身近なスマホの顔認証について見てみましょう。

最近のスマホは「顔認証」で持ち主を判断する!

スマホのイメージ
iPhone10以降では、デフォルトの装備として「Face ID」が導入されています。これはスマホを開くときに暗証番号ではなく、スマホのカメラから顔認証ができるシステムです。私はAndroid使用なのですが、偶然にも私の旦那のスマホをiPhone11に機種変更したばかりなので、さっそく顔認証の機能を試してみました。

登録しているのは、もちろん旦那の顔です

まずは認証されるはずがない私の顔を映すと

面白く顔認証するイメージ

ちょっとギャグみたいな表情をしましたが・・・ロックはかかったまま

そう、決して開けないわけではないのですがこのように暗証番号の入力画面が出てきます。もちろん、私は旦那のスマホの暗証番号がわからないので、開けません。ところが、旦那がiPhoneのロックを解除しようとすると

顔認証解除のイメージ
なんと暗証番号を入力しなくてもホーム画面に入ることができました!これがスマホで顔認証です。ちなみに(顔は隠していますが)登録するときはメガネをかけていても、メガネなしでばっちり認証してくれました。

ちなみに、旦那いわく「寝起きの顔はFace IDが反応してくれない」とのこと。これは先ほどの「特徴点」でも紹介したように、「目の大きさ(寝起きだとまぶたがなかなか開かない)」などが関係しているかもしれません。

でも顔認識は万全じゃない、その弱点とは

弱点のイメージ
と、これだけ身近になりつつある「顔認証」や「顔認識」のシステムですが、やはり懸念点や弱点はあります。ここからは、その弱点を見ていきましょう。

まず、顔認証の場合だとその精度は他の生体認証と比べて低いのが現状です。顔認証の認識率は現在90%以上となっていますが、正確さにおいては目の虹彩認証の方が精度が高いです。とはいうものの、例えば自分が犯罪者と間違って顔認識されてしまった!という可能性もあるのです。

また、顔がほとんど同じの一卵性の双子などはまだ識別が難しいでしょう。ただし、最近では認識率が上がってきたのでこの認識率はさらに改善される可能性はあります。

また、現在の顔認識の技術だと、サングラスやマスクの有無や撮影しているときの環境の明るさなどに左右されてしまうことも弱点の一つです。

先ほどの宇多田ヒカルの顔認証の例では、「写真の背景が白」「3か月以内にデジタルカメラもしくは携帯電話から撮影されたもの」など厳しい条件がありました。つまりデータベースに登録する際は顔をはっきりとわかる状態の写真でないと認識ができません。とはいうものの、最近では横向きや暗い状態でも顔認識できるように改善しています。

そして皆さんが何よりも気になっているのが、プライバシーの問題。もし街中の防犯カメラに顔認識・顔認証システムが導入された場合、「このお店に行った」「このお店でこんなものを買った」などの内容がばれてしまいます。しかもそれがSNSで公開している個人情報と結びつけられた場合、犯罪に利用される可能性もあるでしょう。

まえだまえだ
まえだまえだ

まさにかたっぱしから監視社会ということですね・・・これからは変なもの買いに行けない・・・(そもそも買わないで)

※詳しくはこちら

顔認識はビジネスを変えるかも、今後の活用方法を予想

今後のイメージ

とはいえ、今の弱点を克服しようと試みつつ今後も顔認識の技術はあらゆる場面で活躍していくでしょう。そこで、これから顔認識の技術が導入されようとする事例を紹介していきます。

中国では顔認識で感情を読み取ることができるシステムを授業に活用した事例もあります。杭州第一中学校では、授業の出欠を顔認識で行ないつつ、授業を受けているところを動画で撮影しながら顔認識のシステムを使って、生徒が授業に対して楽しいのかつまらないのか、あるいは授業を聞いているか聞いていないかを判断しています。

もちろん、生徒が授業を聞いていない、という風に判断したら教師側に通知が行くこともあります。とはいえ、生徒が授業を聞いていないと判断したら「授業にわからない点があったのだろうか」と内容を見直すことができるようになるかもしれません。
まえだまえだ
まえだまえだ

逆にいうと授業中つまらなくて寝ててもバレるってことですよね・・・(それはシステムを使わなくてもバレるわ)

また、現在顔認証システムの開発に力を入れているグローリー株式会社では、「ウォークスルー」でできる顔認証を開発しました。これはカメラを意識することなく、私たちがただ歩いているだけで顔認証するシステムで、顔の方向が上下左右向いていたり、髪型に変化があっても認識することができるのだとか。

そんな中、このウォークスルーの顔認証システムを介護施設「アルボース」での導入しました。これは施設の利用者さんの顔をデータベースに登録し、施設から抜け出そうとすると施設の職員にお知らせが届くシステムです。そしてウォークスルーの顔認証システムの認識がとても早く職員もすぐに気が付くことができるため、導入した後に施設から抜け出そうとする利用者さんが0になったという結果が出ました!これは今後の活躍にも、期待が高まりますよね。

まとめ
ということで、「顔認識」についてのあれこれについてお伝えしてきました。ここで今回取り上げた内容をざっと振り返ってみましょう。

  • 顔認識=撮影した画像・動画から顔を探し出すこと
  • 顔認識の技術を発展させて、登録したデータベースから顔を照合する技術が「顔認証」
  • 今はスマホの認証、監視カメラ、チケットの本人確認でも「顔認証」で行なわれるようになっている
  • ただし、顔認識の精度やプライバシーの問題など、課題がまだ残っている
  • とはいえ、技術的な問題は解決しつつ今後も介護施設や授業でも使われるようになるかもしれない

もちろん、皆さんの中にも「顔で判断されるの、なんだか怖い」だったり「いつも見られている気がして、緊張する」などの不安点もありますよね。また、まだまだ技術的な問題や個人情報の取り扱いについては課題がたくさん残っています。

とはいえ、これらを解決しようと開発を進めていっていることも事実です。そうなると、これからは顔認証が学校、介護施設などの施設だけでなくもっと広く使われるようになるかもしれません。

まえだまえだ
まえだまえだ

そうなるとちゃんと化粧して外歩かなきゃいけないかも・・・!?今まですっぴんで外を歩くこともしばしばあったけど・・・(※化粧の有無で精度は変わるとは限らない)

そうして日常に使われていくことで少しずつ顔認識のシステムに慣れていけば、私たちの抵抗が少しでも薄くなるに違いありません。

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