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シンギュラリティはいつ起こる?AI(人工知能)と2045年問題をわかりやすく解説

シンギュラリティはいつ起こる?AI(人工知能)と2045年問題をわかりやすく解説

AI(人工知能)って、もうここまでできるの?と進化の速さには驚かされますよね。自動運転や無人AI(人工知能)店舗、雑談できるAI(人工知能)…このままいくとAI(人工知能)が人間を超えてしまう瞬間、つまり「シンギュラリティ」がいつ起こってもおかしくない!ともいわれています。

その「シンギュラリティ」と同じく、よく耳にする言葉が「2045年問題」でしょう。AI(人工知能)研究の第一人者であるレイ・カーツワイル博士によると、「2045年までにはシンギュラリティに到達するだろう」「2045年には人間の生活環境も大きく変わるだろう」と主張しています。

しかし、最近「シンギュラリティ」は2045年よりも、もっと早く訪れるかもしれない!という意見もあるんです。

それを聞くと「本当のところ、シンギュラリティはいつ起こるんだろう…」「私たちは将来、AI(人工知能)に乗っ取られてしまうの?」と不安にもなりますよね。

そこで、今回は「シンギュラリティ」はいつ起こるのか、そして「AI(人工知能)と2045年問題」についてもわかりやすく説明していきましょう。

まず「シンギュラリティ」とは、どんな意味なのかを説明していきましょう!

「シンギュラリティ」とはAI(人工知能)が人類の知能を超える転換点!

AIが人間を超えるイメージ
「シンギュラリティ」は、もともと「特異点(他と同じようなルールが適用できない点)」のことを指す用語で、古くから物理学や数学の世界に存在していました。

この「シンギュラリティ」という言葉を世界中に広めたのは、AI(人工知能)研究の権威であるレイ・カーツワイル博士です。
このままAI(人工知能)が進化しつづけると、ある時点で地球上の全人類の知性を超える転換点が訪れる!、そしてAI(人工知能)が人間に代わって知的な活動を行い、人間の生活にも大きな変化が起こる…これが「シンギュラリティ」の訪れだと提唱しているんです。

さて、これで「シンギュラリティ」の意味はわかってきましたよね。でも、どうして「シンギュラリティ」がこんなに注目されるようになったのか、次にその背景をみていきましょう。

第三次人工知能(AI)ブームがもたらした「シンギュラリティ」!

第三次AIブームのイメージ

AI(人工知能)の研究は古くから始められており歴史があるんです。コンピューターが登場した1950年代後半を第一次人工知能(AI)ブームと呼び、その後、家庭にコンピューターが普及し始めた1980年から90年代には第二次人工知能(AI)ブームが起こっていますが、残念ながらあまり注目されませんでした。
それが、2010年頃から「ディープラーニング」の発達により「自分で学ぶAI(人工知能)」が登場し、米グーグルの「アルファ碁」が世界トップクラスの囲碁棋士を破った時には注目されました。そして、医療、金融、情報通信など幅広くAI(人工知能)が活用され始め、第三次人工知能(AI)ブームとよばれるようになったんです。

考えてみると、今や生活の必需品となっているスマートフォンもこの10年ほどの間に普及しましたよね。たった10年で、スマートフォンさえ持っていれば、SNSを通して未知の人と関わったり、買い物はもちろん、電車にも乗れたりと何の不便も感じないほどになりました。

困った人

でもその反面、世の中のスピードについていくのがやっと…という方々も増えているでしょう。

今までのテクノロジーの進化が1→2→3→4…だとすると、これからは倍々の法則、すなわち1→2→4→8…のように加速度的に進化が上昇すると言われています。このままいくと、進化の方向は、右上がりどころかほぼ垂直に上を向いちゃうんじゃないかと予想されるようになりました。

そして、真上を向いた進化のスピードは、とうとう人間の脳を超えてしまう…その瞬間を「シンギュラリティ」の訪れと呼んでいるんです。

まさに、「ディープラーニング」の技術が第三次人工知能(AI)ブームを起こし、賢くなりすぎたAI(人工知能)の登場が、「シンギュラリティ」という概念を生み出したともいえるでしょう。

では、いよいよ本題!「シンギュラリティ」はいつ起こるのでしょう。

「シンギュラリティ」到来は2045年よりも早い?

シンギュラリティが早まるイメージ
先ほどから何度か触れましたが、レイ・カーツワイル博士は、少なくとも2045年までには、人間とAI(人工知能)の能力が逆転する「シンギュラリティ」に到達するだろうと述べています。そしてこの発言が、いわゆる「2045年問題」の発端となっているんです。

この「2045年問題」については、後ほど詳しく説明していきますが、実は「シンギュラリティ」が訪れる時期は、もっと早くなるんじゃないかという説があります。

現在のように、テクノロジーが倍々の法則で、加速度的に進化していくと2020年代にはコンピューターの集積度が人間の脳を超えることは、もう間違いないとも言われています。
また、カーツワイル博士はコンピューターと人間の知能を比較する「チューリングテスト」では2020年代の前半に、AI(人工知能)がこのテストに合格するんじゃないかと予測しています。
「チューリングテスト」とは人間とコンピューターそれぞれの対話を通じて、どちらが人間か見抜くテストのことを指しています。

何をもって「AI(人工知能)が人間を超えた」とするかわかりませんが、チェスや将棋など、特定の課題に限れば人間の能力を超えるAI(人工知能)も登場し始めているんです。

そしてついに「2029年にコンピューターは人間レベルの知性を獲得する」と、カーツワイル博士は驚くべき発言もしています。(2017年のインタビューによる)

実は、人間の大脳の計算能力はスーパーコンピューター京(ケイ)と同等といわれていますが、そのスーパーコンピューター京と同等のコンピューターが2029年には、たったの10万円で買える時代になると言っているんです。

それによって、人間の仕事のほとんどは機械に置き換えられて、働き方も大きく変わるだろうと予測されています。この先、5~10年の間にこんな「プレシンギュラリティ」のようなことが起こっても不思議ではありません。今まで、2045年ころにシンギュラリティが起こる!と身構えていた人たちもびっくり!

困った人

もしかしたら2029年かもしれないなんて!16年も早まるとは、焦ってしまいますね

このように、人間の脳を超える「シンギュラリティ」がいつかは必ず起こる、とされていますが、テクノロジーの進化が早すぎて、2045年よりもずっと早まる可能性も出てきました。「シンギュラリティ到来は○○年!」と、はっきり断言はできませんが、この10~20年のうちに、今まで人類が経験したことのないような、歴史的な変革が起こることは間違いないでしょう。

どんな未来が来るのかドキドキしてきますが、「シンギュラリティ」がいつかやってくることで、さまざまな問題も起こるともいわれています。では、気になる「2045年問題」についてもお話していきましょう!

「2045年問題」は未来を考える転機になる!

未来を考える転機のイメージ
ここまでお話してきたように、AI(人工知能)の進化のスピードは凄まじく、2045年には「究極のAI(人工知能)!」も誕生するんじゃないかと予想されています。

「究極のAI(人工知能)?」何だか、聞きなれない言葉ですが、AI(人工知能)が自らよりもさらに優秀なAI(人工知能)を作り出し、それがさらに優秀なAI(人工知能)を作り…そして、どんどん賢い「究極のAI(人工知能)」が作られていくんです。そのうち、人間の脳では予測できない未来になる!と懸念されているのが、いわゆる「2045年問題」です。
つまりAI(人工知能)がAI(人工知能)を生み出していくので、AI(人工知能)の開発が人類最後の発明になる、ともいわれています。

まるでSFの世界のような話ですが、実際、深層学習型人工知能研究チームグーグルBrainによる実験では、コンピューター800台を使いながらも、AI(人工知能)に画像認識プログラムを書かせることに成功しました。このAI(人工知能)が作ったプログラムは、人間と同等かそれ以上ともいわれ、今後大いに期待されています。

グーグルBrainが画像を認識する際に使っているシステムを分かりやすく視覚化したもの👇

Tour of an Activation Atlas
このような、疲れを知らず、賢くてどんな分野でも応用できるAI(人工知能)が登場したら、人間の仕事なんて簡単に奪われてしまう!と心配になりますよね。また、AI(人工知能)が知性を持つと、人間の制御を無視して、勝手に行動し人間を滅ぼしてしまう?なんて不気味なこともいわれています。

すでに多くの国でAI(人工知能)を軍事に活用し、自動で敵を攻撃するロボットや飛行機も開発中ですが、敵国の認識を間違えると、味方が攻撃され全滅するかもしれません。

困った人

もちろん、そんなことがないようにAI(人工知能)の機能を停止させる「非常停止ボタン」の開発は続いていますが心配です!

でも「シンギュラリティ」はいつ来るんだろう…とただ恐れるのではなく、この機会に人間としての「新しい生き方」を考えてみるのもいいでしょう。単純労働はAI(人工知能)に任せ、その代わり、不便さを解消して人に喜んでもらえるような新しい仕事を創造したり、自分なりの生きがいを探していくことも楽しいですよね。

いずれにせよ、「シンギュラリティ」がいつ来てもあわてないように、幅広い知識とこれだけはAI(人工知能)負けない!という専門性も身に付けていくと自信につながるでしょう。

シンギュラリティがいつおこるまとめのイメージ
さて、今回は「シンギュラリティ」はいつ起こるのか、そして「2045年問題」についてもお伝えしてきました。

2045年までに「シンギュラリティ」がやってくるだろう!と予想されていましたが、テクノロジーの進化が早く、2029年にはコンピューターは人間の脳のレベルと同等になる!とも言われ始めました。

そんなこんなで「シンギュラリティ」は2045年よりもずっと早く訪れる可能性も出てきたんです。私たちも、これから10~20年の間に過去に経験したことがないような、大きな社会の変化を目の当たりにすると思うと、ちょっとワクワクしてきますよね。

そしてAI(人工知能)が自らAI(人工知能)を作り出し、人類の予測をこえる未来になると心配される「2045年問題」ですが、悲観や楽観しすぎることなく、AI(人工知能)とうまく共存していくことが大切になります。

たとえば、人間にしかできない創造力や直感力を高めていったり、一方でAI(人工知能)の悪用を防ぐための、明確なルールづくりも早急に必要となるでしょう。

ここまで、「AI(人工知能)が人間を超える!」と簡単に表現してきましたが、実は何をもって人間を超えるのか、はっきりとした定義があるわけではないんです。人間の「知能」は目で見て理解し、耳で聞いて理解し、本を読んで理解し…と複雑で一言では言い表せません。ですからAI(人工知能)が何ができたら、人間の「知能」に追いついたかなどわかりませんよね。

そんなこともあり、そもそも「シンギュラリティ」なんて来ない!と主張する人もいます。それに「今回のAI(人工知能)ブームも一過性のもの」と冷めた意見もあるんです。

「シンギュラリティ」がいつ起こるのかについては、多くの論争がありますがこの記事を読んで興味が出てきたらいろんな角度から調べて、自分なりの答えを見つけていくのもおもしろいでしょう!

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