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AIが活躍する案内サービス、受付をお任せしちゃって本当に大丈夫?

AIが活躍する案内サービス、受付をお任せしちゃって本当に大丈夫?

最近、AI(人工知能)の技術をさまざまな案内・受付業務に導入するケースが増えています。わかりやすい例でいえば、人型ロボットが、イベントの受付やインフォメーションセンターなどに立って案内する姿を、街中やニュースなどでよく見かけるようになりましたよね。

以前は、「人」相手のサービスを機会化するのは難しいと考えられてきました。しかしここ数年、言語処理や機械学習などの技術を活用したAI(人工知能)の進化は目ざましく、AI(人工知能)が人相手のサービス業にどんどん取り入れられているんです。

でも、果たしてどこまでAI(人工知能)に案内業務を任せられるのか、気になるでしょう。そこで、具体的にどんな場面でAI(人工知能)が案内・受付業務に活用されているか、観光地、ホテル、コールセンターの3つの現場を取り上げてお伝えいたします。

まずは、観光地で活躍するAI(人工知能)からご紹介しましょう。

観光地:多言語を駆使するAIコンシェルジュ「小梅ちゃん」

観光案内所のイメージ

日本を訪れる外国人観光客って、本当に増えましたよね!東京や京都といった定番の観光地だけでなく、ひなびた温泉地や登山道などで普通に見かけることもあったり…。

こういった訪日外国人客への対応には、多言語での案内が欠かせません。だけど、語学ができる人材を多く確保するのはなかなか難しいものです。特に地方では厳しいでしょう。

そんな中、福井県永平寺の観光案内所に2018年、AI(人工知能)が観光客と会話するというAIコンシェルジュ「小梅ちゃん」が設置されました。意外なことに観光案内所としてAI(人工知能)が取り入れられた、日本初の事例なんです。

「お寺×AI(人工知能)」という新旧の組み合わせって、なんだか新鮮ですよね。

永平寺旧参道入り口に設けられた観光案内所には、スタッフは常駐していません。そのかわりにデジタルサイネージ(電子掲示板)が設置され、画面から作務衣姿のAI(人工知能)のキャラクター「小梅ちゃん」が、日本語のほか、英語、中国(簡体・繁体語)で来訪者の問いかけに答えてくれます。

PDCが開発したAIコンシェルジュ「小梅ちゃん」のシステムは、商業地ですでに採用されていたノウハウを観光地向けに改良したものです。

「おすすめの観光スポットはどこですか」「トイレはどこですか」といった質問に、「小梅ちゃん」が音声・テキスト・地図などを使って答えてくれます。「バスの時間は?」と聞くと時刻表も画像で表示されるので、私たち日本人にはもちろん、外国人観光客にとっても分かりやすく、迷わず目的地にたどり着けそうですね。

「人が常駐していなくて大丈夫?」と思う人もいるでしょう。でも限られた場所での利用なので、ある程度決まった質問への応対で済ませられますし、質問に答えていくことで、AIコンシェルジュ「小梅ちゃん」自身も応答の仕方を学習することもできます。

これなら、AI(人工知能)に案内をお任せできちゃいそう…!というより、人間には習得が大変な多言語対応はもう、AI(人工知能)に案内をお願いしたほうが、すごく効率的だといえるのではないでしょうか。

現に、羽田空港やJR大阪駅など大都市の公共交通機関でも、AI(人工知能)を使った多言語対応の案内業務の実現化をめざして、さまざまな実証実験が重ねられています。AI(人工知能)がうまく答えられなかった場合は案内スタッフにつなげるなど、いろんなパターンの実験が試されました。

観光客利用が多い首都圏の空港や、乗り換えが複雑な鉄道の駅などに本格的に導入されたら、海外からの旅行客にとって日本はずいぶん旅しやすい国になりますよね!

次に、2つ目の例をご紹介しましょう。

ホテル:AI(人工知能)ロボットがフロントにいる「変なホテル」

ホテルのフロントにいるコンシェルジュといえば、受付・案内業務における、究極の「おもてなし」のシンボルですよね。でも、そのホテルのフロントにいるのが、ヒト型や恐竜型をしたユニークな見た目のAI(人工知能)ロボットだったら…驚きませんか?!

2015年に長崎のハウステンボスに誕生した「変なホテル」は、AI(人工知能)ロボットが窓口業務などをこなす、ユニークなホテル。チェックインの手続きも支払いも自動支払機で完了。館内の案内係も、クロークで荷物を預かる係も、客室まで荷物を持ってきてくれるポーターもロボットなんです!

「ロボットが応対してくれる」という話題性がうけて、「変なホテル」は最近、千葉・舞浜などのテーマパーク周辺のほか、銀座・赤坂などの都内でも続々オープンしています。このことからも分かるように、今は必ずしも人による「おもてなし」だけが求められている時代ではないということでしょう。人件費も削減できるので、AI(人口知能)を案内・受付業務に本格的に取り入れるホテルはもっと増えていくはずです。

では、いっそAI(人工知能)にすべてを任せて、全くの無人にすることができるのかといえば、そうとも言い切れません。ホテルという特に「安全性」が問われる場所ということもあり、

〇急病時など緊急時の対応・責任
〇不審者などトラブルの対処
〇マニュアルにない細かい要望を聞き、それに即対処すること

という大きな壁があり、現時点では完全な無人化は難しいといわれています。
次に、最後の例をご紹介しましょう。

コールセンター:AI(人工知能)は人のサポート役として大活躍!

消費者からの問い合わせにこたえるコールセンターでも、AI(人工知能)が活躍しています。コールセンターは苦情にも対応するため、人の機微に応じた対応が求められるデリケートな場です。

「AI(人工知能)が直接お客さんと話したら、こじれないかな?」と心配になりますよね。ですから、現時点でAI(人工知能)は、コールセンターではサポート役として導入されていることが多いのです。

IBMの「AI・Watson(ワトソン)」が音声認識機能でサポート

IBMの「AI・Watson(ワトソン)」というAI(人工知能)を2015年からコールセンターに導入した、みずほ銀行の事例をご紹介しましょう。この「AI・Watson(ワトソン)」ですが、なんとコールセンターにかかってきた顧客の声とオペレーターの声を音声認識して分析し、オペレーターが答えるべき回答候補を次々と自動で提示してくれるというすぐれもの!

それまでは、顧客の質問で不明な点がある場合、オペレーターは膨大なマニュアルの中から正しい回答例を自分で探してから、顧客に案内していました。ものすごく時間がかかりそうですよね…。
ですが「AI・Watson(ワトソン)」が自動で該当情報の候補を表示してくれることで、顧客を待たせる時間はグッと減りました。なにより、新人でもベテランに近いスピードで対応できることが大きなメリットといえるでしょう。2016年に行った調査では、「AI・Watson(ワトソン)」があげた回答候補の正解率は、85パーセントにも上ったということです。

ただ、かなり大がかりなので、大規模な事業所でなければ取り入れにくいシステムであることは否めません。もう少し気軽な方法も見ていきましょう。

Web画面で案内サービスが可能な「AIさくらさん」

2018年、岡三オンライン証券では、ティファナ・ドットコムのAI(人工知能)接客システム「AIさくらさん」を導入し、Web上で自動応答サービスの提供を開始しました。もともと「AIさくらさん」は商業地の電子案内板などでよく使われているサービスですが、Web画面に表示させるチャット形式でも使用できます。これなら、コストやシステム面からみても、もう少し気軽にAI(人工知能)をコールセンター業務に取り入れられるのではないでしょうか。

「AIさくらさん」のシステムは、顧客がチャット画面で入力した質問内容をAI(人工知能)が理解し、自動的に適切な回答を会話形式でこたえてくれます。メリットは、各種手続きやサービス内容といった「よくある質問」を、24時間365日答えられるところでしょう。

「AI・Watson(ワトソン)」「AIさくらさん」、どちらの例にしても、マニュアル的な対応をAI(人工知能)が助けたり代わったりしれくれるので、スタッフは相手の状況や感情を察し、「急いでいる人にはスピーディに」「困っている人には丁寧に」と、その人に応じた対応をすることに集中できますよね。

ここまで、AI(人工知能)を活用した案内・受付業務の、3つの事例をご紹介しました。

窓口はAI(人工知能)に、かなりお任せできる!

先ほどあげた3つの事例を見てみると、案内・受付業務においてAI(人工知能)が得意なこと、人間にしかできないものは、次のようなものがあげられるでしょう。

AI(人工知能)が得意なこと

  • 多言語による対応
  • 答えが明確な質問への受け答え
  • マニュアル化できるものへの対応
  • 話題性・集客力

人間にしかできないこと

  • 交渉や説得、クレームへの対応など感情が伴う対応
  • 臨機応変な対応が求められる業務
  • 不審者などトラブルの対処
  • 緊急時の責任をとること

またどの活用例を見ても、積極的にAI(人口知能)を生かすことで、深刻化する人手不足を解消しようという動きになっていることがわかります。今後の案内・受付業務において、ますますマニュアル化できる仕事はAI(人工知能)に任せ、繊細さや臨機応変な対応が求められるところは人間が担当する、とすみ分けていくのでしょう。

さて、今回はAI(人工知能)が活躍する案内サービスについて紹介しました。

その内容を通して、

  • 観光地での多言語対応は、どんどんAI(人工知能)に任せる流れになる
  • 完全な無人化は難しいが、たとえホテルでも窓口をAI(人工知能)に任せられる
  • クレーム対応などデリケートな業務では、AI(人工知能)は人のサポート役になってくれる
  • AI(人工知能)が得意な仕事と、人間にしかできない仕事のすみわけは、今後ますますハッキリする

ということがわかりました。デリケートな業務があり完全な無人化は難しいものの、多言語対応などが得意なAI(人工知能)に、大まかな受付をお任せしても大丈夫ですよね。

実のところAI(人工知能)は、これまでの技術革新とは比べ物にならないくらいのスピードで進化しているので、できるようになることは今後、加速度的に増えていくといわれています。AI(人工知能)の活用によって案内・受付業務の省力化を図ろうとする流れはもう、止まらないでしょう。

それならば、AI(人工知能)にめんどうな作業はお任せしちゃって、私たちはもっと「人間ならではの強み」を突き詰めることが大切なんじゃないでしょうか。これからはAI(人口知能)の進化にもっと注目して、「AI(人工知能)と働くことが楽しい!」と思えるようになりたいものですね。

参照元AIコンシェルジュが福井・永平寺町を観光案内 音声や画像、文字…多言語に対応
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