AI(人工知能)と健康管理

徹底解説!AI導入で健康・医療産業の未来はこんなに変わる

医者のイメージ

第三次AI(人工知能)ブームと呼ばれる今、AI(人工知能)によって多くの産業が変わっていくといわれています。そして、そのAI(人工知能)は、健康・医療産業においても多く活用され、現代社会が抱える健康や医療に関する課題に対しての効果が期待されていますよね。

ニュースなどでAI(人工知能)の健康・医療産業における導入とその成功例を一度は聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。

その一方で、AI(人工知能)に自分の健康や命を任せるのは心配だと懐疑的な人もいます。

AI(人工知能)などの新技術が産業を変えるにあたって、成功事例がある一方で疑念や不安を感じるのは当然のこと。特に健康・医療にかかわる問題は、身近ですし、将来のことを考えるうえでも非常に大切なため、余計に気になってしまいます。

そこで今回は、AIによって健康・医療産業がどのように変化していくかについて、現在の医療が抱える問題やAI(人工知能)の健康・医療産業における導入事例を交えながらお話ししましょう。

現在の健康・医療産業を取り巻く環境

医療のイメージ

現在、人生100年時代が叫ばれる中で定年の引き上げや年金の繰り下げなどにより、60歳を超えても働き続ける人は増えていくでしょう。その一方で、60歳を超えてまで健康に働き続けられるという保証はありませんよね。

カリフォルニア大学の研究によれば、日本で2007年に生まれた子供の半数が107歳まで生きるといわれています。

ですが、健康寿命という考えをご存じでしょうか。

健康寿命とは、心身ともに自立し健康的に活動できる期間のこと。この健康寿命は70歳程度と言われています。この健康寿命を延ばしていくには、若いうちからの健康管理が重要になってくるのは言うまでもありませんが、それに加えて健康診断や治療の質を上げることも重要です。

しかし、少子高齢化の現在ではニュースでも頻繁に取り上げられるように、医師不足が深刻化しています。そして、医師の労働は効率的とは言えない状況です。

そんな中で医師のスキル自体を向上させる、すなわち、医療の質を向上させていくのは難しいというのが現状でしょう。

では、どうすればいいのでしょうか。

  1. 病気にならないように日頃から健康増進を図る
  2. 病気の兆候をいち早く発見し、適切な対処を行う
  3. 医師の負担を軽減し、治療に専念させる

という3つのアプローチがあります。

実はこれらはAI(人工知能)の導入によってすべてのアプローチが可能。AI(人工知能)は健康・医療産業に貢献できます。

そのなかでも特に③に関しては大きな期待が寄せられているのです。

AI(人工知能)によってどのように変わるのか

AIを使ったイメージ

それでは、AI(人工知能)の導入によってどのように健康・医療産業が変わるのか見ていきましょう。

いま、あらゆるものがインターネットにつながり、データを取得することが容易になりましたよね。IoTやビッグデータという言葉を耳にする機会も増えてきました。

このように取得できるようになったデータには、遺伝子データや血液データ、心拍データや身体データだけでなく、生活習慣なども。そしてこれらのデータを解析することで健康促進の提案や病気のリスクを計算することが可能になりました。
例えば、最新のAI(人工知能)が、個人の生活習慣を学習し目標に向けたアクションプランを提示してくれるサービスがあります。
また、病気の可能性を計算できるということは、スマートウォッチやスマートフォン、そして将来的には車に乗っているだけでその日の体調や体に起こっている異変を検知できるようになるでしょう。
健康診断の結果から今は何の問題も見つからなくても1年以内に大きな病気にかかる危険が高いことが判れば、定期的に通院することを進めることも可能です。

こういったことが実現できるようになれば、病気がひどくなる前に治療することができ、手遅れになることも後遺症を残すこともなくなることでしょう。というのも、現在ほとんどの病気は早期発見さえできれば治ってしまうのですから。

では、そういったウェアラブル端末もつけておらず、健康診断も定期的に受けていない場合はどうなるのでしょう。

その場合、何らかの不具合が生じてから病院に訪れることになるでしょう。現在の流れだと、問診に基づいて診察が行われ何らかの病気が疑われれば精密検査。そして数週間後に結果が出て初めて、病気の治療が行われるのです。

さて、ここにAI(人工知能)が導入されるとどう変わるのでしょうか。

最も大きな違いは、精密検査の結果が早ければその日のうちに出ること。

医師が数人がかりで判断に数日かかるような検査も、AI(人工知能)にかかれば数秒で行ってくれます。実際、レントゲンの画像からがんを発見する制度は医師の90%に対して、AI(人工知能)は97%と非常に高い精度、かつこれを数秒で実現してしまいます。

もちろん、このようなAI(人工知能)は医師の診断を助けるためのもので、最終判断を下すのは医師。しかし、これにより医師の仕事が削減されるのは言うまでもありません。

それに加えて、治療においてもAI(人工知能)の有効性が期待されています。

治療方針を決定する際、医師は医学論文を参考にします。しかし、一人の医師が世界中すべての論文を把握することは不可能ですよね。ですが、AI(人工知能)にはできてしまう。

このようにAI(人工知能)は短時間で患者の状態から適切な治療方針を提案することができてしまうのです。

そして、治療方針以外にもAI(人工知能)によって医薬品産業を活性化させ新薬の開発をも可能になるといわれています。

現在、AI(人工知能)関連の研究は、健康・医療産業でも活発で、日本においても以下のような研究が進行しています。

東京大学医学研究所

がん患者の遺伝子データをもとに、そのがん発症に関与した変異遺伝子を特定。その変異遺伝子を標的とする治療薬を提示。

国立がん研究センター

各々のがん患者にとって最適な治療方針の提案と病後の予測

医師にはさらに患者と向き合う時間ができる

医師のイメージ

ここまでAI(人工知能)による健康・医療の話をしましたが、このように色々できてしまうと「医師はいらなくなるのでは?」と思ってしまいますよね。

しかし、そもそも私たちが医療に求めるものは「病気を治すこと」だけでなく、「症状を和らげること」「漠然とした不安を解消すること」「話を聞いてほしい」といった心理的なケアも含まれます。

このような心のケアはAI(人工知能)にできることではありません。ですから健康・医療産業はAI(人工知能)によって完全に代替されるようなものではなく、むしろ分業化が進んでいくでしょう。

そして、それにより医師は患者に向き合う時間が増え、本当の意味での医療が行われるようになっていきます。

 

医療のイメージ

今回は、AI(人工知能)が健康・医療産業にどのような未来をもたらすのかについてお話ししました。

AI(人工知能)の導入によって、健康・医療産業の構造は大きく変わっていきます。

これからの時代、ほとんどの病気は治るものになり、病院の役割に占める心のケアの割合が大きくなっていくでしょう。そしてAI(人工知能)の活躍によって病気が減り、産業自体は小さくなってしまうかもしれません。それは多くの人が健康に過ごせているという証であり、望ましいことです。

確かにAI(人工知能)にすべて頼り切るのはまだまだ心配に思う人もいるでしょうが、その導入により医師の負担が減るとともに病気に対する考え方が変わっていきそうですよね。

私たちが身体的にも精神的にも健康に、100年は生きられる時代がもうすぐやってきます。そうなることを願って、AI(人工知能)による健康・医療産業を見守っていきましょう。

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