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自動運転で危険な事故は減らない!?その問題点と解決策とは

車のイメージ

30年以上前の自動車といえばマニュアル車しかなく、燃料もガソリンおよび軽油がほとんどでした。それがここ20年ほどでは自動車のほとんどが、ギアの切り替えが自動化されたオートマ車に切り替わっています。また環境問題に配慮した電気自動車やハイブリッド車なども登場してきました。

さらにここ数年では自動車の自動運転のニュースなどをよく聞きますよね。運転者がハンドルを握らなくても自動的に人工知能(AI)が画像認識から実際のハンドル、アクセルブレーキ操作まで全ておこなってくれるのです。

そして、高齢化が急激に進んでいることもあり、最近では高齢者による交通事故のニュースをよく耳にします。実際、判断力が落ちてしまったり突然の発作などによって重大な事故が全国各地で起き報道で聞くことも増えてきました。ですから、自動運転は運転をアシストする技術として今後発展していく産業の一つになるでしょう。

一方で自動運転の法整備がまだ整っていなかったり、事故を完全に減らすことは難しかったりもします。

そこで今回は自動運転の問題点や特徴、解決策をご紹介いたしましょう。

自動運転とは

自動運転のイメージ

車の運転を人工知能(AI)が行ってくれる技術を自動運転と呼びます。人間とは違い、人工知能(AI)はミスをしないために事故を大幅に減らすことができる可能性がある技術として注目されているのです。仕組みとしては二つ。

ひとつは、画像認識技術。運転は常に目の前で起こっている状況をひとつひとつ分析しながら判断を行う作業ですよね。それを自動運転で事故なく行うためには、正確な画像認識技術が必要です。
例えば自動車の目の前に人が歩いているのを発見した時、ブレーキをかける必要があります。画像認識において、物体を人間かどうか判断することに間違いはあってはなりません。人工知能(AI)はミスをしないということは、間違った判断をしてしまったらそれを修正することなく行動を起こしてしまうのです。
ふたつ目は、判断。その判断を正確にするためには、膨大な量の学習を行う必要があり、学習を繰り返し、様々な状況下において正確な判断を下すことが要求されます。ですから自動運転に限らず、運転はひとつの判断間違いで重大な事故が発生してしまいます。

さらに、人工知能(AI)に様々な運転の場面において、膨大な量の運転パターンを学習させなくてはなりません。しかも正解率を完全に100%を達成しなくてはなりません。

しかし今現在の人工知能(AI)において、正解率を100%にすることは不可能。

ですから自動運転で事故がなくせない理由の一つがこれです。

自動運転で事故が減らせない、意外な理由と問題点

自動運転のイメージ

先ほど自動運転が100%の正答率が不可能であることから事故が発生するというお話をしましたが、このように、今度は様々な理由で自動運転で事故を減らすのが難しい理由を紹介しましょう。

現在の自動運転のレベルは”2”であること

どのくらい自動運転に運転をゆだねているかによって、レベル分けがされています。以下の表にそれぞれのレベルと、自動運転の範囲を載せます。

概要 運転操作の対応主体
レベル0 運転者による運転(運転自動化なし) 運転者
レベル1 アクセル・ブレーキ操作またはハンドル操作のどちらかを部分的に自動化 運転者
レベル2 アクセル・ブレーキ操作およびハンドル操作の両方
を部分的に自動化
運転者
レベル3 一定条件下で全ての運転操作を自動化。ただし運転自動化システム作動中もシステムからの要請でドライバーはいつでも運転に戻れなければならない システム(システムでは困難な場合は運転者)
レベル4 一定条件下で全ての運転操作を自動化 システム
レベル5 条件なしで全ての運転操作を自動化 システム

現在実用化されているレベルは2です。

あくまで人間主体の運転に、自動運転がアシストして事故を防ぐ、という構図になっています。ですから、徐行している状態からアクセルブレーキの踏み間違い程度のミスであれば事故は防げるのです。

しかしあくまで人間が運転していることに変わりはないので、自動運転に運転をゆだねてしまうとすぐに事故が発生してしまうでしょう。また自動運転のアシストがあるから大丈夫!と油断してしまうとすぐに重大な事故が発生してしまいます。

自動運転のレベルが上がったとしても、人間はいつでも備えなくてはならない

今後の技術の発展によって自動運転のレベルが上がったとしましょう。

レベル3以上では全ての運転操作を人工知能(AI)に任せることができます。ただし、あくまでシステムが自動運転を続けることが不可能になったときに、人間が代わりに運転を継続させなくてはなりません。

このことから、人間は常にハンドルを握っていなくてはならないことがわかるでしょう。自動で運転してくれるとは言っても、事故を防ぐためには常に集中してハンドルを握っていなくてはなりません。

また、人間が集中して運転する環境を整えることにかかる時間は最低数秒、長くて数十秒といわれています。急に自動運転モードから人工運転モードに切り替わった数秒間の間に事故が発生する可能性はとても高いです。このように全て完璧に自動運転によって事故を無くせるかと言ったら現実問題としては難しい。

これらをまとめると、自動運転によって危険な事故を減らすのは難しいです。あくまで自動運転は、人間の運転の帆世であることを念頭に置いて利用することがまず第一歩でしょう。また完全な法整備は整っていないので、自動運転が事故を起こした時の責任の所在が問題となります。

しかし、2019年5月28日に改正道路交通法が可決され、自動運転レベル3までの自動車が公道を走ることができるようになりました。その中で、自動運転が事故を発生させたときの責任は自動車の所有者に責任が課されることも決まっています。一方で、自動運転による死亡事故が発生した場合などの被害者遺族問題なども今後出てきてしまうでしょう。

このように自動運転は未来を確実に変える光と、事故による悲惨な闇をあわせもった技術であることを我々は理解しなくてはなりません。

自動運転問題の解決策とは

自動運転車のイメージ

では、自動運転問題を解決するにはどうすれば良いでしょう。

現状では解決策は政府が必死になって模索している状況ではあります。今回は政治方面からの解決策と技術面からの解決案をご紹介。

政治、法律方面

まずは早急な法整備が必要であることは言うまでもありません。とはいっても軽減税率のような複雑なルールを作ってしまっては元も子もありません。

ひとつ重要なこととしては、「自動運転による事故が発生した時は被害者、もとい国民が納得できる処罰を加害者(自動運転車の持ち主)に課すことができるか」という点があります。処罰が過少では、自動運転による事故は減らないでしょう。

そのためにはやはり抜け穴のない法整備を整えることと、政府が自動運転技術に補助金を出すことが挙げられます。自動運転の根本的な性能向上と基盤がしっかりした法整備、および自動運転の能力の限界の宣伝をしっかり行うことが必要です。

技術方面

では技術面ではどうかというと、根本的な自動運転の精度を向上させる必要があります。

事故が最も多い未知の特徴の一つに、上り坂のてっぺんがありますが、ここでは前の情報が見えなくなってしまうため、単なる自動運転の画像解析だけではこの地点の事故を防ぐことができません。その事故を防ぐためには周囲を3Dで画像解析およびGPSからの周囲の自動車の情報をキャッチする必要があります。

このように複数の技術を組み合わせることで周囲の情報を増やして自動運転による事故の確率を少しでも減らしていく努力が必要です。

 

車のイメージ

今回は自動運転技術について紹介しました。

自動運転は自動車の概念を根本的に変化させうる力を持っている一方、課題も山積みです。自動運転に100%はありません。もちろん今後より技術が発展しては行きますが、あくまでいつでも人間が運転できるように準備をしておく必要があるのです。

また、運転は少なくとも現在は「人間が主体となって運転するものであり、自動運転技術は事故の確率を減らすためのアシスト機能」程度の認識で向き合っていかなくてはりません。自動運転車が事故を発生させた場合、その責任の所在は持ち主に回ってきます。自動運転システムにエラーが発生したから事故が発生しました、では済まされません。

自動運転とどう向き合い、付き合っていくか。この問題は我々人間が必ず通らなくてはならない道です。自動運転には意思がありません。万が一システムが止まってしまっても制御できるよう人間が監視する必要があります。

このように、自動運転だからといって人間が正しく管理していく必要は必ず付いてきます。そこを見極め、安全に快適に過ごせるよう整備や技術の向上をしていきましょう。

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