始める前に知りたいAI(人工知能)によるFX予測の危険性とは

FX予測を始めるイメージ

近年、投資の世界にAI(人工知能)が導入され、外貨取引(FX)の取引の現場で為替の動向を予測するために使われ始めていますよね。過去の為替の動きをバックデータとして、為替の動きをAI(人工知能)を使って分析します。この分析を基に、将来の為替の動きを予測することで、FX取引の成功率をもっと高めることができれば素晴らしいことでしょう。このように、FXの世界でAI(人工知能)を主役とする大きな変化が起こっています。

フィンテックの本場、アメリカではすでに、人間の外貨トレーダーのディーリング業務をサポートするツールとしてAI(人工知能)によるFX予測が活用され、成果を挙げています。AI(人工知能)による提案を受けて投資を行うファンドも登場し、その素晴らしい投資実績は投資家の注目を集めるほど。

日本でも著名な銀行や投資会社が、AI(人工知能)による情報サービスをうたう新しい投資商品を、個人向けの投資商品として導入する動きが盛んです。一方で、AI(人工知能)によるFX予測は、まだ歴史も浅く、ツールとして信頼するには危険性があることも理解しておかなければなりません。

それではAI(人工知能)によるFX予測の現状と、理解しておくべき危険性についてお伝えしましょう。

AI(人工知能)によるFXの予測

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金融投資の世界では、AI(人工知能)が現れる以前から、データの分析による投資の判断が日常的に行われていました。各国の景気の変動や世界の経済情勢を数値化したデータ群を数的に処理して、為替売買の判断材料とする分析ツールは、投資銀行やファンドの投資実績を左右する極めて重要なノウハウそのもの。

長期間にわたる過去のデータが蓄積されているFX投資の世界で、AI(人工知能)をもちいてデータの分析手法を高度化させることは、投資手法を精密なものにする上では自然な流れといえます。

為替の変動は、その変化を説明するために極めて多くの要因が考慮される現象です。関連する指標を表示するさまざまなチャートを駆使し、統計的な分析を施して為替の変化を推測。ここから得られる予測を基にして、外貨の売買のタイミングが決定されます。

このFXの動きを予測するプロセスの中で、AI(人工知能)はこれまでのコンピュータにはなかった働きを見せることができますよね。チャートを読み取り、過去の膨大な事例からそのグラフの変化の仕方に近い動きを探し出して、将来の変化を導き出す。いってみればAI(人工知能)の役割は、過去の膨大な量のチャートを参考にして、最も再現性の高い変化を確率的にアウトプットすることでしょう。

人間が行う数値分析の場合、過去のデータを全て見ることは実際には不可能。特に為替は常に変化し続けるので、眼の前で変わっていく数字について、参考になるチャートをリアルタイムで選び出すことは到底できません。したがって、優れたトレーダーは自分の知識と経験を生かして直感的に売買を行います。

AI(人工知能)の処理能力の速さは、このジレンマを問題にしません。人間のトレーダーが反応するよりも早く、AI(人工知能)のアルゴリズムは答えを出し、優劣を判定することができるのです。

そもそも、トレーダーがFXの変化を知るためには電子化された情報を数字またはチャートの形で画面に映し出すというプロセスが不可欠。人間はその画面を見て、始めてFXの変化を「知る」ことができますよね。これに対して、AI(人工知能)の強みは電子情報が届いた時点で、その情報に反応できること。AI(人工知能)は人間よりも早く変化を察知し、速く対応して判断を下します。

AI(人工知能)がFXを予測するということの意味

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このため、AI(人工知能)は短期的な取引に関しては、人間のトレーダーよりもずっと有利に売買をリードできます。投資銀行におけるFX取引のように、毎日必ず利益額を確定していくような役割では、人間のトレーダーを上回る実績を出すことが期待できるでしょう。

一方で、AI(人工知能)はFXの動きを予測はしてはいますが、実際にそれを説明はしていないことに注意する必要があります。ビッグデータを参考に、近似した動きを導き出しますが、為替が変化したその背景で、どのような経済、社会の変化が起こっていたのかは考慮しません。

このため、AI(人工知能)によるFXの予測は、予測の期間が長期になると、あまり信頼できないものになります。

現在のAI(人工知能)によるFX売買サポートツールは、数時間から数日までの短期を対象期間にするものがほとんどです。

また、AI(人工知能)は自分が行った取引について、なぜ自分がそれを行ったのかを説明できません。これはAI(人工知能)が為替の変動する理由を説明しないのと同じこと。

AI(人工知能)が行った一つの取引が、「偶然」最安値で買い、最高値で売った場合を考えてみましょう。この取引は、「偶然」最大利益を生みますが、AI(人工知能)はその結果のみを受け止めて、それを最善の判断と認識する可能性があります。

AI(人工知能)によるFX予測のリスク

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また、AI(人工知能)によるFX予測は、これまでに起こったことのない単発の事象に対しては、対応できません。前回のアメリカ大統領選挙の結果や英国のBrexitの投票のような歴史的な出来事が起こった場合、その前後の運用実績ではパフォーマンスが低下しました。

もしも金融市場のクラッシュが起こるとすれば、それは数年に一度しか起こらない、歴史的には珍しい出来事でしょう。したがってこのような状況のモデルとなる過去の事例は極めて稀。このため、AI(人工知能)は市場のクラッシュの発生を正確に予測するような使われ方には向いていません。

AI(人工知能)による予測は、特に相場の動きに方向性がない場合には、運用実績を落とす傾向があります。FXを変化させる要因に主導的な役割のものが特定できないような状況では、変化のパターンを読み取ることが苦手なのです。

リーマンショック以来、世界の中央銀行はおしなべて金融緩和策を取っていますよね。金融市場がクラッシュしないように、世界中のマーケットにはいわば人為的に上昇バイアスがかけられているのです。この量的緩和政策が終焉を迎えたとき、短期的な為替の変動は方向性を失い、同時に中期的な局面の変化が起こるでしょう。

このような状況では、AI(人工知能)はFXの変動を、過去のチャート、特に過去数年の為替の挙動から予測することはできません。各通貨の価値について経済力や需給をベースに為替を決定する、旧来の分析手法に戻る必要があります。

プロのレーダー顔負けを夢見るイメージ

AI(人工知能)は人間のようなバイアスのかかった思考や、意識的に方向づけられた判断をしません。そのため、人間が犯すような感情や先入観に惑わされた判断ミスとは無縁です。

しかし、AI(人工知能)は過去の事例の分析以上のことを行っていません。過去に例のない出来事を考察するようにはできていないのです。

言うまでもないことですが、AI(人工知能)によるFX予測を基に為替の売買を行って、結果として損害が発生した場合でも、AI(人工知能)には責任はありません。短期的なFXの挙動のレンジを超えるような大きな変動についてはそのリスクを自分で引受けた上で、AI(人工知能)の予測を優れた判断材料として利用しましょう。

AI(人工知能)によるFXの予測は、今後も投資商品としていくつもの新しいモデルが投入されていくでしょう。手法は次第に洗練され、優れたツールが登場することとは間違いありませんよね。

AI(人工知能)のFX予測ツールを、投資判断のサポートツールとして使いこなしてください。、その分析能力と判断力を味方につけることができれば、プロのレーダー顔負けの運用実績を出すことも夢ではありません。

参照元 AIのリターン率は人間・クオンツの最高5倍「ヘッジファンド業績比較」
人工知能による投資の現状と課題/FXへの活用を考察する
ビッグデータと画像認識技術で為替相場を高い確率で予測する「AI外貨予測」

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そねあす
AIZINE編集部のそねあすです。記事の編集を担当しています!

もともとデザインやHTML、CSSと仲良くしていたつもりがあれよあれよと編集の世界に。AI(人工知能)は作れないけど興味深々なんでまずはSiriを使いこなしてみようと模索中です。

編集初心者が、自動運転やAI家電、AI(人工知能)を使った未来まで 日々変化していくAI(人工知能)のニュースをお届けします!