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保育園にお助けロボット参上!園児を見守る「MEEBO」とは

育児のイメージ

近年、保育士が不足しているという問題を目にすることが多くなりましたよね。保育園に子供を預けたいけど入園定員数が満員で入れない「待機児童」など、困っている保護者の声もよく聞きます。

実際に2016年の流行語大賞にも、匿名ブログ記事の「保育園落ちた日本死ね!!」が選ばれたのも、保育士不足を印象付ける出来事でした。しかし、どうすれば保育士不足を解消して、保育園の経営が安定するか、保育園に入れない待機児童を減らせるかという議論が成されています。

そこで、保育士不足の解消につながるかもしれない一つの糸口が生まれました。それは、保育園にロボットを導入しようという試み。「保育園にロボットなんてどうやって使っていくんだ」と疑問視される方も多いかもしれません。

ましてや、保育園は、製造工場や簡単な軽作業をする業種とは全く違い、保育士と園児での人と人の信頼関係があってこそ成り立つものです。皆さんの中にもロボットと聞くと産業用の製造ロボットなどを想像される方もいるでしょう。ですが、今日紹介するMEEBOはソフトバンクが提供している、pepperくんのようなサービスロボットです。

これらの背景を踏まえて、今日は保育園で働く保育士不足の現状と、それを支えるお守りロボット「MEEBO」についてお伝えします。

保育園での人手不足の現状

保育のイメージ

まずは、保育の現状について見ていきましょう。

厚生労働省の発表では、2017年時点で全国で7.4万人の保育士が不足しており、9割の都道府県では保育園、幼稚園で人手が不足しています。
しかし、保育士資格を持っているのに違う職種を希望する人、重労働に耐えられず離職する人が多く、これは賃金に不満があるためと言われています。
また、労働時間が長くなり、業務内容が肥大化しているのも事実です。

そこで、先ほど紹介したお守りロボットMEEBOに注目が集まっています。

では早速、MEEBOがどのように保育園で活躍しているのか、保育士のサポートをしているかをお伝えしていきましょう。

世界初の見守りロボット、その名もMEEBO

meeboのサイトイメージ

MEEBOはユニファ株式会社が提供しており、同社の写真販売サービス「るくみー」とセットでレンタルされています。「るくみー」についてはまた後で説明しますので、まずはMEEBOについて。

MEEBOはサイズが約30cmで、重さが約1kgの丸みのある容姿をしており、ヴィストンのコミュニケーションロボット「Sota」がモデルになっています。そしてカメラやモノクロマイクとスピーカー、4つのLEDライトを搭載しているロボットです。保育園向けに1ヶ月9800円でレンタル可能。
ユニファ代表の土岐さんは、元々は家族をテーマにしたメディアを作りたいという思いを持っており、子育て世代や共働きの諸問題に直面し親子間のコミュニケーションが気薄になっていることに問題を感じ、MEEBOの開発に至りました。

ですからMEEBOにできることには土岐さんの思いがたくさん詰まっています。では次に、保育園で働くMEEBOのお仕事を具体的に伝えしていきましょう。

MEEBO

MEEBOが出来ること

幼児のイメージ

写真を撮って、るくみーにアップロードする

MEEBOに搭載されているカメラで、保育園内の園児の日常写真を撮影します。そして撮影したデータは、先にお伝えした、ユニファが提供している「るくみー」というサービス上のクラウドに自動アップロードされるのです。

MEEBOには顔認証機能が実装されているため、子供達の顔を探し「笑って笑って!」と笑顔を促して撮影します。

保護者の方はというと、自宅のPCやスマートフォンで我が子の写真だけを閲覧でき、そして購入することが可能。

保護者からすれば、普段保育園での我が子の自然な表情や雰囲気を写真に残すことができるので良い思い出になるのは間違いありませんよね。

このサービスは全国の1300の保育園で利用されています。

今までは、保育士が撮影した写真を印刷して園内に提示して保護者が我が子を探して購入するといった手間暇かかる発売方法でした。しかし、この方法なら保育園の手間も省け、さらに、この写真の売上の一部を保育園に還元する仕組みもあるので、保育園の負担軽減にもつながるのです。

このようにロボットが人間の作業を代わりに行うことで、保育園の負担が減り、保護者にも嬉しいという結果が出ています。

音楽を流してダンスやコミュニケーションができる

ところで、多くのロボットメーカーが、ロボットを道具として使おうと考えていますが、このMEEBOは子供達の友達という位置付けをしています。

保育園でよく見かける光景であるダンスやクイズ。これをMEEBOは子供達と一緒にすることが可能です。

今までは保育士と園児でしていたことにロボットが加わることで、新しい雰囲気が味わえますよね。そして、園児がダンスをしているところを間近で撮影できるので、先のサービスとの相性もバッチリです。

地震速報通知ができる

また、最近では自然災害の対応も当たり前ですよね。

MEEBOは地震速報メディアと連携しており「○秒後に地震がきます」といった風に、園児だけでなく保育士にもできるだけ早く情報を伝えることができます。

これは保育園としてもすぐに対処に移れますよね。

今後の進化も期待されている

そして、今後の課題としては日本に4万近くの保育園や幼稚園に対してどのようにアプローチしていくかが重要視されています。

未だ高度なコミュニケーションや読み聞かせは備えていませんが、今後実装予定です。

簡単なアルゴリズムではなく、複雑な会話ができるようになると、園児たちも長い間MEEBOを愛してくれるでしょう。園児の昼寝の見守り管理や昼食の献立を伝えてくれるようなサービスがあると、さらに嬉しいですよね。

 

幼児のイメージ

今回は、保育園のお助けロボット「MEEBO」についてお話しました。

MEEBOについてまとめてみると、

  • 保育士不足は全国的な問題になっている
  • MEEBOは保育士の仕事を減らすことができる
  • MEEBOは家族のコミュニケーションを助けるコンセプトで作られた
  • まだまだ新しい機能を実装予定、今後に期待できる

といったロボットです。

そしてこのMEEBOは「その日の出来事をその日のうちに子供と保護者が共有し、家族の会話が生まれるサービス」を目指して性能向上に向けて改良中です。

ここまでお伝えしてきた通り、製造ロボットだけでなく、サービスロボットの技術も日々進化しており、保育園にとどまらず幅広い領域で活用され始めています。

MEEBOのように道具ではなくコミュニケーションの相手や友達として作られているロボットも少しずつ開発され、保育士が事務作業等で手が離せないときに園児の見守り相手をすることで少しでも負担を減らすことができるのは素晴らしいですよね。

しかし、まだこういったサービスロボットの種類は少ないのが現状です。また、MEEBOは低コストで提供されていますが高価なロボットの方が多いです。

今回紹介したMEEBOのように、私たちの生活をロボットが助けてくれる日も遠くありません。ロボットは人の仕事を奪うのではないかと考えられがちですがロボットが、人間がする必要のない作業を代わりに行ってくれることで、本来優先すべき作業に時間を回すことができる、生活にゆとりが生まれます。

ですからぜひみなさんもこんなロボットがあればいいな、人々の生活がどう変わっていくかなと考えてみてください。

そして、今後このようなロボットが増えて、誰でも保育サービスが受けることができる世の中になると良いですよね。

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