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これぞご当地AI!地方でブームなAI(人工知能)サービス

これぞご当地AI!地方でブームなAI(人工知能)サービス

くまモン、ふなっしー、ひこにゃん。彼らご当地キャラクターが地方の活性化に一役買っていることは、皆さんもご存知ですよね。しかし近年、そんな地方で新たなキャラ(?)が生まれようとしています。それらは「ご当地AI」と呼ばれ、地方のPRだけではなく、これからの地方で様々な役割を担っていくことが期待されています。そこで今回は、これぞご当地AI!ということで、今実際に地方で活躍しているご当地AIのサービスを3つご紹介しましょう。そして、未来の地方で、どのようにAIが活躍していくのか、それについても考察していきます!

今後の地方にとって、ご当地AIという存在はとても重要になっていくことでしょう。なぜなら、少子高齢化、人手不足、経済の衰退…etc.と地方が様々な問題を抱える中で、 AIはその解決の糸口となるからです。AIと地方が密接に関わってたくさんの問題を解決し、地方を盛り上げる、すでにこのシナリオは様々な地方で動き始めています。では早速、どのようなご当地AIがあるのか、その事例をみていきましょう。

「旦那」を捨てる方法!?で話題になったAIチャットボット

- 「旦那」を捨てる方法!?で話題になったAIチャットボット

まず1つ目にご紹介するご当地AIは、NTTドコモと横浜市が共同で実証実験を行ったAIチャットボット、「イーオのごみ分別案内」。ゴミの分別や処分の仕方をチャット形式(LINEやMessengerみたいなのを想像してください!)で教えてくれるサービスで、なんと約2万語にも及ぶ横浜市のゴミ分別の検索データを活用して開発されています。

お互いのコミュニケーションはこんな風に行われます。

利用者「プラスチック製品」

イーオ「プラスチック製だね。どういった内容のごみだろう?番号で答えてね。1.商品の入れ物(包装や容器)2.商品そのもの 3.飲み物やペットボトル・ノンオイル調味料のペットボトル(醤油・みりんなど)」

利用者「3」

イーオ「飲み物のペットボトル・ノンオイル調味料のペットボトル(醤油・みりんなど)の出し方は、缶・びん・ペットボトルだよ。ごみの名前を教えてくれたら、出し方を案内するよ・・」

といった具合に、質問に対して的確な答えを出してくれるのです。また、「◯◯(ゴミの名前) 手数料」と問いかけることで、処分の手数料も教えてくれます。ゴミの処分に関する問い合わせをAIに任せることで、人手を使わずにクオリティの高いサポートをすることができるようになりました。今現在は、まだ実験段階なので様々な検索データを集めることを優先していましたが、実用化されれば、このサービスが全国地域に広がっていくことは間違いないでしょう。

そんなイーオがネットで一躍話題になったのは、ある利用者からの質問に対する答えでした。なんとその利用者はイーオに「旦那」と自分の旦那を捨てる方法を質問したのです。(怖ッ!)するとイーオは、「本当に!!「人間は判断力の欠如によって結婚し、忍耐力の欠如によって離婚し、記憶力の欠如によって再婚する」ってアルマン・サラクルーは言っていたよ。忍耐力をきたえてみたら、どうかな。」と素晴らしいアドバイスを返しました。イーオは、そんな恐ろしい質問に対して秀逸な回答をしたチャットボットとして話題になったのです。

ちなみに、「旦那」以外にも「結婚」「人生」「彼氏」「思い出」などの捨てるべきじゃない質問にも、ちゃんと答えてくれるのでぜひイーオに聞いてみてはいかがでしょうか?

AIが保育施設の割りふり!50時間が数秒に

AIが保育施設の割りふり!50時間が数秒に

さいたま市のご当地AIも注目されています。同市は富士通研究所が開発したAIを活用して、「保育施設の割りふり」を行いました。

さいたま市は、保育施設の割りふりに関して問題を抱えていました。保育施設の割りふり業務は、自治体ごとに定めている申請者の優先順位や、兄弟が同じ保育施設に入所することを希望するなどの複雑な条件をもとに、できるかぎり申請者全員の希望がかなうように割り当てることが必要でした。そのため、さいたま市はその複雑な希望に対応するために、人の手で試行錯誤するしかなく、20~30人の職員が約8000人の申請者の情報を莫大な時間をかけて選考していたんですよね。

AIは、そのような問題を解決するツールとして活用されました。そのAIは「ゲーム理論」と呼ばれる手法を利用して、複雑な希望条件とそれを満たさない条件を合理的に解決する方法を発見し、全員が希望に最も近い条件をかなえられることが可能になったのです。さいたま市は、このAIを活用したことで、30人で50時間かけていたことがなんと数秒で終了することができるようになりました。そしてこのAIの精度は、人手による選考と同等で完璧なものだったので驚きですよね。AIを活用したことで、業務負担が軽減され、住民へのサービスが向上したのです。

待機児童が問題になっている中で、AIが申請者の希望に沿った条件を発見し満たすことができれば、その解決の糸口になるのかも知れませんよね。このAIの導入が各自治体に広がって、子供の子育てに関する課題が少しでも軽くなるといいですよね。

ネットで大反響!地方のパン屋がAI導入!「BakeryScan」

ネットで大反響!地方のパン屋がAI導入!「BakeryScan」

最後にご紹介するご当地AI「BakeryScan」は、SNSで拡散されたことから一躍注目の的になりました。なんと、AIが「画像認識」でスキャンすることで、パンがどの種類なのかを判別し、レジ会計を行うのです。そして、パンの判別から料金の計算まで、その間はわずか1秒で、人手不足に苦しむ地方のパン屋の業務効率化を実現させました。

そのAIの開発には6年という長い月日がかかってしまいました。なぜなら、同じ種類のパンでも一つ一つ形が違うことと、また見た目が同じでも種類が違うことなどがあったからです。

そこで考え出されたのが、パンの「特徴量」を発見しスコアにする方法でした。どういうことかというと、あるパンの焼き加減や特定の材料(チーズやクリーム)をAIに学習させて、その特徴を覚えさせて個別認識することで、どれがどのパンの可能性があるのかスコアにするのです。しかも、新商品のパンが出ても1種類につき6個程度のサンプリングで済み、初期学習もわずか2分。新作のパンの認識作業が、発売当日でも間に合う仕組みを作り出しました。

パンがくっついて誤認識されてしまう問題も逆転の発想で乗り越えました。AIの認識精度を上げたり、スキャナで再認識させたりするのではなく、店員がレジのタッチパネル上で補正させる仕組みを作り上げたのです。「AIが間違えたら、人の手で正す」この発想がBakeryScanの課題を克服させました。

今では関西圏を中心に、全国100店舗に導入されていて、これからもっと拡大していくことでしょう。この技術がパンだけではなく,様々な商品で導入されれば簡単に、迅速に、買い物ができるようになりますよね。

 

いかがでしたか。今回は、「これぞご当地AI!地方でブームなAI(人工知能)サービス」ということで、実際に使われている地方のご当地AIをご紹介しました。

もう一度言いますが、これからの地方にとってAIは最も重要なことの1つです。人手が不足し、衰退していく地方で 、AIは必ずその部分をカバーしてくれることでしょう。今回ご紹介した3つのご当地AI以外にも、AIがインフラ点検をしたり、戸籍業務をしたりするなど、AIが各地方で活躍している事例がたくさん出てきています。このような地方でチャレンジする事例がもっともっと増えて、地方を元気にしていくと良いですよね。

参照元 AIで住民の利便性が向上するか? 地方自治体の新しい取り組み
横浜市資源循環局
最適な保育所入所選考を実現するAIを用いたマッチング技術を開発
「「すごすぎる」地方のパン屋が”AIレジ”で超絶進化 足かけ10年、たった20人の開発会社の苦労の物語

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