教育

タブレットはもう当たり前、IoTで変わる教育の現状をご紹介

IoT教育のイメージ

少し前までの教育現場であれば、パソコンなどの端末はそれ専用の部屋に置いてあるのが普通でしたよね。しかし、現在ではタブレットが使われるようになったり、電子黒板が使われるようになったりとIoTで教育が変わってきています。

ただし、世界からみると日本の動きというのは遅れているもので、OECDの調査でもIoT教育については最下位。

そこで今回は、そのようなデータがある中で世界ではどのようなIoTを活用した教育があるのか。そして、世界と日本のIoT教育にどのような差があり、どのような取り組みがなされているのか、また日本で行われているIoTを活用した教育の現状をお話します。

世界でのIoTを活用した教育の現状とは

IoTで勉強する子供のイメージ

まず、世界でのIoTを活用した教育の現状を説明する前に、現在の日本がどの程度のIoTの教育水準であるのかを具体的に説明しましょう。

こちらに関しては「PISA2015」という、OECDが生徒の学習到達度がどれくらいなのかを調査したデータでみていくのが分かりやすいです。

これによると、日本は数学などでは上位を取っているようですが、以下の3点では底辺レベルの状態でした。

  • 学校で使っている機器
  • 学校での学習用途
  • 対ICT態度項目

ひどい場合には1項目でぶっちぎりの最下位を記録しているものがあり、よくても平均には達していないレベル。世界水準からみれば、いかに日本の教育現場でIoTが活用されていないのかがみて取れますよね。これが日本の現状なのです。

では、世界ではどのようなIoTを活用した教育が行われているのでしょうか。

ここからはイギリスを例にとってみていきます。

イギリスでのIoT教育は、micro:bitという小学校高学年向けのマイコンボードが約100万人に無償配布され、授業で使われています。なお、この取り組みはイギリスの放送局であるBBCが主体となって行っている模様。

ではこの授業は何を学ぶことができるのでしょう。まずは、micro:bitの機能についてみてみましょう。

  • 25個のLED
  • ボタンスイッチが2個
  • 加速度センサや磁力センサ
  • 無線通信機能
  • USBコネクタ

電源に関してはUSBからと取るか、もしくは電源用のコネクターに電池を2個つないで取っていく仕様。そしてこのmicro:bitをセッティングし、その後webブラウザ上でプログラミングをするのです。

具体的には、初めてプログラミングを学んでいく子供たち向けに、ドラッグ&ドロップをすることでプログラミングができるようになっています。

例えばLED上に言葉を表示させるのであれば動作を意味するボックスをドロップして配置。そして、中に文字列を表示するブロックを配置して、言葉を入力するだけで簡単に表示できます。

もちろん、正しく動作するのかもすぐに確認できるため、初歩のプログラミングを学ぶ上ではよい教材ですよね。

また、こちらは単に初歩的なプログラミングを学べるだけでなく、より上級のプログラミングもできます。

先ほどの、LED上に言葉を表示するプログラミングは、初歩を学ぶ子供たちはドラッグ&ドロップで言葉を表示しましたが、このプログラミングをJavaScriptでもプログラムすることができます。さらに、micro:bitではPythonエディターも用意されているため、子供たちのプログラミング能力の向上に応じてより知識を学ぶことも可能。

このように、段階的にプログラミング能力を養える仕組みができているのです。

なお、micro:bitはプログラミング能力を磨くだけでなく、無線通信機能などを組み合わせることで、新しいIoT機器を作ることもできます。つまり、ハードとソフトの両面を学ぶことができるということ。

このような多機能に学習できるIoT教育用の機材が無償配布されているというのは、イギリスが子供達のIoT教育にいかに力を入れているのがよくわかりますよね。

なお、このmicro:bitについては、日本でも入手できるので興味が沸いたらmicro:bitで学んでみましょう。

世界に追いつくためのIoTを活用した教育の現状とは

教室のイメージ

このようにイギリスのIoTを活用した教育をご紹介しましたが、日本のIoTを活用した教育も遅れているだけでは決してありません。すでに取り組みを行っています。

その音頭を取っているのは総務省で、IoTを活用した教育は以下のとおり。

  1. 既存の学校教育に民間教育を融合させたモデルを作っている
  2. IoT教育を行う教員が教えられるようにモデルを作っている
  3. IoTを活用した教育現場を作ろうとしている
  4. STEMやSTEAM教育に対応できるプログラムを考えている
  5. 産業界も巻き込んだIoT教育ができるようにしている
総務省としては現在主に行われている強化学習に占める時間と、世界の教育潮流の主流であるSTEMやSTEAM教育の時間の割合を逆転させようと取り組みを進めています。(なお、STEMやSTEAM教育とはScience(科学)、Technology(技術)、 Engineering(工学)、Art(美術)、Mathematics(数学)を統合的に学ぶこと。)

そのためにICT教育よりも広い範囲を扱い、IoTを活用するEdTech(EducationとTechnologyを組み合わせた教育)で現在の日本のIoTを活用した教育の水準を上げようとしています。

これに関しては1の「既存の学校教育に民間教育を融合させたモデルを作っている」にあるように民間教育を融合しているのは大きな特徴でしょう。

この民間教育とは、既存の学習塾やスポーツ教室などから、EdTechやプログラミング塾など新しく発展している教育サービスを含んだもの。

これによってよりスピーディな教育を行えるようにしており、これまでの日本において普通だった教科書で学ぶという光景を変えようとしています。

また、当然新しい教育を行っていくには現場の教育者がこれについていく必要もありますよね。そのため、2の「IoT教育を行う教員が教えられるようにモデルを作っている」であるように、教員にどのようにしてSTEMやSTEAM教育ができるのかを海外のSTEM教員養成プログラムをベースにするなどして開発しているのです。

さらに、5の「産業界も巻き込んだIoT教育ができるようにしている」にあるように、産業界もこれを後押しし人材や資金などを提供しています。

先ほどお伝えしたイギリスBBCの例をみればわかるように、産業界もこれを後押しすることでIoTを活用した教育のレベルは上げようと取り組むことは未来の人材育成としても大事なことです。

ですから、今後のIoTを活用した教育に転換し、IoT教育水準が上がっていくと良いですよね。

 

教室のイメージ

今回は、IoTで変わる教育の現状についてお話しました。お話したように、日本の教育ではまだまだIoTが普及していないのが現状です。また2020年から小学校ではプログラミング教育もはじまります。

しかし、それだけでは現状を変えるのは難しいかもしれません。教育は学校もそうですが、家庭とも協力していくことも大切なのです。

そのため、社会としてどうしていくべきなのかも考える必要があるでしょう。政府や民間だけでなく、子供たちの周りにいるすべての人が考えていかなくては、とてもIoT教育の今の現状からは脱却できません。

この問題はすぐに解決できるような問題ではないでしょう。しかし、真剣に取り組めば、20年や30年後には、優秀なエンジニアや世間をあっといわせるような人材がたくさん出てくるのではと期待できます。

ですから、わたしたち一人一人が、未来を豊かにするためにもIoTを活用した教育について考え、取り組みましょう。そして明るく豊かな未来がやってくると良いですよね。

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