AI(人工知能)ニュース

AI(人工知能)開発の人材不足が深刻化!その理由5つ

人の少ないオフィスのイメージ

近年の日本の人口減少により、社会全体に人手不足の現象が起こっていますが、IT業界も例外ではないため、エンジニア不足が深刻化してきています。経済産業省の発表によると、2019年を境にIT関連の人材不足は加速していき、2020年には約40万人、2030年には約60万人のエンジニア不足が起こると予測されているのです。

中でも最も人材不足が深刻な職種は、AI(人工知能)、ビッグデータ、IoT、ロボットなどの先端IT技術と言われるもの。第4次産業革命が叫ばれ、これまでよりもテクノロジーの重要性が増してIT業界の市場は拡大を続けていますが、提供されるサービスに比例して必要とされるエンジニアも当然多くなり、AI(人工知能)などの職種では人材不足が慢性化してきています。

このように、AI(人工知能)開発などで人材不足が深刻化している理由には何があるのでしょうか。現在のIT業界を理解しながら、打開策を考えるためにAI(人工知能)関連の人材不足について検証していきましょう。

IT市場そのものの成長

ITの現場のイメージ

まず一つ目の理由として、大手事業会社でもAI(人工知能)を活用する事業分野が拡大してることが挙げられます。IoTと呼ばれる家電や衣類、メガネ、時計などでもAI(人工知能)と切り離せないものとなってきているため、市場が拡大していてAI(人工知能)関連の人材不足となっているのです。

EY総合研究所の試算によると、AI(人工知能)業界は2030年には約87兆円もの市場規模になっていると予想され、自動車自動運転など運輸業関連が大きなシェアを占めるという見込みで、運輸業界だけでも30兆円超に達するという試算で、AI(人工知能)業界の人材不足は加速していく見込み。

既存の技術者の高齢化

高齢者のイメージ

次に基幹システムを構築してきた技術者が高齢化してきた点です。

若手のエンジニアはWebやゲームなどの制作に携わる人が多く、基幹系システムエンジニアの人材が不足しているのが現状。
それにも関わらず、
深刻なAI(人工知能)関連の人材不足を中高年でカバーしようという姿勢が低く、40代のエンジニアが新規採用される可能性は極めて低くなっています。

そんな中、

経済産業省と厚生労働省が連携し、従来型のシステム開発を手掛けてきた人にこれまでの知見を生かしつつ、AI(人工知能)時代に必要な新しいスキルを身につけてもらうために「Reスキル講座」を立ち上げ、この講座の受講者に最大で7割の補助をする予定で、
新技術習得をバックアップしてAI(人工知能)関連の人材不足に歯止めをかけるのが狙いです。

IT技術者に対する悪いイメージ

終電で帰るイメージ

三つ目は辛い、厳しいなどのネガティブなイメージが強いこと。よく言われる3Kのような「きつい」、「厳しい」、「帰れない」という印象があるようで、昔のような「かっこいい」、「最先端」などの良いイメージとは程遠いようです。確かに一部ではそのような事実もあり、働き方改革が叫ばれている現在でも、期日までに製品を仕上げなければいけませんし、システムに障害が発生すれば帰れないということもあり得ます。

リーマンショック後金融系エンジニアの就労環境は改善されていますが、AI(人工知能)のような先端IT技術においてはそうはいかず、

新しい技術やサービスは早くリリースされてこそ価値が高いので、開発現場では日々納期に追われている状態で、
若い人材から避けられているという状況となっているのが、AI(人工知能)関連の人材不足の要因の一つ。

給与の低さ

給与のイメージ

四つ目に給料が安いと言われることでしょう。ITエンジニアの平均年収は600万円前後で、激務の割に報酬が低いというイメージで、エンジニアを目指す人が減少しています。

DeNAやGREEのようなメガベンチャー企業は、新卒から1000万円近い給料を提示するところもありますが、それでも日本のエンジニアの給料はアメリカなどと比べると少ない傾向です。
アメリカではエンジニアがフリーランスで単独で契約を行うという形態が一般的
であるのに対し、
日本では多くのエンジニアが企業の会社員として働いている形態であることに加え、SIerという元請けから下請け会社へと仕事を流し、その都度金額が差し引かれるという仕組みがあるため、下請け会社員のエンジニアは報酬が低くなる傾向
にあります。

しかし、最近では国や大手企業もエンジニア不足に悩み、エンジニア教育を行う流れが増えてきていて、プログラミング教育ベンチャー企業が出てきたり、子供の保護者もGoogleやApple、Facebook、などの有名企業に子供に入ってもらいたいと夢を託してエンジニア教育に熱心な方が少しずつ増えてきています。

技術の変化の速さ

技術のイメージ

最後に、IT業界は技術の変化が激しく移り変わりが非常に早いということです。IT業界は技術の進化が激しく、その技術を習得したかと思えば廃れていくという状況が多く、常に学び続ける必要があり、エンジニアのスキル成熟が追いつけずに需要と合致したエンジニアが不足してしまうという傾向で、技術の更新に疲れてしまうエンジニアが多くなっています。

AI(人工知能)開発では

言語はPythonが使用されていることが多く、PHPやRuby人気で後押しされいきなりAI(人工知能)ブームがやってきたため、使えるエンジニアが非常に少なく需要と供給が合っていない言語
となっている現状があります。

 

環境が改善されたイメージ

現在日本ではIT業界の市場は拡大し、IoTやAI(人工知能)の躍進によって人材不足はますます加速していくでしょう。

その打開策として、プログラミングの教育改革や既存のエンジニアの教育、エンジニアの待遇改善、採用年齢の引き上げ、未経験者採用枠の拡大、外国籍のエンジニアの採用など課題は山積みです。

AI(人工知能)開発では従来にない言語と言えるPythonを使用し、深く学習するためには大学での修学経験が必要となりますが、現在の社会人で大学時代に学んだ人はほとんどいないのが現状で、就職してから勉強した人が圧倒的。でも、論理的な思考力さえあれば後からでも学習できるのがAI(人工知能)の世界なので、この機会に将来性の高いスキルを身につけて、AI(人工知能)開発の人材不足に一役買ってみるのも良いでしょう。

トップへ戻る
タイトルとURLをコピーしました