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日本のAI(人工知能)開発が世界よりも遅れている5つの理由とその背景

仕事のイメージ

近年、テレビのニュースやインターネットでAI(人工知能)の活躍をよく見聞きしますよね。例えば、医療分野でのAI(人工知能)による画像診断システムは、医師の代わりに患者のスキャン画像を診断します。

熟練の医師と同レベルの診断スキルを持ったAI(人工知能)の活躍は、現場で働く医師の業務負担軽減と診察精度の向上に貢献し、AI(人工知能)の活躍は医療分野だけにとどまらず、様々な業務に携わる人の役に立っているのです。

しかし、世界に比べると日本のAI(人工知能)開発は遅れ気味。その理由は、日本独自の考え方や企業体質にありました。日本には一体何が不足していて、どのような考え方がAI(人工知能)開発を遅らせているのでしょうか。

そこで今回は、日本がAI開発で世界的に送れている理由を紹介します。

若者の発言権がない!日本企業の体質

発言できない若者のイメージ

日本においてAI(人工知能)の開発が遅れている理由として、日本独自の企業体質が挙げられます。しかし海外のFacebookやAmazonでは、20代30代の若者が様々なアイディアを出し活躍していますよね。

年功序列の考え方が強い日本企業では20代30代の若手と呼ばれる世代には発言権のない企業がほとんど。若手社員が魅力的なアイディアを出したり、柔軟な発想で意見を述べたりしても、意思決定を行うのは50代60代の管理職という企業が多いでしょう。

そのため、日本企業では古い発想から抜け出せず斬新なアイディアを出せない体質になっています。

AI(人工知能)分野の研究開発の第一人者である松尾豊氏は、「AI(人工知能)はスポーツと同様に、20代30代の若い世代を中心に活躍する分野だ。」と述べており、それだけAI(人工知能)の開発は柔軟な発想が必要だということがわかりますよね。

ですから、もしも日本企業が海外企業と同様に、若い世代の社員も自分の裁量で自由に研究開発できる環境なら、日本におけるAI(人工知能)開発の現状も変わっていたかもしれません。

グローバル化に乗り遅れた日本企業

電話主体のイメージ

ところで、2019年5月度の世界時価総額ランキングでは、マイクロソフト、Amazon、アップルが上位を占めています。このマイクロソフトはWindows、Amazonは通販サイト、アップルはiphoneなど、いずれも世界規模でサービスを展開しているIT企業です。

しかし、日本企業は最高でも42位にトヨタ自動車。上位はアメリカ・中国の企業が占めているのです。ですから世界時価総額ランキングを見る限り、グローバルに展開している企業が事業を成功させているといえるでしょう。
さらに、世界規模で成功を収めている企業は世界中から実力ある技術者を集め、AI開発を始め最先端技術の研究開発に力を入れています。

そのため、グローバル化に乗り遅れてしまった日本企業がますます海外企業に差をつけられてしまう可能性も少なくありません。

日本企業の消極的な姿勢がAI開発を遅らせている

消極的な上司のイメージ

そしてマイクロソフトやAmazonなど世界的にトップクラスの企業は、AI(人工知能)開発やIoT(モノのインターネット)開発などの先端技術に関しては積極的に投資を行っています。

このような企業は世界中から集められた研究者たちがアイディアを出し合い、自由な発想で研究開発を行える環境を整備しているのです。

一方で日本企業は、新しい技術に対しての投資は消極的。日本企業が様子を見ている間に海外企業はますます研究開発を進めているので、技術力での差が開いてしまうのは明らかでしょう。

AI(人工知能)開発に重要なデータサイエンティストの不足

過重労働で倒れるデータサイエンティストのイメージ

また、AI(人工知能)の開発には、教師データとなる大量のデータ(ビッグデータ)が必要です。しかし、現在では多くのデータがインターネット上に氾濫しているため、企業は必要なデータを集めなければなりません。

そしてAI(人工知能)開発においては、AI学習データを繰り返し使用してアルゴリズムの微調整を行います。AI(人工知能)にアルゴリズムを学習させるためにはやはり大量のデータが必要で、用いられるデータが高品質であるほど、高品質なアルゴリズムが完成します。

そこで重要な役割を果たすのがデータサイエンティスト。データサイエンティストは、企業が持っている多量のデータを整理・分析し、企業にとって重要な情報を導き出します。ですからビッグデータを活用するAI(人工知能)の開発にはデータサイエンティストは不可欠な存在です。

しかし、日本ではデータサイエンティストが不足しています。

総務省「平成26年度情報通信白書」によると、2004年から2008年の5年間でデータ分析のスキルを持ち合わせた人が減少傾向にあるという結果が出ているのです。

そのため、日本が世界レベルのAI(人工知能)開発に追いつくためには、データ分析や統計スキルを持ち合わせたデータサイエンティストの育成が非常に重要でしょう。ですが、日本企業の中にはAI(人工知能)開発にどんなデータがどれだけ有効活用できるかを理解していない所も多くあります。

つまり、AI(人工知能)に関する知識とスキルを持った人材の確保とデータサイエンティストの育成の両方が必要となってくるということです。

AI(人工知能)に対して否定的な考えがAI開発を遅らせる

拒否する上司のイメージ

ここまで色々述べましたが、日本が世界よりもAI(人工知能)開発が遅れている理由は、企業の体質だけではありません。実は、日本人の先端技術に対する考え方も大きな原因の一つ。

AI(人工知能)という言葉がブームのように世間をにぎわせている中、「AI(人工知能)によって仕事が奪われてしまう」「AI(人工知能)は人間を滅ぼす」などという否定的な意見も多く見られますよね。確かに、野村総研NRIによる、日本の職業の49%がAI(人工知能)などのロボットに代わられるという発表もありました。
この発表を聞くと、日本社会は失業者で溢れてしまうというイメージを抱く人は多いでしょう。

また、映画『ターミネーター』のロボットにより支配された未来をイメージして、AI(人工知能)に対して恐怖感を持ってしまう人もいます。

先ほどの否定的な言葉の通り、日本人は新しい技術に対して非常に消極的・否定的な姿勢を持っています。1990年代にインターネットが企業や一般家庭に普及した頃もやはり、「インターネットなんて信用できない」という意見が多くありました。

このような日本人の先端技術に対する否定的な考えが、近年のAI(人工知能)の開発を遅らせている原因なのです。

 

自由に開発するイメージ

今回は、日本のAI(人工知能)開発が世界よりも遅れている理由を5つ紹介しました。

柔軟な発想とアイディアを出せる若い世代が発言しにくい日本企業の体質がAI(人工知能)開発を遅らせている理由の一つ。さらに、グローバル化に遅れをとってしまったや新しい技術への投資に消極的なことで、ますます海外企業とのAI開発レベルの差をつけられてしまっていることも大きな問題です。

そして、AI(人工知能)の開発に重要なデータサイエンティスト不足も深刻で、今後はAI(人工知能)開発を行える人材の確保とデータサイエンティストの育成が課題となっています。

また、「ロボットに仕事を奪われる」「AI(人工知能)に人間が滅ぼされてしまう」といった日本人のAI(人工知能)に対する消極的な姿勢も日本におけるAI(人工知能)開発を遅らせている理由の一つです。

ですからこれらの事を意識し、今後は、日本も世界に負けないように積極的にAI(人工知能)開発に取り組んでいける様改善していけると良いですよね。

そして、当サイト(AIZINE)を運営している「お多福ラボ(人工知能の開発会社)」では、様々なAIの開発に携わらせて頂いていますので、もし「こんなAI(人工知能)作れます?」といったお話しがあれば是非ご相談ください。

お多福ラボはこんな会社です。
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