ついこの間まではAI(人工知能)というと、一般人には縁遠いものでしたが、最近は本当に身近な存在となりましたよね。実際どこの会社でも導入をしたり、開発に着手したというニュースが飛び交っています。また、中にはAI(人工知能)がものを設計するという驚きのニュースも出ている状況です。
そこで、今回は実際にAI(人工知能)がものを設計した、もしくは試みている例を2例ご紹介します。なお、取り上げる例は建築分野でのAI(人工知能)の設計例と、科学分野でのAI(人工知能)の設計例です。
最後には、この流れが既存の産業にどのような影響を与えていくのかをお伝えしましょう。それでは、まずはAI(人工知能)の設計事例をみていきましょう。
建築分野でのAI(人工知能)の設計例
本題である建築分野でのAI(人工知能)の設計例を説明する前に、建築分野でどのように設計作業を行っているのかをまとめていきましょう。時系列で説明していくと設計作業は以下のように変わっていきました。
- 1960年代以前:手作業での設計
- 1960年〜現在:CADでの設計
- 最新の設計方法:BIMでの設計
上のように1960年代までは手作業での設計がどの業種でも当たり前でした。転機となったのはロッキード社が元祖となるCADを使い始めたことです。
当初は2次元のCADしかありませんでしたが、3次元のCADも登場して、より細かな設計が可能となりました。CADに関してはもの作りで使ったことがある人も多いでしょう。
このCADによって設計業務は大きく変化しましたが、現在の建築分野ではさらに進んだものが登場しました。それがBIM。
CADの場合には建物の設計をするときには、2次元の設計をやった上で3次元に移るので、問題があれば2次元からやり直さなければなりません。
しかし、BIMでは建築に必要なのものを組み立てていくだけなのでCADのような手間がなく、そしてどのぐらいの時間が建築に必要なのかなどを見ることが可能。
そのため、建築分野では今こちらの普及が進んでいます。そして、この流れの中でさらにこのBIMにAI(人工知能)を組み合わせて、AI(人工知能)を設計に組み込もうという会社が出てきました。それが鹿島のBIMを専業にするべく設立されたGLOBAL BIM社です。
なお、smartCONについては以下のようなことが可能。
- PCで簡単に資材をモデリング
- 計画段階で工事の工程を検証
- 視覚的に工事を捉えて情報共有
そして、これにAI(人工知能)を組み合わせた新しいものは、簡単に自動でAI(人工知能)が施行計画を設計したり、紙図面から簡単にBIM化をAI(人工知能)にさせるものであり、現在は開発を進めている最中です。
また、機械が自動で建築作業をできるようにして昨今の人材不足を解消しようとしたり、安全性を高めようともしています。この会社の進めるこのBIMを使ったAI(人工知能)の設計が完成すれば、施行計画が簡単に作成できるので、もしかすると今の建築界に大きな変化をもたらすかもしれませんよね。
このシステムの完成が実に待ち遠しいです。
化学分野でのAI(人工知能)の設計例
上では建築分野でのAI(人工知能)の設計例を挙げましたが、実は化学分野でもAI(人工知能)は設計に用いられています。こちらでも本題に入る前にまずは基本的な知識をお話していきましょう。
分かりやすい例としては、プラスチックなどの有機化合物。以前は自然界にあるものを研究して、私たちの生活に役立てていましたが、コンピューターの発達で様々な特性を持った高分子を作れるようになりました。
しかし、高分子のものは構造がまっすぐであったり、鎖状になっていたりと複雑な形になっているため、狙って作ろうとすると設定に非常に手間が掛かったり、上手く作れないことも多かったです。したがって、どうやってこの問題をクリアすれば良いのかを模索していました。
そこで検討されたのが本題であるAI(人工知能)で設計を行うということ。現在では進んだAI(人工知能)技術によって、理化学研究所と東京大学のチームが実際に有機分子をAI(人工知能)に設計させ、また検証を行うことに成功しています。
この研究の目的としては、特定の光を吸収する分子の設計をAI(人工知能)に行わせるものです。
なお、検証に関しては10日掛かりましたが、設計から検証まででわずか12日でこのような結果が得られたのは驚きでしょう。今後も残りの80個を分析することで、新たな有用な分子が見つかることに期待が持てます。
さらに、このAI(人工知能)に分子を設計させることがより簡単になれば、以下のような分野でも非常に役立つでしょう。
- 医薬品
- 農薬
- 太陽光発電
狙ったような分子がAI(人工知能)で設計できれば、新しい医薬品や自然に影響のない農薬の作成ができるでしょう。そうすれば、人の寿命が伸びたり、農作物が病気にやられて全滅することがなくなるかもしれません。
他にも、太陽の光を電気へと変える太陽光発電のパネルはケイ素のものが現在は主流ですが、高分子を利用したものも実はあります。そして、この高分子太陽光電池の性能が上がれば、より発電効率の上がった太陽光発電が可能となり、クリーンなエネルギーによって地球に優しい発電が当たり前になるかもしれません。
以上のような未来が訪れるためにも、今後も化学分野のAI(人工知能)の設計に注視していきましょう。
最後に、説明したようなAI(人工知能)の設計が既存の産業にどのような影響を与えていくのかをお伝えします。
恐らく技術の進歩によってなくなるかもしれない職業が出てくるのはあり得ることです。しかし、一方で日本は人口が減少していき、人手が足りなくなることが実際問題として今起こっているので、AI(人工知能)での設計は人材不足の解決することに繋がるのではないでしょうか。
これは、説明した建築分野での場合に当てはまることです。また、技術が進歩すれば混乱が生じる可能性がある一方で、以前はできなかったことができるようになるなど、間違いなく世の中が明るくなっていくでしょう。
そうすれば、説明した化学分野での場合のように、私たちにとって素晴らしい未来が待っているのかもしれません。こんな風に今よりも進んだ便利な社会が待っていると考えれば、何も怖くはありませんよね。
そして、当サイト(AIZINE)を運営しているお多福ラボ(人工知能の開発会社)でも様々なAIの設計に携わらせて頂いています。ですので、もし「こんなAI(人工知能)作れます?」といったお話しがあれば是非ご相談ください。
お多福ラボはこんな会社です。
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