AI(人工知能)とファイナンス

機械学習による株価予測を利用して分かったこれからの株式投資

機械学習による株価予測を利用して分かったこれからの株式投資

流行のディープラーニングなどの機械学習を使って、株価予測をしようという動きはなかなか活発です。個人が有料で利用できる投資アドバイス・サービスで、機械学習の利用を謳っている所は目立ちませんが、インターネットを検索すると、自分で株価予測・機械学習プログラムを作ってみた、という経験談の類はたくさん出て来ます。

その中で、大儲けをしたという人は……。それはともかく、機械学習を使ったら、どんな株価予測ができるのか気になるところ。また、それによって株式投資はどう変わっていくのでしょう。プログラムなどのITスキルのない一般の私たちは、取り残されちゃうのではないかと不安になりますよね。それでは、AI(人工知能)時代の株について少し考えてみましょう。

そもそも株とはどんなものか

企業のイメージ

株とは、

株式、あるいは株券の略で、会社が資金を調達するために発行するものです。株を持っている人を株主といいます。株主は、株主総会などを通じて、会社の経営に関ることができますよね。出資者なのですから、口出しする権利があるでしょう。そして、その会社の利益に応じて配当金を受け取ることができます。

ちなみに株式は、昔は紙に印刷された株券で売買されましたが、今ではほとんど電子化されているでしょう。そして、株式には、証券取引所で売り買いできる公開株と、一部の例外を除いてそれができない未公開株があります。

株式を公開している会社を上場企業といい、未公開株を公開することを上場する、と言いますが、上場するには経営規模や実績など、いろいろと厳しい条件があるので、一般に上場企業の方が規模も大きく立派な会社という印象を持たれます。だから「誰それさんの息子は上場企業に就職した」なんて噂話をするわけです。

最初は、株は配当金だけを期待して購入するものだったのですが、今では、株自体の値段の変化、つまり相場で儲けることを期待して買う場合の方が多くなっています。株の値段を株価といいますが、それで、投資家は血眼になって株価予測をしようとしているのです。

さて、株価はどのように決まるのでしょうか。

株価はどのように予測されるか

株価を予測するイメージ

公開株では

株主が証券会社を通じて、証券取引所へいくらで売りたい、という売り注文を出して、その株価で買いたいと買い注文を出している人が居れば、売買契約が成立します。
これを「約定」といい、直近の約定価格が、その時の株価となります。

株価予測をする要素の一つは、会社の業績です。利益が大きければ配当も多いですから、その会社の株は人気が出て株価が上がるわけ。定期的に公表される決算や、ヒット商品の有無などが判断材料になります。

もう一つ、株価予測に際して投資家が重要視するのがチャートです。

チャートというのは、株価の変化を示したグラフで、ローソク足とか箱ひげ図とか、多くの情報を詰め込んだものがありますが、素人が突然見ても何のことやらわかりません。最初は単純な折れ線グラフを見れば良いでしょう。チャートは、インターネットの株価情報を扱うサイトで無料で見ることができます。

一般に、下がっている株価は下がり続ける傾向があり、逆に上がっている株価は上がり続ける傾向があります。この上昇が下降に、下降が上昇に転ずるポイントを見極めようと、投資家たちは頭をひねるわけでしょう。そして、株価予測セミナーがあちこちで開かれたり、株価予測をする方法を解説した本が売られたりと、投資アドバイスをするサービスがあります。

残念ながら、株価予測の通りに株価が動くとは限りません。突発的な事故、事件、災害の影響も受けますし、国際情勢の変化にも反応します。リーマンショックは誰も予測できませんでした。

コマーシャルが話題になっただけで株価が上がったりしますし、根も葉もない噂が原因で株価が下がることもあります。不正に株価を操作しようとする不届き者も後を断ちません。甚だしい場合には、全く理由がわからないのに上がったり下がったりします。どうすれば良いのかわかりませんよね。

さて、機会学習を使えば株価予測ができるのでしょうか。

機械学習を使えば株価は予測できるか

機械学習を利用するイメージ

巨大なコンピュータに、あらゆるビッグデータを詰め込んで、どんな時にどんな会社の株価が上がり、どんな会社の株価が下がるのか、ディープラーニングで分析させれば、人間には理解できない、大量情報の大量関連付けで、精度の高い株価予測が実現する可能性はあります。

このような機械学習システムによる株価予測は、実現したとしても、大企業か、研究機関か、大金持ちのもので、一般の市民には手が届かないでしょう。

市井のプログラマたちが作っている株価予測の機械学習システムは、もっと小規模な、人間のやっていることを肩代わりさせ自動化させるもの。業績やチャートを入力すれば、自動的に株価予測が出て来るので、手間が省け、たくさんの株価予測をすることができます。作業効率は上がるでしょう。

機械学習と名乗る以上、学習もする仕組みもあって、株価予測の結果が当たったかはずれたかという答え合わせを繰り返す事で、精度を上げる試みもあります。いずれにしても災害などの不確定要素に対応はできないでしょう。

大方の予想通り、自作の機械学習システムを使って株価予測をして大金持ちになった、という報告は見当たりません。どうやら、機械学習に任せておけば自動的に大金持ちになる、というのは無理なようです。

機械学習を使った株価予測を利用するイメージ

機械学習を使っても、株価予測をするのは難しいと判りました。しかし、最終判断は自分でするとしても、株価を分析するためのツールとして機械学習を利用する、というやり方は見込みがありそうで、専門家はもちろん、市井のプログラマたちもさまざまな試行錯誤をしているところでしょう。

ところで、株価がどうなるのか、を考えるのではなく、どうするのか、を考えてみるのはどうでしょうか。つまり、変化を予測するのではなく期待して、応援したい会社や業種に投資するのです。みんなが応援すれば、株価は上がりますよね。投資によって世の中を変えようなどという大袈裟なことではなく、応援だと思えば、損をしてもあんまり腹が立ちませんから、精神衛生上も良いかも知れません。

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